天然クールな騎士団長のアブないマッサージ

うこと

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王太子エフライム4

 
 ルネの陰茎が窮屈そうにズボンを押し上げるほど大きくなると、エフライムはゆっくりと身を起こした。
 
 褐色の腕がルネのブーツを剥ぎ取っていく。
 エフライムは慣れた手つきでズボンと下着を脱がし床に放り投げると、とろとろと蜜を零しているルネの陰茎に触れた。
 
「あッ……!」
 
 直接的な刺激に、思わず甘い声が上がった。
 いい声だ、と揶揄う声に腹を立てる余裕もないほど、陰茎を扱くエフライムの手つきは巧みだ。
 
 大きな手のひらで陰茎の先端を上下に擦られるたび、身体の奥から熱が吹き出してくる。
 
 ひと月ぶりの刺激に、ルネの陰茎はあっという間に張り詰めていった。
 同時に触れられてもいない腹の奥がじくじくと疼き出している。
 
「あっ、や、もう……っ」
 
 五分も経たないうちに、ルネの陰茎は限界を迎えた。
 勢いよく飛び出した白濁を、エフライムが大きな手のひらで受け止める。
 
「ふ、随分と濃い。自分で出していなかったのか」
 
 吐精したものをまじまじと見つめられ、カッと頬が熱くなる。
 だが何も言えず、ルネは視線を逸らして豪奢なソファの柄を意味もなく見つめた。
 
「さて、こちらの具合はどうかな」
 
 エフライムの腕がルネの両脚を割り開いた。
 露わになった後孔に、出したばかりの精液が塗りつけられる。
 
 何とも言えぬ感触に身を震わせていると、長い指が遠慮なく中へと侵入してきた。
 
 腹の中を探るような手つきを、ルネは知っている。
 これから挿入するもののために、粘膜を擦りながら入り口を広げようとする動きだ。
 
「んぅ……」
 
 焦らすように中をくすぐる指先に、湿った吐息が零れる。
 
 頭に浮かぶ嫌な考えを追い出したいが、快楽に身を任せる訳にもいかない。
 それでも着実に蓄積していく熱に、ルネは震える唇を噛みしめた。
 
 一本目の指が馴染んできたところで、エフライムは挿入する指を増やした。
 粘膜を掻き回しながら奥へと進む指先に、腹の中の熱は着実に高まってきている。
 
 エフライムは耐えるように唇を引き結んでいるルネを見下ろしながら、フッと息を漏らした。
 
「作法を知らないという割に、何をされるかは分かっているようだな」
「……っ」
 
 図星を指されたルネは押し黙るほかなかった。
 
 胸を刺激された時から燻ぶっていた嫌な予感――信頼を寄せる人に騙されていたという現実を、信じたくはない。
 
 だが、「性行為」として今まさに身体の中を触れられている状況にあっては、いくら否定したくても否定のしようがない。
 
「――あッ!」
 
 長い指先が肉の壁を押し上げた途端、全身に電流が走った。
 甘い疼きと強烈な快楽が同時に通り抜けていく。
 
 ルネの反応に気を良くしたのか、エフライムは口角を歪ませながら執拗に同じ箇所を突き上げた。
 
「あっ、やめ……あっ、あ……っ!」
「正直に言え。ここに男を咥え込んだことがあるだろう」
「ひぁッ、あ、あっ……」
 
 強すぎる快感に全身を犯され、思考が上手く言語化できない。
 ルネは細い身体を震わせながら、こくこくと人形のように首を振った。
 
「やはりな。別にお前を責めている訳ではない。慣れている方がこちらもやりやすいからな。だが――」
 
 エフライムは指を動かし続けながら、身体をぐっと前に倒して顔を近付けた。
 鼻先が触れ合い、胡桃色の瞳がじろりとルネを見据える。
 
「男同士でセックスはできないとうろたえていた姿は、演技には見えなかった。俺はその矛盾の理由を知りたい」
「そ、それは……、んっ、や」
 
 問いかけながらも、エフライムは責め立てをやめようとしない。
 勝手に漏れ出る声をどうにか堪えながら、ルネは必死に頭を巡らせた。
 
 眼前に迫るエフライムは笑みを浮かべているが、瞳の奥は研ぎ澄まされた剣のように鋭い。
 
「……っ、この行為が性交だと、いま……知って、……あっ、ん……」
 
 ルネは拙い言葉でありのままを伝えた。
 
 事実とはいえ、真偽を疑いたくなるような、何とも情けない理由だと思う。
 だが、エフライムを納得させるだけの答えを作り出す余裕などない今、下手な誤魔化しは不興を買うだけだ。
 
 ルネの返答にエフライムはほんの一瞬目を丸くした後、腹を探る手を止めて「ハハハッ」と明朗な笑い声を上げた。
 
「なるほど。お前が清純さと色香を同時に纏わせているのは、そういうことか。面白い。ますます気に入った」
 
 どうやらルネの言い分をそのまま信じてくれたらしい。
 意外な反応に呆けていると、エフライムは軽く唇を触れ合わせた。
 
 撫でるようなキスから深い口づけに変わり、ぬるりとした舌が侵入してきた。
 同時に後孔を解す指が三本に増え、複数の刺激に思考がどこかへ流されていく。
 
 くすぐるように舌を舐められ、ぞわぞわとした刺激が背中から這い上がってくる。
 腹の中では指が生き物のように肉の襞を摩擦し、強い電流となって全身を襲った。
 
 耳を犯すように響く生々しい水音がどこから聞こえてくるのか判別がつかないほど、二つの動きは苛烈だ。
 ルネはただ身を捩りながら、解放を願うことしかできなかった。
 
「んぅ、……っ」
 
 軽いリップ音と共に唇が離れていき、ようやく呼吸が解放される。
 エフライムはルネの口の端を伝う唾液をぺろりと舐め取ってから、身体を起こした。
 
「俺はお前という人間を知らないが、お前の言葉が嘘か真実かくらいは見分けがつく」
 
 後孔から指を引き抜いたエフライムは、反対の手でルネの長い前髪を拭った。
 全てを見透かすような鋭い瞳と視線が絡む。
 
「大方、単なる介抱だとか治療行為だとか、尤もらしく言われたのをそのまま信じたのだろう」
 
 またも言い当てられ、ルネは反射的に胸に手を置いた。
 
 自慰をするためのマッサージだと言い、ルネに性交を教え込んだのは家庭教師のジスランだ。
 
 だが、この行為が性交そのものだったと気付いた時、ルネの頭に真っ先に浮かんだのはジスランではなくジュストの顔だった。
 
 なぜジュストは、あの時教えてくれなかったのか――。
 ジスランが自分を騙していたショックよりも、ジュストへの疑念ばかりが頭を巡っている。
 
 ジュストを信じたいのに、どうしても不信が拭えない。
 
「図星のようだな」
 
 エフライムは愉快そうに鼻を鳴らすと、自らの衣服を脱ぎ始めた。
 当然と言えば当然だが、行為を止めるつもりはないらしい。

感想 2

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みんなの感想(2件)

そう
2026.04.21 そう

ごめんなさい!ジェストではなくジュストの誤字でした💦

2026.04.21 うこと

誤字の件もご丁寧に訂正くださりありがとうございます!
私も書きなれてない頃は作者なのによく間違えていました(笑)

解除
そう
2026.04.20 そう

いつもルネくんの可愛さに癒され、ヤキモキするジェストにニヤニヤし、気持ちに正直なアダンに「イケイケどんどん」とヤジ(エール?)を飛ばしながら読んでいます。
アダン×ルネ推しですが、総受けが大好きなので今後もまた色んな攻めとの絡みに期待しています!
舞踏会での社交界デビューもどんな展開になるのか、とても楽しみです。

2026.04.21 うこと

感想ありがとうございます!とても嬉しいです……!!!
ジュストの嫉妬もアダンの押せ押せも書いていてとても楽しい部分なので、そう言っていただけると作者冥利に尽きます!
アダン×ルネはアダン年上だけど部下なので年下ワンコ攻め感もあり、私もとても好きなカプです!
総受けいいですよね~!もっと世に増えてほしいです!!!
完結まで頑張りますので、最後までお付き合いくださると嬉しいです~!

解除

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