2 / 2
一度目の告白
レベル2
しおりを挟む
リードが言うには経験値を貯める方法の一つとしてはリードが実際に経験する。もう一つは他の魔神候補生から奪うという二択がある。博人は後者で進めようとするがリードは乗り気でないらしい。というのも……
「僕は魔人候補生の中でも最弱レベルだからねぇ」
「何でそんなこと分かるんだよ」
他の魔人候補と争いたくないがための言い訳かもしれない、博人は根拠を求めた。
「そもそも僕たち魔人候補生は『導力』という力をもとに人間の願いを叶える手助けをすることで次期ランプの魔人を決めようってことなんだねぇ」
「おう」
「その導力っていうのはパワーの力・知識の知・恋愛の恋・芸術の芸・操作の操の五種類5段階のレベルに分けられてて、天界からここ人間界に来る少し前に自分がどの導力の何レベルか通知が来るんだけどぉ……」
夕食を食べ終わり、博人は茶をすすりながら話を聞いている。
「僕は知導力の1レベルらしいんだねぇ、知導力っていうのは頭の良し悪し的なことなんだけどねぇ?」
「あー」
「運営によると1レベル間の実力差は約100倍、奇跡でも起こらない限り同レベル以上に勝つことはまずないっぽいからぁ……」
どういうことか分かるだろというような目でリードは博人を見る。
「積極的に攻めるのはまだ無理ってことか」
「そーそー」
「とりあえずその知導力を軸に経験値を稼げばいいわけだな、それじゃあ……」
「これは?」
「『何処園教授監修猿を東京の大学生にする修行』っていうゲームでな、途中でついていけなくなってやめたんだが知導力1レベルを猿とするならばピッタリなんじゃないか?」
博人が出してきたのはゲーム機本体の機種が変わるたびに発売され、毎回そこそこ売れる何処園教授シリーズの一つだった。
「実際俺の頭が良くなっていないところから効果があるか不明ではあるが……」
「途中ってかなり序盤でやめたんじゃないのぉ?」
「確かアウス……アウスト……何とかってランクで止めた」
「それ多分人間にもなれてないねぇ……」
博人の言わんとしていることが分かったらしいリードは魔神でありながら人間より人間のことを知っていることになる。
「とにかく春休み中はそれやってりゃいいんじゃん? 何日もできるゲームか知らんけど」
「何もしないよりはいいかもねぇ」
手渡されたゲーム機を起動してリードは操作方法を頭に入れていく。
「ちょっとやったら寝ろよ」
「りょーかーい」
リードを放置して食器を片づけた博人はさっさと準備し二階に上がって床に就いた。
翌日、博人が目を覚ますと……
「んー……ん?」
「ヒロトおはよぅ」
「おう、ってお前まさか寝てない?」
「ちゃんと寝たよぉ、早く起きただけさぁ」
リードが床に座ってゲームをしていた。掛け布団が転がっていることから寝たようだ。
「それ面白いか?」
「面白いよぉ、ほい」
ゲーム画面には「高校卒業レベル」の文字が踊っていた。
「へ、へぇ~……飯食ってくるわ」
「じゃあ僕も行こぉ」
明らかに成績の良い自分は見たことがない画面を見せられてたじろぐと同時に知導力1を見直した博人だった。
3月中旬、終業式に二人が出会って約二週間経ち3月が終わろうという頃動きが起こる。
「そろそろ全クリしたんじゃねぇの? それ多分そんなにやり込むように作られてないぞ」
「今最終関門だよぉ、ここをこうして……よしっ! クーリアーーーーあっ!?」
「おぉ!?」
最終関門とやらをクリアしたらしいリードが手放しで喜んでいると内から外から光だし、博人は強烈な目つぶしを食らった。
光は数十秒で収まり、徐々に目が開けられるようになってくる。
「今のはまさか……」
「うん、そのまさかみたいだねぇ」
博人が察した通りリードはレベルアップしていた。
「あーダメだ! ダメだよぉ!」
「どうした!?」
「この力は……僕らを戦場へ誘うんだなぁ」
「お前厨二的な奴だったのか」
急に頭を抱えるリードは厨二の素質を持ち合わせていた。
「それより何か分かったんだろ?」
「うん、まず僕らの言う導力にはレベルに応じてスキルっていうものがあるんだけどぉ」
「おう」
「僕の知導力レベル1では『集中』のスキルがあったんだねぇ」
「あんだけあのゲームばっかりやってたのはそういうことだったのか」
「一理あるだろうねぇ」
レベル1時点でリードは博人に明かしていないスキルを持っていた。集中力だけでは戦えない、リードが攻めの姿勢を見せないのはそんな理由もあったらしい。
「それでね、今レベル2になったわけだけどそのスキルが『交渉力』らしいんだよぉ」
「結局戦えなくね?」
「物理的に戦わなくても話術で勝負すればいいんだよねぇ」
リードがにやりと笑う。
「それに物理的な力が欲しいなら交渉で仲間にすればいいんじゃないかなぁ?」
「なるほど」
「もう一つ、僕にとっては良くないけどヒロトにとっては良いかもしれない話があってぇ……聞きたいぃ?」
「もちろん」
「えぇ……」
自分で振っておいて言い淀むリード、良い話と聞いて博人は前のめりになる。
「本当はレベル1の時から気づいてたんだけど近所に居るんだよねぇ、魔人がさぁ」
「そりゃ丁度いい、お前以外の魔人も見てみたいしエンカウントしに行こうぜ」
「そうなるよねぇ……いやー争いたくないなぁ」
遠い目をするリードは争いたくないというより痛い目を見たくないというところだろう。両者方向性の違いはあれど勝負したい、勝負しなければいけないということで着地点は交わりそうだ。
「僕は魔人候補生の中でも最弱レベルだからねぇ」
「何でそんなこと分かるんだよ」
他の魔人候補と争いたくないがための言い訳かもしれない、博人は根拠を求めた。
「そもそも僕たち魔人候補生は『導力』という力をもとに人間の願いを叶える手助けをすることで次期ランプの魔人を決めようってことなんだねぇ」
「おう」
「その導力っていうのはパワーの力・知識の知・恋愛の恋・芸術の芸・操作の操の五種類5段階のレベルに分けられてて、天界からここ人間界に来る少し前に自分がどの導力の何レベルか通知が来るんだけどぉ……」
夕食を食べ終わり、博人は茶をすすりながら話を聞いている。
「僕は知導力の1レベルらしいんだねぇ、知導力っていうのは頭の良し悪し的なことなんだけどねぇ?」
「あー」
「運営によると1レベル間の実力差は約100倍、奇跡でも起こらない限り同レベル以上に勝つことはまずないっぽいからぁ……」
どういうことか分かるだろというような目でリードは博人を見る。
「積極的に攻めるのはまだ無理ってことか」
「そーそー」
「とりあえずその知導力を軸に経験値を稼げばいいわけだな、それじゃあ……」
「これは?」
「『何処園教授監修猿を東京の大学生にする修行』っていうゲームでな、途中でついていけなくなってやめたんだが知導力1レベルを猿とするならばピッタリなんじゃないか?」
博人が出してきたのはゲーム機本体の機種が変わるたびに発売され、毎回そこそこ売れる何処園教授シリーズの一つだった。
「実際俺の頭が良くなっていないところから効果があるか不明ではあるが……」
「途中ってかなり序盤でやめたんじゃないのぉ?」
「確かアウス……アウスト……何とかってランクで止めた」
「それ多分人間にもなれてないねぇ……」
博人の言わんとしていることが分かったらしいリードは魔神でありながら人間より人間のことを知っていることになる。
「とにかく春休み中はそれやってりゃいいんじゃん? 何日もできるゲームか知らんけど」
「何もしないよりはいいかもねぇ」
手渡されたゲーム機を起動してリードは操作方法を頭に入れていく。
「ちょっとやったら寝ろよ」
「りょーかーい」
リードを放置して食器を片づけた博人はさっさと準備し二階に上がって床に就いた。
翌日、博人が目を覚ますと……
「んー……ん?」
「ヒロトおはよぅ」
「おう、ってお前まさか寝てない?」
「ちゃんと寝たよぉ、早く起きただけさぁ」
リードが床に座ってゲームをしていた。掛け布団が転がっていることから寝たようだ。
「それ面白いか?」
「面白いよぉ、ほい」
ゲーム画面には「高校卒業レベル」の文字が踊っていた。
「へ、へぇ~……飯食ってくるわ」
「じゃあ僕も行こぉ」
明らかに成績の良い自分は見たことがない画面を見せられてたじろぐと同時に知導力1を見直した博人だった。
3月中旬、終業式に二人が出会って約二週間経ち3月が終わろうという頃動きが起こる。
「そろそろ全クリしたんじゃねぇの? それ多分そんなにやり込むように作られてないぞ」
「今最終関門だよぉ、ここをこうして……よしっ! クーリアーーーーあっ!?」
「おぉ!?」
最終関門とやらをクリアしたらしいリードが手放しで喜んでいると内から外から光だし、博人は強烈な目つぶしを食らった。
光は数十秒で収まり、徐々に目が開けられるようになってくる。
「今のはまさか……」
「うん、そのまさかみたいだねぇ」
博人が察した通りリードはレベルアップしていた。
「あーダメだ! ダメだよぉ!」
「どうした!?」
「この力は……僕らを戦場へ誘うんだなぁ」
「お前厨二的な奴だったのか」
急に頭を抱えるリードは厨二の素質を持ち合わせていた。
「それより何か分かったんだろ?」
「うん、まず僕らの言う導力にはレベルに応じてスキルっていうものがあるんだけどぉ」
「おう」
「僕の知導力レベル1では『集中』のスキルがあったんだねぇ」
「あんだけあのゲームばっかりやってたのはそういうことだったのか」
「一理あるだろうねぇ」
レベル1時点でリードは博人に明かしていないスキルを持っていた。集中力だけでは戦えない、リードが攻めの姿勢を見せないのはそんな理由もあったらしい。
「それでね、今レベル2になったわけだけどそのスキルが『交渉力』らしいんだよぉ」
「結局戦えなくね?」
「物理的に戦わなくても話術で勝負すればいいんだよねぇ」
リードがにやりと笑う。
「それに物理的な力が欲しいなら交渉で仲間にすればいいんじゃないかなぁ?」
「なるほど」
「もう一つ、僕にとっては良くないけどヒロトにとっては良いかもしれない話があってぇ……聞きたいぃ?」
「もちろん」
「えぇ……」
自分で振っておいて言い淀むリード、良い話と聞いて博人は前のめりになる。
「本当はレベル1の時から気づいてたんだけど近所に居るんだよねぇ、魔人がさぁ」
「そりゃ丁度いい、お前以外の魔人も見てみたいしエンカウントしに行こうぜ」
「そうなるよねぇ……いやー争いたくないなぁ」
遠い目をするリードは争いたくないというより痛い目を見たくないというところだろう。両者方向性の違いはあれど勝負したい、勝負しなければいけないということで着地点は交わりそうだ。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
ボンクラ王子の側近を任されました
里見知美
ファンタジー
「任されてくれるな?」
王宮にある宰相の執務室で、俺は頭を下げたまま脂汗を流していた。
人の良い弟である現国王を煽てあげ国の頂点へと導き出し、王国騎士団も魔術師団も視線一つで操ると噂の恐ろしい影の実力者。
そんな人に呼び出され開口一番、シンファエル殿下の側近になれと言われた。
義妹が婚約破棄を叩きつけた相手である。
王子16歳、俺26歳。側近てのは、年の近い家格のしっかりしたヤツがなるんじゃねえの?
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
もしかして寝てる間にざまぁしました?
ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。
内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。
しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。
私、寝てる間に何かしました?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。
ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。
彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。
婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。
そして迎えた学園卒業パーティー。
ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。
ガッツポーズを決めるリリアンヌ。
そのままアレックスに飛び込むかと思いきや――
彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる