21 / 43
第21話 仏か何か?
しおりを挟む
「あいててて……」
……アキは覚醒して早々、頭の芯にズキズキとくる痛みに顔をしかめた。
どのくらい寝ていたのか、ぼうっとする意識に加えて喉の渇きを覚え、辺りを見回す。
すると、そこは脱走したはずの病室だった。
しかし、違和感がある。
そうして真横を見ると、そこにはもう一台ベッドがあり、槇原が横になっていた。
「おはよう……。アキくん。いい朝ね」
「セリフと顔色が一致してないですよ……?」
「……誰のせいだと思う?」
青い顔で目の下にくまを残した槇原が睨みつけてくる。彼女の額には大きな絆創膏が張ってあり、腕のあちこちにも痣や傷が見えた。
半分は自分のせいか、と思い、首を竦めると、槇原は寝たままパキっと割った何かをこっちに放り投げてくる。
「鎮痛薬。水はそこ……」
「はぁ……」
それだけ言うと、槇原は反対側に寝返って黙ってしまう。
話をする余裕もないといった雰囲気に、アキは素直に水と薬を胃に流し込んだ。
欲していた水分が体に行き渡る感覚を覚えながら、腕輪を軽く撫でる。
するとすぐに目の前にソフィアが現れ、飛びついてきた実体のない体をアキは抱きとめた。
『ソフィア、大丈夫?』
『問題、ない。不覚、取った』
ソフィアの顔を見ると、その表情はいつにも増して冷たい。
アキはその青い髪をかき分ける仕草をして、彼女の頬を氷を解かすように撫でた。
『ごめんよ。守れなくて』
『いい。一緒に、いるから』
そうは言いつつもソフィアは怒っているように見えるが、恐らくそれは己の失態を悔やんでいるんだろうとアキは察する。
彼女はもう一度アキの首に腕を回して、耳元で囁くように会話を続けた。
『マスタ。情報集積体、どこ?』
情報集積体、という言葉に、アキはソフィアに渡し、そして【B】に投げつけられた宝玉のことだと思い至る。
アキ自身の記憶であるという、あの宝玉だ。
【B】に告げられたときにはその実感はなかったが、今しがた見ていた夢を思い出して、アキは口をつぐむ。
これまでにアキは何度も異世界での記憶を取り戻してきた。
それはいつもアキが眠っている最中に起こっている。
穏やかな波が乾いた砂に染み込むような、ゆったりとした懐古だった。
だが、今回は違う。
欠落していた部品を雑にねじ込まれたような……うまく嵌るはずの場所に別の何かがあって、けれどそれを押しのけて無理やり修復された痕跡――頭痛を感じていた。
アキはすでに取り戻した記憶でわかる。
自分の体は多少の不調や疲れで頭痛を感じることはない。たとえ普通の人間が死に至るような毒を受けても、アキの体はそれに耐える強度を持ち、体を動かせる程度には苦しみを遮断するだろう。そういう体になってしまっている。
なぜなら、それが勇者というものだからだ。
故にアキは受け入れるしかない。
【B】の言っていた通り、少なくともあの宝玉に自分の記憶が含まれていることを。
だからといって、あの女子高生の形をした魔物が信用に値するかは否だが――。
『……取られちゃった。銃を持った女子高生の魔物だったんだけど、ソフィアは知ってる?』
『不明。【じょしこうせい】、生物、知識なし』
『あ、いや、そういう生き物ってわけじゃないけど……そうだよね。向こう側じゃ女子高生どころか銃もなかったもんね』
――アキは宝玉のことを誤魔化した。
ソフィアを勘ぐっているわけではない。ただ、これは自分の記憶であって、誰かに肯定されたり、否定されたりして取り戻すべきものではないと思ったからだ。
アキは相棒に嘘をつくことに若干の罪悪感を覚え、触れられない体を掻き抱く。
『マスタ――?』
ソフィアが心配そうなの声を上げるも、アキはしばらく彼女を離さなかった。
◇ ◇ ◇
「ええと……なに? じゃあアキくんはこんなおっきな美少女と四六時中イチャついてるわけ?」
「槇原、話の要点はそこじゃない」
調子の戻った槇原が首を捻りながら言った言葉に、大木がため息をつく。
アキが花の魔物を倒して、再びこの病室に縛られて数日が経った。
そこに大木が訪ねてきて、改めてアキは自分の状況を説明したのだ。
そのためにはソフィアの存在を打ち明ける必要がある。
故に、ベッドに腰かけるアキの腕には実体化したソフィアが絡みついていた。
「し、失礼しました。で、アキくんの彼女ちゃんは――」
『Negative。ソフィア、生物、じゃない。つがい、違う』
槇原の言葉に、ソフィアが首を横に振る。
その反応の早さに目を瞬かせながら、槇原は可哀相な視線をアキに送ってきた。
「振られてるわよアキくん」
「ぼくとソフィアは相棒だよ、槇原さん」
「わからない……。こんな美少女にまとわりつかれて、そう言える男子高校生……。アンタ、仏か何か?」
「勇者なんですけど」
勝手に煩悩から解き放たれた存在に疑われたアキは呆れた顔で槇原に答える。
アキとて美味しいご飯は食べたいし、テレビに映る面白そうなゲームもやってみたい。
なんだったらそろそろこの病室にいるのも飽きてる、とアキは思った。
「そろそろ話を戻そう」
そこで、大木が逸れた話を修正する。
缶コーヒーを手に持ちながらこちらへ体を向ける彼に、アキは背筋を伸ばした。
「アキくんは勇者として別の世界――異世界に召喚され、冒険をして……それ以降は思い出せていないんだね?」
「はい。けど、まったく記憶がないわけじゃないっていうか……。たとえばこの間の魔物とは異世界で1度戦ってるんです。ただ、それは体が覚えてるだけ、みたいな……」
自分でもうまく説明できないあやふやな状態に、アキは言葉を詰まらせる。
槇原は怪訝な顔でこちらを見てくるが、大木は顎に手を当てて「うーん」と眉を顰めることなく唸った。
その仕草はアキの状態を共に考えてくれているようで、好感が持てる。
と、そこで大木の目がアキの傍にいるソフィアへと向いた。
「ソフィアくんは覚えているんじゃないのかな」
確かに、ずっと一緒にいたのならば記憶を補完できるかもしれない。
アキも首を巡らせてソフィアを見る。
だが、彼女はアキの服に口元を押し付けて、モゴモゴとした喋り方で答えた。
「ソフィア。言わない」
「んん? なんで?」
遠慮のない槇原の問いに、若干ソフィアの目が厳しくなる。
だが、ソフィアはアキの服をぎゅっと掴むと、珍しく長めの言葉を紡いだ。
「マスタ、記憶復元中。ソフィア、の記録、客観的。言うと、マスタ、の主観的記憶。混ざる。とても危険」
そうなんだ、とアキは他人事のように思う。
他人に説明される記憶など意味がない。アキはあくまで感情的にそう思っていたからではあるが、実害があるとまでは予想していなかった。
「……神経学と精神医学の先生も連れてくればよかったかね?」
「わかんねーって言われるだけですよ。変に情報が漏れて仕事を増やすのも面倒です」
難しい顔をする大木に、槇原は伸びで体をほぐしながら答えた。
「つまりソフィアくんの口から異世界での出来事を話してもらうのはよくないということか。なら今はそのことについて掘り下げるのはやめておこう」
「Affirmative。マスタ、の人格、破綻。可能性、ある」
ソフィアがゆっくりと頷く。
アキとしても異世界で体験したことの整理を自分自身で出来ていないこともあり、突拍子のない話でもとりあえず聞いてくれる大木の姿勢は有り難い。
ソフィアの存在が受け入れられたことに、ひとまずアキは安堵するのだった。
……アキは覚醒して早々、頭の芯にズキズキとくる痛みに顔をしかめた。
どのくらい寝ていたのか、ぼうっとする意識に加えて喉の渇きを覚え、辺りを見回す。
すると、そこは脱走したはずの病室だった。
しかし、違和感がある。
