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01.グラント子爵の2人の孫娘
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年老いたグラント子爵には2人の孫娘がいる。
1人は、娘が出自の分からぬ流れの冒険者の種から身ごもった子。 薄汚れた海草のようにうねる緑の髪を持ち、カエルを連想させるノッペリとした顔立ちは何時も青白い、そして何よりぎょろりとした金色の瞳が無気味だった。 感情が露わになれば、その瞳はトカゲのように瞳孔が細くなる。
本当に人なのか? 誰もが彼女に近づくことを拒絶するが、どうしてそれを責める事ができようか?
1人は、息子が伯爵家から妻を娶り生まれた黄金の髪と晴れ渡る空のような瞳が魅力的な、顔立ちの整った孫娘。 少年に近いスタイルをしているが、その美貌だけでも十分に人を魅了するだけの魅力を持っていると子爵は疑うことはない。
「ワシの可愛いダイアナ。 新しいドレスはどれも良く似あっておるよ。 殿下もオマエの美しさを見れば、戦場ですり減らした心も癒される事じゃろう」
「でも私、血濡れの第三王子殿下は嫌よ。 だってあの方、人間の娘よりも獣が好きという噂ですし、人をたくさんころしていらっしゃるのでしょう? 嫁ぐなら王太子殿下がいいわ!」
「そうかそうかダイアナは王宮のことにも詳しいのぉ。 その情報力はワシ譲りのようじゃな。 だが殿下を悪く言うのはよく無いのぉ、何しろ国のために戦っていらしたのじゃからなぁ。 まぁ、乱暴もので獣好きの殿下にはダイアナの繊細な美貌は理解できんじゃろう。 何より先に王太子殿下に認められてしまえば問題ない。 2人とも、そう思うじゃろう?」
子爵は息子夫婦へと視線を向けた。
「えぇ、その通りですとも父上、この子以上に美しい者など王都にはいるはずもありません」
「でも……お父様? そのドレスに透明なダイヤでは、少しばかり味気なくはありません」
「そうだな……これを機会に、妻の残した装飾品をダイアナに譲るのも良いだろう」
「父上、それはまだこの子には早いのではありませんか?」
その声はズイブンと焦っていた。
「社交界デビューを渡さず、何時渡すと言うんじゃ。 オマエは母上、母上と妻に良く懐いていたが、何時までも母にこだわっていては妻も子も不幸にすると言うもの。 よく考えておくんじゃな」
苦虫を噛み潰すような声で短く答える声は、楽しそうにドレスを眺める3人と比較して暗い。
「はい……」
「次の夜会は娘達の将来を決める大切なものですから、どの家も力を入れてくるはずですわ。 出し惜しみしては良い殿方とダンスを踊るチャンスすらつかめなくなってしまいますのよ。 アナタもダイアナに協力なさってくださいませ」
そう告げる彼女も、子爵家が貧乏と思われれば娘に良い夫を得ることが出来ないだろうと、久々に新調したドレスを試着し楽しんでいる。
6年にも渡る北方との不毛な戦争を終え、無事の帰還を祝うための夜会が開かれるという。 年頃の男性の多くが戦場に出ていたため、貴族の娘達の多くが社交界デビューを控えていたのだから、さぞ華々しい場になる事でしょう。
私は、陰鬱な気分でハシャグ旦那様と、年の近い従姉妹の声を聞いていた。 扉1枚挟んだ向こうに、私の居場所はありません。 それでも、この屋敷で寝起きしたいというなら、そう言って押し付けられた領地の運営資料をまとめた物の報告をしなければいけないのですが……。
扉を開いても、開かなくても不機嫌そうな顔で怒鳴り怒られるのは経験から分かっています。 ならば、旦那様がお1人の時を狙って報告するほうが、わずかばかりでもマシと言うものでしょう。 あの方は、暴力だけは振るいませんから……。
私は溜息をつき、与えられた屋根裏部屋に一度書類を置きに戻ることにした。 息が荒く、汗が多いのは、ここしばらく体調が悪いから。 身体が気怠く重い……。 少しだけ少しだけでいい休みましょう。 椅子に座れば意識が飛んだ。
階下から私の部屋の床を叩く音が聞こえ、起こして貰えてよかったと息をついた。 夕食の支度をする時間が来ている。
何時の間にか調理場からは、料理人が消えており、調理場の仕事の全てが私と、そして一部の侍女達の仕事となった。 まぁ、侍女達は私を薄気味悪いと近寄らないため実質1人作業なのですけど……それでいい。 1人なら味見と称して食事をとることができるもの。
「食事はまだなの!! 旦那様がお待ちになっているわ!! 早くなさい!!」
侍女の叱咤が遠くなる意識を現実に連れ戻した。
また意識が飛んでいたのか……身体が熱っぽいかと思えば、氷のように冷え、激しい痛みに身体が締め付けられたかと思えば、内臓が破裂するかのような痛みに気を失いそうになることが稀にこの身に起こる。
それでも、食事だけは作り終えていたらしい……時間に追われていたが味見と味の調整だけはしっかりと行った。 ここで食事を食べ損ねる訳にはいかない。
「食事は出来ています。 配膳をお願いします」
「今日の配膳は、アナタがするようにと旦那様の言いつけでございます。 今日の報告はまだだがどうなっているのかと、ずいぶんとご立腹と聞いておりますわ」
薄気味悪い笑い声だと侍女に思ったけれど、自分の不気味な容姿を思いだし、皮肉気な笑いを浮かべるしかなかった。
「失礼します」
キッチンワゴンに料理を乗せ、運んでいけば……不機嫌そうな8つの瞳が私を見つめてきた。
「あ~~~あ、食事がまずくなっちゃうわぁ~。 もう、お爺様ったらどうして、こんな奴を食事時に呼ぶのよ」
「今日、出来上がると言っていた集計資料の報告が無かったんじゃよ。 この後の時間は、亡き妻との思い出をオマエに伝える大切な時間じゃからな。 邪魔をされたくないのじゃ。 オマエと過ごす時間は、ワシにとって何よりも至福の時。 許しておくれダイアナ」
「あら、お爺様は悪くはありませんわ。 悪いのは全てそこの不気味な女よ」
「ダイアナは、優しい子じゃのう」
目を細め子爵は黄金の孫娘を褒め称える。 もう1人の孫を貶して優しいと言うのだから、何かを期待してはいけない。
「早く報告書を寄越さんか!!」
私は、準備しておいた報告書を手渡した。 旦那様は、食事をしながら行儀悪く報告書に目を通していた。 決して気分の良い結果ではないと言うのに……。 本来であれば叔父に爵位を渡しても当然と言える年齢、自領の状態を記憶できないのでしょうか?
「どういうことだコレは!! 収支がマイナスとなっておる。 オマエはこんな簡単な資料1つまとめる事ができないのか!! 今すぐ計算をし直せ」
「何度も計算をし直した結果です」
私は視線を伏せたまま淡々と語った。 感情を外に表すなと、旦那様になじられ、叔父夫婦に暴力を振るわれた結果である。
「オマエがこの家の家計を誤魔化したのか!! そうだ、そうに決まっている。 この薄汚い盗人が!!」
スープ皿が投げつけられ、私は先ほど出来上がったばかりのスープを頭からかぶる羽目にあった。 余計なお喋りと、宙を舞う間に冷めていたため火傷をしなかったのが幸いといえるでしょう。
私は感情を揺らすことなく、自らに罪がないことを訴える。
「資料をまとめるだけの私がどのように金品を奪うのでしょうか?」
「感情1つ変えぬとは、薄気味悪い娘だ。 そうだ!! アレをお前の母が侯爵家に嫁いだ際に得た金はどうした?! あれほどの莫大な金だ、残っているだろう!!」
「旦那様が母を売ったお金は、一昨年、使い終わっております」
フォークとナイフが投げつけられたが、興奮状態の老人だ当たっても大した事などない。
「我が領地がこのような損失を計上するなどありえん。 明日にでも部屋を改めさせてもらうからな!」
明日というのは、先ほどのダイアナとの約束があるからでしょう。 ソレは丁度良い現実逃避になりますからね。 何しろこの領地収益の損失は、今年になって現れたものではなく、何年も前からその予兆があったのです。
ソレを見て見ぬふり、気付かぬふりをしてきたのは、旦那様自身の責任に他なりません。 本来であれば異変を感じられた時に、領地を見に行くべきでした。 身体に問題があるなら代替わりを行えばいいのです。
ソレを行わなかったのは、旦那様の罪と言えるでしょう。 領民だって好きで収穫量を減らしている訳ではないでしょうに……このまま収穫量が減り続ければ、民は食う事にも困るようになるのは目に見えて分かります。
あぁ、ですが……その前に、旦那様はダイアナのために作った大量のドレスの支払いに行き詰まる事でしょう。
どうなさるのでしょうか?
1人は、娘が出自の分からぬ流れの冒険者の種から身ごもった子。 薄汚れた海草のようにうねる緑の髪を持ち、カエルを連想させるノッペリとした顔立ちは何時も青白い、そして何よりぎょろりとした金色の瞳が無気味だった。 感情が露わになれば、その瞳はトカゲのように瞳孔が細くなる。
本当に人なのか? 誰もが彼女に近づくことを拒絶するが、どうしてそれを責める事ができようか?
1人は、息子が伯爵家から妻を娶り生まれた黄金の髪と晴れ渡る空のような瞳が魅力的な、顔立ちの整った孫娘。 少年に近いスタイルをしているが、その美貌だけでも十分に人を魅了するだけの魅力を持っていると子爵は疑うことはない。
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「そうかそうかダイアナは王宮のことにも詳しいのぉ。 その情報力はワシ譲りのようじゃな。 だが殿下を悪く言うのはよく無いのぉ、何しろ国のために戦っていらしたのじゃからなぁ。 まぁ、乱暴もので獣好きの殿下にはダイアナの繊細な美貌は理解できんじゃろう。 何より先に王太子殿下に認められてしまえば問題ない。 2人とも、そう思うじゃろう?」
子爵は息子夫婦へと視線を向けた。
「えぇ、その通りですとも父上、この子以上に美しい者など王都にはいるはずもありません」
「でも……お父様? そのドレスに透明なダイヤでは、少しばかり味気なくはありません」
「そうだな……これを機会に、妻の残した装飾品をダイアナに譲るのも良いだろう」
「父上、それはまだこの子には早いのではありませんか?」
その声はズイブンと焦っていた。
「社交界デビューを渡さず、何時渡すと言うんじゃ。 オマエは母上、母上と妻に良く懐いていたが、何時までも母にこだわっていては妻も子も不幸にすると言うもの。 よく考えておくんじゃな」
苦虫を噛み潰すような声で短く答える声は、楽しそうにドレスを眺める3人と比較して暗い。
「はい……」
「次の夜会は娘達の将来を決める大切なものですから、どの家も力を入れてくるはずですわ。 出し惜しみしては良い殿方とダンスを踊るチャンスすらつかめなくなってしまいますのよ。 アナタもダイアナに協力なさってくださいませ」
そう告げる彼女も、子爵家が貧乏と思われれば娘に良い夫を得ることが出来ないだろうと、久々に新調したドレスを試着し楽しんでいる。
6年にも渡る北方との不毛な戦争を終え、無事の帰還を祝うための夜会が開かれるという。 年頃の男性の多くが戦場に出ていたため、貴族の娘達の多くが社交界デビューを控えていたのだから、さぞ華々しい場になる事でしょう。
私は、陰鬱な気分でハシャグ旦那様と、年の近い従姉妹の声を聞いていた。 扉1枚挟んだ向こうに、私の居場所はありません。 それでも、この屋敷で寝起きしたいというなら、そう言って押し付けられた領地の運営資料をまとめた物の報告をしなければいけないのですが……。
扉を開いても、開かなくても不機嫌そうな顔で怒鳴り怒られるのは経験から分かっています。 ならば、旦那様がお1人の時を狙って報告するほうが、わずかばかりでもマシと言うものでしょう。 あの方は、暴力だけは振るいませんから……。
私は溜息をつき、与えられた屋根裏部屋に一度書類を置きに戻ることにした。 息が荒く、汗が多いのは、ここしばらく体調が悪いから。 身体が気怠く重い……。 少しだけ少しだけでいい休みましょう。 椅子に座れば意識が飛んだ。
階下から私の部屋の床を叩く音が聞こえ、起こして貰えてよかったと息をついた。 夕食の支度をする時間が来ている。
何時の間にか調理場からは、料理人が消えており、調理場の仕事の全てが私と、そして一部の侍女達の仕事となった。 まぁ、侍女達は私を薄気味悪いと近寄らないため実質1人作業なのですけど……それでいい。 1人なら味見と称して食事をとることができるもの。
「食事はまだなの!! 旦那様がお待ちになっているわ!! 早くなさい!!」
侍女の叱咤が遠くなる意識を現実に連れ戻した。
また意識が飛んでいたのか……身体が熱っぽいかと思えば、氷のように冷え、激しい痛みに身体が締め付けられたかと思えば、内臓が破裂するかのような痛みに気を失いそうになることが稀にこの身に起こる。
それでも、食事だけは作り終えていたらしい……時間に追われていたが味見と味の調整だけはしっかりと行った。 ここで食事を食べ損ねる訳にはいかない。
「食事は出来ています。 配膳をお願いします」
「今日の配膳は、アナタがするようにと旦那様の言いつけでございます。 今日の報告はまだだがどうなっているのかと、ずいぶんとご立腹と聞いておりますわ」
薄気味悪い笑い声だと侍女に思ったけれど、自分の不気味な容姿を思いだし、皮肉気な笑いを浮かべるしかなかった。
「失礼します」
キッチンワゴンに料理を乗せ、運んでいけば……不機嫌そうな8つの瞳が私を見つめてきた。
「あ~~~あ、食事がまずくなっちゃうわぁ~。 もう、お爺様ったらどうして、こんな奴を食事時に呼ぶのよ」
「今日、出来上がると言っていた集計資料の報告が無かったんじゃよ。 この後の時間は、亡き妻との思い出をオマエに伝える大切な時間じゃからな。 邪魔をされたくないのじゃ。 オマエと過ごす時間は、ワシにとって何よりも至福の時。 許しておくれダイアナ」
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「ダイアナは、優しい子じゃのう」
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「旦那様が母を売ったお金は、一昨年、使い終わっております」
フォークとナイフが投げつけられたが、興奮状態の老人だ当たっても大した事などない。
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ソレを見て見ぬふり、気付かぬふりをしてきたのは、旦那様自身の責任に他なりません。 本来であれば異変を感じられた時に、領地を見に行くべきでした。 身体に問題があるなら代替わりを行えばいいのです。
ソレを行わなかったのは、旦那様の罪と言えるでしょう。 領民だって好きで収穫量を減らしている訳ではないでしょうに……このまま収穫量が減り続ければ、民は食う事にも困るようになるのは目に見えて分かります。
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