5 / 7
行ってらっしゃいご主人様
しおりを挟む
セミがミンミン鳴く夏が来て、しとしと雪が降る冬が過ぎて。ボクは変わらず、主人様と仲良く暮らしいてる。
だけどご主人様、高校生になってから、悩むことが多くなった気がする。そういえば前に、大人になると悩みが増えるんだって、ご主人様言ってたっけ。
人間って、大変なんだなあ。
ボクじゃなにもできないけど、せめてそばにだけはいてあげたい。
けど、いつまでも一緒にいられるわけじゃないってことも、ちゃんと知っている。
ご主人様は高校を卒業したら、遠くの学校に通うんだって。そのためには、この家を出て行かなくちゃいけない。
今までみたいに、ご主人様と暮らせなくなっちゃうんだ。
「ハチミツと一緒にいられるのも、後少しかあ……」
寂しそうな目をしながら、背中を撫でてくるご主人様。
ボクも会えなくなるのは寂しいけど、ご主人様が決めた事なんだから、行かないでなんてワガママは言わないぞ。
その代わりご主人様が行っちゃうその日まで、いっぱいいっぱい遊ぼうね。
それからご主人様は前にも増して、ボクと一緒にいてくれるようになった。きっと今のうちに、少しでも多く遊ぼうとしてくれたんだと思う。
実はこの頃になると、ボクは少し歩いただけでも疲れるようになってて、前ほどお散歩も出来なくなっていたんだけど、それでもご主人様と一緒にいられる時間は楽しかった。
いつもの公園に連れて行ってもらった時は、いつかの男の子がいて、一緒に遊んだよ。
男の子は中学生になっていたけど、変わらずにボクを可愛がってくれる。
「ハチミツったらご機嫌だね。尻尾ふってる」
ボクは男の子とご主人様、二人とたくさん遊んだよ。ご主人様がもうすぐ遠くに行っちゃうのは寂しいけど、今はとっても楽しいや。
やがて春が来て、ご主人様が家から出て行く日がやって来た。
「行ってくるねハチミツ。良い子にしてるんだよ」
そう言ったご主人様は、心なしか不安そう。今までとは違う場所で、しかも一人で暮らすらしいから、当り前だよね。
だけどご主人様、元気を出して。
「くすぐったいよ。ガンバレって言いたいんだね。時々は帰ってくるから、その時はまた一緒に散歩に行こうね」
うん。ご主人様が返ってきた時は、ボクいっぱい遊ぶ。
そうしてご主人様は、住み慣れた家を出て行っちゃった。
やっぱり会えなくなるのは寂しいけれど、ボクは笑顔で見送ったよ。
行ってらっしゃい、ご主人様。お勉強頑張ってね。遠くに行っても、元気でね。
ボクは何があっても、ご主人様の味方だからね。
だけどご主人様、高校生になってから、悩むことが多くなった気がする。そういえば前に、大人になると悩みが増えるんだって、ご主人様言ってたっけ。
人間って、大変なんだなあ。
ボクじゃなにもできないけど、せめてそばにだけはいてあげたい。
けど、いつまでも一緒にいられるわけじゃないってことも、ちゃんと知っている。
ご主人様は高校を卒業したら、遠くの学校に通うんだって。そのためには、この家を出て行かなくちゃいけない。
今までみたいに、ご主人様と暮らせなくなっちゃうんだ。
「ハチミツと一緒にいられるのも、後少しかあ……」
寂しそうな目をしながら、背中を撫でてくるご主人様。
ボクも会えなくなるのは寂しいけど、ご主人様が決めた事なんだから、行かないでなんてワガママは言わないぞ。
その代わりご主人様が行っちゃうその日まで、いっぱいいっぱい遊ぼうね。
それからご主人様は前にも増して、ボクと一緒にいてくれるようになった。きっと今のうちに、少しでも多く遊ぼうとしてくれたんだと思う。
実はこの頃になると、ボクは少し歩いただけでも疲れるようになってて、前ほどお散歩も出来なくなっていたんだけど、それでもご主人様と一緒にいられる時間は楽しかった。
いつもの公園に連れて行ってもらった時は、いつかの男の子がいて、一緒に遊んだよ。
男の子は中学生になっていたけど、変わらずにボクを可愛がってくれる。
「ハチミツったらご機嫌だね。尻尾ふってる」
ボクは男の子とご主人様、二人とたくさん遊んだよ。ご主人様がもうすぐ遠くに行っちゃうのは寂しいけど、今はとっても楽しいや。
やがて春が来て、ご主人様が家から出て行く日がやって来た。
「行ってくるねハチミツ。良い子にしてるんだよ」
そう言ったご主人様は、心なしか不安そう。今までとは違う場所で、しかも一人で暮らすらしいから、当り前だよね。
だけどご主人様、元気を出して。
「くすぐったいよ。ガンバレって言いたいんだね。時々は帰ってくるから、その時はまた一緒に散歩に行こうね」
うん。ご主人様が返ってきた時は、ボクいっぱい遊ぶ。
そうしてご主人様は、住み慣れた家を出て行っちゃった。
やっぱり会えなくなるのは寂しいけれど、ボクは笑顔で見送ったよ。
行ってらっしゃい、ご主人様。お勉強頑張ってね。遠くに行っても、元気でね。
ボクは何があっても、ご主人様の味方だからね。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる