短編絵本集

tukumo

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甘いものに取り憑かれて

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 これは昔、権力者しか甘いものが食べられなかった時代のとある国の王様のお話_



「陛下!流石に甘味料を控えるべきかと」

 宰相は日々肥え太っていく王を見てこの国の未来を憂いだ


「黙れ!我の癒しの時間に口を挟むなそれに甘いものを食べれるのは王たる我の権威ある象徴、しかしそろそろ新しい独創的な物を作らせよ」


「…陛下直々のご命令とあれど専属料理人もアイディアが出せぬようでして」


「ならば民だ民の声を聞こう素晴らしい菓子を作ったものには褒美を与えるよう伝えよ!」


 国王は国のあちこちに新しい菓子を作れとお触れを出した。



 ~城下町~


「ほお…俺らが民のアイディアで作ったお菓子が国王に気に入られたら多額の報酬金に土地を出すってよ」




「それはまた国王らしいとうとう隣国の菓子も全て食べ飽きたってのか」



「俺たちは甘いものなんて贅沢口にすらしたことないのにな…」



「なあ…これ無理じゃないか?」





 こんなやり取りが繰り広げられお触れを出して早くも一週間が経ったが当然誰も申し出ることなく…



「何故だ!なぜ誰も我に協力しようとしない」


 王はだらしない肉達磨と化し玉座はギシギシと重さで悲鳴をあげていた叫ぶ度に呼吸は乱れたなんとも醜い王は叫ぶ



「陛下、庶民は甘いもの等口にしたことがございません」


「ならば貴族らはどうだ!何故誰も我先にと提案してこない!」



 玉座の間では王への報告で集まった貴族や領主も居るが皆呆れた様子である。




「なんだその眼差しは!」


 怒りで呼吸はより乱れる日々の過剰な糖分摂取により感情は不安定であった




 そしてとうとうその日がやって来た



「陛下新しい菓子を製造できる者が隣国の村からやって参りました!…陛下?」


「うむやっとか…やっとウッ!?」


「陛下!?おい誰か医者の処へ陛下を…し、死んでいる」




 この日甘いものに取り憑かれた王はこの世を去った最後の最後迄まだ見ぬ菓子を待ちながら彼の世へ旅立った。





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