9 / 85
第8話 兄と妹
しおりを挟む
清人がブリーフケース片手にシティホテルのフロント前を通り過ぎ、約束の時間一分前に外から明るい光が差し込んでいるガラス張りのティーラウンジに姿を見せると、入り口の方に体を向けて座っていた待ち合わせの相手はすぐに気付いたらしく、軽く片手を上げた。
それを認めた清人はそのスーツ姿の女性に向かって真っ直ぐ歩いていき、静かに向かい側のソファーに腰を下ろすと、少し離れた所から様子を窺っているウエイターに目配せをしつつ相手に問いかけた。
「待たせたか?」
「いえ、それほどでも」
相手のカップに入っている紅茶の量がそれほど減っていない事でそれを確認した清人は、近寄ってきたウエイターにコーヒーを注文してから向き直った。
「それだけでいいのか? 他に頼んでも構わないが」
「正直、アフタヌーンティーセットには惹かれるものがありますけど、ダイエット中なんです」
「へぇ……」
そう言ってクスッと小さく笑った明風出版の東野薫担当である榊原真里に、清人は些か興醒めしたような眼差しを向けた。しかし真里はそれに気が付かなかったらしく、面白そうに話を続ける。
「先生? 実は私、最近先生のせいで、編集長に怒られたんです」
「……俺は一度も原稿を落とした記憶は無いが?」
怪訝な顔をして見返した清人に、真里が笑みを深くしながら説明した。
「そう言う事じゃありません。最近海晴社から出た先生の《晩秋の雲》、あれを読んで編集長が感動しちゃって」
「それは光栄だ」
「それだけなら良いんですが、呼びつけられて『どうしてうちでああいうのを書いて貰わないんだ! 如何に先生方に良い作品を書いて貰うかは、ひとえに担当編集者の手腕にかかっているんだぞ!?』って責められたんです」
そこでちょっと恨みがましい視線を向けてきた相手に向かって、清人は丁度運ばれて来たコーヒーカップを持ち上げつつ苦笑した。
「そう言われてもな……。偶々向こうの担当と、次はこういう傾向でと話が纏まったものだから」
「あれは先生のこれまでの作品とはちょっと方向性が違いますけど、特に中高年男性の反応が良いみたいですね」
その指摘に、コーヒーを一口含んでから清人が頷く。
「確かに……。海晴社に届く感想カードの年齢層も、その年代からの物が顕著だと聞いている。好評で続編の話も出ているし」
「また新境地開発ですか? ですが、既存のお仕事もお忘れなく」
「どんな仕事でも、疎かにするつもりは無い」
「それを伺って安心しました」
そんな会話をにこやかにやり取りしてから、真里は注意深く清人に問いかけた。
「ところで……、『晩秋の雲』の主人公は、妻に先立たれた父と一人娘の設定ですけど、あれは先生ご自身と妹さんがモデルなんじゃありません?」
「…………だとしたらどうなんだ?」
表情を消して問い返した清人に、真里は探る様な視線を向けたまま、確信めいた口調で言葉を継いだ。
「妹さんって、確か今、二十歳前後かとお聞きしていましたが……。あれを読んで、最近恋人でもできたのかしらと思いまして」
その指摘に、清人は一口コーヒーを飲んでから淡々と答える。
「……今日もデートだと言って出掛けて行ったな。それが?」
無意識に、僅かに不愉快そうに眉を寄せた清人を見て、真里が小さく肩を竦めた。
「怒らないで下さい。良い傾向だなと思いまして。そろそろ兄離れ妹離れする時期、って事じゃないですか?」
「まあ、そうかもな」
目の前の相手から視線を逸らし、窓の向こうの景色を眺めながら清人が気のない返事をしたが、真里は気を悪くしたりはせず、寧ろ機嫌良さげに話を続けた。
「そうですよね? 妹さんに手が掛からなくなってきたんですから、先生もそろそろ、ご自分の事を考えても良い頃ですよ」
「自分の事、か……」
清人は心ここに在らずといった風情だったが真里はあまり気にせず、どこか期待する様な視線を清人に向けながら、テーブルの隅に置かれていた伝票に手を伸ばした。
「ところで……、そろそろ上に行きません?」
「そうだな」
話している間に飲み干したカップを静かに戻し、清人は表情を変えないまま伝票を受け取って静かに立ち上がった。そして支払いを済ませて真っ直ぐエレベーターに向かって歩いて行くと、横に並んでいる真里が興味深そうに問い掛ける。
「先生?」
「何だ?」
「因みに……、今日ここに来る事を、先生は妹さんに何て説明してるんですか?」
そう問われた清人は微塵も動揺せず、歩きながら淡々と返した。
「『出版社の担当編集者と、シティホテルのティーラウンジで待ち合わせて打ち合わせだ』と、そのまま説明しているが?」
「それで妹さんは何て?」
「笑顔で『行ってらっしゃい』と言われた」
そこでエレベーターの前に到達した為立ち止まり、上層階へと向かうボタンを押すと、その背中に小さな笑い声がかけられる。
「ふ、ふふっ……、可愛いですね、妹さん。そのままティーラウンジで打ち合わせだと思ってるんですよね?」
「別に嘘は言っていない。待ち合わせ場所もそうだし、プロットもきちんと持って来ている」
振り返りつつ軽くブリーフケースを持ち上げてみせた清人に、真里は笑って肩を竦めた。
「はいはい、そうですね。きちんとお仕事はしますしね」
そこでエレベーターが到着してスルスルと扉が開いた為、無人のエレベーターに二人は乗り込んだ。そして真里が、既にフロントから受け取っておいたキーの該当階のボタンを押しながら尋ねる。
「ところで先生?」
「今度は何だ?」
「ここには勿論、仕事で来ていますが……、部屋に入ったら仕事と運動、どちらを先にします?」
二人きりになった途端、媚びる様な視線で見上げてきた真里を無言で見下ろし、再び扉が閉まってエレベーターが静かに上昇を始めるのとほぼ同時に、清人が端的に答えた。
「仕事だ」
しかしその答えをある程度予想していた真里は、「あら、ちょっと残念」と言いながら小さく苦笑しただけで、清人の片腕に自分の腕を絡めながら囁く。
「清人の、そういう真面目な所も好きよ?」
真里のねっとりと絡み付く様な視線を平然と受け止め、適当な受け答えをしながら、清人は心中で密かに煩わしさと失望感を覚えていた。
(この女の言動も、段々鼻についてきたな……。そろそろ潮時だな。適当に他の男をあてがうか……)
そんな事を思うのと同時に、滑稽過ぎる自分自身を嘲笑する。
(分かってはいるつもりなんだがな……。彼女と違うって事は……)
そして、エレベーターから降りて真里と腕を組んだまま廊下を歩き出した清人は、何となく今この場に居ない女性の事を考えていたが、それに関連して最近知人から教えられた内容をふと思い出した。
(そう言えば……、滝沢会長から紹介された店の場所が、ここから割と近かったな。……帰りに寄ってみるか)
それで僅かに機嫌を良くした清人が、頭の中で近隣の位置関係を確認していると、腕を離してドアを開けた真里が室内へと促す。
「清人、ここよ?」
「……ああ」
すっかり自分の恋人気取りの女性を疎ましく思いつつも、清人はそんな感情は微塵も面に出さず、笑顔を取り繕ったまま促された部屋に入って行った。
夕刻、清人が帰宅してリビングに入ると、ソファーに座ってアルバムを見ていた清香が立ち上がって清人を出迎えた。
「お帰りなさい、お兄ちゃん」
「ただいま、清香」
取り敢えずソファーにブリーフケースを置き、ジャケットを脱ぎ始めた清人の顔を眺めた清香が、不思議そうに声をかけた。
「お兄ちゃん、何だか嬉しそう……。何か良い事でも有った?」
「うん? ……ああ、まあな。ある人から紹介して貰った店が、結構良い店だったから」
何気なくそう答えて脱いだジャケットをソファーの背もたれ部分に掛けた清人に、清香は笑顔を見せた。
「そうなんだ。そんなに良い雰囲気のお店だったんだ。じゃあ担当者さんとの打ち合わせも、スムーズに進んで良かったね」
ティーラウンジで担当者と打ち合わせしてきたと、信じて疑わない清香から僅かに視線を逸らしつつ、清人は微妙な言い回しで答えた。
「……ああ、じっくりと、色々な意味で意見交換できたしな。家に来て貰っても良かったんだが、ここしばらく詰めっきりで仕事してたし、外の空気も吸いたかったから、良い気分転換になった」
「本当に最近、特に忙しそうにしてたしね……。お兄ちゃん、今日もお仕事ご苦労様でした」
溜め息混じりに呟いてから、清香が清人に無邪気な笑顔を向けると、清人は反射的に清香を引き寄せ、両腕で軽く抱き締めた。
「ありがとう、清香。頼むからお前はもう暫く、そのままでいてくれ」
「え、えっと……、お、お兄ちゃん?」
耳元でしみじみとした口調で呟かれ、どうすれば良いのかと清香は固まったが、清人はそんな清香の心情などお構いなしに左手は清香の背中に回したまま、右手で清香の頭とポニーテールを撫で始めた。
(ああ……、香澄さん、真澄さんと同じ髪だ……)
清人がそんな事を考えて一人密かに癒されていると、先程まで一緒に過ごしていた、清香とは対照的な女性の事を思い出した。
(もし清香が昼日中からホテルにしけ込む様になったら、俺は泣くな……。泣いて………………、その後、あいつに一服盛るか闇討ちするか、それとも……)
完全に自分の行為を棚上げし、物騒極まりない事を考えていた清人の耳に、清香の困惑気味の声が届いた。
「あ、あの……、お兄ちゃん。私アルバムを見てて、思い出した事があるんだけど」
「何だ?」
思わず清人が体を離して妹の顔を見下ろすと、清香が真顔で尋ねる。
「写真を見ると、私、最初はツインテールだったけど、幼稚園の頃からポニーテールにしているよね?」
「そうだな。それが?」
「そのきっかけって、真澄さんだよね? 真澄さん、高校を卒業するまでポニーテールにしていたから」
「そうだな」
至って普通に頷いた清人の顔色を窺う様に、清香が慎重に言葉を継いだ。
「確か……、お兄ちゃんが私の髪をポニーテールにして、『ほら、こうすると真澄さんと同じで可愛いぞ?』って言ったから、私が喜んで『じゃあさやかずっとこれにする!』って言った覚えが」
「それはちょっと違うな」
「え? どこがどう違うの?」
清人が自分の話を遮って否定してきた為、清香は慌てて問いただしたが、清人は清々しい笑顔を振り撒きながら、清香の話と微妙に異なる内容を口にした。
「先に清香が『ますみおねちゃんとおそろいにして?』と言ってきたから、俺がポニーテールにして『可愛く出来たぞ?』と褒めたら喜んで、それからずっとそうしていたんだぞ?」
