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57.神様へのお供え
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「なんか、思っていたのと違う……」
神殿に向かう地下へと続く扉を開けば、リエルが知っているどんな闇よりも深い闇をしていた。 何も見えないそんな不安な場所。
「だから、留守番をしているようにと言ったんだ」
王様が苦笑交じりに言うけれど、お留守番を強制したりはしない。
神殿は王様とゼルの2人揃って降りると決められている。 そして、私の利用価値を最大限に示してしまった現在、私を一人放置することは心もとないらしい。
それで『お供えは今度改めて』or『私を神殿に連れていく』の二択から、日を改める方を選ぼうとしたら、ほんの密かな越権行為を持って神様がアピールしてきたのです。
キッチンの壁が急に燃え出し、炎で文字を描きだす。
『闇神ばかりが人の食べ物を食べてズルイ』
と……。
火事にしない程度の配慮はあったけれど、壁の張替えが必要だと王様は大きな溜息をついていた。
「空白期の前は、こうも神々が活性化するものなのか?」
少しばかりイライラ、大きな不安が王様から見え隠れします。 水の国を思えば、不安になりイライラするのも分からないではありません。 ですが、王様の質問の答えを私やゼルが持っている訳などなく。
「「さぁ?」」
私とゼルは首を傾げるだけです。
以前、聖女様に聞いたのですが、王様もゼルも国の運営が仕事であって、神、神力、獣オチ、魔オチそういう類のことは専門外で知識が浅いため、空白期を前に、それを含めて一度講義が必要だなと聖女様はおっしゃっていました。 その時に今の答えは分かるのでしょうか?
「リエル、こちらに、抱っこをしましょう」
そう言ってゼルが手を伸ばせば、その前に私は王様に抱きかかえられてしまいました。
「俺が持とう。 神力の濃度が高いと辛いんでな。 リエルを持っていれば多少はマシになるだろう」
王様が肩をすくめてみせれば、不満そうにしたゼルの表情が仕方がないですねと言うように、苦笑して見せた。
深い闇の階段を下に下にと降りていくのだけど、私の周りだけが薄ぼんやりと明るい。 発光していると言うよりも深い闇を打ち消した結果なんでしょうね。
闇の中、ブンブンと手を振れば、その部分の闇が消えていき、そして私の通り過ぎた後は、ジワリと闇がしみだすようにもとに戻っていくのが面白い。
「何を遊んでいる」
王様が苦笑しているのが見える。
「なんだか面白いの」
「それは、良かったですね」
ゼルが穏やかに笑って見せる。 ベッドの外なら割と昔のゼルのままなのですよ。 まぁ、それはともかく、どんな場所でも2人がいれば怖くないというか、心強いものですね。
なんて思っていた瞬間、薄暗い声が地下の奥底から響き聞こえてきた。
ぉおおおおおおおおおお、
ふぉおおおおおおおおお
ぐあぁあああががががが
「だ、誰かいるの?」
声が自然と震えた。
私は、一気に余裕をなくし、きゅっと王様は王様にしがみつけば笑われた。
「別に恐れるようなものではない。 ババァから、神がどのように存在を確定されるかは聞いたか?」
「えっと、人の信仰」
「では、どのように神が生まれるかは?」
「神力と人の信仰」
例えば、神力の多いオルグレン城の敷地内に、信仰の対象となる何かを置き、そこに役割と存在するための現象を定め人が祈り続けたなら、一定量の人の思いで神格化すると言うことだった。
ただ、神力が少ない、信仰が曖昧、信仰が継続化しなければ、例え神として誕生しても滅びるだけの儚い存在となるそうです。 そしてそういう存在はかなり多いそうです。 前世で言うところの付喪神かな?
割とガッツリと神様になってしまうのが、信仰対象が人である場合と聖女様は語ってました。 例えるなら、聖女様、ゼル、王様などは、死を条件に神になるそうです。
まぁ、前世でもそういう設定がありましたよね?
菅原道真、平将門、徳川家康は超有名どころだし、古代で言えばちょっと人より優れた人は割と簡単に神格化していたらしいですし、近代では東郷平八郎、乃木将軍とかでしょうか?
聖女様から学んだことだけをチョイスして伝えれば、
「まぁ、この声はそういう儚い神々のものだ」
そう王様は説明した瞬間、王様の顔の横に、うすぼんやりと瞼の大きな赤ん坊の顔(王様の顔の倍サイズ)が浮かんで見え、おぎゃぁあああああああと泣き出した。
「ふぅ……うぎゃぁああああ」
私もつられて大声を出し、ついぶん殴ったら消えました。 アレが赤ちゃんと思ったら少し罪悪感を覚えるのですが、そんな私の戸惑いを無視して王様は笑い出す。
「もっと可愛く叫べないのか」
「だだだだって、てか、神様なぐっちゃったよ!!」
「お見事です。 綺麗に消えましたね」
ニッコリとゼルが言う。
えぇええええええ。
「適当に処分しないと増えるばっかりだからな。 力ない神々等そんなもんだ」
どうにも慣れません。
ようするに、この世界は神が身近過ぎる分、自分に役に立たない神様には敬意が限りなく薄くなってしまうと言うことでしょうか?
いえ……でも、う~~~ん。 物を信仰して生まれる神なら、付喪神と考えると、確かに信仰は足りませんし、意思よりも本能で動き回っていますよねではなく、そう言う設定多かったですよね?
前世と今、その違いは面白くはあるのですが、ちょっと専門外というか……
なんて考えていたら、王様とゼルもサクサクと儚い神々を消していた。
やがて私達は神殿へと辿り着く。
儚い神々はますます増えていた。 ゼルや王様に寄ってくるのは、もはや消滅を望んでいるとしか思えない。 だって、遠くから怯えながら見ている小さな神様もいたから。 衝動と言うだけではないでしょう。
「さて、どうするかな。 そもそもお供え等と言うものはしたことがないからなぁ……。 リエルの世界ではどうしていた?」
王様がそう聞いてくる。
「お供えないんですか?」
「ないな。 そもそも常に食糧難だ」
「神様に祈って、食糧難解決は?」
「うちの神々では無理だなぁ……、主神は闇、次は土、水、火、風。 その下で植物、腐敗、毒、眠り、麻痺、魅了、恐怖の12柱を中心に奉っているが、破壊としてしか使ったことが無い」
「植物も破壊?」
「城等の巨大建造物を壊す際に有効ですよ。 私に力を与えて下さっている神々は基本的には、そういう破壊的な能力に特化していますから」
「でも、白玉粉作ったよね?」
「コントロールをうまくできるなら、魔法を使うよりも細かな作業に敵していますからね。 すりつぶす、圧縮、脱水、粉砕、乾燥、実際どの調理行程も破壊行為の延長ですからねぇ」
「むぅ……解釈が広すぎて腑に落ちないかも」
そう言えば王様は笑っていた。
「何、神は人の信仰によって変化する。 人が望み祈れば、神々も変化するかもしれないぞ。 数百年後にはオルグレンは軍事国ではなく、料理国家になっているかもしれんぞ」
なんて雑談をしていたら、ドンドンと壁のアチコチから大きな音が鳴りだした。
「神々が催促しているらしい」
「えっと、早く祭壇かな? アソコにお供え物を並べましょう」
そして陳列作業をしながら、私は前世を語る。
「前世には神様がいないので、こう言うお供えものは腐らないうちに回収して人が食べていたのですが、この世界ではどうなのでしょうか?」
「うちの神様は食べるんじゃないのかな? ところで人が食べるなら、それは神に捧げていないのでは?」
「そもそも信仰はありましたけど、この世界のような神様は存在していませんからねぇ、偉大な神様は人が作り出したロマンに過ぎなかったんですよ。 そうした中で、神様は食べ物の霊体を食べるとか、備えた酒が蒸発すれば神様が飲んだとか、そんな感じで存在しない神様を存在させ、共に生きてきた感じです」
