子兎とシープドッグ

篠原皐月

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本編

第19話 報復措置

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 週が明けて月曜日の朝にも係わらず、最寄駅から職場へと向かう道すがら、祐司はどこか暗い表情で重い溜め息を吐いた。

(先週まではまともに話ができなくても、取り敢えず電話には出てくれていたし、メールにも返事は有ったんだがな……。どうして急に応答が無くなったんだ?)
 土曜から急に応答が無くなった綾乃について考えていた祐司は、頭の中を疑問符で一杯にしながら惰性的に歩いていたが、ここである一つの可能性に思い至った。

(まさかとは思うが、携帯電話を無くしたとか? ……そう言えば、固定電話の方の番号は聞いて無かったな)
 しかしすぐに不愉快な現実を思い出し、無意識に渋面になる。

(もしかしたら、弘樹か幸恵だったら彼女から聞いて知っているかもしれないが……。聞いたりしたら絶対笑われるか、からかわれそうでムカつく)
 そんな事を悶々と考えながら鞄片手に歩いていた祐司だったが、交差点で赤信号の為立ち止り、車道側に佇んで信号が変わるのを待っているうちに、次第に気持ちが落ち着いてきた。

(背に腹は代えられんか。今日、出勤時や休憩時間に彼女を捕まえられなかった時には、諦めてあいつらに連絡先を聞こう)
 そんな風に覚悟を決めて顔を上げた瞬間、自身の右側から予想外の衝撃が祐司を襲った。

「…………え?」
「きゃあっ!!」
「うわっ! 何だ!?」
  至近距離で複数の人間の悲鳴と狼狽の声が上がる中、祐司は自分の身に何が生じたのかを咄嗟に判断できず、少しの間茫然として、その場に立ち尽くしていた。

 同じ頃、星光文具本社ビル一階ロビーに吸い込まれていく社員の中に、見慣れた人影を認めた幸恵は、足早に彼女に近付いて声をかけた。
「おはよう、君島さん」
「あ……、おはようございます、幸恵さん」
 些か慌て気味に振り向いて頭を下げてきた綾乃だが、どことなく意気消沈した風情が気になった幸恵は、思わず心配になって問いかけた。

「どうしたの? 何か元気ないけど」
「いえ、大した事では……」
「そう? ところで、土曜日の首尾はどうだった?」
 盛大に照れるかとちょっと意地悪く思いながら質問した幸恵だったが、綾乃の反応は予想外だった。

「あの……、どうかした?」
 何故か黙って項垂れてしまった綾乃を見て、(祐司の奴、まさか早速がっついたんじゃないでしょうね!?)と、幸恵は自分が狼の巣穴に兎を送り出した張本人である事を棚に上げ、密かに心の中で憤ったが、そんな彼女の目の前で綾乃は如何にも申し訳なさそうに、ゆっくりと顔を上げながら言い出した。

「その……、実は、幸恵さんに色々ご指示して貰っていたのに誠に申し訳無いんですが……、体調を崩しまして行けずじまいで……」
「え? そうだったの?」
 拍子抜けした表情で目を瞬かせた幸恵に、綾乃が謝罪を続ける。
「はい。土日中にその連絡もしないで、誠に申し訳無く」
「それは良いから。それなら日曜も休んでたのよね? 出勤して大丈夫なの?」
「はい、平気です」
 綾乃の謝罪を遮って体調を尋ねてきた幸恵は、綾乃が真顔で頷いたのを見て明るく笑い、綾乃を促しつつ再びロビーの奥に向かって歩き出した。

「それなら良いのよ。祐司へのあれこれなんて、やろうと思えばいつでも出来るんだから気にしないの。また適当な方法を考えてあげるしね。仕事は大丈夫そうだけど、今日は無理しないでおきなさい。ほら、行くわよ?」
「はい、……ありがとうございます」
(うっ、幸恵さん、やっぱり優しくて良い人。私、こんなに意気地無しなのに、やっぱり違う。きっとこういう人の方が、高木さんにお似合いなんだわ。と言うか、実際に付き合ってたし……)
 そんな事を考えながら歩いているうちに、じんわりと涙が浮かんできてしまった綾乃は、エレベーターの手前でいきなり立ち止った。

「幸恵さんっ!」
「何? って、いきなりどうしたのよ!?」
 いきなり声をかけられたのにも驚いたが、その相手が何故か横を歩いているうちに泣き顔になっていた為に、幸恵は思わず一歩後ずさった。すると綾乃がボロボロ泣きながらも幸恵が鞄を持っていない方の右手を両手でしっかりと握り締め、声高に断言してくる。

「幸恵さんは、今日も凄くお綺麗です!!」
「……ありがとう」
 このシチュエーションでどう返せば良いのか、咄嗟に判断に迷った幸恵だったが、取り敢えず礼を述べた。すると綾乃が更に賛辞を口にする。

「加えて、しょぼい後輩への心配りもできる上、仕事上のスキルもバッチリな、文句なしの大人の女性です!!」
「……それで?」
 この騒ぎで、何事かと集まって来た周囲の視線を痛いほど感じながらも、綾乃を怒鳴りつける事は諦めて大人しく聞き役に徹する事にした幸恵に、ここでいきなり両手を離した綾乃が、泣き叫びながら抱き付いた。

「わっ、私っ! そんな幸恵さんの事が、益々大好きなんですぅぅ――っ!!」
「ちょっと待って、少し落ち着きましょう。ねっ!?」
 慌てて自分から綾乃を引き剥がそうとした幸恵だったが、すぐに彼女は身体を離し、力強く叫んだかと思うと通路の奥に向かって勢い良く駆け出した。

「そんな幸恵さんに負けないように、私もお仕事頑張ります! 幸恵さんも頑張って下さいね――っ!!」
「だから、ちょっと待ちなさい!! 一体、何だって言うのよ!!」
 いつぞやの自分のように、綾乃がエレベーターの前を通り過ぎ、奥の階段を駆け上がって行くのを、幸恵は呆然と見送った。

「どうしてあの子が泣き叫んで、階段をダッシュして行く事になるわけ?」
 そんな事を我知らず呟いていると、ここで素っ頓狂な男の叫び声がホール内に轟いた。

「うわっ!? 祐司、お前その格好、一体どうした?」
 聞きなれたその声に、幸恵が慌てて声がした方向に顔を向けると、予想に違わず直属の上司と、元カレの姿を認めて軽く目を見張った。
「俺にも分からん……」
「『分からん』って、お前。どうしてそんな事になるんだ? 暗闇で襲われたわけじゃないだろう?」
「このビルに来る一つ手前の交差点で、軽トラックに水をかけられた」
 呆れ顔の弘樹と困惑顔で会話している祐司の元に、幸恵は小走りに走り寄った。

「何、その濡れ鼠状態!? 今トラックに水をかけられたって言ってたけど、昨日から雨なんか降って無いし、どこにも水溜まりなんか無いわよ?」
「荒川の言う通りだ。例え水溜まりがタイヤで盛大に跳ね上げられても、そこまでずぶ濡れにはならないと思うが?」
 身体の右半分がしっとりと濡れているのが分かる祐司を眺めながら、二人が疑問を呈すると、祐司が益々困惑顔で説明を続けた。

「だから、軽トラックが水しぶきを上げたわけじゃなくて、軽トラックが交差点で信号待ちをしていた俺の横を通り抜けた時に、荷台に乗っていた人間からバケツで水をかけられた、らしい……」
 何故か自信無さげに、尻つぼみに言われた内容に、二人は今度は怪訝な表情を見せた。

「はぁ?」
「何、その如何にも自信無さげな言い方」
「気が付いたらこの有り様だったんだから仕方ないだろ。周りの人間が自分でも半信半疑の様子で、そう言ってたんだ」
 眉間に皺を寄せつつ祐司が弁解したが、ここで仔細云々を言い合っていても意味がない事に気付いた弘樹が、早速行動に移った。

「今から近くのコンビニに行って何枚かタオルを買って、お前の席に持って行ってやる。お前は取り敢えず自分の席に行って、上着を脱いでろ」
「すまん。ハンカチはもう顔を拭くのに使って、濡れてしまっているからな。助かる」
「じゃあ取り敢えず、私のハンカチも使って。あとロッカーに置いてある小型のドライヤーを、一度戻って持って行ってあげるわ」
「サンキュ、頼む」
 そうして三人はバラバラな方向に移動し始めた、幸恵は先程の綾乃の意味不明な行動と相まって(一体、今週は朝から何なの?)と本気で首を捻った。しかし祐司の周辺での不可解な出来事はこれで終わりでは無く、寧ろ始まりだった。

 祐司の周辺で、非常識な出来事が立て続けに発生していた週の水曜日。
綾乃は眞紀子の自宅マンションに仕事帰りに立ち寄り、相談を持ちかけていた。

「それで? 綾乃ちゃんは例の高木さんが、あなたが返事を渋っている間に他の女性に乗り換え、かつ、綾乃ちゃんに気を使ってそれを言い出せなくて困っているだろうから、自分から改めてお断りしようと思っているんだけど、交際を申し込まれた事もお断りした事も無いために何をどうすれば分からなくなって、混乱しまくって私に相談しにきたわけだ」
「すみません、眞紀子さん……。お仕事も忙しそうなのに、こんなプライベートな事で……」
 一緒に夕食を済ませ、込み入った話ができるようにと自宅に連れて来た綾乃の顔をじっくりと眺めてから、眞紀子はお茶を啜った。そしてこれまで聞いた話を頭の中で纏めて、困惑しきった声を出す。

「うん、それはまあ、良いのよ? 今日は早番だったし。急患があったら呼び出しがかかるかもしれないけどね。ただ……」
「何ですか?」
 要領を得ないといった顔付きで小首を傾げた眞紀子は、慎重に綾乃に確認を入れた。

「綾乃ちゃんの話を疑うわけじゃ無いけど、今聞いた話は本当なの? あの高木さんって人、確かに最初の携帯電話の事から考えると、確かに感情的になる事はあると思うけど、あの遠藤って奴みたいに軽いタイプじゃ無いと思うのよね。綾乃ちゃんにお詫びに食べさせたお好み焼きだって、相当練習したみたいだし」
「うっ……、そ、それはそうかもしれませんが……。生真面目な性格だから尚の事、他の女性とお付き合いを始めましたって、私に言いづらくなっているのかもしれないです……」
「それはまあ、一理あるかもねぇ……」
「そうですよね!?」
 生返事をした眞紀子に綾乃が力強く頷いたが、ここで何を思ったか眞紀子は自身の携帯電話を取り出して何やら操作しつつ、綾乃に声をかけた。

「綾乃ちゃん。因みに、土曜日に高木さんと一緒にマンションに消えて行った女性の容姿って、どんな感じか教えてくれる?」
 別な何かをしながら人の話を聞くなど、何事にもきちんとしている眞紀子には珍しいと思ったものの、綾乃は(やっぱり何か用事がある、忙しい時に押しかけちゃったのかな?)と恐縮しつつ、土曜日に見た光景を思い出しながら答えた。

「どんな感じと言われても……、美人でしたよ? これぞ大人の女性って感じで」
 その綾乃の素朴な感想を聞いた眞紀子は、何故か額を押さえた。

「『美人』な『大人の女性』ねぇ……。じゃあ聞き方を変えるわ。その彼女って、大体何歳位に見えた?」
「えっと……、三十代前半でしょうか? 半ば位かもしれませんが、二十代や四十代じゃ無いと思います」
「まあ、そんなところよね。身長は分かる?」
「遠目でしたけど、百八十弱って言ってた高木さんの、顔の半分位まではありましたから、百六十センチ台後半ですか? スラッとして、スタイルは良かったように見えました」
「髪型と髪の色は分かるわよね?」
「明るい栗色で、緩くウェーブがかかった肩甲骨位までの髪を、後ろで一つに束ねていました」
「そうでしょうね。食材を抱えて入って行ったなら、それからすぐお料理に取りかかったでしょうし」
 考え考え口にした内容について、眞紀子がディスプレイを見下ろしながら納得したように頷いたのを見て、ここで綾乃が不思議そうに尋ねた。

「眞紀子さん。それがどうかしたんですか?」
 その問いかけに、眞紀子はどこか疲れた様に綾乃に画面を見せた。
「綾乃ちゃんが見たその女性って……、ひょっとしてこの人じゃない?」
 そのディスプレイに映し出されていた女性を見て、思わず綾乃が上げる。

