クッキング無双  (不定期更新)

tukumo

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第一章 クッキング無双への一歩

好きにやった行動で好評価を貰うと何故か照れる

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 日が暮れてきた
 夜営の準備と魔物の索敵で、皆疲労困憊気味だったので、得意のスキル(調理)で食事を振る舞うことにした。「皆さん良かったら食事作りすぎたので食べて貰えませんか~」

「「「なんだって!!」」」「!?」「!」「「「やっふぉー!」」」

 俺ら講習中の新人らとEランクパーティーの反応が嬉しい

 そこに副所長のハッカクさんとDランクの付き人さんが問う

「キミの負担にならなければ食べさせて貰えないだろうか」

「‥その、私も御相伴に預かっても?」

 俺は微笑む「ええ作りすぎたので良ければ皆さんで食べましょう。まさかオークが計3体も手に入るとは、俺と妹だけでは消費できませんし‥色々付け合わせも含めて作ったので、さあ召し上がれ。」

 予め持ってきた大きな木製のテーブルに
 オーク肉のフルコースを並べた

「ほわっ‥シモツキさんこれ、このサクサクの唐揚げ!食べなれている衣と違います美味しい!」

 オーク肉をぶつ切りにして作った唐揚げを頬張るEランクのパーティーメンバーのひとり、サツキさんが絶賛してくれた
「あ、その衣は知り合いに借りた畑で採れた豆を挽いて粉にしたものと、パン粉をまぜて作ってます」

「あの、後でレシピ教えて貰えますか?」

「全然構いませんよ」

「なあシモツキ、この野菜スープはどうやって作ったんだ?俺野菜苦手なんだがこれならいくらでも食える」

 そして、サツキさんと同じパーティーの中で、リーダーのマルクスさんは掬うスプーンが止まらない。

「特に塩と胡椒で味付けしてあるだけで、野菜本来のうま味ですね。畑の土壌が良いお陰と、新鮮なまま運べたからです」

「そういえば君、魔法袋マジックポケットみたいなの、持っていたんだっけ?」

 「はい、発明者が俺の妹で試作品ですが‥誕生日プレゼントで貰いました。リングをこうして、円を描くと‥」

「おお、凄い!もう少しでキミの妹さんの新作が発売されるのかな?楽しみだ。」

 副所長はわくわくしている。何でも、ギルドの職員達は、妹の作る発明品で定時で上がれたり、残業しても疲れが残らないアイテムを愛用してくれているらしい。

 そういや、発売前に試飲させられて暫く毒におかされたんだった‥

 さて、まだまだあるフルコースを俺はどんどん皆さんに食べて貰うやっぱり作りがいあると思う瞬間は食べた人の笑顔だ!

「はーい此方、丼ぶりもございますよ。後、野いちごが採れたので、デザートは苺クレープなんていかがですか?」

「「「「「「おおおおおおッ~!」」」」」」

 日頃から行っている料理で、こんなにも喜んで貰えるのは、ちょっぴり‥照れ臭いもんだなあ。




 ~閑話休題~


「ではこれより各自、魔物が徘徊する外で寝て貰う。今日は、我々が警護をする為、ぐっすり寝て良いが‥クエストを受けるようになったら、君達も夜襲に備え結界を張ったり、パーティーで交代で見張りをつける事を此処で忠告しておく。では就寝!」

「「「「おやすみなさい」」」」

 俺達は寝床につく、今日一日だけでは冒険者になってもまだまだだろう。
 これからたくさんクエストを受けて、ガンガン成長するぞ!

 俺は誓い、深い眠りについた‥。



 ~翌朝帝都噴水広場~

 「では以上で実践講習を終了するその証としてこのランクと名前の入ったドッグタグを渡す
 クエストで途中ドッグタグを見つけたらできるだけギルドへ届けてほしい」

 ドッグタグは行方不明の冒険者の生存確認となる。
 クエスト途中で遺体を運べる事はそうそうないので、ドッグタグが遺族の元に送られる。
 うちの親父もお袋もそうだったから‥できるだけ、まだ家族や恋人を探している方の元へ届けるべきだと思う。

「Eランクのパーティー炎の導きファイアーロードの諸君、それとDランクで基本ソロで活躍してくれているツクヨミ君もご苦労。今回の実践講習護衛クエストの報酬は、ギルドカウターで精算してくれたまえ。では、これにて解散!‥シモツキ君はこのままギルドに来てくれる?」

「はい?」

 妹の見送りは、ギリギリできそうだと思ったのに‥
 今晩はその分張りきって豪華な食事を作ろう。

 ~フキのギルド~

 応接間に案内された

「ごめんね幾つかキミに聞きたいことがあってね」そういいながら副所長のハッカクさんはガサガサと紙面を広げると、、
「おお!俺が映っている」
 なんと、昨日ゴブリンをひたすら倒すところからオークを捌いてから、狩りをしている処まで‥記録されていた。

「これって確か、忍びアサシンのスキルで使えるやつですよね?」

「そうそうほら、Dランクのソロのツクヨミ君。あの子がたまに私の付き人として、仕事を手伝ってくれるの」へえ凄いなツクヨミ先輩

「いや、それより何故俺はこうして撮られてるんです?」

「実はね、君の戦闘‥狩りや獲物の捌き方、勿論料理もね。我々フキのギルドの教材として使おうかと思ってね、一応本人に話しておかないと後で色々厄介だなって思ってね?」

 これを教材に?なんの學びになるんだ?