「そ、そうだっけ?」
「当たり前だ。俺がそんな嘘を吐く理由があるのか? お前は当時幼稚園の年少だったし、細かい記憶が曖昧なんだろう。でもそれだけ覚えていれば大したものだ」
苦笑しながらそう言われた清香は、内心密かに動揺した。
(あれ? 絶対お兄ちゃん主導だと思っていたんだけど……、言われてみると何となくそんな気もしてきた……。でも……、最近お兄ちゃんが真澄さんに関して言う事って、何だか全部怪しく思えてきて……)
そんな清香の内心を彼女の従兄達が知ったなら、(清人さんの言葉を疑う様になるなんて成長したね、清香ちゃん!)と感涙にむせぶ者が何人か出てきそうだったが、取り敢えずこの場にそんな人間は皆無だった。そして話が終わったと感じた清人が、お茶を淹れようとキッチンへ足を向ける。
「少し喉が渇いたから夕飯の支度を始める前に茶を煎れるが、清香も飲むか?」
「あ……、え、えっと、私も飲みたいけど、お兄ちゃん。お茶を飲みながら話があるんだけど!」
「分かった。ちょっと待ってろ」
慌てて訴えた清香に対し、清人は一瞬不思議そうな顔をしながらも頷いてキッチンに消えた。そして清香は慌ただしくアルバムを片付け、清人が戻って来るのを待つ。
そして何分かして、両手にマグカップを持った清人がリビングに戻って来た。
「ほら、清香」
「ありがとう、お兄ちゃん」
そして清香に片方のカップを渡し、自身もソファーに落ち着いて一口お茶を飲んでから、清人は静かに口を開いた。
「それで? どんな話があるんだ?」
静かにそう促された清香は、聡や正彦達とこれまで打ち合わせて来た内容を、慎重に口にした。
「えっと……、お兄ちゃん、八月の末とか暇かなと思って」
「来月末? 今の所詰まってはいないが……、どうかしたのか?」
(よし! ここまでは恭子さんの情報で確認済みだし、頑張るわよ!)
怪訝な顔を見せた清人に、清香は心の中で密かに気合いを入れた。
「あのね? 少し前に正彦さん達と話をした時に、今年の夏は三年ぶりにバカンス会をやろうかって話になったの」
そう言われた清人は、思い出した様に頷いた。
「ああ……、そう言えば、何かで皆で集まったり顔を出したりは良くしていたが、確かに泊まりがけでっていうのは、清香が大学に入学してから途絶えていたな。他の皆も社会人になって、色々忙しくなったし」
「うん、だけどさっき言った時期なら、比較的皆が参加できそうだからって話になって」
そこまで話を聞いた清人はまたお茶を一口飲んでから、静かに問い掛けた。
「それで? 清香はどこに行きたいんだ?」
「夏だからやっぱり海かなって。沖縄って行った事がないから、この際行ってみたいな~とか」
「構わないぞ?」
「本当? 良かった!」
「手配してやるから行ってこい。色々やりたい事を言ってくれれば、併せて準備しておくから」
一瞬喜びかけたものの、言われた内容を把握した清香は注意深く尋ねてみた。
「『行ってこい』って……、お兄ちゃんは?」
「締め切りが迫ってるわけじゃ無いんだが、色々片付けておきたい事があるからな」
「そんな……」
(お兄ちゃんが参加しないんだったら、意味が無いじゃない! どうにかしないと……)
あっさりと誘いを断られた清香は呆然となったが、焦りつつも頭の中で必死に対応策を練り始めた。そんな清香の様子を、清人が怪訝に思いながら眺める。
「どうかしたのか? 清香」
「お、お兄ちゃんと一緒に行きたいなぁ~、と思って」
「いつまでも子供みたいな事を言うな」
「今回は恭子さんも一緒に行って貰いたいな~って。ほら! 恭子さんって身内みたいなものだけど、今まで一緒に旅行とかしたことないし」
それまで素っ気なく応じていた清人が、そこで片眉を上げつつ気遣わしげな顔をした。
「……周りが知らない人間ばかりで、気を遣わせるんじゃないのか?」
「それが……、皆も恭子さんとは大学祭で顔を合わせてるし、『清香ちゃんの身内同然なら俺達とも身内同然だから、この際一緒に行こう』って誘ってくれて……。本人も構わないって言ってくれたから……。だから心配ならお兄ちゃんも一緒に」
「それなら俺に言う事は無い。川島さんが一緒に行ってくれるなら尚安心だ。楽しんでこい」
ぼそぼそと清香が弁解した内容を聞いた清人は、安心した様に頷いてみせた。しかしここで話を終わらせるわけにいかない清香は、焦りつつ次の説得材料を口にする。
「そ、それからっ! 実は聡さんも一緒に行く事になって……」
「……どうしてあいつが?」
途端に不快気な顔を見せた清人に若干怯みながらも、清香は何とか笑顔を浮かべながら兄にお伺いを立てた。
「正彦さん達が『バカンス会は従兄弟同士の親睦会だから、近い将来義理の従兄弟関係になる聡君も混ぜてやろうぜ』とか何とか言い出して……。だからお兄ちゃんも、この際聡さんとより一層親交を深める機会にしたらどうかな~って思って……」
(さ、聡さんには悪いけど、こんな風に言えば『俺の目の届かない所でベタベタさせるか!』とか『義理の従兄弟って、もうあいつらを丸め込んでるのか!』って怒って、絶対邪魔しに来る筈だし!)
