スキルマスター

とわ

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第一章 ムーン・ブル編

第49話 新年

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「でも、何で盾なんだ? 予想してたんだろ?」

 両手を頭の裏側で組むアーロンは、リラックスした様子で疑問に尋ねた。

「信念があるんだ。盾もまだまだ可能性があるってな」

 新年な俺は、盾も同様に新たな新年を迎えると話した。

「ふ~ん。じゃあ、案内するよ」

「ああ、頼む」

 困惑な様子のアーロンは、笑顔を見せて話した。待望な俺は、笑みを戻して話した。笑顔のアーロンは、店内の奥側へと歩き始める。好奇心な俺は、薄暗い店内を見回しながらあとに続く。

 薄暗い店内は、通路の幅がやや狭く、俺の背丈ほどの陳列棚が数多く立ち並ぶ。進行方向の右側の陳列棚にヒノキの棒のような物や棍棒が展示され、左側の壁に槍などの長物も展示されている。

(凄いなあ~。目移りしそうだ)

「着きました。こちらです」

 感動な俺は、思わず槍を左手で触れて頬を緩めて思考していた。前方からアーロンの声が届いた。顔をアーロンに向ける。笑顔のアーロンは、陳列棚を左手で丁寧に示している。興奮な俺は、示す陳列棚の前に移動する。光沢のある茶色の剣を確認する。

「こちらはブロンズショートソードになります。街の近くのスライムを倒すだけならこの剣で十分だと思います。ゴブリンを相手にするなら隣のアイアンショートソードがお勧めです。どうしますか?」

 丁寧な様子のアーロンは、流調に話して得意な表情を見せて疑問に尋ねた。

(まだまだ甘いが、接客を練習したんだろうな。さっきまでとは段違いだ)

 経験者な俺は、アーロンの説明後の自分に酔いしれている部分はマイナス点としながらも高評価と思考した。ブロンズショートソードを右手に取る。感触を確認する。

(意外と軽いな。日本刀を持った時は、とてもじゃないが片手で振るのは無理だと思ったが。これならいけるな…)

 慎重な俺は、ブロンズショートソードを軽く振り下ろして思考した。視線を陳列棚のアイアンショートソードに移す。アイアンショートソードを左手に取る。

(もっと軽いな。銅の方が重かったのか…。切れ味の違いは普通に考えればいいと思うが、使い勝手の違いは実際に使ったあとじゃないと分からないな…。これは、決意が揺らぐ…)

「う~ん…」

 実戦派な俺は、二つのソードの角度を変化させながら刀身を比較するように眺めて思考したあと、思わず唸り声を漏らしていた。

(いや、やっぱりここは、あらゆるゲームの序盤で必ずお世話になると言っても過言ではないこの銅の剣ことブロンズショートソードを、選ばないという選択肢は無い!)

 信念な俺は、ブロンズショートソードを憧れの眼差しで見つめて最初に予定していた通りにしようと強く思考した。アイアンショートソードを陳列棚に戻す。改めてブロンズショートソードを憧れの眼差しで見つめる。

(この剣は、一度は使わないと後悔しそうだしな。おもちゃみたいな安っぽい光沢は、やっぱり味があっていい!! 子どもの頃は分らなかったが、今ならかの有名なマクベ大佐の最後の、あれは良い物だ! って叫んだ気持ちがなんとなく分かるな~)

「ふふん」

 満足な俺は、ブロンズショートソードを舐め回すように見つめて歳を取らないと分からない感情はあるなと思考したあと、表情を可能な限りににやつかせて得意に鼻を鳴らした。

「兄ちゃん、気持ち悪いぞ」

「お父さんに言うぞ」

「えええっ!」

 アーロンから苦言のような話が届いた。満足中な俺は、即座に死の宣告のように話した。頭を両手で抱えるアーロンは、断末魔のような悲鳴を強く上げた。呪われたように体をくねらさせ始める。

「ふっ、これを貰うよ」

 慈愛な俺は、思わず笑みを零したあとに体をアーロンに向けてブロンズショートソードを見せて話した。動きを止めるアーロンは、顔を俺に恐る恐る向ける。大人な俺は、慈愛の笑みを見せる。

「あっ、ありがとうございます!」

「あと、盾も案内してくれるか?」

「はい! 盾はこちらになります!」

 姿勢を正すアーロンは、言葉を詰まらせたあとに力強いお辞儀を見せて声を強く上げた。やや困惑な俺は、優しく疑問に尋ねた。返事を強く戻すアーロンは、姿勢を素早く戻して再び声を強く上げた。回れ右をして店内の更に奥側へときびきび歩き始める。

(子供は元気だなあ~)

 爽快な俺は、思わず再び歳を取らないと分からない感情はあるなと思考していた。


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