そうして真横を見ると、そこにはもう一台ベッドがあり、槇原が横になっていた。
「おはよう……。アキくん。いい朝ね」
「セリフと顔色が一致してないですよ……?」
「……誰のせいだと思う?」
青い顔で目の下にくまを残した槇原が睨みつけてくる。彼女の額には大きな絆創膏が張ってあり、腕のあちこちにも痣や傷が見えた。
半分は自分のせいか、と思い、首を竦めると、槇原は寝たままパキっと割った何かをこっちに放り投げてくる。
「鎮痛薬。水はそこ……」
「はぁ……」
それだけ言うと、槇原は反対側に寝返って黙ってしまう。
話をする余裕もないといった雰囲気に、アキは素直に水と薬を胃に流し込んだ。
欲していた水分が体に行き渡る感覚を覚えながら、腕輪を軽く撫でる。
するとすぐに目の前にソフィアが現れ、飛びついてきた実体のない体をアキは抱きとめた。
『ソフィア、大丈夫?』
『問題、ない。不覚、取った』
ソフィアの顔を見ると、その表情はいつにも増して冷たい。
アキはその青い髪をかき分ける仕草をして、彼女の頬を氷を解かすように撫でた。
『ごめんよ。守れなくて』
『いい。一緒に、いるから』
そうは言いつつもソフィアは怒っているように見えるが、恐らくそれは己の失態を悔やんでいるんだろうとアキは察する。
彼女はもう一度アキの首に腕を回して、耳元で囁くように会話を続けた。
『マスタ。情報集積体、どこ?』
情報集積体、という言葉に、アキはソフィアに渡し、そして【B】に投げつけられた宝玉のことだと思い至る。
アキ自身の記憶であるという、あの宝玉だ。
【B】に告げられたときにはその実感はなかったが、今しがた見ていた夢を思い出して、アキは口をつぐむ。
これまでにアキは何度も異世界での記憶を取り戻してきた。
それはいつもアキが眠っている最中に起こっている。
穏やかな波が乾いた砂に染み込むような、ゆったりとした懐古だった。
だが、今回は違う。
欠落していた部品を雑にねじ込まれたような……うまく嵌るはずの場所に別の何かがあって、けれどそれを押しのけて無理やり修復された痕跡――頭痛を感じていた。
アキはすでに取り戻した記憶でわかる。
自分の体は多少の不調や疲れで頭痛を感じることはない。たとえ普通の人間が死に至るような毒を受けても、アキの体はそれに耐える強度を持ち、体を動かせる程度には苦しみを遮断するだろう。そういう体になってしまっている。
なぜなら、それが勇者というものだからだ。
故にアキは受け入れるしかない。
【B】の言っていた通り、少なくともあの宝玉に自分の記憶が含まれていることを。
だからといって、あの女子高生の形をした魔物が信用に値するかは否だが――。
『……取られちゃった。銃を持った女子高生の魔物だったんだけど、ソフィアは知ってる?』
『不明。【じょしこうせい】、生物、知識なし』
『あ、いや、そういう生き物ってわけじゃないけど……そうだよね。向こう側じゃ女子高生どころか銃もなかったもんね』
――アキは宝玉のことを誤魔化した。
ソフィアを勘ぐっているわけではない。ただ、これは自分の記憶であって、誰かに肯定されたり、否定されたりして取り戻すべきものではないと思ったからだ。
アキは相棒に嘘をつくことに若干の罪悪感を覚え、触れられない体を掻き抱く。
『マスタ――?』
ソフィアが心配そうなの声を上げるも、アキはしばらく彼女を離さなかった。
◇ ◇ ◇
「ええと……なに? じゃあアキくんはこんなおっきな美少女と四六時中イチャついてるわけ?」
「槇原、話の要点はそこじゃない」
調子の戻った槇原が首を捻りながら言った言葉に、大木がため息をつく。
アキが花の魔物を倒して、再びこの病室に縛られて数日が経った。
そこに大木が訪ねてきて、改めてアキは自分の状況を説明したのだ。
そのためにはソフィアの存在を打ち明ける必要がある。
故に、ベッドに腰かけるアキの腕には実体化したソフィアが絡みついていた。
「し、失礼しました。で、アキくんの彼女ちゃんは――」
『Negative。ソフィア、生物、じゃない。つがい、違う』
槇原の言葉に、ソフィアが首を横に振る。
その反応の早さに目を瞬かせながら、槇原は可哀相な視線をアキに送ってきた。
「振られてるわよアキくん」
「ぼくとソフィアは相棒だよ、槇原さん」
「わからない……。こんな美少女にまとわりつかれて、そう言える男子高校生……。アンタ、仏か何か?」
「勇者なんですけど」
勝手に煩悩から解き放たれた存在に疑われたアキは呆れた顔で槇原に答える。
アキとて美味しいご飯は食べたいし、テレビに映る面白そうなゲームもやってみたい。
なんだったらそろそろこの病室にいるのも飽きてる、とアキは思った。
「そろそろ話を戻そう」
そこで、大木が逸れた話を修正する。
缶コーヒーを手に持ちながらこちらへ体を向ける彼に、アキは背筋を伸ばした。
「アキくんは勇者として別の世界――異世界に召喚され、冒険をして……それ以降は思い出せていないんだね?」
「はい。けど、まったく記憶がないわけじゃないっていうか……。たとえばこの間の魔物とは異世界で1度戦ってるんです。ただ、それは体が覚えてるだけ、みたいな……」
自分でもうまく説明できないあやふやな状態に、アキは言葉を詰まらせる。
槇原は怪訝な顔でこちらを見てくるが、大木は顎に手を当てて「うーん」と眉を顰めることなく唸った。
その仕草はアキの状態を共に考えてくれているようで、好感が持てる。
と、そこで大木の目がアキの傍にいるソフィアへと向いた。
「ソフィアくんは覚えているんじゃないのかな」
確かに、ずっと一緒にいたのならば記憶を補完できるかもしれない。
アキも首を巡らせてソフィアを見る。
だが、彼女はアキの服に口元を押し付けて、モゴモゴとした喋り方で答えた。
「ソフィア。言わない」
「んん? なんで?」
遠慮のない槇原の問いに、若干ソフィアの目が厳しくなる。
だが、ソフィアはアキの服をぎゅっと掴むと、珍しく長めの言葉を紡いだ。
「マスタ、記憶復元中。ソフィア、の記録、客観的。言うと、マスタ、の主観的記憶。混ざる。とても危険」
そうなんだ、とアキは他人事のように思う。
他人に説明される記憶など意味がない。アキはあくまで感情的にそう思っていたからではあるが、実害があるとまでは予想していなかった。
「……神経学と精神医学の先生も連れてくればよかったかね?」
「わかんねーって言われるだけですよ。変に情報が漏れて仕事を増やすのも面倒です」
難しい顔をする大木に、槇原は伸びで体をほぐしながら答えた。
「つまりソフィアくんの口から異世界での出来事を話してもらうのはよくないということか。なら今はそのことについて掘り下げるのはやめておこう」
「Affirmative。マスタ、の人格、破綻。可能性、ある」
ソフィアがゆっくりと頷く。
アキとしても異世界で体験したことの整理を自分自身で出来ていないこともあり、突拍子のない話でもとりあえず聞いてくれる大木の姿勢は有り難い。
ソフィアの存在が受け入れられたことに、ひとまずアキは安堵するのだった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
『今日も平和に暮らしたいだけなのに、スキルが増えていく主婦です』
チャチャ
ファンタジー
毎日ドタバタ、でもちょっと幸せな日々。
家事を終えて、趣味のゲームをしていた主婦・麻衣のスマホに、ある日突然「スキル習得」の謎メッセージが届く!?
主婦のスキル習得ライフ、今日ものんびり始まります。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる