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38.彼女はソレを愛と言う 01
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「愛……だと?」
表情を歪め、唸るようにブラームは言葉を吐き出す。
「えぇ、私は彼を愛していた。 愛すれば愛するほど、彼と視線を合わせ、言葉を交わす事も叶わぬ現実に胸が焦がれ、夜も眠れぬほど切なくて……身体が火照ってくる。 そんな情熱を貴方が理解できるかしら?」
指先を舐めながら粘っこくアンベルが熱い吐息と共に語れば、ブラームは無意識に眉間を寄せていた。
「わからんな。 愛する相手に嫌われたいなんて」
「余程、自信がないのね。 私はね、貴方とは違いますの。 だってバウマン様は私が見つめれば、恥ずかしそうに視線を背け、そして必ずチラリと私を見る。 微笑みを向ければ戸惑い恥じらいながら逃げ出してしまう。 彼は初心で、とても可愛らしい方なの。 彼は私に興味があったわ。 ただ、ルールを破れないだけ……。 だから、きっかけが必要だったの」
「アレは、アレのやり方で、不器用ながらもマティルとの愛を築いていた」
「ソレは、時間を共有するからこその家族の情ですわ」
無表情に聞き流すが、ブラームの内心は舌打ちしていた。
「まさか、初心なバウマン様ならともかく、閣下も経験がありませんの? 燃えるような熱情と言うものを」
アンベルの突き出された指先が、テーブル越しに柔らかい動きでブラームの胸元に触れる寸前に跳ねのけられた。
「触れるな屑が」
暴言も気にすることなく、アンベルがうふふと色っぽく艶っぽく……下品に笑って見せる。
「わぁお」
フザケタように声を上げる王太子に、ブラームは八つ当たりとばかりに背中を平手でたたいた。
王太子の視線が『お前はぁ……』とブラームが苦笑して見せた。
「自分の欲情のために、相手の気持ちを無視するのは……相手を対等だと思っていない証だ。 そして、そんな事が出来るお前は、人とは言えない」
「愛にはきっかけが必要なのよ。 相手の身体に触れ、心に踏み入らないと。 あの方は人との関わりが少ない、愛を理解できていない。 鈍いあの方が愛を理解するためには、強引に、分かりやすいきっかけが必要なの」
言葉の全てを否定するつもりはない。 だけれど、ソレを語る必要もないと冷ややかな視線をブラームは変える事はなかった。
「嫌だったと。 辛かったと聞いているが?」
「口先だけですわ。 それに彼にとって閣下は特別、良い子で居たいと言う思いが強く働いているはずよ。 なにより男性としては、シッカリと反応しておりましたもの」
「マティルにも反応していたぞ」
そうブラームは笑って見せる。
「貴方!! あの方を弄んで許されると思っておりますの!!」
「許されるさ。 俺の方が偉い……ソレに俺は何も強要していない。 ただ2人に確認しただけだ……。 その欲情をお互いに向ける事ができるか? とな」
「媚薬、媚薬のせいよ!! 媚薬に促された肉欲に何の意味があると言うのですか!!」
「そうだな」
ブラームが薄く馬鹿にするように笑えば、顔を真っ赤にして口を閉ざした。
「私は……愛されている……だって……あの方は、とても愛らしくて艶めかしく、私の手に反応していたわ!!」
アンベルは語りだす。
アンベルは、バウマンの頬に手を添えた。
怯えたように濡れたバウマンの瞳。
薄く開いた唇。
恥じらうように眉間が寄せられていた。
濡れる汗すら色っぽく、頬を撫でれば頼りなく睨んできた。
「どうして、こんなことをするんですか!?」
熱のこもったバウマン様の声は色っぽかった。
「私の心を知りたいの? 愛しているの。 愛しているわ」
耳元に囁けば、震えているのが分かった。
「あぁカワイイわ」
耳を口に含めば、バウマン様は顔を背け力の入らぬ手で私に触れようとしてきた(身体を避けようとしたが何処に触れていいか分からなかった)。
ちゅくちゅくと音を立て、耳を口に含み舐めてやれば、
「ううぁあっ、や、止めろ……」
ふぅっと息を吹きかければ、肩が胸が震える。
耳を口に含んだまま、頬を撫で顎のラインに指先を流し撫でれば、緊張のままに顔を背けようとする。
「そんなに気持ちいいの?」
舌先で耳穴を舐め、息をふきかけるように語った。
「うっ、わぁああ、嫌だっ。 なにを、する」
「女に言わせる気? 貴方が一番わかっているでしょう? だって、こんなに反応しているんですから」
アンベルはネットリと舐めるように、バウマンの身体を首筋から胸、腹部……そして局部に触れ撫でる。 ピクリと反応する欲に手のひらで撫で、指先でその形をなぞった。