両手を何度も組み直しながら、清香は心の中で被害を被るであろう聡に詫びを入れつつ、表面上はニコニコと清人に翻意を促したが、予想に反して清人はプイと顔を背けただけだった。
「…………やはりムカつくから止めておく」
そう言って無言で茶を啜る清人を見て、清香は内心で悲鳴を上げた。
(嘘! 何で乗って来ないのよっ! うぅ……、こうなったら最後の手段……)
「あのね……、今回は真澄さんも行くって言ってくれて。だから久し振りに、皆で騒げるなあって……」
相手の顔色を窺いながら清香が慎重にそう問いかけると、清人はピクリと反応した。
「へぇ、珍しいな。だが真澄さん、まともに休みが取れるのか? どんな日程だ?」
「よ、四泊五日、なんだけど……」
「あの忙しい人が、無理じゃないのか?」
もの凄く疑わしげな表情を見せる清人に、清香はムキになって訴えた。
「む、無理じゃないから! 真澄さん、ちゃんと行くって約束してくれたし! 真澄さんが今まで私との約束を破った事なんて無いもの!」
(ちゃんとお兄ちゃんが反応してくれたのは良いけど……、まだ真澄さんが同行してくれるかどうか分からないから、確定したら話を出そうと思ってたのに! 大嘘吐く事になっちゃったわ、どうしよう……)
密かに冷や汗を流して相手の反応を待つ清香に、清香は僅かに考え込む素振りを見せてから静かに答えた。
「そうだな……、じゃあ考えておく」
「行ってくれるの!?」
驚愕して身を乗り出した清香に、清人は淡々と答えた。
「まだはっきりとは分からんがな。言い出したのはいつも通り正彦だな? あいつに詳細を確認しておこう」
「お、お願いします。それじゃあ部屋に行ってるから」
「ああ、夕飯は一時間後で構わないな」
「うん」
そこで二人揃ってソファーから立ち上がり、清人はキッチンへ、清香は自室へと足を向けた。
そして部屋に入った清香は緊張感から解放されると同時に、自分が口にしてしまった台詞を思い返して青ざめる。
「あれだけ言っても駄目だったのに、真澄さんが行くとなったら考えを変えるなんて……、やっぱりお兄ちゃん、真澄さんの事が好きなのかな……。じゃなくて! そんな事言ってる場合!? どうしよう。ついあんな事言っちゃって、真澄さんが行けなかったら。お兄ちゃんががっかりする……、と言うか、下手したら怒られるかも?」
そこで清香は慌てて携帯を手に取り、必死の形相で浩一の携帯番号を選択した。
「何としてでも真澄さんに参加して貰う様に、浩一さんに説得して貰わないと! そうでないと絶対旅行中聡さんが八つ当たりされて、酷い事になりそうな気がするもの!」
これまでずっと盲目的に兄を信奉してきたが、聡との付き合いが始まった以降、特に精神面での成長が著しい清香だった。
それを認めた清人はそのスーツ姿の女性に向かって真っ直ぐ歩いていき、静かに向かい側のソファーに腰を下ろすと、少し離れた所から様子を窺っているウエイターに目配せをしつつ相手に問いかけた。
「待たせたか?」
「いえ、それほどでも」
相手のカップに入っている紅茶の量がそれほど減っていない事でそれを確認した清人は、近寄ってきたウエイターにコーヒーを注文してから向き直った。
「それだけでいいのか? 他に頼んでも構わないが」
「正直、アフタヌーンティーセットには惹かれるものがありますけど、ダイエット中なんです」
「へぇ……」
そう言ってクスッと小さく笑った明風出版の東野薫担当である榊原真里に、清人は些か興醒めしたような眼差しを向けた。しかし真里はそれに気が付かなかったらしく、面白そうに話を続ける。
「先生? 実は私、最近先生のせいで、編集長に怒られたんです」
「……俺は一度も原稿を落とした記憶は無いが?」
怪訝な顔をして見返した清人に、真里が笑みを深くしながら説明した。
「そう言う事じゃありません。最近海晴社から出た先生の《晩秋の雲》、あれを読んで編集長が感動しちゃって」
「それは光栄だ」
「それだけなら良いんですが、呼びつけられて『どうしてうちでああいうのを書いて貰わないんだ! 如何に先生方に良い作品を書いて貰うかは、ひとえに担当編集者の手腕にかかっているんだぞ!?』って責められたんです」
そこでちょっと恨みがましい視線を向けてきた相手に向かって、清人は丁度運ばれて来たコーヒーカップを持ち上げつつ苦笑した。
「そう言われてもな……。偶々向こうの担当と、次はこういう傾向でと話が纏まったものだから」
