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~ 真堂丸の過去 ~
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ドゴオォーン
城の周りには真っ黒い煙がたちこめていた。
真堂丸は城の中を全力で走り回っている 「くそっ、なんてデカイ城だ」
「弓を放て」
すべての弓を躱しながら、廊下の屋根に飛び出し 、別の廊下にうつって行く。
その素早さときたら、尋常ではなかった。
「なんて、速い男だ また見失ったか、さがせ」兵士達は焦っていた、先ほどから、見つけてもすぐに見失うの繰り返しになっていたからだ。
秀峰は全体を把握する為、すべてを見渡せる場所に立っていた。
彼の人並み外れた動体視力でさえも、真堂丸の居場所を捉えるのは難しい程。
「なんて、素早い男だ やっと見つけたあそこか」
真堂丸は物陰に腰を下ろし休んでいる
「思ったより激流の時の傷が大きい」
それは、今や身体が思うように動かないほどの激痛に変わっていた。
そんなことを考えていた刹那
真堂丸はイキナリ飛んで身をねじらせる、壁にはクナイが次々に突き刺さり
「見つけましたよ」
秀峰は刀を抜き、真堂丸に斬りかかった。
秀峰の斬り込みを刀で防ぎ、両者は刀と刀での小競り合いへ、互いの力比べとなる。
「俺にやられた腕はどうだ?思うように動かないだろう」真堂丸は刀越しに秀峰を見つめつぶやいた。
しかし、異変に気づいたのは秀峰のほうだった、己のこの手負いの状態、下手すればすでに致命傷を与えられないかもしれないと覚悟を決めていたが、相手の動きは明らかに先程よりおかしかった。
秀峰程の達人、一度相手と刀を交わせば色々なことが分かってしまう、相手の力量はもちろん、性格、時には歩んできた人生までもが見えてしまうことがある。
相手の動きは明らかに先ほどとは違う
「どうやら、仲間を助ける時のあの激流、無傷では済まなかったようですね」
その瞬間、真堂丸は横の柱を切り倒し、後ろに飛び降りた
ドゴゴゴゴォーン
秀峰は、倒れてくる柱を避ける為、後ろに身を反らす。
「なるほど、助けるのが優先ですか、今が奴の命を奪う最大の機会と言うことですね」
「奴も私に身体の状態がばれた以上、慎重に動くはず。まあいい、またすぐに見つけてやりますよ」
秀峰は一人の兵隊に向かって叫ぶ
「奴は手負いだ、それと雷獣にもそのことを伝えておけ」
「はっ」兵隊は敬礼し すぐさま駆け出す
その頃、文太のいる牢では
「雷獣さん、真堂丸とは友達だったんでしょう?お願いです助けてあげてください」
「どこまでも、甘っちょろい小童だな、まあいい冥途の土産に話してやるよ 昔話をよぉ」
俺達は、ある村で育った。
それはヒデェ有り様だった、その村はたちの悪い盗賊どもに長い間支配されてた村。
力のない村人達は、毎日嘘の笑いを浮かべ、奴らに従うか、命ごいに泣き、過ごすかしかなかった。
歯向かうものなど誰もいない、盗賊の命令が絶対の世界。
俺達はそんな村で育つ。
俺も奴も五歳になるくらいの時だった。
奴が突然言ったのさ
「このままでいいのか?俺は他の村人のようにはならない、必ず力をつけてこの村から両親共々にげだしてやる」
俺は驚いた、何故なら盗賊に歯向かうなんてことは、頭の片隅にも浮かんだことがなかったからだ。
お前には分からんだろうな、生まれながらにあの村で育ち、絶対的な支配の中で育てば、すべての気力も、生きる希望もそがれるってもんだ。
俺たちはただの玩具同然の存在だった。
だが、奴のそんな言葉を聞いて以来 俺たちは、希望にかける努力をはじめたんだ。
そう、生きる為
ある時、地下に秘密の狭い場所を見つけた。
