冬馬君の夏

だかずお

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『楽しい楽しいなキャンプ』

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ワイワイ 

夕暮れ時のキャンプ場
森の中 響く、賑やかな子供達の声
日は沈み始め夕陽がバイバイと言ってる様

川のせせらぎ、虫の歌声

お肉の香ばしい香りに宙に漂う煙と木がパチパチ燃える音。

冬馬君はしみじみ感じていた。
あーみんなでキャンプに来てるんだ。

暗い中に浮かぶ暖かく力強い火がとても綺麗。
いまだに、みんなは火のまわりで踊っている。

「何か、こういうのも良いねぇ」と大喜

「私、森とか食材にありがとうって込めて無心で踊っちゃった」とアミ

「普段、当たり前にあるものとかに感謝の気持ちを忘れてたなって、そんな気持ちになれた」と清香

ブリッ こく 多網。

ああ、この瞬間最高みんなで思い出を共有してる。
ああ、良いなぁ ニッコリ笑う冬馬君。

パチパチ燃える火は暖かい。
食材の良い香りが立ちこめる。

「うほぉー」いち早く察した、多網ときみ子の口からよだれが垂れている。
みんな、それを見て大笑い。
自然の木々達も、今日の森は賑やかだと嬉しそう。
姿を隠されたクマパンはちょい不機嫌だったが、一言こう言った。

「あっ、肉良い香り」

「さあ焼けたわよーみんなとりにきて」と正子と清香母

「にくーにくにくにく肉肉」大はしゃぎの多網ときみ子

「もう、大好物なの」こらえられない、きみちゃんが屁もこいた。
ブワッ
多網もひとこき
ブリッ
二匹の屁こき~ズは既に自由に解放されていた。
屁こきライブ開幕!!
そのへんてこな音にみんな大爆笑。

火のまわりに座り
「いただきますーそして食材さんありがとう」
子供達は言った。

「みんなで食べるご飯おいしいね」微笑む清香

冬馬君はその笑顔に和んだ。
ああ、天使だ。
清香が自分の彼女だったら僕はもう一生最高だろう。
この笑顔に毎日癒されそうだ。
宇宙を三周半程して、戻って来た。
あははは、ただいま~ ただいまー
あはっ、ただいまー。

隆達は再び乾杯
「キャンプファイャー良いもんだ」
大人たちもニッコリ幸せそう。
普段の仕事を忘れ、日常から離れ今は思いっきり自然を満喫している。

「ああ、最高ですね」

「うん、本当」

冬馬君は大人たちが仲良しなのも嬉しかった。
本当に清香家族と知り合えて良かった。

すっかり、仲良しになった多網と清香の弟は何故か肉交換をして遊んでる。

「多網兄ちゃん、あのオナラどうやるの?」

「ブルリン ブゥー」突然こいた。

「うぉーかっこいい」はしゃぐ弟

後にも先にもオナラでこんなに感動する子を見るのは初めてなのではないか?
顔を真っ赤にして興奮してる清香弟。

得意になる多網
「穴に力入れる」

「えっ、こう」

ブリブリブリこ~

あらまぁ、何とも、いきのいい音
多網は目をまん丸くして驚いた。
このダイヤの原石 濁りのないさっぱり爽快感を備える素質。
彼は間違いなく、近い将来きみ子を越える屁こき~になる。

どうでもいいわ、そして何故か自分ではなく、きみ子を越えるだった。


多網は肩を叩き
「日々精進」

みんなは大爆笑

その時、きみ子は涙を流していた。
「んっ、うまっ」
自然の中で、たったいま焼かれた肉、この環境がこんなにも肉を旨くするのか くはっ 表情はやられた~的な顔をしてきみ子はニッコリ笑っている。
モグモグ 口はフル稼働して動いている。
うま~っ、うま~っ うみゃ~。

清香やアミ 二人が多網やきみ子を気に入ってくれたのは凄く嬉しい。

きみ子は凄い勢いで肉をバクついている
「うみゃー美味い」
あまりの勢いに何故か食った肉片が鼻から出た ブヒャ 。

そんな中、大喜が大人たちに
「ねぇ、怖い話してよ」

「うひょー大喜ナイスアイディア」と冬馬君

「良いけど、夜 寝れなくなるぞー」と清香父

「話してしてー」子供達は大盛り上がり。

清香とアミは身体を寄せ集める。

「じゃあ、これは昔僕が体験したお話」

「うひょー始まった」
嬉しくてたまらない冬馬君
あーこの状況でみんなで怖い話楽しいな。
あっ、ちょっと身体にかぶせる毛布でも欲しいな。
回りは真っ暗森だから気分も余計にあがる。
部屋の中とは違いかなり怖い。

