冬馬君の冬休み

だかずお

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〜 寂し楽しい夜 〜

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冬馬君は目を開けた
目に映る景色はまだ婆ちゃん家の天井だった。
少しホッとしたと同時にため息をついた。
いよいよ、今日が遊べる最後の一日。
横を見るとまだみんな ぐうすか寝ている。
ああ、なんかホッとするなぁ。
みんなと一緒の朝。
冬馬君は再び目をつむった。

起きた時にはお昼を過ぎていた時刻
みんなも、今 目を覚ましたようだ。

「おーいお昼じゃよ」婆ちゃんの声

みんなでお雑煮を食べ、毎度のことだが婆ちゃんの入れ歯こと パックは暴走する、食べるごとに餅にひっつき、その度に笑いをこらえる隆の顔は真っ赤な湯でタコ、笑うな 笑うな隆、自分に言い聞かせる様に隆は言った。

「あーもう食べれん」イラっとした婆ちゃんは入れ歯を外し食べていた。

和やかな?昼飯を終えて、和室部屋に戻ろうとした時

正子が「みんなもそろそろ帰る支度しときなさいね」

冬馬君の胸はドキッとした。
ああ、本当に帰るんだ 明日の朝
いつまでも続く気すらしていた。

そんな時、爺ちゃんも子供達と一緒に少しでも居たかったのだろう、まだレンタル期限のあるDVDを「みんなで返しに行こうか」
婆ちゃんもついてきて、みんなで返しに向かった。

みんな気持ちは同じ、いつまでも一緒に居たいんだ。
冬馬君は車の中そんなことを考えていた。

「あー楽しかったな 帰りたくない」ときみ子

「あーもう学校か あーあ」と大喜

多網もどこか寂しそう。

「でも、思いっきり遊んだから学校も頑張って行かないとな、せっかく行くんだから楽しんで行きなさい」爺ちゃんは微笑んだ。

「でもな~」と子供達だった。

そしてビデオ屋さんに着く。

この旅行に来てから何度この場所に来ただろうか、今や思い出の場所である。
特別でも無く、何処にでもある普通の場所だが、以外にこういう場所が思い出に残ってたりする。

「最初にここ来た頃は良かったなぁ」
とつぶやく冬馬君

「あの時はまだこれから始まるって時だったからね」と大喜

きみ子は何故かこいた「ブリッ」

「ぷシュー」多網もこいた。

なんだこりゃ? 

さて、
返却し終えて、爺ちゃんは突然おもちゃ屋さんに向かうと言いだした。

「最後にみんなに爺ちゃんと婆ちゃんからプレゼントだ、また新学期頑張るんだぞ」

「やったあー」みんな大喜び

一人一個 好きな物を買ってもらった。

「爺ちゃん婆ちゃんありがとう」

「私にまでありがとう」きみ子も嬉しそうだった。

車は家に着き

「あらぁ、みんなおもちゃ買ってもらったの?お母さん達悪いじゃん」

「すみません」と隆

「良いんじゃよ、次いつ会えるか分からんからの」と婆ちゃん

子供達はさっそく部屋で買ってもらったオモチャで遊んでいた。

しかしきみ子、その人形凄いね
なんと、きみ子の買ってもらった人形はお腹を押すと「ブーッ ブリブリ」
なんちゅーオモチャだ!!!
ってか買う奴いるのかといわんばかりのそれをきみ子は買っていた。

そしてニッコリ「これきみちゃん二号」 

たっ確かに・・・

そして、なんと多網も男の人形
まっ、まさか?

お腹に押すところがある

ピッ

「ブシュー プップ~」
そのなんとも素っ頓狂な音がみんなのツボをついた

なんだこりゃー なんだこのオモチャ
みんなは大爆笑

ちなみにそのオモチャの名前は 「屁こき女と屁こき男」だった
あははは なんじゃこりゃである。

賑やかな笑い声と人形のオナラ音で部屋はあふれていた。
だが、その和やか(決して和やかではないが)な部屋は10分後にはすさまじいことに

「ブリブリ ブリブリ」多網、きみ子は、これでもかと、こきまくる

そして最後に人形のボタン ピッ

ぷシュー プップ~

これで再び笑いのるつぼに。
きみ子は腹を抱えて転がりまわってる

「ひーひーなんだ なんだ これ」
あんたがである。

冬馬君も、大喜も、顔を真っ赤にして笑ってる。

そして多網「ブリブリブリブリ」

慌ててケツをおさまえて部屋から飛び出した 
ビューンッ

「あはは、また み だしてやんの」
きみ子は指差しゲラゲラ笑った

そう、品のかけらもないそんなきみちゃんが僕等は好きさ。

そして、夕食時。

「隆くん最後の夜じゃ、今日は飲もう」

「是非」

毎度これであった。

「みんなで、食べる最後の夕食じゃ明日の夜は何だか気が抜けそうじゃ」
と入れ歯をいじくりながら婆ちゃんは言った。

「本当お世話になりました」と隆

「また、いつでも来なさい」爺ちゃんは日本酒を隆に注ぎながら言っていた。

そんな時、婆ちゃんが、爺ちゃんが見てないのを見計らって 正子に
「これ持って来んしゃい、爺さんに見られないうちにほれ」
それは封筒だった。

冬馬君は見ていた お金かな。

「お母さん大丈夫よ」

「いいから、はよしまい」

いつまでたっても、親にとってはかけがえのない子供。
子がいくら大人に育っても、いつまでも両親は両親のままだった。

そんな時、爺ちゃんがそれを目にしてしまった。

あっ!と冬馬君は思った。

爺ちゃんは知っていた、ふっと目をそらすように他を向き、見て見ぬふり そう知らぬふりをしていた。

冬馬君はなんだか 笑ってしまった。

「明日は、はやいんじゃろ?」

「混んじゃうといけないし、次の日みんな学校、仕事だから朝暗いうちに出るわ」と正子

「そうか」と婆ちゃんと爺ちゃん

「子供達、みんな元気でしっかりやるんじゃよ」とみんなの顔を見て婆ちゃんが言った。

「はーい」

「お母さん、またすぐ来るわよ」

「すぐって言ったって、いつになるか分からん、いつまでも生きて顔見たいけどそればっかりは分からん、次も会えれば良いんじゃが」

冬馬君はその言葉に少し悲しい気持ちになり、今にも泣きそうになってしまった。

そんなこと言わないで

だが冬馬君は誰よりも目を真っ赤にして泣きそうになっている正子の顔を見たが、誰にも言わなかった。

正子はお皿を下げてキッチンに向かった。
きっと、何気ない婆ちゃんのその言葉に、涙がこぼれそうになるのを見られないようにキッチンに行ったんだ。
冬馬君は思った。

子供達はハッと最後の夜なんだと思い出し、みんなでつくった手紙を婆ちゃん達に渡すことに。

「これみんなでつくったの、いつまでも長生きしてね」と冬馬君が手渡した。

「ありゃ、やじゃよ 涙腺が弱くなってしょうがないんじゃよ」
婆ちゃんは泣いた。
爺ちゃんは泣かなかったが目が気持ち赤くなってるようにも見えた、酒のせいか、涙だったのかは、分からない。

きみ子は泣いた
「寂しいよ、お別れさみしいよ」

多網も大喜も泣きそうだった。

「ファイ ファイ」

突然その場の空気を変えるようにファイが鳴り響く。
始めたのは冬馬君だった。

そして、爺ちゃん 婆ちゃんもファイ

多網、きみ子、大喜もファイ ファイ
と叫びだし

涙をこらえていた正子も振り切るようにファイ ファイ

一番この場面で衝撃的だったのは隆だった、えーっまた、これやるの?
心の中で叫んだ 嘘だろ?

みんなの視線は隆に注がれる

キショー ちキショー やるよ、 やりますよ

「ファイ ファイ ファイ」

こうして最後の夕食は幕を閉じた。

子供達は寝る部屋に

「あーいよいよ来ちゃったね」
冬馬君はため息をついた。
旅は、いつかは終わってしまうもの。
本当に色々濃かった旅行であった。

しかし、冷静に何が濃かったと問われると "きみ子の屁" だけであったような気がするのは私だけであろうか?

さておき

きみ子は畳をくんくん嗅いでいる
「あーラストデイ」

多網は鼻くそをほじっている
「とれない」

「今日みんな寝る?」と冬馬君

「そんな馬鹿な」みんなは返事した

「よしっ、最後の夜中の語り合いじゃー」

こうして、みんなは最後の夜を寝ずに過ごす事になった。
みんなで一つの部屋に寝て過ごす
最後の夜が始まった。

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