「あれは先生のこれまでの作品とはちょっと方向性が違いますけど、特に中高年男性の反応が良いみたいですね」
その指摘に、コーヒーを一口含んでから清人が頷く。
「確かに……。海晴社に届く感想カードの年齢層も、その年代からの物が顕著だと聞いている。好評で続編の話も出ているし」
「また新境地開発ですか? ですが、既存のお仕事もお忘れなく」
「どんな仕事でも、疎かにするつもりは無い」
「それを伺って安心しました」
そんな会話をにこやかにやり取りしてから、真里は注意深く清人に問いかけた。
「ところで……、『晩秋の雲』の主人公は、妻に先立たれた父と一人娘の設定ですけど、あれは先生ご自身と妹さんがモデルなんじゃありません?」
「…………だとしたらどうなんだ?」
表情を消して問い返した清人に、真里は探る様な視線を向けたまま、確信めいた口調で言葉を継いだ。
「妹さんって、確か今、二十歳前後かとお聞きしていましたが……。あれを読んで、最近恋人でもできたのかしらと思いまして」
その指摘に、清人は一口コーヒーを飲んでから淡々と答える。
「……今日もデートだと言って出掛けて行ったな。それが?」
無意識に、僅かに不愉快そうに眉を寄せた清人を見て、真里が小さく肩を竦めた。
「怒らないで下さい。良い傾向だなと思いまして。そろそろ兄離れ妹離れする時期、って事じゃないですか?」
「まあ、そうかもな」
目の前の相手から視線を逸らし、窓の向こうの景色を眺めながら清人が気のない返事をしたが、真里は気を悪くしたりはせず、寧ろ機嫌良さげに話を続けた。
「そうですよね? 妹さんに手が掛からなくなってきたんですから、先生もそろそろ、ご自分の事を考えても良い頃ですよ」
「自分の事、か……」
清人は心ここに在らずといった風情だったが真里はあまり気にせず、どこか期待する様な視線を清人に向けながら、テーブルの隅に置かれていた伝票に手を伸ばした。
「ところで……、そろそろ上に行きません?」
「そうだな」
話している間に飲み干したカップを静かに戻し、清人は表情を変えないまま伝票を受け取って静かに立ち上がった。そして支払いを済ませて真っ直ぐエレベーターに向かって歩いて行くと、横に並んでいる真里が興味深そうに問い掛ける。
「先生?」
「何だ?」
「因みに……、今日ここに来る事を、先生は妹さんに何て説明してるんですか?」
そう問われた清人は微塵も動揺せず、歩きながら淡々と返した。
「『出版社の担当編集者と、シティホテルのティーラウンジで待ち合わせて打ち合わせだ』と、そのまま説明しているが?」
「それで妹さんは何て?」
「笑顔で『行ってらっしゃい』と言われた」
そこでエレベーターの前に到達した為立ち止まり、上層階へと向かうボタンを押すと、その背中に小さな笑い声がかけられる。
「ふ、ふふっ……、可愛いですね、妹さん。そのままティーラウンジで打ち合わせだと思ってるんですよね?」
「別に嘘は言っていない。待ち合わせ場所もそうだし、プロットもきちんと持って来ている」
振り返りつつ軽くブリーフケースを持ち上げてみせた清人に、真里は笑って肩を竦めた。
「はいはい、そうですね。きちんとお仕事はしますしね」
そこでエレベーターが到着してスルスルと扉が開いた為、無人のエレベーターに二人は乗り込んだ。そして真里が、既にフロントから受け取っておいたキーの該当階のボタンを押しながら尋ねる。
「ところで先生?」
「今度は何だ?」
「ここには勿論、仕事で来ていますが……、部屋に入ったら仕事と運動、どちらを先にします?」
二人きりになった途端、媚びる様な視線で見上げてきた真里を無言で見下ろし、再び扉が閉まってエレベーターが静かに上昇を始めるのとほぼ同時に、清人が端的に答えた。
「仕事だ」
しかしその答えをある程度予想していた真里は、「あら、ちょっと残念」と言いながら小さく苦笑しただけで、清人の片腕に自分の腕を絡めながら囁く。
「清人の、そういう真面目な所も好きよ?」
真里のねっとりと絡み付く様な視線を平然と受け止め、適当な受け答えをしながら、清人は心中で密かに煩わしさと失望感を覚えていた。
(この女の言動も、段々鼻についてきたな……。そろそろ潮時だな。適当に他の男をあてがうか……)
そんな事を思うのと同時に、滑稽過ぎる自分自身を嘲笑する。
(分かってはいるつもりなんだがな……。彼女と違うって事は……)
そして、エレベーターから降りて真里と腕を組んだまま廊下を歩き出した清人は、何となく今この場に居ない女性の事を考えていたが、それに関連して最近知人から教えられた内容をふと思い出した。
(そう言えば……、滝沢会長から紹介された店の場所が、ここから割と近かったな。……帰りに寄ってみるか)
それで僅かに機嫌を良くした清人が、頭の中で近隣の位置関係を確認していると、腕を離してドアを開けた真里が室内へと促す。
「清人、ここよ?」
「……ああ」
すっかり自分の恋人気取りの女性を疎ましく思いつつも、清人はそんな感情は微塵も面に出さず、笑顔を取り繕ったまま促された部屋に入って行った。
夕刻、清人が帰宅してリビングに入ると、ソファーに座ってアルバムを見ていた清香が立ち上がって清人を出迎えた。
「お帰りなさい、お兄ちゃん」
「ただいま、清香」
取り敢えずソファーにブリーフケースを置き、ジャケットを脱ぎ始めた清人の顔を眺めた清香が、不思議そうに声をかけた。
「お兄ちゃん、何だか嬉しそう……。何か良い事でも有った?」
「うん? ……ああ、まあな。ある人から紹介して貰った店が、結構良い店だったから」
何気なくそう答えて脱いだジャケットをソファーの背もたれ部分に掛けた清人に、清香は笑顔を見せた。
「そうなんだ。そんなに良い雰囲気のお店だったんだ。じゃあ担当者さんとの打ち合わせも、スムーズに進んで良かったね」
ティーラウンジで担当者と打ち合わせしてきたと、信じて疑わない清香から僅かに視線を逸らしつつ、清人は微妙な言い回しで答えた。
「……ああ、じっくりと、色々な意味で意見交換できたしな。家に来て貰っても良かったんだが、ここしばらく詰めっきりで仕事してたし、外の空気も吸いたかったから、良い気分転換になった」
「本当に最近、特に忙しそうにしてたしね……。お兄ちゃん、今日もお仕事ご苦労様でした」
溜め息混じりに呟いてから、清香が清人に無邪気な笑顔を向けると、清人は反射的に清香を引き寄せ、両腕で軽く抱き締めた。
「ありがとう、清香。頼むからお前はもう暫く、そのままでいてくれ」
「え、えっと……、お、お兄ちゃん?」
耳元でしみじみとした口調で呟かれ、どうすれば良いのかと清香は固まったが、清人はそんな清香の心情などお構いなしに左手は清香の背中に回したまま、右手で清香の頭とポニーテールを撫で始めた。
(ああ……、香澄さん、真澄さんと同じ髪だ……)
清人がそんな事を考えて一人密かに癒されていると、先程まで一緒に過ごしていた、清香とは対照的な女性の事を思い出した。
(もし清香が昼日中からホテルにしけ込む様になったら、俺は泣くな……。泣いて………………、その後、あいつに一服盛るか闇討ちするか、それとも……)
完全に自分の行為を棚上げし、物騒極まりない事を考えていた清人の耳に、清香の困惑気味の声が届いた。
「あ、あの……、お兄ちゃん。私アルバムを見てて、思い出した事があるんだけど」
「何だ?」
思わず清人が体を離して妹の顔を見下ろすと、清香が真顔で尋ねる。
「写真を見ると、私、最初はツインテールだったけど、幼稚園の頃からポニーテールにしているよね?」
「そうだな。それが?」
「そのきっかけって、真澄さんだよね? 真澄さん、高校を卒業するまでポニーテールにしていたから」
「そうだな」
至って普通に頷いた清人の顔色を窺う様に、清香が慎重に言葉を継いだ。
「確か……、お兄ちゃんが私の髪をポニーテールにして、『ほら、こうすると真澄さんと同じで可愛いぞ?』って言ったから、私が喜んで『じゃあさやかずっとこれにする!』って言った覚えが」
「それはちょっと違うな」
「え? どこがどう違うの?」
清人が自分の話を遮って否定してきた為、清香は慌てて問いただしたが、清人は清々しい笑顔を振り撒きながら、清香の話と微妙に異なる内容を口にした。
「先に清香が『ますみおねちゃんとおそろいにして?』と言ってきたから、俺がポニーテールにして『可愛く出来たぞ?』と褒めたら喜んで、それからずっとそうしていたんだぞ?」
「そ、そうだっけ?」
「当たり前だ。俺がそんな嘘を吐く理由があるのか? お前は当時幼稚園の年少だったし、細かい記憶が曖昧なんだろう。でもそれだけ覚えていれば大したものだ」
苦笑しながらそう言われた清香は、内心密かに動揺した。
(あれ? 絶対お兄ちゃん主導だと思っていたんだけど……、言われてみると何となくそんな気もしてきた……。でも……、最近お兄ちゃんが真澄さんに関して言う事って、何だか全部怪しく思えてきて……)
そんな清香の内心を彼女の従兄達が知ったなら、(清人さんの言葉を疑う様になるなんて成長したね、清香ちゃん!)と感涙にむせぶ者が何人か出てきそうだったが、取り敢えずこの場にそんな人間は皆無だった。そして話が終わったと感じた清人が、お茶を淹れようとキッチンへ足を向ける。
「少し喉が渇いたから夕飯の支度を始める前に茶を煎れるが、清香も飲むか?」
「あ……、え、えっと、私も飲みたいけど、お兄ちゃん。お茶を飲みながら話があるんだけど!」
「分かった。ちょっと待ってろ」
慌てて訴えた清香に対し、清人は一瞬不思議そうな顔をしながらも頷いてキッチンに消えた。そして清香は慌ただしくアルバムを片付け、清人が戻って来るのを待つ。
そして何分かして、両手にマグカップを持った清人がリビングに戻って来た。
「ほら、清香」
「ありがとう、お兄ちゃん」
そして清香に片方のカップを渡し、自身もソファーに落ち着いて一口お茶を飲んでから、清人は静かに口を開いた。
「それで? どんな話があるんだ?」
静かにそう促された清香は、聡や正彦達とこれまで打ち合わせて来た内容を、慎重に口にした。
「えっと……、お兄ちゃん、八月の末とか暇かなと思って」
「来月末? 今の所詰まってはいないが……、どうかしたのか?」
(よし! ここまでは恭子さんの情報で確認済みだし、頑張るわよ!)
怪訝な顔を見せた清人に、清香は心の中で密かに気合いを入れた。
「あのね? 少し前に正彦さん達と話をした時に、今年の夏は三年ぶりにバカンス会をやろうかって話になったの」
そう言われた清人は、思い出した様に頷いた。
「ああ……、そう言えば、何かで皆で集まったり顔を出したりは良くしていたが、確かに泊まりがけでっていうのは、清香が大学に入学してから途絶えていたな。他の皆も社会人になって、色々忙しくなったし」
「うん、だけどさっき言った時期なら、比較的皆が参加できそうだからって話になって」
そこまで話を聞いた清人はまたお茶を一口飲んでから、静かに問い掛けた。
「それで? 清香はどこに行きたいんだ?」
「夏だからやっぱり海かなって。沖縄って行った事がないから、この際行ってみたいな~とか」
「構わないぞ?」
「本当? 良かった!」
「手配してやるから行ってこい。色々やりたい事を言ってくれれば、併せて準備しておくから」
一瞬喜びかけたものの、言われた内容を把握した清香は注意深く尋ねてみた。
「『行ってこい』って……、お兄ちゃんは?」
「締め切りが迫ってるわけじゃ無いんだが、色々片付けておきたい事があるからな」
「そんな……」
(お兄ちゃんが参加しないんだったら、意味が無いじゃない! どうにかしないと……)
あっさりと誘いを断られた清香は呆然となったが、焦りつつも頭の中で必死に対応策を練り始めた。そんな清香の様子を、清人が怪訝に思いながら眺める。
「どうかしたのか? 清香」
「お、お兄ちゃんと一緒に行きたいなぁ~、と思って」
「いつまでも子供みたいな事を言うな」
「今回は恭子さんも一緒に行って貰いたいな~って。ほら! 恭子さんって身内みたいなものだけど、今まで一緒に旅行とかしたことないし」
それまで素っ気なく応じていた清人が、そこで片眉を上げつつ気遣わしげな顔をした。
「……周りが知らない人間ばかりで、気を遣わせるんじゃないのか?」
「それが……、皆も恭子さんとは大学祭で顔を合わせてるし、『清香ちゃんの身内同然なら俺達とも身内同然だから、この際一緒に行こう』って誘ってくれて……。本人も構わないって言ってくれたから……。だから心配ならお兄ちゃんも一緒に」
「それなら俺に言う事は無い。川島さんが一緒に行ってくれるなら尚安心だ。楽しんでこい」
ぼそぼそと清香が弁解した内容を聞いた清人は、安心した様に頷いてみせた。しかしここで話を終わらせるわけにいかない清香は、焦りつつ次の説得材料を口にする。
「そ、それからっ! 実は聡さんも一緒に行く事になって……」
「……どうしてあいつが?」
途端に不快気な顔を見せた清人に若干怯みながらも、清香は何とか笑顔を浮かべながら兄にお伺いを立てた。
「正彦さん達が『バカンス会は従兄弟同士の親睦会だから、近い将来義理の従兄弟関係になる聡君も混ぜてやろうぜ』とか何とか言い出して……。だからお兄ちゃんも、この際聡さんとより一層親交を深める機会にしたらどうかな~って思って……」
(さ、聡さんには悪いけど、こんな風に言えば『俺の目の届かない所でベタベタさせるか!』とか『義理の従兄弟って、もうあいつらを丸め込んでるのか!』って怒って、絶対邪魔しに来る筈だし!)
