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01.私の罪と誰かの罪
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……こんな事いけないのに……。
罪悪感に駆られながらも私の手は、書類を書き続けていた。
涙が滲んでくる。
涙が流れて来る。
こんな事はいけないのに……。
私は……実家からの助けて欲しいとの手紙に……大勢の者が病にかかったと言う手紙に負け、国の金を動かした。
本来なら、書類を申請し審議し許可を得て予算を組む。 ソレを全て飛ばして……申請書を作り、審議した議事録を偽造し、予算を組み……これが第二王子マーティン殿下が下さいたと印を押し、文官達に通したのだ……。
本当なら審議は陛下或いは大臣達のみが行い……許可を得て第二王子の裁量で予算を組まなければいけないと言うのに……。
ズルをしてしまった……。
ダメな事だと分かっている。
それでも、領地のために働いている者達が流行り病となったと聞けば、助けて欲しいと手紙を受け取れば、無視するなんて出来なかった。
執務室として与えられた部屋。
狭い元掃除用具室。
右側の壁には、大きな地図。
左側には書類棚。
中央には机。
それだけで、歩く所も僅かになる小さな部屋。
机の上には幾つかの箱が置かれている。
各領地からの手紙。
各領地の訴えに対しての処置、要望を書いた書類を裁定し、次の処理を行って良いと認可されたものと……不認可なもの。 不認可なものには何故、不認可なのか詳しく書かれた書類が入った箱。
「今日は……やり直しは1つですか……」
この仕事は本来、第二王子マーティン殿下が行う者であり、昔であればやり直しの数だけ鞭打たれた。 だけど、最近では執務室に近寄りすらしない。 それでも不認可の書類を見れば冷や汗をかく。
『そなたは、領地を守るために親に売られたも当然の立場、我がそなたを拾ったのは我が王子のためになると思ったから。 我の期待、裏切ってくれるでないぞ?』
そう言って王妃殿下は、私に第二王子マーティン殿下の業務代行と言う役目を与えた。
あれ? 業務代行? サポート? 今はもう訳が分からなくなっている。
第二王子マーティン殿下は10の年から、国営を学ぶと同時に王の器を問われ始めた。 国営として財務関係、法的決断、健康衛生、農林の促進、インフラ整備、災害防衛、税収、支援金等、多岐に渡りその運営に携わる事を義務付けられた。
王子の補佐として王妃宮に招かれたのは殿下が13、私が10の頃。
『その髪、その瞳、そなたには他の者に見えぬ者が見え、聞こえぬ者が聞こえておるようじゃな。 その力、我が王子のために使ってくれまいか?』
王妃殿下が言う髪と瞳、それは精霊の巫女としての特徴を備えていた。 側にいる精霊の色を映し出し髪色が変わり、瞳は精霊眼と呼ばれる金色をし、精霊との交渉にも使える魔力は甘く、瘴気に穢れた精霊を癒す力も持っていた。
王妃殿下はシルフィ・ヴィスタのそんな力に目を付けた。
シルフィは岩盤と荒地ばかりの小さな土地を領地として持つ男爵家の子として生まれた。
男爵位と言っても戦場に出る準備も出来ず、武勲も経てることが出来ない、作物の実り難い土地、領民どころか獣も魚も住まぬ枯れた土地で、代々顔の良さだけを売りに妻の実家、娘の嫁ぎ先から援助を受けて命を繋いでいる貧しい家柄だった。
それが、精霊と戯れていたシルフィによって変わった。
岩盤の下に隠されていた塩を見つけ生活が一変した。
ヴィスタ家の領地を飲み込むように広大な領地を所有するベルナップ侯爵が、その変化にいち早く気づいた。 王妃殿下の父上に当たる方で、シルフィの噂はすぐに王妃殿下の元に届き、そして……王妃殿下はわざわざヴィスタ領迄訪れ、
『そなたの娘の力を、我が息子、マーティン王子のために貸してたもれ。 王都に、我に預けてくれたなら、ヴィスタ領の塩を採掘するための支援を我が実家に申し出ようぞ』
王妃殿下はそう父であるヴィスタ男爵の両手を取り懇願した。
『我が息子を助けてたもれ』
その当時、ベルナップ侯爵領の商人に3度ほど塩を買い取ってもらっていたが、その価格が適正かどうかも知る術がなかった。 王家で学び、王子の業務代行を行っている今なら、二束三文で買い取りがなされていた事が分かるが当時は分からず、それでも腹一杯になるだけの麦を買える事に喜び私達は満足していた。
そして、日頃世話になっている縁者に塩を送り礼とし、貴重な塩が取れることが周囲に知られる事となったが、生憎と貧乏領主に娘を嫁がせるような家や、貧乏領主から妻をめとるような相手が、採掘の支援をしてくれるような余地等なく、ベルナップ侯爵家の……王妃殿下の申し出をありがたく頼りたいのだと……父は私に願い、私に向かって笑顔で言った。
『王宮に、王子殿下の側に仕えるのだから、こんな田舎よりはずっと良い思いが出来るはずだ。 まぁ、頑張って行ってこい!! 沢山稼いで仕送りをしてくれ!!』
親に売られたと言われても、私は納得するしかなかった。
そして私は精霊の巫女としての力を王子殿下のために使う日々を迎えたのだ。
王子殿下の手助けをするにあたり、精霊色と呼ばれる髪も精霊眼と呼ばれる瞳もベールで隠し、狩りの最中獣に襲われていた孤児を助けた優しい王子殿下と言う体裁が取られ、王子殿下に尽くすために側に仕えたいと言う私の願いを、心優しい王子殿下が叶えたと言う体裁が取られた。
『精霊の巫女だとばれてしまえば、そなたを悪用しようとする者達も現れると言うもの。 物事の分別がつくまで、姿を隠しておく方がよかろう』
真新しい使用人の服に身を包んだ私の頭に、王妃殿下は直々ベールをかけた。
『そこまでする必要があるのでしょうか?』
『ありますとも……。 精霊の巫女を贄に精霊の加護を得ようとする者も少なくはないのじゃ。 全てはそなたを守るために必要な事。 王宮は野心と言う魑魅魍魎が跋扈する地、精霊も喰らってやろうとする輩が大勢おるゆえ、用心せねば、そなたのような子供すぐに食われて死ぬるぞ?』
そう言われ怯える私に、王妃殿下はクスクスと笑った。
人目につかぬよう雑務をこなし慣れるまで、王妃付きの侍女……貴族の娘達の話を聞けば、王妃殿下の言う通り王宮とはとても恐ろしい所だと言う事が分かり、私は素直に王妃殿下に感謝し、その言葉に従おうと誓ったのです。
人目を隠れ、雑務をこなすこと3か月過ぎ始めた頃、雑務役として王子殿下の視察一行に加わった。
私の役目は、その土地の特色を精霊達に尋ね、領地を導くための指針を出す事。 それは、その領地に大きな利益をもたらし、正式に王子殿下の政務補佐となり次第に仕事は増え、王子殿下と共に文官教師達から様々な事を学ぶ事になった。
そして……徐々に殿下が行うべく業務が私の仕事として任せられる事になったのです。
マーティン殿下が言うには、
『お前の方が得意なんだから、お前がやるべきだろう? その方が効率がいいし領主達も喜ぶからな。 それに教師達も僕を相手にするより、お前に教える方が楽しそうだ。 奴等にとって僕は邪魔でしかないのさ』
教育係としてつけられた文官も日に日に数が減り、側にいるのは王子殿下を支えるご学友と婚約者殿のみとなった頃には、御三方とも毎月の予算会議の時以外には執務室の椅子に腰を下ろす事すらなくなった。
