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~ 槍使いの一山 ~
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翌朝
「さて兄貴達、そろそろ自分達の街に帰りましょう」
それぞれは支度をすませ立ち上がる。
陽は昇りはじめ 村全体は優しい光に照らされていった。
「こんな、朝が迎えられるなんて、みなさんのおかげです、本当にありがとうございました」
一彦の父は頭を下げ嬉し涙を流す。
そこには一彦の姿はなかった
「倅も昨日は色々ありました、顔を出さないご無礼、許していただきたい」
「そんな、良いんですよ」文太は言った。
「さっ行きましょう」
後ろからはいつまでも鳴り止むことのない村人の感謝の声が響く
なんだか人に感謝されるのは気分がいいなぁ、そんなことを思った。
あの村人達は山賊から解放されて自由になったんだ。
これから村人達の本当の生活が始まる
僕は嬉しくなり空を見上げた。
ああ、良かった 。
一彦君は大丈夫だろうか?
少し心配もあったが、彼なら大丈夫
ぼくが心配することじゃないか。
そんなことを思った時だった。
「本当にありがとうございました」
あっ! あの声は?
山の上から、手をふる一彦君の表情は、出会った時とは違い、晴れ晴れ生き生きとしていた。
僕はそれを見て泣きそうになってしまった。
「小僧もたっしゃでな」太一が叫ぶ
「一彦君も元気で」
僕らは歩きはじめた
「稽古一生忘れません、これからも稽古はつづけます そしたら またいつか勝負してください」
「あっ、俺稽古なんかしたっけ?まあいいか 分かったよ」太一が叫んだ。
僕はなんとなく分かっていた。
それに道来さんも。
僕は照れるように少し足早に前を歩いていた真堂丸の後ろ姿を、忘れない。
ザッ ザッ ザッ
僕らはひたすら山路を歩いていた。
六時間ほど歩いた頃だろうか
「おいっ太一 道違うんじゃないか?」
「えっ」
「前を見てみろ」道来が前方を指さす
目の前に広がるのは、とても大きな道場のような場所
「なんだ ここは」太一が驚く
中からは掛け声のようなものが聞こえる、それも大勢の。
「稽古してるようだな、面白い、行ってみないか?」道来が言った。
その時、背後から声が
「何者だ?」
見ると黒装束をまとった、坊主の男
あれっ?僕は不思議な違和感のようなものを感じた。
なにかがひっかかる。
僕はこの人をみたことがある気がする
気のせいか?
「私はそこの門下生だが」
「いやー道に迷っちまって、よければそこの道場に寄らせてもらえないか?」太一が言う。
男は笑った
「見るところ、腰に刀をつけてまあ、一般人じゃあないな、それにそこのお前、俺が近づいた時の殺気只者じゃないな?」
男は真堂丸を見つめていた。
「良いだろう、悪い奴らじゃなさそうだ、ついて来い」
「ここは、かの有名な槍使いの名手一山さんの稽古場だ」
その名を聞いて、道来も太一も驚いた
「まさか、一山の?」
「そんな有名なんですか?」
「ああ、刀の道に生きる者では知らぬ者はいないだろう、かなり腕の立つ男だときく」
坊主の男が再び笑った
「かなり? 化け物だよ」
「おたくらじゃ天地がひっくりかえっても勝てないぜ」
その言葉にカチンときた太一
危うく この兄貴が何者かしらねえのか!真堂丸だぞと叫びそうになってしまったが、ギリギリのところでおさまえた。
あぶねぇ、真の兄貴に迷惑をかける所だった。
そして、僕らは道場に
中を覗きビックリした。
そこには、50人はいるだろう男達が槍を振るい稽古に励んでいた。
「師匠、この者達が道に迷っていたので連れて参りました」
あれが一山?
年は六十を過ぎたくらいだろうか?
「良くおいでなさった、ゆっくりくつろいでくれたまえ」
一山らしき人物は優しく微笑む
「かの有名な槍使い、一山先生と見受けた よろしければ 一戦交えたいのですが」道来は突然頭を下げる
「ほっほっほ、お主じゃまだはやい」
「どれ、空 そのものと勝負してやれ」
それは先ほどの坊主の男
「はい先生」
眼つきと空気が変わったのが一瞬で分かった
「じゃあ、よろしく 試合だと言って手を抜くな怪我するぜ」空は槍を道来に向ける
「望むところだ」
「道来さん」太一は心配そうに見つめていた。
僕も、その緊迫感に息をのむ。
真剣な表情を浮かべた二人の男は 互いに向き合い対峙している
試合は今まさに始まろうとしていた。
「さて兄貴達、そろそろ自分達の街に帰りましょう」
それぞれは支度をすませ立ち上がる。
陽は昇りはじめ 村全体は優しい光に照らされていった。
「こんな、朝が迎えられるなんて、みなさんのおかげです、本当にありがとうございました」
一彦の父は頭を下げ嬉し涙を流す。
そこには一彦の姿はなかった
「倅も昨日は色々ありました、顔を出さないご無礼、許していただきたい」
「そんな、良いんですよ」文太は言った。
「さっ行きましょう」
後ろからはいつまでも鳴り止むことのない村人の感謝の声が響く
なんだか人に感謝されるのは気分がいいなぁ、そんなことを思った。
あの村人達は山賊から解放されて自由になったんだ。
これから村人達の本当の生活が始まる
僕は嬉しくなり空を見上げた。
ああ、良かった 。
一彦君は大丈夫だろうか?
少し心配もあったが、彼なら大丈夫
ぼくが心配することじゃないか。
そんなことを思った時だった。
「本当にありがとうございました」
あっ! あの声は?
山の上から、手をふる一彦君の表情は、出会った時とは違い、晴れ晴れ生き生きとしていた。
僕はそれを見て泣きそうになってしまった。
「小僧もたっしゃでな」太一が叫ぶ
「一彦君も元気で」
僕らは歩きはじめた
「稽古一生忘れません、これからも稽古はつづけます そしたら またいつか勝負してください」
「あっ、俺稽古なんかしたっけ?まあいいか 分かったよ」太一が叫んだ。
僕はなんとなく分かっていた。
それに道来さんも。
僕は照れるように少し足早に前を歩いていた真堂丸の後ろ姿を、忘れない。
ザッ ザッ ザッ
僕らはひたすら山路を歩いていた。
六時間ほど歩いた頃だろうか
「おいっ太一 道違うんじゃないか?」
「えっ」
「前を見てみろ」道来が前方を指さす
目の前に広がるのは、とても大きな道場のような場所
「なんだ ここは」太一が驚く
中からは掛け声のようなものが聞こえる、それも大勢の。
「稽古してるようだな、面白い、行ってみないか?」道来が言った。
その時、背後から声が
「何者だ?」
見ると黒装束をまとった、坊主の男
あれっ?僕は不思議な違和感のようなものを感じた。
なにかがひっかかる。
僕はこの人をみたことがある気がする
気のせいか?
「私はそこの門下生だが」
「いやー道に迷っちまって、よければそこの道場に寄らせてもらえないか?」太一が言う。
男は笑った
「見るところ、腰に刀をつけてまあ、一般人じゃあないな、それにそこのお前、俺が近づいた時の殺気只者じゃないな?」
男は真堂丸を見つめていた。
「良いだろう、悪い奴らじゃなさそうだ、ついて来い」
「ここは、かの有名な槍使いの名手一山さんの稽古場だ」
その名を聞いて、道来も太一も驚いた
「まさか、一山の?」
「そんな有名なんですか?」
「ああ、刀の道に生きる者では知らぬ者はいないだろう、かなり腕の立つ男だときく」
坊主の男が再び笑った
「かなり? 化け物だよ」
「おたくらじゃ天地がひっくりかえっても勝てないぜ」
その言葉にカチンときた太一
危うく この兄貴が何者かしらねえのか!真堂丸だぞと叫びそうになってしまったが、ギリギリのところでおさまえた。
あぶねぇ、真の兄貴に迷惑をかける所だった。
そして、僕らは道場に
中を覗きビックリした。
そこには、50人はいるだろう男達が槍を振るい稽古に励んでいた。
「師匠、この者達が道に迷っていたので連れて参りました」
あれが一山?
年は六十を過ぎたくらいだろうか?
「良くおいでなさった、ゆっくりくつろいでくれたまえ」
一山らしき人物は優しく微笑む
「かの有名な槍使い、一山先生と見受けた よろしければ 一戦交えたいのですが」道来は突然頭を下げる
「ほっほっほ、お主じゃまだはやい」
「どれ、空 そのものと勝負してやれ」
それは先ほどの坊主の男
「はい先生」
眼つきと空気が変わったのが一瞬で分かった
「じゃあ、よろしく 試合だと言って手を抜くな怪我するぜ」空は槍を道来に向ける
「望むところだ」
「道来さん」太一は心配そうに見つめていた。
僕も、その緊迫感に息をのむ。
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試合は今まさに始まろうとしていた。
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