両手を何度も組み直しながら、清香は心の中で被害を被るであろう聡に詫びを入れつつ、表面上はニコニコと清人に翻意を促したが、予想に反して清人はプイと顔を背けただけだった。
「…………やはりムカつくから止めておく」
そう言って無言で茶を啜る清人を見て、清香は内心で悲鳴を上げた。
(嘘! 何で乗って来ないのよっ! うぅ……、こうなったら最後の手段……)
「あのね……、今回は真澄さんも行くって言ってくれて。だから久し振りに、皆で騒げるなあって……」
相手の顔色を窺いながら清香が慎重にそう問いかけると、清人はピクリと反応した。
「へぇ、珍しいな。だが真澄さん、まともに休みが取れるのか? どんな日程だ?」
「よ、四泊五日、なんだけど……」
「あの忙しい人が、無理じゃないのか?」
もの凄く疑わしげな表情を見せる清人に、清香はムキになって訴えた。
「む、無理じゃないから! 真澄さん、ちゃんと行くって約束してくれたし! 真澄さんが今まで私との約束を破った事なんて無いもの!」
(ちゃんとお兄ちゃんが反応してくれたのは良いけど……、まだ真澄さんが同行してくれるかどうか分からないから、確定したら話を出そうと思ってたのに! 大嘘吐く事になっちゃったわ、どうしよう……)
密かに冷や汗を流して相手の反応を待つ清香に、清香は僅かに考え込む素振りを見せてから静かに答えた。
「そうだな……、じゃあ考えておく」
「行ってくれるの!?」
驚愕して身を乗り出した清香に、清人は淡々と答えた。
「まだはっきりとは分からんがな。言い出したのはいつも通り正彦だな? あいつに詳細を確認しておこう」
「お、お願いします。それじゃあ部屋に行ってるから」
「ああ、夕飯は一時間後で構わないな」
「うん」
そこで二人揃ってソファーから立ち上がり、清人はキッチンへ、清香は自室へと足を向けた。
そして部屋に入った清香は緊張感から解放されると同時に、自分が口にしてしまった台詞を思い返して青ざめる。
「あれだけ言っても駄目だったのに、真澄さんが行くとなったら考えを変えるなんて……、やっぱりお兄ちゃん、真澄さんの事が好きなのかな……。じゃなくて! そんな事言ってる場合!? どうしよう。ついあんな事言っちゃって、真澄さんが行けなかったら。お兄ちゃんががっかりする……、と言うか、下手したら怒られるかも?」
そこで清香は慌てて携帯を手に取り、必死の形相で浩一の携帯番号を選択した。
「何としてでも真澄さんに参加して貰う様に、浩一さんに説得して貰わないと! そうでないと絶対旅行中聡さんが八つ当たりされて、酷い事になりそうな気がするもの!」
これまでずっと盲目的に兄を信奉してきたが、聡との付き合いが始まった以降、特に精神面での成長が著しい清香だった。
0
あなたにおすすめの小説
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
辺境伯夫人は領地を紡ぐ
やまだごんた
恋愛
王命によりヴァルデン辺境伯に嫁ぐことになった、前ベルンシュタイン公爵令嬢のマルグリット。
しかし、彼女を待っていたのは60年にも及ぶ戦争で荒廃し、冬を越す薪すら足りない現実だった。
物資も人手も足りない中、マルグリットは領地の立て直しに乗り出す。
戦しか知らなかったと自省する夫と向き合いながら、少しずつ築かれていく夫婦の距離。
これは、1人の女性が領地を紡ぎ、夫と共に未来を作る「内政×溺愛」の物語です。
全50話の予定です
※表紙はイメージです
※アルファポリス先行公開(なろうにも転載予定です)
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
叱られた冷淡御曹司は甘々御曹司へと成長する
花里 美佐
恋愛
冷淡財閥御曹司VS失業中の華道家
結婚に興味のない財閥御曹司は見合いを断り続けてきた。ある日、祖母の師匠である華道家の孫娘を紹介された。面と向かって彼の失礼な態度を指摘した彼女に興味を抱いた彼は、自分の財閥で花を活ける仕事を紹介する。
愛を知った財閥御曹司は彼女のために冷淡さをかなぐり捨て、甘く変貌していく。
狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します
ちより
恋愛
侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。
愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。
頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。
公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。
【完】ベッドの隣は、昨日と違う人
月村 未来(つきむら みらい)
恋愛
朝目覚めたら、
隣に恋人じゃない男がいる──
そして、甘く囁いてきた夜とは、違う男になる。
こんな朝、何回目なんだろう。
瞬間でも優しくされると、
「大切にされてる」と勘違いしてしまう。
都合のいい関係だとわかっていても、
期待されると断れない。
これは、流されてしまう自分と、
ちゃんと立ち止まろうとする自分のあいだで揺れる、ひとりの女の子、みいな(25)の恋の話。
📖全年齢版恋愛小説です。
しおり、いいね、お気に入り登録もよろしくお願いします。
📖2026.2.25完結
本作の0章にあたるエピソードをNOTEにて公開しています。
気になった方はぜひそちらもどうぞ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる