冬馬君の日常

だかずお

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ー 多網父炸裂 ー

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まだ車の中は笑いにつつまれていた。
冬馬君や大喜は、多網父の真似をしている

「サー」 「サー」

まさに車内はサー のオンパレードである
父はしきりに隣のカップルのその後が、どんな状態だったか気にしていた。
みんなから、その後のカップルの様子を聞いては満足気だった

その時

ザーッ

「あっ雨だ」

凄まじい雨だった バケツの水をひっくり返したような強い雨

車のフロントガラスからの景色はほとんど見えないくらいだった

「こりゃ凄い」多網父は少し慌てている。

子供達は強い雨に興奮して喜んでいた。

多美も きゃっきゃ 笑っている

「夕飯のおかずはあるかい?」
多網父が母にたずねる

「ちょっとそこのデパート寄ってくれる?」

「分かってた」

話を聴いてて なら、きくなよと突っ込みたくなる多網父の返答であったが、とにかく 「やったー」子供達はこの雨の中、まだ家に帰らず買い物に行くことを喜んでいる。

車はデパートの駐車場に入り、車内では子供達がオモチャ売り場に行きたいとしきりに言っていたので、多網母は多美を連れて食品売り場に、多網父は子供達を連れておもちゃ売り場に向かった。

車を降りた時 駐車場は屋根がある建物の中だったが、雨のあたる音が凄まじかった

ザーッ

本当に強い雨だ

オモチャ売り場でオモチャを見ていると、多網の父が安いのなら一つ買ってあげるよと言ってくれた。
多網父は 優しい

みんなそれぞれ一つずつ買ってもらって、デパートを歩いてる時だった。

父がボソリつぶやいた 「まずい」

視線の先を見ると

またいた 彼等だ !!

だいきと、きみこ あのボーリング場にいたカップルだ。

冬馬君達は多網父に隠れたほうがいいよと伝えようとしたが、すでに姿はなかった。

なんちゅー瞬発力

見るとガチャガチャの後ろから顔をヒョッコリ出して隠れている

ヒョッ ヒョコッ ヒュッ

何て素早い男なんだと、冬馬君は思った

「あっ、さっきのガキじゃないか あの親父何処にいるんだ?」
こっちに近づいてくる

多網は冬馬君と大喜をかばい前にでた

頼もしかった

「しらねぇ」多網は必死に睨んだが、まだ子供 威嚇にもならなかった。

「あんっ生意気だな」多網の襟元に手を

その時だった

「サーーーーーーーーーーーー」

あの掛け声は!!

見ると後ろから多網父が、自分が球になって転がってきていた

カップルは「何だあいつ 頭イッてるよ」と怖くなったのか走って逃げて行く

「みんな大丈夫か?」

うんっ

また父のサーーーが決まった瞬間だった ストライクである 

いや、全二ピン逃げたので 惜しくもガーターか?

周りの人達はあの人頭おかしいのかしらと見ていた

父は一喝した サーーーーー

父は今、気分が高揚してるのか、怖いものがないようすだった

普段のわたしじゃないみたいだ。
子供達の危機を感じ殻を破って出てしまったよ。

私はスーパーサーか!?

「かっこ良かったよ父ちゃん」多網が言った

冬馬君達も「最高だった」

多網父はよっぽど嬉しかったんだろう

凄まじい笑顔を表す

 ニカッ

それはちょっと不気味だった

とりあえずみんなは車に戻り、多網の母達も車に戻ってきた。

冬馬君達はいきさつを話し。多網父がいかに勇敢だったかを語っている。
それを聴いた多網 母はビックリ。

「あなた、どうしちゃったの?」

「えへへへ へへっ」

外の雨は相変わらず すごかった

何とか無事に家に帰り、着いた頃には時刻は17時を過ぎていた

多網が「お風呂入ろう」

オッケー 冬馬君と大喜も買ってもらったおもちゃを持って、風呂場に向かう

「お湯をためながら入ろう」

シャワーを出し、みんな浴槽に入って水をためながら遊んでいる。

賑やかなお風呂だ

すると小さい影が、ヒョコッ。
多美だ。一緒に遊びたいらしく風呂場に来たのだった
大喜は攻撃されないように身構えている。

するとそこに、ナイスタイミングに父が現れて多美を連れて行く。
「危なかった今攻撃されたらやばかった」と大喜 三人は笑った

お湯も大体たまり、多網はいったんシャワーを止めた。
お風呂場の中で響き渡る外の雨の音もすごかった。
雨の音が、風呂場の中だからか、エコーがかかった様に良く響く。
ザーッ ザーッ でも、なんだかホッとするような面白い瞬間だった。

三人はお風呂場で存分に遊んで、風呂からあがり、すぐさま、みんな寝衣に着替える。

ちょうど風呂からあがった時だった

ピカッ あっ雷だ ゴロゴロ

「これは結構近いね」と冬馬君

ピカッ ゴロゴロゴロゴロ

「ひゃっ」と飛び跳ねたのはなんと、多網父であった

父は平静を保とうとしていたが、実はカミナリが苦手だったのだ

なるべく慌ててる姿を子供達に見せる訳にはいかないと頑張っている。

多美は平然と寝ている、ネンネの時間。

多網母も恐くなったのか、台所からこっちに来る。
「雷凄いね」

父はすぐさま雷が落ちるといけないからといい、電気やテレビを消しはじめる。そんなことで本当に落ちなくなるのかは分からなかったが。

さすがに冬馬君達も、あまりに音が大きくて雷が近いようなので少しこわくなる。

「これ相当近いよ」と大喜
「うん近いね」と多網母

多網もびびっているようだ

ピカッ

これは多網父の心の対話である

うっ光ったくるぞ くるぞ くるぞー

うっううう あっ、こないー

ゴロゴロ

うひゃーきたっくうぅぅうううっっっ

ピカッ それは凄まじい閃光だった

電気を消していたにもかかわらず

みんなの表情が見渡せるくらいに

ドカン ゴロゴロ ドドンパ~

カミナリは多網家

いや父に直撃して

父は丸焦げになってしまった

もちろん父の妄想の中。
父の頭の中ではそれくらいの衝撃だったのだ。

みんなも、雷の音に驚いている
「うわっ」「 ひいいー」

だが、それらは父の衝撃に比べれば足元にも及ばないものだった

父は直立立ち、目は白目になり、まさに立ち尽くすゾンビ

カミナリが足元に及ばないくらい、その姿は恐ろしいものであった。
もうホラー映画である。しいていうならタイトルは、
「雷の夜に現るゾンビ人間」とでも言っておこう。

父の頭の中で、カミナリは父に直撃したのであった

「あなた、あなた」

しばらくして多網父は目を覚ました

「化け物は去ったのか? 家は焼け焦げてないのか?」と少し意味の分からない事を言って、軽い放心状態であった 

みんなは笑っていた、あんたが化け物だよと。

みなの無事な姿を見て多網父は安心し、いゃあビックリしたと、ようやく心より、一安心

雨はまだ降っていたが、カミナリは去ったみたいだ

「これで夕飯つくれるわ」と多網母

その日の晩御飯、多網母の料理は美味しかった。
肉じゃが、焼き魚に、サラダ

子供達は大満足

多網母は片付ける為、台所に向かう

多網父もビールを飲んではご機嫌である。

母が行ったのを見計らって「父ちゃんいっきして」多網の一言

「凄い出来るの?」と冬馬君が

これにより父は後にはひけなくなった。
そう多網父はあまり酒は強くないのである

いっき いっき いっき

子供達のコールが、もう後には引けない。

グビッ グビッ

「ぷは~っ もうお終い」

「えーっ、こんだけなんだ弱いじゃん」と大喜

ピクッ 父に火をつけた

ライト オン サー!!

ゴクッ ゴク

父は言った「もう一杯」

冬馬君は分かっていた。
この目の前にいる多網父が、何かをしでかすであろう事を。

何やら危な気な香りのする夜が始まる

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