「僕らも怖い話なんかが好きで、昔友達の家に泊まった夜なんかはみんなで怖い話したりして、盛り上がったんだ」
清香父は話はじめた。

真剣に聴く子供達

「一人が話終わった時、洋服がハンガーに三つかかってたんだけど、真ん中の洋服だけが突然、揺れはじめた」

「ひぃー」

「やだっ」と正子と清香母も驚いた。
隆は内心びびっていたが、ビールをぐびりと飲み気を紛らわした。

「そういう話をするとお化けが寄ってくるなんて言いますもんね」と清香母

「そして、まだ続くんだけど、コンコンって誰かが玄関をノックしたんだ」

身体を更に寄せ集める、清香とアミ。

きみ子は興奮し、鼻息を荒げた。
ズファー

多網はすかさず鼻くそをくった。
パクリ むしゃむしゃ。
ペッ。

冬馬君と大喜もくっつき、清香弟はお母さんのもとへ。

「おかしいんだ、確かに誰かノックしたのに開けると誰も居ない」

「えーっ、良く玄関 開けましたな」と隆

「それから、ノックは二三回続きましたよ」
さすがに怖くなり、その時怖い話はやめましたよ。

震えあがる子供達
こりゃ、さすがにこの後、肝試しは怖い。
夜の森は真っ暗。

多網ときみ子は計画していた、
あの人魂花火に火をつけて怖がらせるのを森に隠れてやる人間が一番怖いと今や意気消沈。
今日はあの企画辞めよう。

突然「テントに逃げろー」と大喜
子供達は一斉にテントに駆け込んだ。

「ああ、あうゆう怖い話の後は、テントの中落ちつくね」冬馬君。

「まわりにしきりがあるから、外より怖くない」清香が言った。

「部屋みたいで落ち着く」とアミ

外からは川の流れる音がきこえる。

虫達の歌い声を聴きながらテントで和む子供達。

「ああ、夏の夜テントで過ごすなんて最高過ぎる」きみ子も本当に嬉しそう

「連れてきてもらって良かった」とアミ

この頃にはすっかり打ち解けている、子供達はもうみんな仲良しだ。

そんな時、「まだまだ怖い話」
と多網がカバンから、怪談の本を取り出した。
みんなは更に盛り上がる。

「いいタイミング多網」と冬馬君

キャンプ場のテントの中、みんなで怖い話
清香の弟は布団にもぐった。
決して、寒くはないのだけど怖いからみんなは布団にくるまっている。

あーこのシチュエーションワクワクする。
しかも、テントの中は少し安心感がある。

大人達は大人達で盛り上がっているよう、外から笑い声がきこえる。

みんなは怖い話を順番に読みあい、一人が終わると
「ひぃーっ」と布団に潜り笑い合う。

「ああ、明日も泊まれたら良いのに」と冬馬君

「本当」とみんなは頷いた。

「なんか、あっという間に夜だね」

再び話は始まり

怪談話の本は盛り上がっている
「今のは怖い」などとみんなの気分はまだ高まっていた。

そんな時、外から
「温泉行かない」と正子の声

「あっ、去年の温泉だ」大喜が言う。

「懐かしい」と弟

「でも、この状況からの森の中、歩くのかなり怖いよね」清香は苦笑い。

「たっ、確かに」頷く冬馬君と大喜

「そんなに歩くの?」きみ子はこの時良い案を思いついた。

あの人魂花火のチャンス

ニヤリ それを耳もとで囁き聴いた多網。

是非やろう。
二人は決行する事に決めた。

テントから出ると予想以上に真っ暗な森にビックリ。
怖い話をした後だからだろうか?
さっきより暗く感じるのは。

「うわぁー真っ暗」

さすがに森の中、普段住む街の明るさとは全然違う。

「この暗さで森の中歩くの?」とさすがのきみ子もビビっていた。
しかも、怪談話を読んだすぐ後 余計に怖い。

「みんな、タオルとか着替えもった?行くわよ」と正子

車道にあがり、森道を歩く。
「さすがに怖いですね」と清香母も真っ暗森にビビっている。

「ああ、何だかあのテントの中が恋しい」清香が言った。

「確かに」あの中の安心感が今や懐かしいような。

真っ暗な森の道

人魂作戦を考えていた、多網達だったがさすがに、みんなから離れるのが怖くて、きみ子が言った。
「後にしようか?」

歯をくいしばり、こくり頷く多網。

弟はお母さんにくっつき離れない。

「さすがに、ここで怖いはなしは出来ないね」大喜は苦笑い

「何だか、前に行ったお化け屋敷思い出すね」とアミ

「ああ、それ懐かしい」(「冬馬君の夏休み」より)

「あっ」突然の隆の声に一同まるで一時停止ボタンを押された様にピタリと止まった。

「なに、なになに」ビックリする正子

「空見て」

みんなは空を見上げた。

「あーっ」

綺麗な星空
真っ暗な場所だからこそ、星達はくっきりと夜空に見えた。
「うわぁー綺麗」

「えっ なにっ、星?お化けでもでたのかと思ったわ」と正子。

みんなは暫しの間、立ち止り空を見あげていた。

「ああ、自然の景観 最高ですね」と清香父さん。

「本当」隆も微笑んだ。

しばらく歩いてすぐに
「あっ、ここだ」大喜が言った。

懐かしの温泉その時だった、中から突然白髪のおじさんが出てきた。

「うぎゃーあーっおばけーっ」悲鳴を誰よりも先にあげた隆

普通のおじさんである。

「地元の人間ですよ」と笑うおじさん

「あっ、すいません」

みんな大爆笑。

地元の人もこんな山の中でも温泉入りに来ている様。
少し安心した、子供達。

「じゃ、またねー」
男湯と女湯に別れているので、皆は別れた。

洋服を脱いだ冬馬君
その時、久しぶりに奴が顔を出した。
そう、言わずと知れた熊パンである。

「あっ、出れた、ようしこれからだっ あっ」
パンツはすぐさま脱ぎ捨てられた。
あーれーえっ。

さっそく湯に浸かり
「ぷはー最高」大喜 大ご機嫌。

多網もへへっと笑った。

「ああ、川を見ながら温泉最高ですね」と清香父も嬉しそう。

あー最高のひと時である。
隣からはきみ子達の声

「みんなーいる?」
きみ子の呼びかけ。

そして、ブリッ ブブゥー けたたましい屁が。
みんな唖然とした。

「何じゃ~?」ビックリした清香父は何故かキョロキョロしている。
あまりにリラックスして弛んだ わたしのケツから発射された音じゃなかろうか?
一瞬ビビった 清香父。
自分のけつを押さまえた。

多網はすかさず、屁返し。
ブリブリーッ

ああ、出たっ二人の名物屁こき合戦。
この光景、あの冬休みの婆ちゃん家の旅行を思い出す。

みんな大爆笑だった。
他にお客さんがいなくて良かった。
賑やかな温泉タイム。

「あーっ、サッパリ」

「最高だったね」

帰り道は怖い話もすっかり忘れ、みんな、平気で山道を歩いて帰った。

テントの場所に帰って来て。

「あーっ、帰ってきた」と走り出す弟

「あはは、何だかお家に帰ったみたいで和む」と冬馬君。

その時、きみ子は合図した。
「よしっ、作戦決行」

名付けて人魂大作戦

ニヤッ ニヤリ 多網は笑った。

さっそく、見つからないように物陰に隠れ 着火

ブワワーン 人魂出現!!

多網は人魂を持ち揺らしている。

フワリ フワリ

さあ、みんな驚くかな

しかし、誰一人見ていなかった。

あっ、このまま終わっちゃう、焦ったきみ子は機転を利かし
「人魂でたよー」みんなのもとへ。

それを聞き、ビックリ

「あそこっ」
一同はきみ子の指さすほうを見つめ、更にビックリ。

へへへへっ
作戦大成功 きみ子は笑った。
そして、人魂のほうを見てビックリ仰天。

何故なら人魂を持ってる多網もこちらから丸見えだったからである。
彼は隠れられていなかった。
こっちから、見るとまるっきりの阿呆である。
たまにチラッときみ子に顔でどうだ、みんな驚いてるかと合図しているのだが、すべて丸見えである。
むしろ、人魂より多網の姿のほうがクッキリ見えている。

きみ子はずっこけた。

みんなも、大笑い

「多網君の姿丸見えだよ」と清香の父のツボに入ったよう。
ずくしゅ。

その後
みんな火の周りに座り、くつろいでいた。
何だかパチパチ木が焼ける音が心地良い。

「なんだか落ちつきますね」と清香母

みんな目を閉じて、一瞬静かな静寂が皆を包んだ、森の音 木が揺れる音 川のせせらぎ 虫の歌声 パチパチ
ああ、和む ふぅー落ちつくなぁ。

もう時刻は22時になっていた、キャンプの夜。

「ああーあっという間にもう終わっちゃうな」ときみ子

「ねっ、もう夜」清香弟も名残惜しそう。

「ああ、楽しかったなぁ」アミも、この楽しかった時間がいつまでも続けばなぁ、そんな気持ち。

何だか、もう終わりに近いキャンプが名残惜しく感じた。

ああ、少し寂しい。
明日の今頃は清香達とは一緒にいないんだなぁ。
来た頃がもう既に懐かしく、会ったばかりの時間帯に戻りたいなぁ、なんて思った。

空を見上げた冬馬君。
「星が綺麗だ」

「まだまだ」と突然多網が。

その言葉に冬馬君

「うん」

「そうだ、これからあれがある」ときみ子

「そうだ」と大喜

「あっ、もしかして」と清香

「なになに?」みんなの嬉しそうな、表情にものすごくテンションのあがるアミ

みんなの声はあわさった。

「夜中の語り合い」

子供達はテントに走って行く。
まだまだ、キャンプは終わらない。

「今日は起きてるぞ~」




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