「ロマンなのに、ロマンの無い話だなぁ」
「まぁ、考えてもこの世界には関係しませんからね。 とりあえず、祭壇に置いて見ましょう」
お供えするのは、大福、豆大福。 団子は、キナコ、餡子、みたらし。 そして最も苦労したのが、白玉チーズボール!! 前世のホットケーキミックスの便利さに感謝。
感謝した瞬間に、暗い空間にふっふっふっと、様々な色合いの光の玉が現れたのです。 神様と言うよりも人魂ですね。 それが並べ立てた白玉粉で作ったオヤツを食べ始めました。
食べるごとに、光の玉は小さな手のひら大の人の姿へと変化してきたのです。
『ほほ~、闇のが言っていた通り、我々のために人が作った食べ物は信仰が濃いらしい』
小さな人型をした炎が言う。
『それより、美味しいのが嬉しいわぁ。 食べ物なんてどれぐらいぶりかしら?』
人型をした水が言う。
『これは……しょっぱいのもいいぞ』
他の神々にお勧めするのは砂が形を成した土の神様。
白い水がぷくぷくしているのは腐敗の神様でしょうか? ぷくぷくと泡立つ様子が美味しい美味しいと言っているように見えます。
やがてアレがいい、これがいいとそれぞれの好みを自覚するころには、より人間っぽい姿になっていました。
「コッチの神様って、本当に食事するんですね」
私が小声で聞けば、王様はなぜか呆れたような表情で、ゼルは苦笑交じりの表情で、
「そうだな」
「そのようですね」
なんて言った。 食べるだろうって自分で言っていた癖に~。
そして、私は不意に語りかけられた。
『異界の娘よ。 以前にあったとき、そなたから信仰を得るには感謝されるような行為が必要だと言って居ったが、何か願いはあるのか?』
闇の神様が言う。
「そう言うの考えていなかったと言うか、でも、感謝と言えば、ゼルが料理を手伝ってくれるのは神様の力があるからできることですし。 そこに感謝って奴でしょうか?」
『だがなぁ……何か欲しいものはないのか?』
なんだか神様が妙にソワソワして見えた。
とてもすごくソワソワしているように見えた。
神殿に向かう地下へと続く扉を開けば、リエルが知っているどんな闇よりも深い闇をしていた。 何も見えないそんな不安な場所。
「だから、留守番をしているようにと言ったんだ」
王様が苦笑交じりに言うけれど、お留守番を強制したりはしない。
神殿は王様とゼルの2人揃って降りると決められている。 そして、私の利用価値を最大限に示してしまった現在、私を一人放置することは心もとないらしい。
それで『お供えは今度改めて』or『私を神殿に連れていく』の二択から、日を改める方を選ぼうとしたら、ほんの密かな越権行為を持って神様がアピールしてきたのです。
キッチンの壁が急に燃え出し、炎で文字を描きだす。
『闇神ばかりが人の食べ物を食べてズルイ』
と……。
火事にしない程度の配慮はあったけれど、壁の張替えが必要だと王様は大きな溜息をついていた。
「空白期の前は、こうも神々が活性化するものなのか?」
少しばかりイライラ、大きな不安が王様から見え隠れします。 水の国を思えば、不安になりイライラするのも分からないではありません。 ですが、王様の質問の答えを私やゼルが持っている訳などなく。
「「さぁ?」」
私とゼルは首を傾げるだけです。
以前、聖女様に聞いたのですが、王様もゼルも国の運営が仕事であって、神、神力、獣オチ、魔オチそういう類のことは専門外で知識が浅いため、空白期を前に、それを含めて一度講義が必要だなと聖女様はおっしゃっていました。 その時に今の答えは分かるのでしょうか?
「リエル、こちらに、抱っこをしましょう」
そう言ってゼルが手を伸ばせば、その前に私は王様に抱きかかえられてしまいました。
「俺が持とう。 神力の濃度が高いと辛いんでな。 リエルを持っていれば多少はマシになるだろう」
王様が肩をすくめてみせれば、不満そうにしたゼルの表情が仕方がないですねと言うように、苦笑して見せた。
深い闇の階段を下に下にと降りていくのだけど、私の周りだけが薄ぼんやりと明るい。 発光していると言うよりも深い闇を打ち消した結果なんでしょうね。
闇の中、ブンブンと手を振れば、その部分の闇が消えていき、そして私の通り過ぎた後は、ジワリと闇がしみだすようにもとに戻っていくのが面白い。
「何を遊んでいる」
王様が苦笑しているのが見える。
「なんだか面白いの」
「それは、良かったですね」
ゼルが穏やかに笑って見せる。 ベッドの外なら割と昔のゼルのままなのですよ。 まぁ、それはともかく、どんな場所でも2人がいれば怖くないというか、心強いものですね。
なんて思っていた瞬間、薄暗い声が地下の奥底から響き聞こえてきた。
ぉおおおおおおおおおお、
ふぉおおおおおおおおお
ぐあぁあああががががが
「だ、誰かいるの?」
声が自然と震えた。
私は、一気に余裕をなくし、きゅっと王様は王様にしがみつけば笑われた。
「別に恐れるようなものではない。 ババァから、神がどのように存在を確定されるかは聞いたか?」
「えっと、人の信仰」
「では、どのように神が生まれるかは?」
「神力と人の信仰」
例えば、神力の多いオルグレン城の敷地内に、信仰の対象となる何かを置き、そこに役割と存在するための現象を定め人が祈り続けたなら、一定量の人の思いで神格化すると言うことだった。
ただ、神力が少ない、信仰が曖昧、信仰が継続化しなければ、例え神として誕生しても滅びるだけの儚い存在となるそうです。 そしてそういう存在はかなり多いそうです。 前世で言うところの付喪神かな?
割とガッツリと神様になってしまうのが、信仰対象が人である場合と聖女様は語ってました。 例えるなら、聖女様、ゼル、王様などは、死を条件に神になるそうです。
まぁ、前世でもそういう設定がありましたよね?
菅原道真、平将門、徳川家康は超有名どころだし、古代で言えばちょっと人より優れた人は割と簡単に神格化していたらしいですし、近代では東郷平八郎、乃木将軍とかでしょうか?
聖女様から学んだことだけをチョイスして伝えれば、
「まぁ、この声はそういう儚い神々のものだ」
そう王様は説明した瞬間、王様の顔の横に、うすぼんやりと瞼の大きな赤ん坊の顔(王様の顔の倍サイズ)が浮かんで見え、おぎゃぁあああああああと泣き出した。
「ふぅ……うぎゃぁああああ」
私もつられて大声を出し、ついぶん殴ったら消えました。 アレが赤ちゃんと思ったら少し罪悪感を覚えるのですが、そんな私の戸惑いを無視して王様は笑い出す。
「もっと可愛く叫べないのか」
「だだだだって、てか、神様なぐっちゃったよ!!」
「お見事です。 綺麗に消えましたね」
ニッコリとゼルが言う。
えぇええええええ。
「適当に処分しないと増えるばっかりだからな。 力ない神々等そんなもんだ」
どうにも慣れません。
ようするに、この世界は神が身近過ぎる分、自分に役に立たない神様には敬意が限りなく薄くなってしまうと言うことでしょうか?
いえ……でも、う~~~ん。 物を信仰して生まれる神なら、付喪神と考えると、確かに信仰は足りませんし、意思よりも本能で動き回っていますよねではなく、そう言う設定多かったですよね?
