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第12話 不満と解消※
しおりを挟む剥き出しの胸が真白の良いように弄ばれる。隆起した頂は意地悪く閑却され、疼く乳暈の周りを、ゆっくりと撫ぜられた。
真白は器用に片眉を上げ、好戦的な眼差しを向け丹子に問う。
「ここも好き?」
余裕を失くした丹子は返答できず、ただ息を詰めた。
波のように押し寄せる感覚に漫然と身を委ねる。赤く熱った唇がだらしなく開き、真白の舌がすかさず侵攻してきた。丹子の頭の中が、真っ白になる。── 22歳にしてはじめてのキスだ。
けれど、感慨に耽る暇はない。舌を絡め取られ歯列を舐められ、捕食されるように口中を侵される。夢中で息継ぎし、そして、真白とのキスに陶酔した。──もっと欲しい。
真白に触れられるのを、本能的に冀求する自分がいる。
丹子の腰がうねると、真白は、丹子の腿を持ち上げた。覆い被さるような形で丹子を抱き込み、汗みずくの額に口づける。
丹子は斜め下から、真白の顔を陶然と眺めた。
普通なら不細工に映るこの角度でも、彼は彫像のように美しい。
筋張った手が丹子の柔な体を、遅々と撫で下ろす。胴を撫で臍を通り……その瞬間、打ち上げられた魚のように、丹子の体が躍動した。
「ああ、ここが気持ち良いんだ?」
そう言って、萌え出る丹子の秘芽を指で愛でる。
覚えたての快楽に丹子は打ち震え、真白の襟に掻いつく。
「イキそう? 良いよ、見ててあげる」
丹子の好反応を見た真白は頬を染め、秘芽を撫ぜる指を付勢した。丈高指を丹子の泥濘に熟と埋めていく。そして、ある到達点で指を持ち上げた。
「──あぁっ!!」
森閑な寝間に丹子の嬌声が響く。体は海老のように反り、滑稽なほどに痙攣していた。
快楽の極致に達した丹子は、意識が遠のく中、真白を見やる。
自分と同様に彼も汗だくで、紅顔で微笑んでいた。
◇◇◇
──夜が明けた。鬼月村に越してから幾日が経過し、この寝間にも適応したように思う。
深呼吸して背伸びすると、同時に昨晩の出来事が回想された。
丹子は、爆ぜるように跳ね起きる。慌てて浴衣の襟に触れた。さらりと乾いており、布団も整えられている。乱れた形跡は見られない。──そうか、全て夢だったのだ。
前半は、女が酷遇される夢。後半は思い出すだけでも愧死しそうな、淫靡な夢だ。
予知夢や白昼夢など種類がある中、『願望夢』というものがある。その名の通り、願望が反映された夢で、欲求を解消するために見る夢だとか。
今回の夢が、願望夢にあたるものだとしたら──
丹子は真白様に抱かれる事を願っている、という事だ。
(わたし、処女のくせに性欲は一人前なのね……)
しかも、想像力が実に豊かだ。アダルトビデオでも観ているのかというほど、具体的な夢だった。
忸怩たる思いで丹子は嘆息する。すると、二間続きの襖が音を立てて開け払われた。
「おはよう丹子」
弾けんばかりの笑顔、真白だ。彼ともつれ合い猥りがわしい姿を見せた事を、思い出す。恥じ入る丹子の血圧が急上昇し、赤くなった顔を掛け布団で隠した。
たとえ夢の中だとしても、こんなに尊い彼を、性欲解消のために浪費したのだ。申し訳が立たない。
(夢の中では本当にすみませんでした……)
慙愧にたえない丹子は胸中で平伏した。真白の顔を見やると、彼の美貌に似つかわしくない、寝癖と目隈がある。
「寝不足ですか?」
「ん? んー、ふふっ、少しね」
丹子に問われると、真白は眉を垂らし含羞んで、丹子の側に、そっと腰を下ろした。普段は綽々とする彼だが、今朝は心なしか散漫に見える。
(まあ、神様みたいに完璧に見えても人間だもんね)
真白の疲労感を見ると、丹子は初めて、親近感を覚えたのだった。
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