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『とけたみデート3』
しおりを挟むヒュウウウゥーッ
男は小夜さんの横を歩き黄昏れている。景色は先程の公園から、ネオンきらめく街へと変わっていた。
ああ、小夜さんベイブ、俺はとけたみ、小夜さんの横を歩ける程の仲の男。
皆さんはお思いだろう、先程の緊張から一変し、この男一体どうしたのか?
うん、さっきの店で飲んでいた酒がまわり始めたのである。
気分を良くした、とけたみ、今は映画の主役になりきっていた。
自分は仕事が出来、とってもモテるダンディな男。
イケメン中のイケメン、トケタミ(何故か片仮名表記)なのだ。
もちろんヒロインはSAYAである。
トケタミは大きなジェスチャー、両手をいっぱいに広げ言った「アーSAYA、もう一杯イカガデスカ?」
「とけたみさんって、面白い人ね。こっちが素のとけたみさんかしら、行きましょう」
後ろで見ていた、冬馬君一向は驚いていた。
まさか、スーにあんな特技が?(特技なのか?)
多網がニヤリつぶやく「酔拳」
サーは興奮していた。友よ、いつでもこの調子なら君はスーパープレイボーイトケタミになっていたかも知れないな。
きみ子も「なんか調子良いわ、世界に入ってる」
冬馬君もニンマリ笑い「冬馬タイムならぬ、トケタミタイム」
その頃、二匹の猿も二人を隠れながら観察していた。
ちなみに猿達同様、サーもいまだに黒マントの格好である。
大喜は思う、ってか良くこの三人、街でこんな格好で歩いて恥ずかしくないなぁと。
すると、スー達がテラス席のあるバルに入って行く。
「よしっ、僕らも行こう」スーが先頭を走る。
今やこの男、友のデートを隠れ見る行為にハマってしまっている。
と言う訳で、テラス席は凄い事となる。
スーと小夜さんの真後ろに、黒マントマンにゴリラにアウストラロピテクス、一応、多網ネーターも。
街行く人は少しざわついていた。
「なにあれ?なんかの撮影?」
「ハロウィンの日にち間違えちゃったんじゃない?」
「まさか、普段着だったりして?」
酔いがまわりテンションのあがるスー。
「すいません、おちゃけ(お酒)下さい」スーは酔ってたから、噛んだった。
「何に致しますか?」
「小夜さんは ホワッツ?」
「ぬおっ」この聴き方にサーの闘争心が何故かタギル。
我が友よ、やるではないか。さりげなくホワッツだと。華麗なテクに歯をくいしばる。
「じゃあ、私ビール下さい」
「じゃあ、僕は」
その時だった、背後で多網が「一番強いの」
「えっ、本当に大丈夫でしょうか?」
皆、スーが言ったと思っていた。
「えっ、なに、あれっ」
テンパるスーに「スーさんお酒強いんですね、カッコイイですね」
小夜さんのその一言に男は、仮面ライダーも真っ青になるんではないかくらいの変身を遂げる。
「ワアゥー ベイブ、一番強いおちゃけ(お酒)で良いぜ」
「かしこまりました」
それを後ろで見ていた小夜の母、五里羅さんが言う。
「やっぱ私は見る目があるわ、思った通り相当ヤンチャして来たわ、あれは相当な大人の遊び人よ、人何人か殺してんじゃないの?」
冬馬君は聴いていて思う、なんて見る目がない人なんだろうと。
そして、席に出て来たのはショット。
小夜さんが気になり言う「これは何のお酒ですか?」
「スピリタスショットです、お客様はお強そうだったのでお持ちしましたが、大丈夫でしたか?」
アウストラロピテクスが笑う「ウホホッ、あれをストレートショットかやるねぇ、アルコール度数99パーセントくらいじゃなかったか?」
「まあ」
スーは匂いを嗅いだ瞬間、意識が飛びかける。
ぐぎぎきぎぎっ、こりゃダメでしょー、目がバツになっていた(アニメか!)
とっ、友よ いけない、ここで意識が飛んだらデートが。サーは一瞬焦ったが、その後を見たくもあった。
「無理はしないで、スーさん、でもこんな強いのグビッと言っちゃうスーさん尊敬します」
小夜さんがスーに言う。
えっ、グビッと?え?そっ尊敬?僕を。
いや、俺を キリッ
「こんなのティーですよ」
グビッ
一気に飲み干したスー
一瞬全てが逆流しかけるが、サーにボーリングで勝った時を想像して耐えた スー スー スー。
店員と小夜さんは拍手をしていた。
「強いっすね、こんな人なかなかいないですよ」
店員よ、もっと褒めよ、小夜さんに僕のことを。
スーはもうろうとする意識の中、心の内で叫んでいる。
「スーさんって本当にお酒好きなんですね」
「こっ、こふんなのイクラでも行けますよ」
まさかだった、背後から悪魔の囁きが「おかわり」多網ネーターであった。 アイルビーバック!!
「えっ?」驚く店員
「ちょっと無理しないで」
「はにょ?」
多網の口を冬馬君と大喜、きみ子が、必死に塞ぐが後の祭りである。
スーは意識の中思う、こんだけ強がって、酔ってると思われたら格好悪い、必死に平静を保たねば。
スーは言った「じゃあさっきより、弱いのまたショットで」
「かしこまりました」
何故かアウストラロピテクスは拍手をしていた。
「母さん、あの男を旦那にもらおう」
「私も賛成だけど、まだ様子を見ましょう」
「スーさん本当に大丈夫ですか?顔が赤いですけど」
心配する小夜をよそに、奴はこんなことを言った。
「えっ、やっだなー、サーヤ、タコはもっと赤いよ」
多網はメモ帳にスーの言葉をメモっていた。
でたぁ、多網がなにかの時の為に人の名言をかきためる癖。(まぁ、一体どこが名言かは分からないが)。
サーは思ふ。
なんと言う斬新な切り口、これが我がライバルの本気モードかっ。恐るべしっ。
「それにしても、こないだのスーさんのお友達も良い方でしたね」既に小夜は気付いていた背後に居る、猿と黒マントの正体を。
「あっ、あいつは本当に良い奴なんですよ、昔っからなんか気があって、全然似てないんですけどね(そっくりである)」
「僕の大事な親友です」酔った男の舌は良くまわった。(あっ、虎鮫代ちゃん ペロ ペロ~)
それを聴いたサー、涙を必死にこらえていた。
なんだよ、急にずるいなぁ、とけたみさん。
グスンッ。
が
「でも、ボーリングは僕のが強いですけど、あっ他のもなんでも、酒も僕のが強いかなテヘッ」
プチッ
サーは噴火した。
「スピリタスショット」黒マントが手をあげる。
「えっ?」驚く子供達
「あっ」五里羅は驚く、「あの顔は良くみたら」
「えっ、知り合い?」
「ほら、あなた こないだのお見合いの」
「ああ、スー君の友達」
グビッ
サーは覚醒した。
「うぎゃああはらなやたならやにはよまたなはりゆわやにらゆひならやまにらゆにたなゃはなゃむ」
「あなた、友達までスピリタス飲んだわよ、私こそ酒の帝王と言ってたあなたは何処言ったの?」
「ぬぬぬぬ、ぐうおーっ」アウストラロピテクスにも火がつく。
「あなた見せて、見せてあげて、アウストラロピテクスの意地を」(どんな意地だ)
グビッ
「さはらさばくーーーーーーーーーーっきくーっ」
三人は肩を組み、踊り始めた。
「スー君、気に入ったよ」
「えっ、誰?猿が喋ってる、まっ良いか、何処から逃げて来たんだい?飼育員さん心配するよ」
小夜の父だと気付いてない。
黒マントも天に拳を突き出し「サーサーサー」
「あっ、サーに似てますね」
「スースースースースー」
「なんだ、そりゃ、じゃ私は アウストラ アウストラ アウストラーー」
めちゃくちゃである。
「サー サー サー」
「アウストラ アウストラ アウストラーー」
「スー スー スー」
するとこのテンションに上がらないはずのない子供達
きみ子が立ち上がる「みんな行くよーーーー」
両拳を交互に前に突き出す。
「ファイ ファイ ファイ ファイ ファイーー」
でたぁーー。
この様子に小夜と、五里羅さんは大笑い。
「良いお友達がたくさん出来たわね」五里羅が小夜に微笑みかける。
「うん」
こうして、デートは予想外の展開になったそうな。
めでたし めでたし。
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