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第一章 ムーン・ブル編
第54話 初心者用の防具と言えば
しおりを挟む「失礼。畏まりました! それではご案内致します」
一礼する男性は、語尾を強く跳ね上げたあとにものの見事に態度を接客モードに切り替えて話した。踵を返し、金属製の華やかな鎧の陳列棚を踊るように進みながら奥に向かう。
(凄いな~。ここまで楽しそうだと、こっちまで楽しくなるな!)
再び愉快な俺は、思うところがありながらも心を時めかせて強く思考した。男性のあとに続く。革製の陳列棚に囲まれた展示スペースに到着する。ある意味予想通りの丸みを帯びた革の鎧が木製のマネキンのような物に展示されている。革の鎧は、光沢を窺えるほどに手入れのしっかり行き届いた様子。
「こちらのレザーアーマーです!」
軽やかなステップを踏みながら革の鎧の隣に向かう男性は、隣に立ち止まる同時に体を俺に向けてレザーアーマーを両手で豪華に示して話した。
(やっぱり初心者用の防具と言えば、これだよな!)
感動な俺は、思わず両拳をきつく握り締めて強く思考していた。武者震いを起こす。レザーアーマーの前に移動して両手で質感を楽しむ。
「いかがでしょう?」
「これを貰うよ」
俺に接近する男性は、低音の声で疑問に尋ねた。夢中な俺は、すぐさま返事を戻した。
「お早いですね~。他にも色々とございますが、そちらは宜しかったでしょうか?」
「ああ、今は必要ないからな」
額を右手で押さえて後退りする男性は、直ちに俺に再接近して疑問に尋ねた。引き続き夢中な俺は、再びすぐさま返事を戻した。
「そうだ。悪いが着方も教えてくれるか? なにぶん初心者でな」
「うう~ん構いませんよ~。冒険者様のためなら、何でも致します! サイズも取り揃えておりますので、ささ、こちらになります」
閃きな俺は、顔を男性に向けて話した。震え上がる様子の男性は、歓喜な表情を豊かに変化させて試着室の存在するであろう方向に腕を伸ばして話した。そのまま店内の右奥側へと歩き始める。陽気な俺は、あとに続く。
「お客様は、どちらからお越しでしょうか?」
「えっ?」
陽気な様子の男性は、前へと進みながら疑問に尋ねた。唐突な俺は、思わず声を疑問に漏らしていた。
「まあ、遠い所からだよ」
「それはそれは、随分と苦労をなされたのでしょう。ですが、冒険者も苦労するものです。この街では是非ご自身をゆっくり労わってあげてください。街の皆さんは、お酒好きな良い方ばかりですので安心してください」
平静な俺は、しみじみと返事を戻した。察する様子の男性は、明るい声で話した。
「酔っ払いが多いのか?」
「ドキ!」
直感な俺は、疑問に尋ねた。明るい様子の男性は、体をノリよくびくつかせると同時に声を強く発した。その場に立ち止まる。顔を俺にゆっくり向ける。俺のにやつく表情を確認する。そして、
「あっ、しまった。つい声に…」
うっかりしたようだ。
「いえいえ、そのようなことは断じてございません」
汗を顔に流す男性は、直ちに顔を前向きに戻して言い訳かのように話した。
(分かり易いな。何か隠し事もありそうだが…、まあいいか。今は前に進むことだけ考えよう)
「忙し過ぎると酒も飲めないからな。この街ではゆっくりさせてもらうよ」
同情な俺は、語るに落ちると思考し、リラックスして話した。動揺な様子の男性は、再び顔を俺にゆっくり向ける。前向きな俺は、笑顔を見せる。リラックスな様子の男性も、笑顔を見せる。顔を前向きに戻して歩きを再開する。こじんまりとした広さの試着室と思われる場所に到着して歩きを止める。試着室を舞台に見立てたかのようにしてバレリーナのように舞い躍る。
「こちらが!」
俺に白鳥の姿を見せる男性は、声を上擦らせて強く話した。姿勢を整えて一礼も見せる。
「試着室になります。最初に鎧の基礎的な知識を説明いたしますが、準備が御座いますのでそちらの椅子に腰掛けて少々お待ちください」
「強い!」
接客モードな様子の男性は、椅子を両手で丁寧に示して話した。感動な俺は、思わず見習おうと強く声を上げていた。姿勢を戻す男性は、再び一例を見せる。陽気な俺は、椅子に腰掛けてしばし待機する。手慣れた様子の男性は、準備を素早くし終える。
「それでは、説明いたします」
「よろしくお願いします」
陽気な様子の男性は、笑顔で話した。陽気の中で真剣な俺は、表情を引き締めて親しき中にも礼儀ありと返事を戻した。鎧の基礎的な知識を学ぶ。
「次は、鎧の装備の仕方です。鎧をご自身で実際に装備していただきます。順番に行いますので、まずはこちらのブーツからどうぞ」
笑顔の男性は、レザーブーツを両手で差し出して話した。真剣な俺は、それを受け取る。男性の手伝いを受けながら装備を順番に行う。
(この見た目で最初は少し疑っていたが、怪しい人じゃあないな)
直感な俺は、思わず男性を見つめて信頼の置ける生粋の商人と思考していた。会話を楽しみながら装備をし終えた。
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