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第1章 進退窮まった人々
(19)想定外の事態
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「セレナ。もうじき、クライブ殿下がいらっしゃる時刻ね。この三ヶ月は、本当にあっという間だったわ……」
「ええ、お義母様。色々有り過ぎて、もう正直何が何やら……。この三ヶ月で、十年位経過した気分です」
とある日の昼下がり。レンフィス伯爵邸の応接間で、どこか気の抜けた表情で語り合っている母と異母姉を見たエリオットは、本気で声を荒げた。
「母様、姉様! 何を呑気な事を言っているんですか! しっかりしてください! 王太子位を返上して正式にバルド大公になられたクライブ殿下が、今日からこの屋敷にいらっしゃるんですよ?」
そう叱責されて我に返ったらしい二人は、真顔で相談を始める。
「え、ええ、そうね……。晩餐の準備は大丈夫かしら? どうしましょう……。予め殿下の好き嫌いを、お伺いしておくべきだったわ……」
「でも殿下だったら、ご自分からお知らせくださる気がしますから、そこら辺は大丈夫ではないかしら。それよりもお部屋が抜かりなく、整えてあるか心配になってきたわ」
「そうね。最終確認をしておかないと」
どこかずれた事を心配している二人を見て、エリオットは顔を紅潮させながら更に声を張り上げた。
「そうじゃないでしょう! 殿下は愛人同伴で、この屋敷に乗り込んで来るんですよ!? それが私を後見して貰う条件とはいえ、正妻の姉様が蔑ろにされるのは許せません! 押さえるところは、ビシッと押さえなければ駄目です! 何事も最初が肝心なのに、二人とも何を呑気な事を言っているんですか!?」
すっかり憤慨している彼の叫びを聞いて、室内の壁際に控えていた侍女や、廊下で室内の様子を窺っていた執事達は、主達に聞こえないように小声で言い合う。
「エリオット様、良くぞ言ってくれました!」
「本当に奥様もお嬢様も、人が良すぎるぞ」
「背に腹は代えられないとは言え、愛人同伴で結婚相手に乗り込まれるなんて」
「何ておかわいそうなお嬢様……」
快哉を叫ぶ者、憤慨する者、涙ぐむ者、使用人達は様々な反応を示したが、当の本人達の反応は、実にあっさりしたものだった。
「エリオット。そうは言っても、これからお世話になる方ですし」
「寧ろ、相手の方を連れてきてくださるから、私は気が楽だもの」
「……分かりました。もう良いです」
母からは困惑気味に、姉からは平然と言い返され、彼はそれ以上意見する事を諦めた。
(駄目だ……。母様は元々、悪女顔に似合わない底抜けのお人好しだし、姉様は敵意と下心が無い人間限定で、妙に警戒心を抱かないタイプだし。兄様は仕事でまだ王宮から戻らないし、僕がしっかりしないと)
エリオットがそんな悲壮な覚悟をしながら応接室で待機していると、時計で時刻を確認したセレナが腰を上げた。
「そろそろご到着の予定時刻ね」
「それでは皆揃って、玄関でお出迎えしましょう」
「そうですね」
(エリオットが言っていたように、今日殿下付きの侍女も同伴してくる事になっているけど、一体どんな方かしら?)
敵愾心を必死に抑えているのはエリオットのみで、フィーネとセレナの顔は好奇心に満ち溢れていたが、それも長くは続かなかった。予定時刻とほぼ同時に屋敷の門をくぐって来た王家の紋章付きの馬車が、仰々しい護衛を引き連れていたものの、一台のみだった為である。
それを見て取ったセレナ達は、怪訝な顔を見合わせて囁き合った。
「あら? 馬車は一台だけ? それなら先に、殿下だけいらしたのかしら?」
「さあ……、侍女の方も、同じ馬車に乗って来たのではないかしら?」
「でも同伴してくるのは、表に出せない恋人なのでしょう? 王宮から同乗させるなんて、そんな真似ができるのかしら」
「そうですよね……」
屋敷内の者達が首を傾げる中、玄関正面に静かに停まった馬車の扉を御者が開くと、まずクライブが馬車を降り、車内に向かって手を差し伸べながら声をかけた。
「ゼナ、足元に気を付けて」
「ありがとうございます、クライブ様」
その声を聞いた屋敷の者達は、やはり彼の恋人が同乗していたのかと緊張したが、続けて降りて来た女性を見て、全員の目が点になった。
(あら? どうして随分お年を召した方が、殿下と同乗しているの?)
(殿下付きの侍女の、恋人の方は?)
密かにセレナを筆頭にレンフィス伯爵邸の者達が動揺していると、クライブは彼女達に向き直って微笑みかけながら頭を下げた。
「皆様、お出迎えありがとうございます。本日から当面、こちらの屋敷でお世話になります。セレナ、バルド大公邸は、何年かのうちに新築する予定ですので、許して下さい」
「それは構いません。住み慣れた屋敷に住み続けられますので、私には支障はありませんから」
「それは良かった」
「ところで、クライブ殿下。そちらの方は……」
かなり恐縮気味にフィーネが会話に割り込みつつ、説明を求めると、クライブは笑顔で背後に佇んでいる老女を紹介した。
「ああ、紹介するのを忘れていました。私が生まれた時から世話をしてくれている、侍女のゼナです。まだまだ元気ではあるのですが、『そろそろ堅苦しい後宮勤めから退きたい』と相談されたので、今回一緒にこちらに連れてくる事にしました」
「まあ……、そうでしたの……」
これは一体どういう事かと、フィーネは内心で狼狽しながらも何とか笑顔で応じたが、他の者達も似たり寄ったりの心境だった。しかし自分がクライブの秘密の愛人だと思われていたなど、夢にも思っていないゼナは、穏やかな笑みを浮かべながらフィーネ達に頭を下げる。
「レンフィス伯爵家の皆様、初めてお目にかかります。ゼナ・シュレイバーと申します。何卒、宜しくお願いします」
「い、いいえ、こちらこそ」
「ようこそ、ゼナ様。歓迎しますわ」
「まあ、奥様。私の事は、ゼナと呼び捨てていただいて結構ですから」
「……そうですか」
セレナも何とか動揺を隠しながら応じたが、エリオットはあまりの事態に頭が真っ白になった。
(本当にこの人が、殿下が連れて来るって言っていた侍女!? それなら愛人のわけが無いじゃないか! 一体、どういう事なんだ!?)
しかしさすがに年も苦労も重ねているフィーネは子供達より立ち直りが早く、笑顔でクライブ達を屋敷の中へと促した。
「それでは取り敢えず、中にお入り下さい。予め王宮から届けられた荷物は、全て部屋に運び込んでおきましたが、収納場所などは色々お考えがあるかと思いましたから、中身にはまだ手を付けておりませんの。指示していただければ、我が家の侍女達に片付けさせますから」
それを聞いたゼナは、外見には似合わない生気みなぎる笑顔で頷いた。
「お気遣い、ありがとうございます。ですがクライブ様のお荷物位、私一人で片付けられますので。早速取りかかって、お夕飯が済むまでにきっちり収納してしまいましょう。お部屋はどちらになりますか?」
「クレア。彼女を案内しながら、お手伝いして差し上げて。人手がまだ必要なら、手すきの者に声をかけて頂戴」
「畏まりました。それではゼナさん、こちらになります」
「ありがとうございます」
フィーネに指名された侍女が、すかさずそれに応じてゼナを案内する。それに伴い、使用人達も一礼して本来の持ち場に戻って行き、フィーネは改めてクライブに提案した。
「それではクライブ様。侍女達の作業の邪魔をするのも悪いので、取り敢えず私達と、応接室でお茶にいたしませんか?」
「そうですね。頂きましょう」
即座に頷いたクライブは、フィーネの先導で玄関ホールから続く廊下を歩き始めたが、すぐにセレナに顔を向けて話しかけてきた。
「セレナ。夕食の後で、ご家族全員に時間を取って貰う事は可能でしょうか? 今後の事について、重大な話がありますから」
前置き無しの話にセレナは面食らったが、取り敢えず頷いてみせた。
「全員特に予定は無いので、それは構いませんが……」
「それからあなたのご家族に加えて、この屋敷内であなた達が信用している、口が堅い使用人数名にも、聞いて貰いたい話なのですが」
「信用できる口が堅い人間、ですか?」
「はい」
ここでセレナは、はっきりと困惑した顔になったものの、フィーネに目線で尋ねてから落ち着き払って了承の返事をした。
「分かりました。それでは夕食後に該当者全員で、クライブ様の話をお伺いします」
「お願いします」
そんな事を和やかに話しながら応接室に向かったクライブとセレナだったが、数歩後ろを歩いているエリオットは、気が気では無かった。
(一体どういう事なんだ? クライブ殿下が愛人同伴では無いのなら、姉様にちょっかいを出される可能性が出てくるじゃないか! 冗談じゃないぞ!)
エリオットは内心で激しく狼狽しつつも、それを全く面には出さず、注意深くクライブを観察し続けていた。
「ええ、お義母様。色々有り過ぎて、もう正直何が何やら……。この三ヶ月で、十年位経過した気分です」
とある日の昼下がり。レンフィス伯爵邸の応接間で、どこか気の抜けた表情で語り合っている母と異母姉を見たエリオットは、本気で声を荒げた。
「母様、姉様! 何を呑気な事を言っているんですか! しっかりしてください! 王太子位を返上して正式にバルド大公になられたクライブ殿下が、今日からこの屋敷にいらっしゃるんですよ?」
そう叱責されて我に返ったらしい二人は、真顔で相談を始める。
「え、ええ、そうね……。晩餐の準備は大丈夫かしら? どうしましょう……。予め殿下の好き嫌いを、お伺いしておくべきだったわ……」
「でも殿下だったら、ご自分からお知らせくださる気がしますから、そこら辺は大丈夫ではないかしら。それよりもお部屋が抜かりなく、整えてあるか心配になってきたわ」
「そうね。最終確認をしておかないと」
どこかずれた事を心配している二人を見て、エリオットは顔を紅潮させながら更に声を張り上げた。
「そうじゃないでしょう! 殿下は愛人同伴で、この屋敷に乗り込んで来るんですよ!? それが私を後見して貰う条件とはいえ、正妻の姉様が蔑ろにされるのは許せません! 押さえるところは、ビシッと押さえなければ駄目です! 何事も最初が肝心なのに、二人とも何を呑気な事を言っているんですか!?」
すっかり憤慨している彼の叫びを聞いて、室内の壁際に控えていた侍女や、廊下で室内の様子を窺っていた執事達は、主達に聞こえないように小声で言い合う。
「エリオット様、良くぞ言ってくれました!」
「本当に奥様もお嬢様も、人が良すぎるぞ」
「背に腹は代えられないとは言え、愛人同伴で結婚相手に乗り込まれるなんて」
「何ておかわいそうなお嬢様……」
快哉を叫ぶ者、憤慨する者、涙ぐむ者、使用人達は様々な反応を示したが、当の本人達の反応は、実にあっさりしたものだった。
「エリオット。そうは言っても、これからお世話になる方ですし」
「寧ろ、相手の方を連れてきてくださるから、私は気が楽だもの」
「……分かりました。もう良いです」
母からは困惑気味に、姉からは平然と言い返され、彼はそれ以上意見する事を諦めた。
(駄目だ……。母様は元々、悪女顔に似合わない底抜けのお人好しだし、姉様は敵意と下心が無い人間限定で、妙に警戒心を抱かないタイプだし。兄様は仕事でまだ王宮から戻らないし、僕がしっかりしないと)
エリオットがそんな悲壮な覚悟をしながら応接室で待機していると、時計で時刻を確認したセレナが腰を上げた。
「そろそろご到着の予定時刻ね」
「それでは皆揃って、玄関でお出迎えしましょう」
「そうですね」
(エリオットが言っていたように、今日殿下付きの侍女も同伴してくる事になっているけど、一体どんな方かしら?)
敵愾心を必死に抑えているのはエリオットのみで、フィーネとセレナの顔は好奇心に満ち溢れていたが、それも長くは続かなかった。予定時刻とほぼ同時に屋敷の門をくぐって来た王家の紋章付きの馬車が、仰々しい護衛を引き連れていたものの、一台のみだった為である。
それを見て取ったセレナ達は、怪訝な顔を見合わせて囁き合った。
「あら? 馬車は一台だけ? それなら先に、殿下だけいらしたのかしら?」
「さあ……、侍女の方も、同じ馬車に乗って来たのではないかしら?」
「でも同伴してくるのは、表に出せない恋人なのでしょう? 王宮から同乗させるなんて、そんな真似ができるのかしら」
「そうですよね……」
屋敷内の者達が首を傾げる中、玄関正面に静かに停まった馬車の扉を御者が開くと、まずクライブが馬車を降り、車内に向かって手を差し伸べながら声をかけた。
「ゼナ、足元に気を付けて」
「ありがとうございます、クライブ様」
その声を聞いた屋敷の者達は、やはり彼の恋人が同乗していたのかと緊張したが、続けて降りて来た女性を見て、全員の目が点になった。
(あら? どうして随分お年を召した方が、殿下と同乗しているの?)
(殿下付きの侍女の、恋人の方は?)
密かにセレナを筆頭にレンフィス伯爵邸の者達が動揺していると、クライブは彼女達に向き直って微笑みかけながら頭を下げた。
「皆様、お出迎えありがとうございます。本日から当面、こちらの屋敷でお世話になります。セレナ、バルド大公邸は、何年かのうちに新築する予定ですので、許して下さい」
「それは構いません。住み慣れた屋敷に住み続けられますので、私には支障はありませんから」
「それは良かった」
「ところで、クライブ殿下。そちらの方は……」
かなり恐縮気味にフィーネが会話に割り込みつつ、説明を求めると、クライブは笑顔で背後に佇んでいる老女を紹介した。
「ああ、紹介するのを忘れていました。私が生まれた時から世話をしてくれている、侍女のゼナです。まだまだ元気ではあるのですが、『そろそろ堅苦しい後宮勤めから退きたい』と相談されたので、今回一緒にこちらに連れてくる事にしました」
「まあ……、そうでしたの……」
これは一体どういう事かと、フィーネは内心で狼狽しながらも何とか笑顔で応じたが、他の者達も似たり寄ったりの心境だった。しかし自分がクライブの秘密の愛人だと思われていたなど、夢にも思っていないゼナは、穏やかな笑みを浮かべながらフィーネ達に頭を下げる。
「レンフィス伯爵家の皆様、初めてお目にかかります。ゼナ・シュレイバーと申します。何卒、宜しくお願いします」
「い、いいえ、こちらこそ」
「ようこそ、ゼナ様。歓迎しますわ」
「まあ、奥様。私の事は、ゼナと呼び捨てていただいて結構ですから」
「……そうですか」
セレナも何とか動揺を隠しながら応じたが、エリオットはあまりの事態に頭が真っ白になった。
(本当にこの人が、殿下が連れて来るって言っていた侍女!? それなら愛人のわけが無いじゃないか! 一体、どういう事なんだ!?)
しかしさすがに年も苦労も重ねているフィーネは子供達より立ち直りが早く、笑顔でクライブ達を屋敷の中へと促した。
「それでは取り敢えず、中にお入り下さい。予め王宮から届けられた荷物は、全て部屋に運び込んでおきましたが、収納場所などは色々お考えがあるかと思いましたから、中身にはまだ手を付けておりませんの。指示していただければ、我が家の侍女達に片付けさせますから」
それを聞いたゼナは、外見には似合わない生気みなぎる笑顔で頷いた。
「お気遣い、ありがとうございます。ですがクライブ様のお荷物位、私一人で片付けられますので。早速取りかかって、お夕飯が済むまでにきっちり収納してしまいましょう。お部屋はどちらになりますか?」
「クレア。彼女を案内しながら、お手伝いして差し上げて。人手がまだ必要なら、手すきの者に声をかけて頂戴」
「畏まりました。それではゼナさん、こちらになります」
「ありがとうございます」
フィーネに指名された侍女が、すかさずそれに応じてゼナを案内する。それに伴い、使用人達も一礼して本来の持ち場に戻って行き、フィーネは改めてクライブに提案した。
「それではクライブ様。侍女達の作業の邪魔をするのも悪いので、取り敢えず私達と、応接室でお茶にいたしませんか?」
「そうですね。頂きましょう」
即座に頷いたクライブは、フィーネの先導で玄関ホールから続く廊下を歩き始めたが、すぐにセレナに顔を向けて話しかけてきた。
「セレナ。夕食の後で、ご家族全員に時間を取って貰う事は可能でしょうか? 今後の事について、重大な話がありますから」
前置き無しの話にセレナは面食らったが、取り敢えず頷いてみせた。
「全員特に予定は無いので、それは構いませんが……」
「それからあなたのご家族に加えて、この屋敷内であなた達が信用している、口が堅い使用人数名にも、聞いて貰いたい話なのですが」
「信用できる口が堅い人間、ですか?」
「はい」
ここでセレナは、はっきりと困惑した顔になったものの、フィーネに目線で尋ねてから落ち着き払って了承の返事をした。
「分かりました。それでは夕食後に該当者全員で、クライブ様の話をお伺いします」
「お願いします」
そんな事を和やかに話しながら応接室に向かったクライブとセレナだったが、数歩後ろを歩いているエリオットは、気が気では無かった。
(一体どういう事なんだ? クライブ殿下が愛人同伴では無いのなら、姉様にちょっかいを出される可能性が出てくるじゃないか! 冗談じゃないぞ!)
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