「乳首も、ココも、硬くしておいて……イヤな訳ないでしょう? 私はただ無知な貴方を、怯えた貴方を導いているのよ。 愛しているわ」
表情を歪め、唸るようにブラームは言葉を吐き出す。
「えぇ、私は彼を愛していた。 愛すれば愛するほど、彼と視線を合わせ、言葉を交わす事も叶わぬ現実に胸が焦がれ、夜も眠れぬほど切なくて……身体が火照ってくる。 そんな情熱を貴方が理解できるかしら?」
指先を舐めながら粘っこくアンベルが熱い吐息と共に語れば、ブラームは無意識に眉間を寄せていた。
「わからんな。 愛する相手に嫌われたいなんて」
「余程、自信がないのね。 私はね、貴方とは違いますの。 だってバウマン様は私が見つめれば、恥ずかしそうに視線を背け、そして必ずチラリと私を見る。 微笑みを向ければ戸惑い恥じらいながら逃げ出してしまう。 彼は初心で、とても可愛らしい方なの。 彼は私に興味があったわ。 ただ、ルールを破れないだけ……。 だから、きっかけが必要だったの」
「アレは、アレのやり方で、不器用ながらもマティルとの愛を築いていた」
「ソレは、時間を共有するからこその家族の情ですわ」
無表情に聞き流すが、ブラームの内心は舌打ちしていた。
「まさか、初心なバウマン様ならともかく、閣下も経験がありませんの? 燃えるような熱情と言うものを」
アンベルの突き出された指先が、テーブル越しに柔らかい動きでブラームの胸元に触れる寸前に跳ねのけられた。
「触れるな屑が」
暴言も気にすることなく、アンベルがうふふと色っぽく艶っぽく……下品に笑って見せる。
「わぁお」
フザケタように声を上げる王太子に、ブラームは八つ当たりとばかりに背中を平手でたたいた。
王太子の視線が『お前はぁ……』とブラームが苦笑して見せた。
「自分の欲情のために、相手の気持ちを無視するのは……相手を対等だと思っていない証だ。 そして、そんな事が出来るお前は、人とは言えない」
「愛にはきっかけが必要なのよ。 相手の身体に触れ、心に踏み入らないと。 あの方は人との関わりが少ない、愛を理解できていない。 鈍いあの方が愛を理解するためには、強引に、分かりやすいきっかけが必要なの」
言葉の全てを否定するつもりはない。 だけれど、ソレを語る必要もないと冷ややかな視線をブラームは変える事はなかった。
「嫌だったと。 辛かったと聞いているが?」
「口先だけですわ。 それに彼にとって閣下は特別、良い子で居たいと言う思いが強く働いているはずよ。 なにより男性としては、シッカリと反応しておりましたもの」
「マティルにも反応していたぞ」
そうブラームは笑って見せる。
「貴方!! あの方を弄んで許されると思っておりますの!!」
「許されるさ。 俺の方が偉い……ソレに俺は何も強要していない。 ただ2人に確認しただけだ……。 その欲情をお互いに向ける事ができるか? とな」
「媚薬、媚薬のせいよ!! 媚薬に促された肉欲に何の意味があると言うのですか!!」
「そうだな」
ブラームが薄く馬鹿にするように笑えば、顔を真っ赤にして口を閉ざした。
「私は……愛されている……だって……あの方は、とても愛らしくて艶めかしく、私の手に反応していたわ!!」
アンベルは語りだす。
アンベルは、バウマンの頬に手を添えた。
怯えたように濡れたバウマンの瞳。
薄く開いた唇。
恥じらうように眉間が寄せられていた。
濡れる汗すら色っぽく、頬を撫でれば頼りなく睨んできた。
「どうして、こんなことをするんですか!?」
熱のこもったバウマン様の声は色っぽかった。
「私の心を知りたいの? 愛しているの。 愛しているわ」
耳元に囁けば、震えているのが分かった。
「あぁカワイイわ」
耳を口に含めば、バウマン様は顔を背け力の入らぬ手で私に触れようとしてきた(身体を避けようとしたが何処に触れていいか分からなかった)。
ちゅくちゅくと音を立て、耳を口に含み舐めてやれば、
「ううぁあっ、や、止めろ……」
ふぅっと息を吹きかければ、肩が胸が震える。
耳を口に含んだまま、頬を撫で顎のラインに指先を流し撫でれば、緊張のままに顔を背けようとする。
「そんなに気持ちいいの?」
舌先で耳穴を舐め、息をふきかけるように語った。
「うっ、わぁああ、嫌だっ。 なにを、する」
「女に言わせる気? 貴方が一番わかっているでしょう? だって、こんなに反応しているんですから」
アンベルはネットリと舐めるように、バウマンの身体を首筋から胸、腹部……そして局部に触れ撫でる。 ピクリと反応する欲に手のひらで撫で、指先でその形をなぞった。
「乳首も、ココも、硬くしておいて……イヤな訳ないでしょう? 私はただ無知な貴方を、怯えた貴方を導いているのよ。 愛しているわ」
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