狭く、暗く、やっと人が一人通れるほどの道。
まるで地獄にでも続くかのような、その道をくだるとそこにつく。
その場所で、毎日二人 刀の稽古をした。
ふっ、稽古なんてもんじゃねえな、真剣での練習、下手すりゃ、死ぬ。
俺たちはその当時から生き抜く為には、友と言えど相手を殺す、それくらいの覚悟が必要だったんだ。
必死だったよ、この身体の傷はな、半分以上がその時のものだ。
僕は、壮絶な二人の人生に息をのんだ。
そして真堂丸に触れてる感じがして、涙がこぼれはじめた。
雷獣はそんな文太を見て、再び語りはじめる。
それから二年、奇跡に近かった。誰にもばれず、腕を磨けたことはな。
ある日、奴は言った。
「もう少しで、あの盗賊どもをやれるんじゃないかと思う」
その言葉を聴いてはじめて知った。
あいつが村人全員を助けようとしてたことを。
俺は奴が自分と家族だけで逃げるもんだと思っていた。
少なくとも俺はそうだった。
だが冷静に考えてみろ、俺たちは十にも満たないガキ
相手は五十はいる大人、本物の盗賊だ。
正直、俺には信じられなかったよ。
勝機なんてものはない。
それから、半年近くたった時
それは、起こった。
いつものように、地獄から続くような、その細く暗い道を這い上がり地上に上がった時、俺たちの目の前に、ある光景が広がった。
俺たちの両親は吊るし上げられ、斬殺されていたんだ。
それは、村人の密告。
俺たちが二人で地下にもぐり、なにかをしてると盗賊共に話やがったんだ。
今でも虫唾が走りやがる、こんな野郎どもを助けようとしてたのかってな。
すぐに盗賊達は俺たちを追ってきた。
俺たちは地下に降り、逃げたのさ
その時、俺は奴という男の凄さを目の当たりにしちまうんだけどな。
それは運も俺たちに味方してた。
そう、地下に降りるには細い道を通らなきゃならない、一人ずつしか降りられないというのが 幸いする。
そのおかげで一対一の状況が必然的に生まれた。
だが、襲いかかってくる盗賊に、俺は震えて何も出来なかった。
しかし、奴は違った。奴はそこから降りてくる盗賊と一対一、一人残らず向き合い叩き斬った。
それは見事としか言いようがなかった。その光景を俺は、一生涯忘れることはないだろう。
全ての盗賊を叩き斬った後、息をきらした奴は俺に手を差し出し言った「大丈夫か?」
血まみれになった奴の姿を見て、でた言葉は悲鳴以外になにもなかったがな。
俺にも見捨てられた奴はそのまま地上にあがり、外に出た
地上に出た血塗れの奴を待つのは賞賛でもなんでもなく、化け物扱いする村人達だった。
奴らは密告の仕返しされると恐れおののいていたのさ。
奴はそこから姿を消した。
それから、十年くらいたった時だった。
俺はあれから奴の強さが忘れられなくて、気がついたらまた刀を握っていた。
沢山の人間達を斬った。
腕もみがいた、少しでも奴に近づこうとしていたのかも知れない。
そんな時だった、真堂丸という名前の、めっぽう強いという男が国中を賑わしはじめていたのは。
俺はすぐに分かったよ あいつだ
フフッ何の因果かそれから、一度俺は奴と闘ってるんだぜ、奴が覚えてるかは知らんがな。
それは本当に偶然だった、今思えば全てが偶然じゃあないのかもしれねぇがな、一瞬雷獣は城の外で上がる煙空を見上げ黙り、またすぐに話はじめた。
その時の奴はまるで獣、いや廃人と言うべきか。
目に映る人間は全て敵、俺のことも覚えちゃいない様だった。
会った瞬間にすぐに想像はついた。
奴が何も信じられず誰も頼りにせず、地獄の道を歩んできたことが
勝負は一瞬、斬られた俺は地面に転がってた
俺は死を覚悟したが、奴の顔を見て驚いたぜ、目は遠く、ここにあらず、まるでここが眼中にねえ。人間の皮を被った死体そのものだった。
それは、この世に、人間に、全てに絶望した人間の顔
「いまだに俺は、この今の状況が信じられねぇ、そんな奴がお前を助けにきてやがる 笑っちまう、一体奴になにがあったって言うんだ」
「彼は大切なものを見つけたんだ」
「はっ?」
「どうしてだ雷獣」
文太のその言葉に雷獣の目は一瞬ですわり、物凄いけんまくで文太を睨み返す
「なんだと」雷獣の目は尋常じゃないくらい恐ろしい迫力
僕は恐怖に支配されそうになったが止まらなかった。
「どうして、自分がされて苦しかった思いを、また他の人間に繰り返させる、大帝国がやろうとしてるのは、その盗賊達と同じじゃないか」
「フッ知らねえよ、平和に生きる人間への仕返しかもな、お前達も己の苦しみを味わえってな」
すごい気迫だった、目には人の人生がうつる
僕の足は彼のとてつもない眼力に震えあがった
でも、僕はここだけは引くつもりはなかった。僕は雷獣をジッと見つめ返した。
その時だった
「雷獣さん、侵入者はかなりの手負いを負ってる模様」
僕はドキッとする。
あの時だ、やはり無傷じゃなかったんだ 突然胸騒ぎがした。
死んじゃう 真堂丸が死んじゃう
僕は自然に牢をつかむ、そして気がついたら叫んでいた。
「真堂丸 来るなあ 来るなぁ」とめどなく涙があふれでている
君が死んで助かるくらいなら
僕は助けなんかいらない この命くれてやる
必死に牢をこじ開けようと全力を出していた
そんな中
真堂丸はようやく、怪しいひとつの部屋の前に。
息は少しきれ
ハァハァ
「ここか、文太」
だがそれは、文太の居る牢の前ではなかった。
そう、ようやくたどり着き、真堂丸の今目の前に広がるそこは、あの不気味な真っ黒に塗られた黒い襖の前だったのだ。
秀峰は真堂丸を探し出す為、再び城内を見渡せる場所に立っていた。
突然背中の辺りから声が
「秀峰 なんだょ こりゃあよう、どこぞの大軍に攻められてるのか? すぐに皆殺しにしてやるぜ」
秀峰の顔は晴れる
「骸さん!!!」
それは、恐ろしい化け物達が侵入者に牙を向く前触れであった。
城の周りには真っ黒い煙がたちこめていた。
真堂丸は城の中を全力で走り回っている 「くそっ、なんてデカイ城だ」
「弓を放て」
すべての弓を躱しながら、廊下の屋根に飛び出し 、別の廊下にうつって行く。
その素早さときたら、尋常ではなかった。
「なんて、速い男だ また見失ったか、さがせ」兵士達は焦っていた、先ほどから、見つけてもすぐに見失うの繰り返しになっていたからだ。
秀峰は全体を把握する為、すべてを見渡せる場所に立っていた。
彼の人並み外れた動体視力でさえも、真堂丸の居場所を捉えるのは難しい程。
「なんて、素早い男だ やっと見つけたあそこか」
真堂丸は物陰に腰を下ろし休んでいる
「思ったより激流の時の傷が大きい」
それは、今や身体が思うように動かないほどの激痛に変わっていた。
そんなことを考えていた刹那
真堂丸はイキナリ飛んで身をねじらせる、壁にはクナイが次々に突き刺さり
「見つけましたよ」
秀峰は刀を抜き、真堂丸に斬りかかった。
秀峰の斬り込みを刀で防ぎ、両者は刀と刀での小競り合いへ、互いの力比べとなる。
「俺にやられた腕はどうだ?思うように動かないだろう」真堂丸は刀越しに秀峰を見つめつぶやいた。
しかし、異変に気づいたのは秀峰のほうだった、己のこの手負いの状態、下手すればすでに致命傷を与えられないかもしれないと覚悟を決めていたが、相手の動きは明らかに先程よりおかしかった。
秀峰程の達人、一度相手と刀を交わせば色々なことが分かってしまう、相手の力量はもちろん、性格、時には歩んできた人生までもが見えてしまうことがある。
相手の動きは明らかに先ほどとは違う
「どうやら、仲間を助ける時のあの激流、無傷では済まなかったようですね」
