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『恐怖の人形』
しおりを挟む冬馬家の夜は続いていた。
冬馬君達はあれからまだ、話をして起きていたのだ。
時刻は夜の0時をまわっている。
「大喜その話怖いね」
まだ、怖い話をしていた。 好きだねぇ君達も(誰?)
すると、突然多網は誰にも見られないように一人ニヤつき始める。
多網には、皆を驚かす秘策があった。
明日のハロウィンの為に準備していた秘策。
それは喋るお人形、多網の持つ小さなリモコンを人形に向けピッと押すと、その人形が喋るのだ。
その人形が、はっする言葉は二つ。
「かぁーっまいったぜ」 「うらめしやぁー」
なんちゅう組み合わせ。
どういう意図で作られたのか、全く謎の人形である。
この人形、デパートにはこういう宣伝で売られていた。
『あなたの身近な人にドッキューン、ハロウィン必須の君の大事なパートナー』
うん、全く謎である。
そして、このような人形を買う人間も謎であったが、知り合いの中に発見、多網である。
多網は布団の中に、誰にも見られないように人形の入ってるカバンをいれ、中から人形を取り出しスイッチオン。
「うらめしやぁー」
すると、「えっ、今なんか誰か、すかしっぺした?」
きみ子が辺りをキョロキョロする。
この音を、すかしっぺと、捉えるきみちゃんって。
「えっ、してないよ、きみ子じゃないの?」と大喜
「私の音はもっと品があるんだけど、おかしいなーっ
なんかニブイ変な音がしたんだよね~」鼻をくんくんさせていた。
すると、冬馬君の顔が少し青ざめている。
「でも、僕も確かに聞こえた」
「えっ」肩まで布団にもぐる大喜
「でしょー、やっぱり」
冬馬君が「多網は?」
「ノンッ」
すかさず多網が怖い話を始める。
「喋るお人形の実体験、うちに前から置いてあった人形がたまに喋る、怖くなって捨てたのに、また戻って来て玄関にあった。夜うらめしやぁー、って言った」
「またー変な作り話やめてよ」と、冬馬君。
「実話」作り話である。そう、これからの為の。
「その人形、突然今朝消えた」
ぶるぶるぶるっ。
皆は身体を寄せ集める。
「また、変な嘘を」苦笑いの大喜
すると
「かぁーっまいったぜ」
「えっ?なんか聞こえた」大喜の顔が青ざめる
きみ子が「私すかしっぺしてないよ」と、何故か屁をしてないことをアピール。
だが、この時、今更ながらに多網は思う。
何故、「かぁーっまいったぜ」なんだと。
他にましな言葉はいくらでもあるだろう。
それに、ここでは「うらめしやぁー」と言って欲しかった。
実はこの二パターンの言葉はランダムに出て来て、選べないのであった。
つまり、押した後、なにを言うかは人形のみぞ知るである。
「えっ多網、その家の人形って確か、うらめしやぁーって言うんだよね?」冬馬君が言う。
「うん」
今だっ、このタイミング最高。
今こそ、うらめしやぁーと吠えよ我がパートナーよっ
ピッ
「かぁーっまいったぜ」
多網は歯ぎしりした。
グギギギギッ
「えっ、今なんか、まいったぜって?」きみ子が皆を見る。
「僕も、うらめしやぁーだったら、まさか多網の人形がうちに来たんじゃないかって思ったんだけど、まいったぜって?でも、一体何がまいったんだろう?」
全くその通りの疑問である。
次こそは、ピッ
「かぁーっまいったぜ」まさかの三連ちゃん。
グギギギギッ(多網の歯ぎしり)
「やっぱ、まいったぜって聴こえた」慌てる大喜
皆は顔を見合わせ 「ゆっ、幽霊」
布団に全身もぐり、隠れる。
今だっ、多網はすかさず、自分の頭の上に人形を置き、ピッ
「うらめしやぁー」
でっ、でかした我がパートナー、決まった。
「今、うらめしやぁーって聴こえた」慌てふためく、きみ子
「絶対部屋に何かいるよ」冬馬君もびびりまくっている。
多網は一人布団にもぐらずニタニタ笑う
はやく布団から顔を出してみんなに、この人形を見つけて欲しい多網。
バッ きみ子が布団から顔を出した瞬間
「ぎゃあーああああああっ、人形~~」
「えっ」次々と、まるでモグラの様に布団から顔が出てくる ヒョイッ ヒョコッ ピョコッ
ハンマーを持ってる男の子がいたら、叩かれていたであろう(モグラ叩きかっ)。
「ぎゃあーああああああああああああっ人形」
ピッ
「かぁーっまいったぜ」
「喋ったー」慌てふためく三匹のモグラ、じゃなかった子供達。
ニヤリ多網。
今だ連呼じゃー おりゃ おりゃ おりゃ おりゃー
ピッ ピッ ピッ ピッ ピッ ピピッ
「かぁーっーめしやー」 「うら まいったぜー」
なんじゃー訳わからんフレーズを喋る人形
皆は「多網の家から来た呪いの人形だー」とぶるぶる。
多網は屁をブッブさせながら、笑っている。
快快快快快快快快快快快快快快
怪怪怪怪怪怪怪怪怪怪怪怪怪怪
なんぢゃー。
快感
が、その時だった、多網すら予想だにしなかった出来事が。
「押しすぎだろ」人形が突如そう言ったのである。
これには多網も慌てふためき、布団にもぐり、ぶるぶるぶるぶる。
あの人形は生き人形だったのか。
ぶるぶる ブルブル ぶるぶる ブルブル。
布団の中で皆は会話をしていた。
緊急夜中の布団の中、語り合い会談である。
「多網、あれ多網の人形?」と大喜
頷く多網
「実は、喋るオモチャの人形」
「えっ?」
「ハロウィンだし、怖がらせようと嘘ついた」
ブルブル ぶるぶる。
「なーんだっ、ただのオモチャか」
「ガハハハは、ただの人形が、ワレをビクつかせてくれたのぅ」突如威勢が迫力をおび爆発するきみの姐御あねご。
だが、冬馬君はおかしなことに気付く。
どうして仕掛けた多網が一緒になって怖がってるんだろう?
多網が布団の中、言った。
「喋るはずのない言葉を、あの人形が喋った」
「えっ、それってまさか?」大喜が多網の顔を見る
「本物」
その時だった
「ぎゃああああああああああああああっ」きみ子のシャウト
皆が布団から一斉に顔をだす。
「どしたのーーっ?」恐怖のあまり、どうしたの?が変形していた。
どしたの~~~~~~っ?どうでもいいが、一番強いイントネーションは「ど」の所だ。
「どひゃあああああああああああっ」
冬馬君、大喜、多網は人形を見て思わず声をあげる。
なんとっ、人形の目から涙が。
そして、ボタンを押していないにもかかわらず。
「かぁーっ まいったぜ」
「ぎゃああああああああ」
その人形は、隆によりゴミ箱に捨てられたそうな。
彼らは後に知ることになる、実はあの人形はボタンを連呼すると隠しワードが発せられ、特典として、涙を流す様になっていたことを。
もう一度言おう、なんちゅー人形じゃい!!
全く謎な意図のその人形は、心臓に悪い等の沢山の苦情により翌月には販売中止となる。
もし、捨てずにとっておけば、多少の価値が出たとのこと。
ギリギリぎりっ(多網の歯ぎしり)
こうして、ハロウィン前の前夜は、明日の本番に向け勢いを加速させた。
人形はゴミ箱の中、こう言っていたに違いない。
「かぁーっ まいったぜ」
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