冬馬君の夏

だかずお

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『旅の夜の爆発』

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食事を終え 軽く酔いもまわり、上機嫌な大人たち。
子供達もテンションマックス!!

「いざ出発~」
夜の街に散歩にくりだす一行。

「なんだか、旅先の夜街散歩ワクワクするね」冬馬君が言った。

「みんな一緒だと楽しい」と清香の弟

時刻は19時をちょっとすぎたところだ。

「清香ファイ」

「アミファイ」

なんと二人ともやってくれている

気を良くしたきみ子
「しゃーファイ ファイ ファ ファイ」

またも みんなで始まったファイ合唱
旅先の初めて見る景色を見ながら歩くのはなんとも乙だ。

すると一軒のお洒落なカフェバーらしき店を発見

「あそこ、行きたい」と大喜が言う。

「じゃあ、いってみようか?」と清香パパ

「ひゃっほー」子供達は喜び飛び跳ねた。

店内に入ると「いらっしゃい」若い男の店員さん

みんなはカウンターに座り
大人たちはお酒を頼み、子供達はジュースを注文。

多網は空想した。
それは、いつものように全身を黒い服で統一し、サングラスをかける渋い多網。
そしてカウンターのかどに一人座り
「マスターいつもの」
出されるのはウィスキー
グビッ 
一人たそがれる。

キャッキャ キャッ キャッ一人興奮していた。


「旅行中でしたか、初めて見るお客さんだなぁって」
店員の人は気さくに話かけてくれる

こんな店に清香と来るのが夢だった、冬馬君それが叶ったのは嬉しい。
とっても嬉しい。

冬馬空想が始まる。

空想の中、冬馬君はもう大人

「清香 何飲む?」

「私、もう酔ってるの」

「えっ?酔ってるってまだ何も飲んでいないよ」

「冬馬君に酔ってるの」

「うきょー」一人想像してニタニタ笑っている。


そんな中、きみ子までも想像していた。

それは二十歳のきみちゃん。
「マスター、いつもの」

出されるのはなんとサツマイモ
「きみちゃん、国産です」

「うふっ、ありがとうマスター これならいいわ」

「マスターも私のおごりでどうぞ」
何故か空想のきみちゃんはブロンド

「じゃあ、お言葉に甘えていただきます」

二人はイモをがっつく

そして目を合わせ笑いあう

「せーの」二人の声は重なりハーモニーをうみだし。

ブブブブブー リーっこ!
なんとも見事にハモる綺麗なオナラ

なんじゃーこの世界感

「ケハハハ」きみ子は満足気に笑った。

お兄さんから、カウンター越しにみるこの三人の顔はなんとも不気味だった。

盛り上がる店内。

お兄さんはなんとも飲ませ上手だった
「テキーラおごりますけど、どうですか?」

すでに、ほろ酔いの大人たち。

「えっ、テキーラなんて、何年振りかしら!」と正子

「さすがに、私は」と清香ママ

「たまには、いいじゃない」と清香パパ

「見たい」とポツリ多網が子供達の熱いまなざし。

「じゃあ、いこうか」と隆

なんと、まさかのテキーラ乾杯

テーブルにショットグラスが並べられる

「行きますよー」お兄さんが言う

ぐびっとね 

「かあーっ」

大人たちは皆一気飲み

「何かきたわね」と正子

何がきたんだ正子よ・・

その正子の発言に目を輝かせたきみ子
「また、おばちゃんこないだの旅行のときみたいにならないかな」

あっ、あれか それはぜひ見たい。
冬馬君達は思い出し笑った。
カマーンッ(「冬馬君の冬休み」より)

「何それ?」と清香

するときみ子が真似した
「カマーン」

子供達は大爆笑

顔を赤らげる正子
「やあね、あそこまでは家じゃないし外じゃならないわよ」
冷静な正子がそこにいた。

「ちえっ」舌打ちする冬馬君

すると、カラン

入って来たのは体の大きな黒人さん

緊張する大人たち。

「あなた、サイパン行くんだから、英語で話かけてあげなよ」
と小声で正子

一人テンパる隆
「えっ?あっ」

その黒人さんカウンターに座り一言

「ウーロン酎 ちょうだい」

隆はずっこけた、ペラペラなのね。

ちょうど、裏に行ってたお兄さんがカウンターに戻ってきた。

「あっ、クマさんいらっしゃい、みなさんは旅行でこの街に来てるんですって」

今だに英語を喋ろうとテンパる隆
「あっ、ナイすとぉみーちゅふぁー」訳分からなくなっていた。

するとクマさん
「大丈夫よ、私日本語うまいから」

「あはは、そうでした」

多網は立ち上がり、学校で習ってる英語を喋ろうとクマさんのもとへ
「アッパッペー」

なんじゃー?
クマさんビックリ
こりゃ何語だ?
テンパるクマさん

「アッパッペー ぺーぺー」と連呼し手を差し出す多網

優しいクマさん合わせてくれた。
「あっ、パッ ペー ペー」と握手した。

ニッコリ多網は席に戻る。

子供達は感心していた、凄い多網、英語喋れるんだ。

一番感心していたのは隆だった。
すげー多網英語喋れるんだ。

こうなると、きみ子に火がつく。
きみ子は立ち上がり、負けじと英語で話かけた。

「シャカリキー シャケ シャケリキー フニャフニュ」

クマさんは目をまん丸にして驚いた

こころの中、なんじゃーこりゃ?
一体これはなんなんだ?
新手な日本の挨拶なのか?
しまった、自身の日本語の引き出しにこんなのないぞ、困るクマさん。

「シャカリキー」と手を出すきみ子

これは間違いなく英語の挨拶ではなく きみ語だろう。

ええい、クマさんは手を出した
「シャカリキ トゥー」

わー子供達はきみ子もペラペラと感心。

隆はほっと安心した、あっこれなら子供達に任せれば、サイパンでの英語はなんとかなるな。

アホウ!!


するとクマさん
「みなさんに感謝を込めておごりたいです」

「えっ、いいんですか?」

「はい、テキーラ乾杯しましょう」

ひょえ~ またっ!!
大人たちの顔はひきつった うきょー

拍手し喜ぶ子供達

「えっ、じゃあ申し訳ないからもらいましょうか?」と清香パパ

「あっ、ではいただきます」と正子

またカウンターにはショットグラスが並べられ

ウキウキ見守る子供達

「では、乾杯~」

ぐびっとね

「おいしい」とニッコリくまさん。

「さすがに酔った」と清香パパ

みんなは、再び会話を楽しみ始めた。

「あーっ、今回のキャンプに旅館、本当に最高だったな」とアミ

「また来たい」と清香の弟もまだ目がパッチリあいている。

「あとでまたお風呂も入ろうね」と清香

「そうだ、まだまだ 夜中の語り合いもできる」と冬馬君

子供達は大人の真似してジュースで「乾杯」と大盛り上がり。

その時だった。

「カー ーー ~ッ」


「マーン~~」

正子は覚醒していた。


子供達はずっこけ大爆笑
「いつものおばちゃんじゃない」ときみ子も大笑い。

クマさんも目をまん丸くしている。
「大丈夫ですか?」

「まだまだ」と正子

そして「テキーラ」と叫ぶ。

「えっ?」さすがのお兄さんもビックリ。

「今はやめといたほうが・・・」

「カマーん」

だめだこりゃ。

隆の顔は真っ赤っか。
これは、我が妻正子か?

その時、多網ときみ子は立ち上がり

「正子ファイ 正子ファイ」と拳を前に突き出す。

冬馬君と大喜も立ち上がり
「正子ファイ 正子ファイ」

隆は顔が更に赤くなり
これが我が家族か・・・

その時
「おじちゃんも」ときみ子

すると フッと隆は微笑んだ。

そうだ、これが我がファミリー

我が家族!!

ええい 見よ!!!!

私は隆 隆だーっ!

顔には見事なまでの100点満点の笑みを浮かべ

「あははははは 正子ファイ 正子ファイ」
まるでキチガイのよう。
先頭きって駆け上がっていった。

螺旋を描いて天に登っているようだ。

きみ子は腹を抱えて笑った
「イかれてる 、イかれてる」

清香パパもママもビックリ仰天

バーテンのお兄さんもくまさんも口がぽっかりあいている。

その時だった。

清香とアミ、それに弟まで立ち上がった。

そして、「正子ファイ、正子ファイ」

冬馬君は泣きそうになるほど嬉しかった。

なんと更に、清香パパとママまで。

「正子さん ファイ 正子さんファイ」

もう彼女にさんはつけなくてもいいと思うが。

多網、きみ子もこれが嬉しく更にヒートアップ。
うぉーーっ

ついには、バーテンさん、クマさんまで 両手を突き出し。

「正子さんファイ、正子さんファイ」

正子はその光景を見て瞳が潤んだ。
みんなが私を呼んでいる。
みんなが私を・・・

なんと、カウンターの上に立ち上がり
テキーラぐびり。

右手を天に突き上げ

なんだか、意味不明なリズムをとりはじめ。

「かーーーーーーーーーーーッ
マーーーーーーーーーーーーーン」

出たーっ、再び言うが正子覚醒!!

うおーっ。

もはや、暴走は止まらず

反対の拳まで、天につきあげ

「カカカカカ カマーン」と大声で叫び手招きを始めた。

やったあー!!

カラン
扉を開け入ろうとしたお客さんは、そのまま、物音たてず出て行った。

みんなは、大笑い、腹を抱えて笑っている。

なんと、しゃがみ込む正子
ゆっくり手でパタパタ羽で浮かぶジェスチャーをしながら立ち上がり。

「カマーーーーーーン」

でたーっ イッたな正子よ。

きみ子はドツボに入った。
「ひぃーしぬー笑いじぬー」

清香の弟の言葉が忘れられない

「おっ お化け~~」

ああ本当に楽しい夜だった。

最後はバーテンさん、クマさんと握手を交わし店を後にした。

クマさんは最後に一言

「ソー クール ファミリー」
(とっても、かっこいい家族だ)

バーテンさんはニッコリ笑った。

「ソー グレート」

帰り道、エネルギーを使い果たした正子は隆に担がれている。
子供達はいまだ大笑いだった。

あー楽しかった。

「いやー正子さんすごかったなぁ」
と清香パパも微笑んでいる。

「本当楽しかった」と清香ママ

「すいません」と苦笑いの隆

「いや、とっても良い思い出が出来ました」と喜んでくれた清香家族だった。

部屋に戻ると、畳の上に布団が敷かれており
「やったぁ、楽ちん」と寝そべる大喜

「部屋に帰って来るとまた落ちつくね」とニッコリ冬馬君

畳の匂いをクンクン嗅ぐ多網ときみ子。

犬か!!

時刻は21時になっていた。

「よーしお風呂に行こう」ときみ子

「行こうー」っとみんなは大はしゃぎ。

旅行の夜はまだ続く。



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