冬馬君の冬休み

だかずお

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〜冬馬家のクリスマスパーティ〜

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キンコンカンコーン 

キンコンカンコーン

学校のチャイムがなった

このチャイムはそう

冬休みの合図だった

冬馬君は恒例の如し、心の中でガッツポーズを決め顔には満面の笑みを浮かべる。
ついに来た、今日の帰り道は普段以上に格別な気分の感覚だ。
そう、いよいよ冬休みが始まる。
慎司と山ちゃん、三郎君も今日の帰り道はすっかり上機嫌だった

「じゃあまた、新学期良いお年を」

「ただいま」家の玄関を開けた冬馬君の顔はにんまりご機嫌笑顔。
今日は冬馬君の家ではちょっとしたパーティーが開催される。
大喜の家族、多網の家族がみんな集まりクリスマス会が行なわれるのであった。
そう冬馬君親族オールスター全員集合であった。どんなパーティーになるのやら?

冬馬君はサンタクロースの存在を信じている。
毎年朝起きると頭の上にはどこからともなくプレゼント届き置かれている。その時の興奮とワクワク感はたまらないものだった。

「今年は僕の欲しがってるマイティーのオモチャ貰えるかな」

夕方を過ぎた頃、大喜家族が車で冬馬家に到着した。

「冬馬ついに冬休みはじまったね」と嬉しそうな大喜の顔

二人はご機嫌で二階にかけあがって行った。大喜の母は、その隙に大喜のクリスマスプレゼントを正子に手渡していた。

「しかしこないだの話嬉しいね」と興奮気味の大喜

「急に清香から電話きて、ビックリしちゃったよ」

「そして今日から冬休み、またまた楽しい休みの日々だ、もちろん泊まる準備もバッチリだよ」大喜はニンマリ笑い。

冬馬君もあまりの嬉しさにくうーっと言ってしまった。

ピンポーン

「きっと多網達だ」

今日の冬馬家は賑やかだ。
多網も二階にあがってきて、ドアを開けニッと笑みを浮かべた。
右手にはリュックサック、多網も泊まる準備万端である。

「みんなー降りてきて、ご飯運ぶの手伝って~」正子の声だ

みんなは一階に降りて行き料理を運んだ。
冬馬君は雰囲気を出すためにクリスマスの音楽をリビングに流した

「おっ気分でる」大喜のお母さんだ

すると「あっ久しぶり」軽く微笑んだこの男、あの伝説のボーリング男、通称サーこと多網父だった。
冬馬君と大喜はあの日以来サーと呼んでいる(冬馬君の日常7話より)。
料理を運び終え、みんなリビングに集まり始める。
今日はリビングが賑わっている、家の中も何だか活気があり熱気でポカポカだ。

「じゃあ、せっかくだから、あなたみんなに挨拶して始めましょう」と正子

「あっ、ああ」少し戸惑い気味の隆が挨拶を始めた「それでは今日はみなさん忙しいなか集まってくれてありがとうメリークリスマス」

「メリークリスマス」

ふっつーーの挨拶の中、冬馬家で行なわれるクリスマスパーティーが開催される。
大人達もビール片手に乾杯が始まった。
多網の妹の多美もプリプリ腰を振りご機嫌ダンスをしている、手には何故かパセリを持っている
ジングルベル ジングルベル チャララララ~冬馬君達は歌っていた

「ねぇサーも歌ってよ」と大喜

「僕は恥ずかしくてそんなの出来ないよ」多網父は遠慮がちに言った。

冬馬君はチキンを食べコーラを飲んでいる「うまい~~っ」

「みんなで過ごすクリスマスもいいなぁ」大喜の父が呟き

「去年は一人会社だったから」

「たまにはみんなで集まってやるのも良いですね」と多網ママ

すると多網が「父ちゃん一気飲みやって」

「ダメよ多網、パパそんな強くないんだから」

「多網はチラッと隆の方を見た」

「えっ、分かったよ」

ゴクゴクゴク ぷは~っ

チラッ 大喜の父を見つめた
「んっ」ゴクゴクゴク 「んまいっ」

「何だ出来ないの父ちゃんだけか」

冬馬君も大喜も分かっていた。このような言葉が彼に火をつけとんでもないことになることを。

まずい

しばらく多網の父は静かにビールを飲んでいた、すると突然「あー何だかノドが乾いちゃったなぁー」と独り言のように呟き
何故か急に2つのグラスにビールを並々と注ぐ、そして、急に一気飲みし始めたのであった。
グビッ ゴキュッ ゴキュッ。
その後、サーは解放された、全てのしがらみから。
そう全開だった。
さっきまで、物静かにビールを飲んでた多網父の面影は木っ端微塵に吹き飛ばされたのであった。

両手拳を天に交互に突き上げ

「ジングルサー サージングルサーサー酒が呼ぶ、飲んでくれと私呼ぶ サー」

サー覚醒。

帰りの運転の為一杯も飲んでない多網母の顔は真っ赤になっていて、今にも顔から湯気が沸騰しそうだった。
冬馬君も、大喜も、多網もサーを見ておおよろこび 多美もプリプリ踊っている。
大人たちはポカンと唖然としている

賑やかなクリスマスパーティーは22時をまわった今も続いている
今やビックリするのが、隆と大喜の父も酒がまわり冬馬君達と肩を組み「ジングルベル ジングルベル」と歌ってる
なかでも圧巻だったのはこの男
今や彼はみんなの先頭に立ち、ジングルベルの歌詞の間には必ず、サー サーと言いながら指揮をしているのである
みんなは大笑い とても賑やかなクリスマスパーティーだった。

「さてとそろそろ遅くなるから帰ろうか」大喜の母が言う。

「そうね、うちもそろそろ帰りますか」
指揮を満足し終えたのか、サーはぐっすり眠っていた。その上では多美も眠っている。

片付け終えた後

「じゃあ子供達よろしくね」大喜、多網家族達は帰っていった

ブウウウン~

まだまだ遊び足りない元気なのは子供達であった。

「あなた達も、もう寝なさい良い子にしてないとサンタさんプレゼントくれないかもよ」

それをきいて子供達は慌てて二階にかけあがって行く。

「あなた起きて、まだやる事あるでしょう」

そう、この日の二人の仕事は大喜と多網の家族から渡されたプレゼントと、冬馬君のプレゼントを無事に枕元におくことだった。
二階では冬馬君がみんなに提案していた「今日みんなで寝たふりしてサンタさんを捕まえようよ」

子供達はすっかり乗り気で「おおーっ」と声をあげた!!


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