前世と今、その違いは面白くはあるのですが、ちょっと専門外というか……
なんて考えていたら、王様とゼルもサクサクと儚い神々を消していた。
やがて私達は神殿へと辿り着く。
儚い神々はますます増えていた。 ゼルや王様に寄ってくるのは、もはや消滅を望んでいるとしか思えない。 だって、遠くから怯えながら見ている小さな神様もいたから。 衝動と言うだけではないでしょう。
「さて、どうするかな。 そもそもお供え等と言うものはしたことがないからなぁ……。 リエルの世界ではどうしていた?」
王様がそう聞いてくる。
「お供えないんですか?」
「ないな。 そもそも常に食糧難だ」
「神様に祈って、食糧難解決は?」
「うちの神々では無理だなぁ……、主神は闇、次は土、水、火、風。 その下で植物、腐敗、毒、眠り、麻痺、魅了、恐怖の12柱を中心に奉っているが、破壊としてしか使ったことが無い」
「植物も破壊?」
「城等の巨大建造物を壊す際に有効ですよ。 私に力を与えて下さっている神々は基本的には、そういう破壊的な能力に特化していますから」
「でも、白玉粉作ったよね?」
「コントロールをうまくできるなら、魔法を使うよりも細かな作業に敵していますからね。 すりつぶす、圧縮、脱水、粉砕、乾燥、実際どの調理行程も破壊行為の延長ですからねぇ」
「むぅ……解釈が広すぎて腑に落ちないかも」
そう言えば王様は笑っていた。
「何、神は人の信仰によって変化する。 人が望み祈れば、神々も変化するかもしれないぞ。 数百年後にはオルグレンは軍事国ではなく、料理国家になっているかもしれんぞ」
なんて雑談をしていたら、ドンドンと壁のアチコチから大きな音が鳴りだした。
「神々が催促しているらしい」
「えっと、早く祭壇かな? アソコにお供え物を並べましょう」
そして陳列作業をしながら、私は前世を語る。
「前世には神様がいないので、こう言うお供えものは腐らないうちに回収して人が食べていたのですが、この世界ではどうなのでしょうか?」
「うちの神様は食べるんじゃないのかな? ところで人が食べるなら、それは神に捧げていないのでは?」
「そもそも信仰はありましたけど、この世界のような神様は存在していませんからねぇ、偉大な神様は人が作り出したロマンに過ぎなかったんですよ。 そうした中で、神様は食べ物の霊体を食べるとか、備えた酒が蒸発すれば神様が飲んだとか、そんな感じで存在しない神様を存在させ、共に生きてきた感じです」
「ロマンなのに、ロマンの無い話だなぁ」
「まぁ、考えてもこの世界には関係しませんからね。 とりあえず、祭壇に置いて見ましょう」
お供えするのは、大福、豆大福。 団子は、キナコ、餡子、みたらし。 そして最も苦労したのが、白玉チーズボール!! 前世のホットケーキミックスの便利さに感謝。
感謝した瞬間に、暗い空間にふっふっふっと、様々な色合いの光の玉が現れたのです。 神様と言うよりも人魂ですね。 それが並べ立てた白玉粉で作ったオヤツを食べ始めました。
食べるごとに、光の玉は小さな手のひら大の人の姿へと変化してきたのです。
『ほほ~、闇のが言っていた通り、我々のために人が作った食べ物は信仰が濃いらしい』
小さな人型をした炎が言う。
『それより、美味しいのが嬉しいわぁ。 食べ物なんてどれぐらいぶりかしら?』
人型をした水が言う。
『これは……しょっぱいのもいいぞ』
他の神々にお勧めするのは砂が形を成した土の神様。
白い水がぷくぷくしているのは腐敗の神様でしょうか? ぷくぷくと泡立つ様子が美味しい美味しいと言っているように見えます。
やがてアレがいい、これがいいとそれぞれの好みを自覚するころには、より人間っぽい姿になっていました。
「コッチの神様って、本当に食事するんですね」
私が小声で聞けば、王様はなぜか呆れたような表情で、ゼルは苦笑交じりの表情で、
「そうだな」
「そのようですね」
なんて言った。 食べるだろうって自分で言っていた癖に~。
そして、私は不意に語りかけられた。
『異界の娘よ。 以前にあったとき、そなたから信仰を得るには感謝されるような行為が必要だと言って居ったが、何か願いはあるのか?』
闇の神様が言う。
「そう言うの考えていなかったと言うか、でも、感謝と言えば、ゼルが料理を手伝ってくれるのは神様の力があるからできることですし。 そこに感謝って奴でしょうか?」
『だがなぁ……何か欲しいものはないのか?』
なんだか神様が妙にソワソワして見えた。
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