殆ど部屋にいないにもかかわらず、マーティン殿下は私が側にいる事を嫌がりこう言った。
『お前のような醜女と同じ空気を吸うと、肺が穢れる。 お前のために掃除用具部屋を開けさせるからそこで業務を行え。 掃除用具と一緒にいれば、お前も多少は綺麗になるかもしれないからな』
自分の言葉にウケたのか、マーティン殿下は咽るほどに笑っていた。
そうして私に職務用の個室を与えられるようになったのです。
仕事自体は、あくまで王子殿下の王位としての資格を図るためのものであり、その量は国の5分の1程度。 それも後日チェックが行われ、改良点があれば説明と共に書類として渡されるのだから、決して職務に追われるほどの厳しさはない。 何より寝起きをするための王妃宮では個室を頂き、雑務をこなす事で腹いっぱいの食事を得る事ができ、成長と共に新しい服が与えられる。 それで満足だった。 穏やかな日々を送っていると思っていた。
実家からの手紙を見るまで……。
職務室に現れる事の無くなった王子殿下達は、当然、領主達からの書状に目を通す事はないし、それに対してどのような返事を送っているかもしれない。
『塩の採掘をしてくれている者達が、次々に流行り病に倒れた。 どうか王妃殿下にとりなしてもらい金を送ってはくれないだろうか?』
王妃殿下と出会ったのは、王妃宮にやってきたその日が最後、王妃宮では侍女ですらない雑務係で仕事と言えば、人前に姿を現す事の無い場所で掃除、洗濯、料理補助を行う事。
王子殿下だって、顔を合わせるどころか、同じ空気すら吸いたくないと言ってもう随分顔を合わせていない。 合わせれば罵倒が吐き出される。 暴力を受けないのは、いつの間にか髪と瞳を隠すベールは精霊に呪われた顔を隠すためとされ、触れる事を毛嫌いしていたから。
だから……無理やり予算を通す事しか、私には出来なかった。
それは私の罪悪感として、忘れる事等出来るはずの無い出来事となった。
罪悪感に駆られながらも私の手は、書類を書き続けていた。
涙が滲んでくる。
涙が流れて来る。
こんな事はいけないのに……。
私は……実家からの助けて欲しいとの手紙に……大勢の者が病にかかったと言う手紙に負け、国の金を動かした。
本来なら、書類を申請し審議し許可を得て予算を組む。 ソレを全て飛ばして……申請書を作り、審議した議事録を偽造し、予算を組み……これが第二王子マーティン殿下が下さいたと印を押し、文官達に通したのだ……。
本当なら審議は陛下或いは大臣達のみが行い……許可を得て第二王子の裁量で予算を組まなければいけないと言うのに……。
ズルをしてしまった……。
ダメな事だと分かっている。
それでも、領地のために働いている者達が流行り病となったと聞けば、助けて欲しいと手紙を受け取れば、無視するなんて出来なかった。
執務室として与えられた部屋。
狭い元掃除用具室。
右側の壁には、大きな地図。
左側には書類棚。
中央には机。
それだけで、歩く所も僅かになる小さな部屋。
机の上には幾つかの箱が置かれている。
各領地からの手紙。
各領地の訴えに対しての処置、要望を書いた書類を裁定し、次の処理を行って良いと認可されたものと……不認可なもの。 不認可なものには何故、不認可なのか詳しく書かれた書類が入った箱。
「今日は……やり直しは1つですか……」
この仕事は本来、第二王子マーティン殿下が行う者であり、昔であればやり直しの数だけ鞭打たれた。 だけど、最近では執務室に近寄りすらしない。 それでも不認可の書類を見れば冷や汗をかく。
『そなたは、領地を守るために親に売られたも当然の立場、我がそなたを拾ったのは我が王子のためになると思ったから。 我の期待、裏切ってくれるでないぞ?』
