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『まだまだ語りは終わらない』
しおりを挟むトントン トントン。
真っ暗深夜、皆の肩を叩く何者かの影。
そう、あたしは あーイム 蛇鰐美ちゃん!!
蛇鰐美ちゃんはずっと寝れずに起きていた。
せっかくの冬馬家旅行がこのまま終わってしまうのが嫌で皆を起こしていたのだ。
小さなため息ひとつ、恐男っ。
さすがに失恋の切ない様な気持ちはまだあったが、だからこそ、このまま終わりたくない気がした。
みんなで過ごす初の夜まだ宴は終わらない。
「みんなさっきの続きやろう」
その声に続々と目を覚ます。
冬馬君の気分はあがった「ひやっほー」
「そうだね、夜はこれから」大喜も起きる。
「そうこなくっちゃ」きみ子が言った。
が、多網は起きない。
「大丈夫起こす方法があるよ」冬馬君が突然「怖い話するよ」
目をがん開きにした多網がそこに居た(ある意味怖い)
「なんじゃか、楽しくなってきたのぅ。お泊まりの夜はこうでなくっちゃ」蛇鰐美ちゃんが笑う。
その笑顔にみんなは嬉しくなった。
良かった蛇鰐美ちゃん元気が出てきたみたいだ。
みんなは顔を見合わせた。
「じゃあ誰からする?」と、きみ子。
「あたいいくで。あたいのは怖いよ」
「ヒョオオオオオーまってました」
この雰囲気、この瞬間のたまらんことたまらんこと。
では、ここからは皆さんも冬馬家にお泊まりして夜、布団の中で一緒に語り合ってるつもりでお聴き下さい。
掛け布団の準備はよろしいかな?
みんなは布団をかぶる。
そしてニコニコ笑みを浮かべ「はやく話して」。
「泊まりはこうでなくっちゃ」ニンマリきみ子。
多網はよっぽどたまらないのか、すんごい嬉しそう至福の表情を浮かべている。
「あたい前に家族で旅行に行ったのよ。そんで夕食食べた後、お父さんの運転でちょっとその辺ドライブ行こうってなって」
多網がニヤリ「旅行中のそのシチュエーションでの話最高」とほくそ笑む。
「その時、デジカメを持ってたからパシャリ自分の顔撮影したんじゃ」
皆は布団をしっかりかぶりながら、興味津々に聴き入っている。
「そしたら不思議なんだが、撮った写真確認したら、あたい真正面から写真撮ったのに何故か横向いてるんじゃ」
「えっ」驚く一同
「押すタイミングが遅かったんじゃない」きみ子が言った。
「でも不思議なのはその後、ビックリしたあたしは親にその写真見せたら、親がなに言ってるの?ちゃんと前向いてるじゃないって」
「それ聴いて、ますますビックリもう一回見てみると、その写真消えてたばい」
「ひぃいいいいーーっ」 「怖いっ」
皆は布団にもぐり、多網は必死に端っこから真ん中に移動しようとしたが、きみ子にはじかれた。
ズゴオオオンッ(すんげー効果音)
「でも私も不思議なのあった」きみ子が語りだす。
「友達が首かしげてるから、私がどうしたの?って聞いたのよ」
「うん」真剣に頷く一同、盛り上がって来とる。
今はジェットコースターで例えるなら、最初の坂を登り、小さな坂を下り、ちょっと脂がのり始めたところだろうか?(なんちゅー例えじゃ)。
「そしたらその友達が、私こんな写真撮ってないのに
携帯にいきなり入ってたのって」
「えっ?」驚き怖がる一同は、再び布団をしっかり肩まで掛け直す。
「何故か、自分の部屋の天井が撮られてたみたい。私も見せてもらって、なんだあ自分の部屋の写真?気づかずに撮っちゃっただけでしょって笑ってたの」
「でもね、ビックリしちゃった、写真をよく見たらおじいさんの顔が写ってたの」
「ひょええええええええっ」
「そしたらその子思い出したの。その日おじいちゃんの命日だった事を、よく見たらその写真おじいちゃんにそっくりだったんだって」
蛇鰐美ちゃんが言う「でも不思議な事ってやっぱりあるのぅ、みんなは幽霊とか信じるか?」
みんなは頷いた「絶対いるよ」 「見てる人沢山いるもん」と、きみ子。
「あたしも信じる派」
「でもそうだとしたら人間って死んで終わりじゃないんだね」と不思議そうに大喜が言った。
「言われてみると確かに」
「天国とかやっぱあるのかな?」
「よく臨時体験って聞くよね」と、きみ子。
(臨死体験じゃい)
「人間って知ってる様で実はなんにも分かってないよ、私もママに子供ってどうやって出来るのって聞いたら、知らなかったもん(そっ、それは違う意味で、よくある大人の反応)」
「僕も親に人間って死んだらどうなるの?って聞いたら、困ってた」
「うーん僕達はどこから来て、どこに向かうんだろう?」(哲学チックになる珍しく真面目な冬馬君)
人間は知ってる風で大人も本当のところは実は何も知らない。
知ってるのは人間によって作られた社会の仕組みや、概念、常識くらいなのかも知れない。
(なんとも珍しく深淵な冬馬君の話である)
「こないだUFO見た」多網が突然口にする。
「ピュ ピュ ピュ ピューピュピュって凄かった」
(全く よー分からなかった)。とりあえず興奮している様である。
「宇宙人も絶対いるよ」大喜が意気込む。
「そーだよね、地球があるんだから他にもあるに決まってるのぅ」蛇鰐美ちゃんが頷く。
(考えりゃそーなのだが、意外にいるはずがないと思ってる大人が多いのは実に不思議に感じる冬馬君)
「実は月の裏って宇宙人の建てた建物とかあるみたいだよ、エリア51とかもあるし。大喜は宇宙人ネタが結構好きであった。
「宇宙人に会ってみたいな」と冬馬君。
みんなは空想する。
ポワワワン
「私はキミーコ。地球からやって来たイケてる女子」
「多網」 ブリッ 「これ地球の挨拶」
「ダメだよ多網嘘ついちゃ」
「われわれは宇宙人だ、でも君らもわれわれから見たら宇宙人だ」(ナイスつっこみ)
「でも、どっちも惑星は宇宙にあるから結局みんな宇宙人だ」眼鏡をかけた宇宙人がそう言って笑った。
「勉強のし過ぎで眼鏡かけてるんですか?」と気になる冬馬君
「いや、ゲームやりすぎたった」(地球と似てる?)
「最近われわれは日本のある食べ物にこっている」
何故か蕎麦をすすり出すジェスチャー
ズル ズル ズル
「音をすするのがミソだ」
なかなか日本通ではないか。
「じゃあ宇宙人の食べ物は?」興味津々な蛇鰐美ちゃん。
「これだ」
これで出て来たのが糞だったら笑った。
ポワワワン
「いつか宇宙人との交流出来るかな?」
「色んな惑星にも行きたいな」
みんなの夢は膨らんでいく。
初めての蛇鰐美ちゃんも加わった夜中の語り合いin冬馬家(何故にちょっと英語?)
楽しかった夜も過ぎ、翌朝みんなが帰る時。
「あー楽しかったなぁ」きみ子と蛇鰐美ちゃんの声が見事にハモる。
「あーあ、もうみんな帰る時か、はやいなあっ」冬馬君が言った。
「また来るけーのぅ、みんなでまた遊ぼう」
「うん、絶対来てね蛇鰐美ちゃん」
この頃にはすっかり打ち解けていた子供達。
「おじちゃん、おばちゃん、お邪魔したのぅ」
やはり毎回彼女の言葉使いには驚くが、この頃には少し慣れてきた隆と正子。
「また来てね、蛇鰐美ちゃん、みんなもまたね。気をつけて帰りなさいね」
「はーい、またねー冬馬君」「じゃあね冬馬」
みんなが帰る時、やはり少し寂しくなる冬馬君。
「みんな、また泊まりに来てね~~~」
冬馬君はみんなが見えなくなるまで、いつまでもみんなの背中を見ては手を振っていた。
あーあ 行っちゃった。
誰も居なくなった道をしばらく見つめていた。
さて、また明日から学校頑張るか。
少し肌寒い季節になってきた。
「うー寒い」家に入る冬馬君。
家の中にはまだ、皆がさっきまで過ごし、ここに居た、ぬくもりが残っていた。
そんなぬくもりを感じ微笑む冬馬君。
「さて、宿題やるか」
新たな出会いが嬉しかった、そんな12月の週末だった。
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