「‥因みに本当の使い道は?」

「あ、バレた?ギルドの資金として売れば儲かるかなあ‥って思惑もあるんだよね。」

 副所長は笑う

「いやいや、こんなもん売れるわけ「売れたよ」な‥え?」所長のカリノスさんが何時からいたのか、割って売れたと告げる。

「え、売れた?もう商品として販売したんですか!?たった1日で?」

 俺は焦った、あんなのよっぽど物好きしか買わない。そんなものを一日で商品化は‥

「違う、まだ商品化はしていない。私はハッカクの提案を受けて商品化しようと、その映像を眺めていたらな‥御忍びで来た帝王様が購入なされた」

 物好きが買った~~ッ!

「因みにどれくらい?」帝王さまの事だ絶対‥

「‥すまん、私の手元に商品化に向けて作った奴全てだ。お陰さまで、久々に白金貨の詰まった皮袋を手に入れたんだ。」

 所長は満面の笑み
 副所長は「在庫増やさねば」と呟いてるし、

 つまり、問答無用で商品化するからねって伝えるためだったのか‥

「解りました。売れる見込みがあるなら、もう俺はなにを云っても無駄でしょう‥」

「解ってくれたかい!あ、帝王からの支払金の一部と、これからの売り上げの一部はシモツキくんの妹さんの研究費として回しておくから」

「じゃんじゃん売りましょう!」

 妹の研究が少しでも円滑に進むなら、こんな物好きしか買わない商品でも、人気商品にして見せたい。


 息巻いていると、カリノス所長にポンと肩を叩かれる「あと、帝王がね近々第三女のお姫様の誕生日会を王宮内で開かれるらしくて招待されたんだ因みに、お嬢様は君の作ったスイーツをご所望だ」

 ‥ホワイ?

「えっと、、、俺の作ったものをご所望なのは光栄なんですが、もしやその為にしばらく王宮内で泊まれだとか云われてませんよね?」

「うんそれはなんとかね‥キミは冒険者で依頼をこなして貰いたいし?宮廷の調理場で作らず自宅で作って持ってきてくれだと‥いやあ信頼されてるねぇ!」

 いや、信頼されすぎでは?
「自宅で作って持って云っても良いならそうしますがね、毒が入ってないかとかもうちょい警戒するべきなんじゃないかと‥」

「嗚呼‥媚薬は敢えていれてもかまないってさ」

「なにをさせるつもりなのですか!?」

「そりゃあキミと姫様がナニかすることになればって事でしょう‥帝王マジで既成事実や口実をつくる事を模索しているから、気を付けてね?」

「‥取り敢えず、清潔で純粋に美味しいスイーツを作ってきます」

「うん。日時はもう少し先だから、また近くなったら事前に伝えておくね?」

「はい‥」

 此処まで会話に入っていない副所長はというと、別室の企画部に掛け合ってとっくに商品開発に勤しんでいた‥




 ~ダラル爺さんの畑~

 帰宅途中畑に寄った。
 
 畑作を終えて、休憩しているダラル爺さんが煙管を吸っていた。

「やあ爺さん!」

「おー!シモツキか、なにやら街中がお前さんの事で賑やかだぞ?お前んちは辺鄙な場所だから届きにくいと思うから伝えておいたぞ!ワッハッハ」

 まあ、帝都の端の都会なのに田舎な場所にあるからねぇ

「というより、俺の事で賑やかなの?
 爺さんに教えて貰わなかったら次にギルドへ行く迄知らなかったよ。で、どんな話題で盛り上がってるの?」

 フーッと紫煙を吐くとダラル爺さんは

「いや、、儂も詳しくは知らんがな?なんでも戦闘料理人の新人冒険者が、姫様の婚約者だとかなんとか」

「‥ちょっと待て、何それ怖い見に覚えのない事を噂にされてるのが怖い。」

 どうしよう外堀埋めてきてるぞ

「儂も立ち聞きしただけじゃ。なんでも帝王様が直々に公言したとかなんとか‥」

「それ、確信犯じゃないか!爺さん俺、姫様の誕生日パーティーにお呼ばれされてるんだけさ‥」

「ガハハッ確信だな、これで富と名声が手に入るぞ!ガハハッ」

「笑い事じゃないよ!うわあ‥帝王様マジで外堀埋めてきやがる」


 これ、一度城に向かった方が良さそうだな‥


 俺は頭を抱えながらダラル爺さんと別れ、家路に着く、、






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