冬馬君の冬休み

だかずお

文字の大きさ
15 / 35

〜 寝かせない 〜

しおりを挟む
みんなはワクワク興奮の中、目はさえている。
布団の中に入りまだまだ眠るつもりは全くない。
「何だか婆ちゃん家、あんま来ないから新鮮だなぁ」冬馬君はいつもとは違う景色の天井を見つめ言った。

雨はまだ雨戸にあたり音を鳴らして降っている ザーッ ザーッ

「最近冬馬の家にずっといたけど、今日の部屋は違うね、なんだか違う世界にいるみたい」大喜も同じような気持ちだったらしい。

「旅行って良い」多網もポツリ

「うちの部屋ベッドだから、畳がこんなに落ちつくとは思わなかった」
きみ子は畳に顔をつけてクンクンしている

「何だか布団の中でみんなで眠りながら話せる最高だね」冬馬君は心の底から嬉しかった、このメンバーでいるときは何も気をつかわないし、自分自身でいられた、学校ではなかなかそうは出来なかったけど。
自分でいられるこのリラックス感はとても心を落ちつかせる。

「まだ全然眠くないよ、最初に寝たら負けだよ」と大喜

「おーっ」みんなまだまだ元気。
時刻は二時をまわっていた。
いつもなら寝なさいと怒りにくる正子も今日は来ない、せっかくの旅行だし、わざとほっといてくれてるのか、もう寝てしまったからかは分からなかったが自由にできた。

「しかしまだ大人達起きてるのかな?」

「声聞こえないし、さすがに寝てるんじゃない?」何故か耳をすますしぐさではなく鼻をクンクンさせながらきみ子は言った。

突然、多網がぽつり「さっきのビデオの男の顔」と言い放ち
「吹雪ー」

来たーっ!! 吹雪ごっこだ

布団の奪い合いが始まった

多網は布団を引っ張りながら
「さっきのあの男の顔、さっきのあの男の顔 さっきのあの怖い男の顔」
偶然映り込んでしまった、幽霊も良い迷惑である。

バッ 布団を完全にはぎとられた冬馬君

「ひいーーっ」 「怖い怖い」

ザーッ ザーッ ザーッ 雨は唄う

多網はDVDのスイッチをいれた

このナレーションは?
また心霊ビデオをつけたのだ。
そして「吹雪ー」

「ぎゃー」今回ばかりはみんな必死である 今布団をはぎとられたら怖すぎる。必死に布団にしがみついている。

「吹雪ー」 見事きみ子の布団は多網吹雪に持ってかれた、その時ビデオからは そうあの男の顔

「うほうーホッホー」
きみ子ゴリラ恐怖の雄叫び。

多網はささっと布団に逃げ込んだ
みんなも布団の中にもぐり
ビデオからはナレーションが流れている 

誰もDVDのスイッチを消しに布団から出れないでいる。
「やだよー」「わたしも布団から出ないよ」

ザーッ ザーッ ザーッ 

しばらくナレーションの音に耳を済ませながら布団の中にいた
そんな中、冬馬君は見た!!

「きみ子が寝かかってる!」

ハッとしたきみ子 
布団の中はあったかく眠気を誘う

しかし、冬馬君は全くねむくない。
もしみんな寝てしまったらやばい
なぜならあの心霊ビデオと共に一人起きてなきゃいけないからだ。

ビデオからは、恐怖を誘う効果音が

トットゥルン

少し布団から顔を出しみると、怖い
顔と目があってしまった

「ひぃー」再び布団にもぐる冬馬君

あっ あっ!!

きみ子、多網がもう寝てしまっている

「大喜二人寝ちゃったよ」

「えっ嘘」まさかの大喜まで眠りそうだ やっやばい!!

冬馬君は立ち上がった
「吹雪だー吹雪だー」
全ての布団をはぎとった。

眠い時に眠れない これは結構しんどくもある

みなは再び目を覚ました。

冬馬君はこの時 DVDを消しドラえもんをつけた。
なぜならみんなが寝るのは時間の問題と考え、少しでも一人起きてる時にさっきの怖いビデオを忘れる為、つけたのだ。

が意外にもみんなドラえもんに見入り起きている、そんな中、冬馬君にまさかの眠気が、まぶたは閉じかけ、あーぬくい、もうグッスリ眠れる
あっあー至福の時 きッ来たーっ
フィーバー

直後、布団は見事はぎとられた。

くっくそー。

きみ子はドラえもんが始まり目がパッチリ、そんな中、他三人は限界に近かった。

が、きみ子司令官は見逃さなかった。

「ふぶきーっ」布団はまたはぎとられた。

ザーッとなっていた音は少し変わりサーッになっていた。
どうでもいいことを僕は思ったそう、そう あまりの眠気に冬馬君は一人頭の中でわけの分からない会話をしはじめている。

さすがにきみ子も、みんながよほど眠いみたいで可哀想に思ったのかもうやらなかった。

あっ、目が閉じれる クフッ
至福 至福 あっ あー ニンマリ微笑んだ
お や す み ふふふっ。

「ブリッ ブリ ブリ ブリ」

一同は凄まじい音で目が覚めた

多網は半開きの目でキョロキョロして
「ばくだん?」

えへへへへ
「出ちゃった」少し照れたせいで、ほっぺが漫画のようにピンク色になったきみ子ちゃんは笑った。

その匂いは強烈で、眠気を一瞬で吹き飛ばすほどの絶大な威力だった。
結局みんなはドラえもんを観て朝まで起きていたのだ。
こうして初日の長い夜は終わった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―

MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」 「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」 失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。 46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

抱きしめて

麻実
恋愛
夫の長期に亘る不倫に 女としての自信を失った妻は、新しい出会いに飛び込んでいく。

思い出さなければ良かったのに

田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。 大事なことを忘れたまま。 *本編完結済。不定期で番外編を更新中です。

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

一億円の花嫁

藤谷 郁
恋愛
奈々子は家族の中の落ちこぼれ。 父親がすすめる縁談を断り切れず、望まぬ結婚をすることになった。 もうすぐ自由が無くなる。せめて最後に、思いきり贅沢な時間を過ごそう。 「きっと、素晴らしい旅になる」 ずっと憧れていた高級ホテルに到着し、わくわくする奈々子だが…… 幸か不幸か!? 思いもよらぬ、運命の出会いが待っていた。 ※エブリスタさまにも掲載

処理中です...