「え? ああぁっ!? はい、この人です! 眞紀子さん、お知り合いだったんですか?」
「直接の知り合いじゃないけど……、ここのブログのタイトルを見て頂戴」
 驚いた表情で問われた眞紀子は、そのトップ画面を表示させた。それを綾乃が横から覗き込む。

「え? これってブログに掲載されている写真だったんですか? えっと……、《宇田川貴子の美味しい生活》ですね。この人、宇田川貴子さんってお名前なんですか。それがどうかしましたか?」
 きょとんとしながらまだ事情が呑み込めていない綾乃に、眞紀子は自身の忍耐力をフル稼働させながら説明を続けた。

「あのね……、私が綾乃ちゃんに付き添って、お好み焼き屋に行った時の会話を覚えてる?」
「あの……、どんな会話だったでしょうか?」
 どんな内容を指しているのか咄嗟に判断できなかった綾乃が困惑して尋ね返すと、眞紀子が淡々と指摘した。

「『弟が失礼したって電話で謝った女性が高木と名乗らなかったけど、どうして姉弟で名字が違うのか』って話したわよね?」
「ああ、はい。言ってましたね。それで注文を待っている間に高木さんにその事を質問したら、お母さんがお姉さんを産んだ後に離婚して、婚家にお姉さんを残した後、お母さんが再婚して産まれたのが自分だから、お姉さんと苗字が違うんだって説明を……」
(あれ? ちょっと待って。それでお姉さんの苗字、何だって言ってたんだっけ? ううん、苗字どころか……、そう言えば確か、最初に電話で、「宇田川貴子」って名乗ってた!!)
 そこで自分の顔から血の気が引くのを自覚しつつ、頭の片隅に引っかかった内容を綾乃が口にする前に、眞紀子が容赦なくそれを指摘した。

「その時、お姉さんの苗字、確か『宇田川』って言ってたわよね。それで高木さんにお好み焼きをご馳走になった時、料理研究家のお姉さんにお好み焼きの焼き方をレクチャーして貰ったって言ってたし。多分この料理研究家の宇田川貴子さんって、高木さんのお姉さんで間違いないわ。時々一人暮らしの弟が心配で、食事を作りに来てあげてるんじゃない? 姉弟仲は良い方だって、あの時に言ってたし」
「…………」
 その指摘に、綾乃はディスプレイを見下ろしながら、無言で固まった。そのまま数十秒経過してから、眞紀子が綾乃の目の前で、軽く手を振りながら声をかける。

「お~い、綾乃ちゃ~ん。戻って来なさ~い」
「眞紀子さん……」
「うん、何?」
「私、とんでもない誤解をしてました?」
 ゆっくりと顔を上げ、恐る恐るお伺いを立ててきた綾乃を見て、当初笑い飛ばしたかった眞紀子だったが、幾分気の毒になって曖昧に言葉を濁した。

「……まあ、滅多に無いかもしれないけど、有り得ないという程では無いわよね」
「どうしましょう?」
「何が?」
「携帯電話の高木さんの番号とメルアド、土曜日から着信拒否のままなんです」
 続けて途方に暮れた表情で綾乃が打ち明けてきた内容に、流石の眞紀子も顔を引き攣らせた。

「綾乃ちゃん? 今すぐ解除して、高木さんに謝りましょうね?」
「あ、あのっ!? でも今更、どんな顔で連絡すれば良いんですか!?」
「電話でもメールでも、直に顔は合わせないから、どんな顔をしていても構わないわよ」
 眞紀子は至極真っ当なアドバイスをしたが、それが契機になったらしく、綾乃は狼狽の極みに達した。

「駄目です無理です! 色々申し訳ないし情け無いし馬鹿馬鹿し過ぎて、今度という今度は、自分自身に愛想が尽きましたぁぁっ!!」
「自分への愛想なんて幾らでも尽かして良いから、さっさと電話しなさい!! 絶対高木さん、精神的ダメージを受けてるわよ!?」
 本格的に頭痛を覚え始めた眞紀子が綾乃を本気で叱り付けたが、綾乃の動揺は少ししても一向に収まらず、眞紀子は「仕方ないわね」と愚痴りつつ、とある電話番号を選択して、電話をかけ始めた。
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