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高所恐怖症の鳥
しおりを挟む鳥:「え? 翼がほしい? 人間さん、何を馬鹿なこと言ってんすか」
人間:「翼があれば自由に空を飛べていいじゃないですか。人間が空を飛ぶには飛行機やヘリコプターが必要なんです。その点、鳥は翼があって自由に飛べていいじゃないですか」
鳥:「じゃあ、飛行機やヘリコプターでいいじゃないですか。自分で飛ばなくていいから翼がほしいなんて言うんですよ。自分で飛ばなきゃならなくなったら、翼がほしいなんて絶対に言えませんよ」
人間:「そうなんですか?」
鳥:「私たちはね。自分で飛ぶしかないから、自分で飛んでるんです。自力で飛ぶエネルギーの消費、マジでヤバいですから。私たちだって飛行機に乗せてほしいですよ。人間さんはほとんどの移動を車に乗ったり電車に乗ったりして自力で移動しないから、自力移動のしんどさが想像できないんです」
人間:「でも、気持ちよさそうに飛んでるじゃないですか」
鳥:「出た。勝手な解釈。すべての鳥が高いところが平気だって思ってます? 中には私みたいな高所恐怖症の鳥だっているんですよ。生身剝き出しで飛ぶ恐怖感たるやハンパないですから。ガチで鳥肌ですよ。人間さんだって、ほとんどの人がバンジージャンプやスカイダイビングにビビってるじゃないですか。なのに、空を飛ぶのが気持ちよさそうってどの口が言うんですか。まずはバンジーを平気で飛べるようになってから言ってくださいよ」
人間:「申し訳ございませんでした」
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