そう言って王妃殿下は、私に第二王子マーティン殿下の業務代行と言う役目を与えた。
あれ? 業務代行? サポート? 今はもう訳が分からなくなっている。
第二王子マーティン殿下は10の年から、国営を学ぶと同時に王の器を問われ始めた。 国営として財務関係、法的決断、健康衛生、農林の促進、インフラ整備、災害防衛、税収、支援金等、多岐に渡りその運営に携わる事を義務付けられた。
王子の補佐として王妃宮に招かれたのは殿下が13、私が10の頃。
『その髪、その瞳、そなたには他の者に見えぬ者が見え、聞こえぬ者が聞こえておるようじゃな。 その力、我が王子のために使ってくれまいか?』
王妃殿下が言う髪と瞳、それは精霊の巫女としての特徴を備えていた。 側にいる精霊の色を映し出し髪色が変わり、瞳は精霊眼と呼ばれる金色をし、精霊との交渉にも使える魔力は甘く、瘴気に穢れた精霊を癒す力も持っていた。
王妃殿下はシルフィ・ヴィスタのそんな力に目を付けた。
シルフィは岩盤と荒地ばかりの小さな土地を領地として持つ男爵家の子として生まれた。
男爵位と言っても戦場に出る準備も出来ず、武勲も経てることが出来ない、作物の実り難い土地、領民どころか獣も魚も住まぬ枯れた土地で、代々顔の良さだけを売りに妻の実家、娘の嫁ぎ先から援助を受けて命を繋いでいる貧しい家柄だった。
それが、精霊と戯れていたシルフィによって変わった。
岩盤の下に隠されていた塩を見つけ生活が一変した。
ヴィスタ家の領地を飲み込むように広大な領地を所有するベルナップ侯爵が、その変化にいち早く気づいた。 王妃殿下の父上に当たる方で、シルフィの噂はすぐに王妃殿下の元に届き、そして……王妃殿下はわざわざヴィスタ領迄訪れ、
『そなたの娘の力を、我が息子、マーティン王子のために貸してたもれ。 王都に、我に預けてくれたなら、ヴィスタ領の塩を採掘するための支援を我が実家に申し出ようぞ』
王妃殿下はそう父であるヴィスタ男爵の両手を取り懇願した。
『我が息子を助けてたもれ』
その当時、ベルナップ侯爵領の商人に3度ほど塩を買い取ってもらっていたが、その価格が適正かどうかも知る術がなかった。 王家で学び、王子の業務代行を行っている今なら、二束三文で買い取りがなされていた事が分かるが当時は分からず、それでも腹一杯になるだけの麦を買える事に喜び私達は満足していた。
そして、日頃世話になっている縁者に塩を送り礼とし、貴重な塩が取れることが周囲に知られる事となったが、生憎と貧乏領主に娘を嫁がせるような家や、貧乏領主から妻をめとるような相手が、採掘の支援をしてくれるような余地等なく、ベルナップ侯爵家の……王妃殿下の申し出をありがたく頼りたいのだと……父は私に願い、私に向かって笑顔で言った。
『王宮に、王子殿下の側に仕えるのだから、こんな田舎よりはずっと良い思いが出来るはずだ。 まぁ、頑張って行ってこい!! 沢山稼いで仕送りをしてくれ!!』
親に売られたと言われても、私は納得するしかなかった。
そして私は精霊の巫女としての力を王子殿下のために使う日々を迎えたのだ。
王子殿下の手助けをするにあたり、精霊色と呼ばれる髪も精霊眼と呼ばれる瞳もベールで隠し、狩りの最中獣に襲われていた孤児を助けた優しい王子殿下と言う体裁が取られ、王子殿下に尽くすために側に仕えたいと言う私の願いを、心優しい王子殿下が叶えたと言う体裁が取られた。
『精霊の巫女だとばれてしまえば、そなたを悪用しようとする者達も現れると言うもの。 物事の分別がつくまで、姿を隠しておく方がよかろう』
真新しい使用人の服に身を包んだ私の頭に、王妃殿下は直々ベールをかけた。
『そこまでする必要があるのでしょうか?』
『ありますとも……。 精霊の巫女を贄に精霊の加護を得ようとする者も少なくはないのじゃ。 全てはそなたを守るために必要な事。 王宮は野心と言う魑魅魍魎が跋扈する地、精霊も喰らってやろうとする輩が大勢おるゆえ、用心せねば、そなたのような子供すぐに食われて死ぬるぞ?』
そう言われ怯える私に、王妃殿下はクスクスと笑った。
人目につかぬよう雑務をこなし慣れるまで、王妃付きの侍女……貴族の娘達の話を聞けば、王妃殿下の言う通り王宮とはとても恐ろしい所だと言う事が分かり、私は素直に王妃殿下に感謝し、その言葉に従おうと誓ったのです。
人目を隠れ、雑務をこなすこと3か月過ぎ始めた頃、雑務役として王子殿下の視察一行に加わった。
私の役目は、その土地の特色を精霊達に尋ね、領地を導くための指針を出す事。 それは、その領地に大きな利益をもたらし、正式に王子殿下の政務補佐となり次第に仕事は増え、王子殿下と共に文官教師達から様々な事を学ぶ事になった。
そして……徐々に殿下が行うべく業務が私の仕事として任せられる事になったのです。
マーティン殿下が言うには、
『お前の方が得意なんだから、お前がやるべきだろう? その方が効率がいいし領主達も喜ぶからな。 それに教師達も僕を相手にするより、お前に教える方が楽しそうだ。 奴等にとって僕は邪魔でしかないのさ』
教育係としてつけられた文官も日に日に数が減り、側にいるのは王子殿下を支えるご学友と婚約者殿のみとなった頃には、御三方とも毎月の予算会議の時以外には執務室の椅子に腰を下ろす事すらなくなった。
殆ど部屋にいないにもかかわらず、マーティン殿下は私が側にいる事を嫌がりこう言った。
『お前のような醜女と同じ空気を吸うと、肺が穢れる。 お前のために掃除用具部屋を開けさせるからそこで業務を行え。 掃除用具と一緒にいれば、お前も多少は綺麗になるかもしれないからな』
自分の言葉にウケたのか、マーティン殿下は咽るほどに笑っていた。
そうして私に職務用の個室を与えられるようになったのです。
仕事自体は、あくまで王子殿下の王位としての資格を図るためのものであり、その量は国の5分の1程度。 それも後日チェックが行われ、改良点があれば説明と共に書類として渡されるのだから、決して職務に追われるほどの厳しさはない。 何より寝起きをするための王妃宮では個室を頂き、雑務をこなす事で腹いっぱいの食事を得る事ができ、成長と共に新しい服が与えられる。 それで満足だった。 穏やかな日々を送っていると思っていた。
実家からの手紙を見るまで……。
職務室に現れる事の無くなった王子殿下達は、当然、領主達からの書状に目を通す事はないし、それに対してどのような返事を送っているかもしれない。
『塩の採掘をしてくれている者達が、次々に流行り病に倒れた。 どうか王妃殿下にとりなしてもらい金を送ってはくれないだろうか?』
王妃殿下と出会ったのは、王妃宮にやってきたその日が最後、王妃宮では侍女ですらない雑務係で仕事と言えば、人前に姿を現す事の無い場所で掃除、洗濯、料理補助を行う事。
王子殿下だって、顔を合わせるどころか、同じ空気すら吸いたくないと言ってもう随分顔を合わせていない。 合わせれば罵倒が吐き出される。 暴力を受けないのは、いつの間にか髪と瞳を隠すベールは精霊に呪われた顔を隠すためとされ、触れる事を毛嫌いしていたから。
だから……無理やり予算を通す事しか、私には出来なかった。
それは私の罪悪感として、忘れる事等出来るはずの無い出来事となった。
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