その瞬間、真堂丸は横の柱を切り倒し、後ろに飛び降りた
ドゴゴゴゴォーン
秀峰は、倒れてくる柱を避ける為、後ろに身を反らす。
「なるほど、助けるのが優先ですか、今が奴の命を奪う最大の機会と言うことですね」
「奴も私に身体の状態がばれた以上、慎重に動くはず。まあいい、またすぐに見つけてやりますよ」
秀峰は一人の兵隊に向かって叫ぶ
「奴は手負いだ、それと雷獣にもそのことを伝えておけ」
「はっ」兵隊は敬礼し すぐさま駆け出す
その頃、文太のいる牢では
「雷獣さん、真堂丸とは友達だったんでしょう?お願いです助けてあげてください」
「どこまでも、甘っちょろい小童だな、まあいい冥途の土産に話してやるよ 昔話をよぉ」
俺達は、ある村で育った。
それはヒデェ有り様だった、その村はたちの悪い盗賊どもに長い間支配されてた村。
力のない村人達は、毎日嘘の笑いを浮かべ、奴らに従うか、命ごいに泣き、過ごすかしかなかった。
歯向かうものなど誰もいない、盗賊の命令が絶対の世界。
俺達はそんな村で育つ。
俺も奴も五歳になるくらいの時だった。
奴が突然言ったのさ
「このままでいいのか?俺は他の村人のようにはならない、必ず力をつけてこの村から両親共々にげだしてやる」
俺は驚いた、何故なら盗賊に歯向かうなんてことは、頭の片隅にも浮かんだことがなかったからだ。
お前には分からんだろうな、生まれながらにあの村で育ち、絶対的な支配の中で育てば、すべての気力も、生きる希望もそがれるってもんだ。
俺たちはただの玩具同然の存在だった。
だが、奴のそんな言葉を聞いて以来 俺たちは、希望にかける努力をはじめたんだ。
そう、生きる為
ある時、地下に秘密の狭い場所を見つけた。
狭く、暗く、やっと人が一人通れるほどの道。
まるで地獄にでも続くかのような、その道をくだるとそこにつく。
その場所で、毎日二人 刀の稽古をした。
ふっ、稽古なんてもんじゃねえな、真剣での練習、下手すりゃ、死ぬ。
俺たちはその当時から生き抜く為には、友と言えど相手を殺す、それくらいの覚悟が必要だったんだ。
必死だったよ、この身体の傷はな、半分以上がその時のものだ。
僕は、壮絶な二人の人生に息をのんだ。
そして真堂丸に触れてる感じがして、涙がこぼれはじめた。
雷獣はそんな文太を見て、再び語りはじめる。
それから二年、奇跡に近かった。誰にもばれず、腕を磨けたことはな。
ある日、奴は言った。
「もう少しで、あの盗賊どもをやれるんじゃないかと思う」
その言葉を聴いてはじめて知った。
あいつが村人全員を助けようとしてたことを。
俺は奴が自分と家族だけで逃げるもんだと思っていた。
少なくとも俺はそうだった。
だが冷静に考えてみろ、俺たちは十にも満たないガキ
相手は五十はいる大人、本物の盗賊だ。
正直、俺には信じられなかったよ。
勝機なんてものはない。
それから、半年近くたった時
それは、起こった。
いつものように、地獄から続くような、その細く暗い道を這い上がり地上に上がった時、俺たちの目の前に、ある光景が広がった。
俺たちの両親は吊るし上げられ、斬殺されていたんだ。
それは、村人の密告。
俺たちが二人で地下にもぐり、なにかをしてると盗賊共に話やがったんだ。
今でも虫唾が走りやがる、こんな野郎どもを助けようとしてたのかってな。
すぐに盗賊達は俺たちを追ってきた。
俺たちは地下に降り、逃げたのさ
その時、俺は奴という男の凄さを目の当たりにしちまうんだけどな。
それは運も俺たちに味方してた。
そう、地下に降りるには細い道を通らなきゃならない、一人ずつしか降りられないというのが 幸いする。
そのおかげで一対一の状況が必然的に生まれた。
だが、襲いかかってくる盗賊に、俺は震えて何も出来なかった。
しかし、奴は違った。奴はそこから降りてくる盗賊と一対一、一人残らず向き合い叩き斬った。
それは見事としか言いようがなかった。その光景を俺は、一生涯忘れることはないだろう。
全ての盗賊を叩き斬った後、息をきらした奴は俺に手を差し出し言った「大丈夫か?」
血まみれになった奴の姿を見て、でた言葉は悲鳴以外になにもなかったがな。
俺にも見捨てられた奴はそのまま地上にあがり、外に出た
地上に出た血塗れの奴を待つのは賞賛でもなんでもなく、化け物扱いする村人達だった。
奴らは密告の仕返しされると恐れおののいていたのさ。
奴はそこから姿を消した。
それから、十年くらいたった時だった。
俺はあれから奴の強さが忘れられなくて、気がついたらまた刀を握っていた。
沢山の人間達を斬った。
腕もみがいた、少しでも奴に近づこうとしていたのかも知れない。
そんな時だった、真堂丸という名前の、めっぽう強いという男が国中を賑わしはじめていたのは。
俺はすぐに分かったよ あいつだ
フフッ何の因果かそれから、一度俺は奴と闘ってるんだぜ、奴が覚えてるかは知らんがな。
それは本当に偶然だった、今思えば全てが偶然じゃあないのかもしれねぇがな、一瞬雷獣は城の外で上がる煙空を見上げ黙り、またすぐに話はじめた。
その時の奴はまるで獣、いや廃人と言うべきか。
目に映る人間は全て敵、俺のことも覚えちゃいない様だった。
会った瞬間にすぐに想像はついた。
奴が何も信じられず誰も頼りにせず、地獄の道を歩んできたことが
勝負は一瞬、斬られた俺は地面に転がってた
俺は死を覚悟したが、奴の顔を見て驚いたぜ、目は遠く、ここにあらず、まるでここが眼中にねえ。人間の皮を被った死体そのものだった。
それは、この世に、人間に、全てに絶望した人間の顔
「いまだに俺は、この今の状況が信じられねぇ、そんな奴がお前を助けにきてやがる 笑っちまう、一体奴になにがあったって言うんだ」
「彼は大切なものを見つけたんだ」
「はっ?」
「どうしてだ雷獣」
文太のその言葉に雷獣の目は一瞬ですわり、物凄いけんまくで文太を睨み返す
「なんだと」雷獣の目は尋常じゃないくらい恐ろしい迫力
僕は恐怖に支配されそうになったが止まらなかった。
「どうして、自分がされて苦しかった思いを、また他の人間に繰り返させる、大帝国がやろうとしてるのは、その盗賊達と同じじゃないか」
「フッ知らねえよ、平和に生きる人間への仕返しかもな、お前達も己の苦しみを味わえってな」
すごい気迫だった、目には人の人生がうつる
僕の足は彼のとてつもない眼力に震えあがった
でも、僕はここだけは引くつもりはなかった。僕は雷獣をジッと見つめ返した。
その時だった
「雷獣さん、侵入者はかなりの手負いを負ってる模様」
僕はドキッとする。
あの時だ、やはり無傷じゃなかったんだ 突然胸騒ぎがした。
死んじゃう 真堂丸が死んじゃう
僕は自然に牢をつかむ、そして気がついたら叫んでいた。
「真堂丸 来るなあ 来るなぁ」とめどなく涙があふれでている
君が死んで助かるくらいなら
僕は助けなんかいらない この命くれてやる
必死に牢をこじ開けようと全力を出していた
そんな中
真堂丸はようやく、怪しいひとつの部屋の前に。
息は少しきれ
ハァハァ
「ここか、文太」
だがそれは、文太の居る牢の前ではなかった。
そう、ようやくたどり着き、真堂丸の今目の前に広がるそこは、あの不気味な真っ黒に塗られた黒い襖の前だったのだ。
秀峰は真堂丸を探し出す為、再び城内を見渡せる場所に立っていた。
突然背中の辺りから声が
「秀峰 なんだょ こりゃあよう、どこぞの大軍に攻められてるのか? すぐに皆殺しにしてやるぜ」
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