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恋心
29.秘密の話し 01
……曾祖母様……。 あの人は、そういう方でした……。
『あの王族の方々は尊敬に値する。 うひょひょひょひょ』
なんて言いながら金貨の枚数を数えていて、曾祖母様に不敬罪だぁ!!と、何度起こったものか……。 思い出して頭を抱えた。
でも、そんなブラコンが兄から私を隠し、娘としてまで守ってくれたんだから、特別って思っても不思議じゃないよね?! ねっ!!
勘違いさせたなら……このまま勘違いさせたままにしておいて欲しい。 そう思うのは、我儘だろうか?
「ディック様は、私に何か望みがありますか?」
お茶を入れながら軽く問いかけた背後では、ディック様がソファに座る音が聞こえた。 そしてこの間に部屋から、一礼と共に逃げるように去っていく侍女達。 気持ちが分からないでもないけれど……そうあからさまだとディック様だって傷つくんだよ~とか思うが、そういうのは後で注意をしておきましょう。 うん。
「望み……お前こそないのか?」
殿下と仲良くすることが気に入らないとかって、殿下に言っておきながら、私に対しては何時だって何も望まない……。 そもそも、曾祖母が存命だった頃、王都にいる時は王宮を抜け出し良く側にいてくれたのに、今は……話すらしない。 いえ、元々話なんて余りしていないから、側にいてくれない……。
やっぱり、呪いが無いと私は必要とされないのかなぁ……。 ネガティブになりつつも、長い恋心を簡単にあきらめる事も出来なかった。
「ぁっ」
「どうした?」
「殿下が……」
こう言った途端に不機嫌になるなら、自分の前でヴァルナ殿下の事は話すなって言えばいいのに……。 でも、言わないから私は話す訳だ。
「私の知識には偏りがあるって言うんです」
「そうか……しめておくか?」
「いえ、しめないで……」
「……」
「了解しましょうよ?」
「で?」
ディック様は横を向き食事の続きをし始める。
「教えてください!!」
「何をだ?」
「子供の作り方」
「おまっ、ちょ、何を急に……」
食べていた分厚いサンドイッチ。 残り一口分が口の中から落下しそうになり、慌てて本人が受け止めていた。 凄い反射神経だと感心してしまうが……。
「は、話が理解できないのだが?」
お茶を渡せば呆然としながらも反射的にお茶を手に取り飲み干しお代わりを求めて来た。 焦るディック様を見れば、不思議に落ち着いてきた。 自分のお茶を渡し、もう1度お茶を入れる間にディック様は深呼吸をしていた。
「なぜ、そんな話に」
馬車の中で起こった経緯を話せば、口元を隠すように複雑な表情で考え込みつつ私を見つめて来た。
「……違うって言う癖に、教えてくれないのよ!!」
新しく入れたお茶をテーブルに置き、顔を近づけてみせれば頬に軽くキスをされた。
「リーリヤは、俺の子を産むつもりでキスをしていたのか?」
改めて言われれば、顔が熱くなった。 当時は、そのつもりであったしソレを受け入れているディック様はソレを許容してくれていると思っていた。
「そうか……」
どこか嬉しそうな呟きと共に、腕を引かれ抱きしめられた。 優しく柔らかく胸に抱かれ背が撫でられる。
「あの……」
「王宮に行ってくる。 もう少しだけ、つけなければいけない話がある」
「ぇ? し、しめたりしませんよね?」
言えば珍しく笑っていた。
「平気だ。 陛下はしめようとしても避ける」
そういう話ではないと思うのだが、
「安心しろ、今日はもうしない。 ただ、少し話をしてくるだけだ」
リーリヤを守るためなら、狂った世界すら愛おしい。
『あの王族の方々は尊敬に値する。 うひょひょひょひょ』
なんて言いながら金貨の枚数を数えていて、曾祖母様に不敬罪だぁ!!と、何度起こったものか……。 思い出して頭を抱えた。
でも、そんなブラコンが兄から私を隠し、娘としてまで守ってくれたんだから、特別って思っても不思議じゃないよね?! ねっ!!
勘違いさせたなら……このまま勘違いさせたままにしておいて欲しい。 そう思うのは、我儘だろうか?
「ディック様は、私に何か望みがありますか?」
お茶を入れながら軽く問いかけた背後では、ディック様がソファに座る音が聞こえた。 そしてこの間に部屋から、一礼と共に逃げるように去っていく侍女達。 気持ちが分からないでもないけれど……そうあからさまだとディック様だって傷つくんだよ~とか思うが、そういうのは後で注意をしておきましょう。 うん。
「望み……お前こそないのか?」
殿下と仲良くすることが気に入らないとかって、殿下に言っておきながら、私に対しては何時だって何も望まない……。 そもそも、曾祖母が存命だった頃、王都にいる時は王宮を抜け出し良く側にいてくれたのに、今は……話すらしない。 いえ、元々話なんて余りしていないから、側にいてくれない……。
やっぱり、呪いが無いと私は必要とされないのかなぁ……。 ネガティブになりつつも、長い恋心を簡単にあきらめる事も出来なかった。
「ぁっ」
「どうした?」
「殿下が……」
こう言った途端に不機嫌になるなら、自分の前でヴァルナ殿下の事は話すなって言えばいいのに……。 でも、言わないから私は話す訳だ。
「私の知識には偏りがあるって言うんです」
「そうか……しめておくか?」
「いえ、しめないで……」
「……」
「了解しましょうよ?」
「で?」
ディック様は横を向き食事の続きをし始める。
「教えてください!!」
「何をだ?」
「子供の作り方」
「おまっ、ちょ、何を急に……」
食べていた分厚いサンドイッチ。 残り一口分が口の中から落下しそうになり、慌てて本人が受け止めていた。 凄い反射神経だと感心してしまうが……。
「は、話が理解できないのだが?」
お茶を渡せば呆然としながらも反射的にお茶を手に取り飲み干しお代わりを求めて来た。 焦るディック様を見れば、不思議に落ち着いてきた。 自分のお茶を渡し、もう1度お茶を入れる間にディック様は深呼吸をしていた。
「なぜ、そんな話に」
馬車の中で起こった経緯を話せば、口元を隠すように複雑な表情で考え込みつつ私を見つめて来た。
「……違うって言う癖に、教えてくれないのよ!!」
新しく入れたお茶をテーブルに置き、顔を近づけてみせれば頬に軽くキスをされた。
「リーリヤは、俺の子を産むつもりでキスをしていたのか?」
改めて言われれば、顔が熱くなった。 当時は、そのつもりであったしソレを受け入れているディック様はソレを許容してくれていると思っていた。
「そうか……」
どこか嬉しそうな呟きと共に、腕を引かれ抱きしめられた。 優しく柔らかく胸に抱かれ背が撫でられる。
「あの……」
「王宮に行ってくる。 もう少しだけ、つけなければいけない話がある」
「ぇ? し、しめたりしませんよね?」
言えば珍しく笑っていた。
「平気だ。 陛下はしめようとしても避ける」
そういう話ではないと思うのだが、
「安心しろ、今日はもうしない。 ただ、少し話をしてくるだけだ」
リーリヤを守るためなら、狂った世界すら愛おしい。
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