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34話 疑いは晴れたが
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受付の女性を連れながら向かうのはギルドマスターの部屋。
「失礼します」
もし、間違いだった場合、この女性に謝罪をして要望があれば受け入れよう。
「急にすまないな」
「いえ……。あの、いったいなにが」
「彼から聞いたかは分からんが、昨日ある男に毒を飲まされたそうだ。そして、その前に君に外に呼び出されたと言っていてな」
「私がですか」
ギルドマスターの部屋に入ると、正面にギルドマスター。その横にユルリカが立っていた。
ギルドマスターに問われ、連れて来た受付の女性は驚いている。
「間違いがないか確認をさせてくれ」
「は、はい」
ギルドマスターが対面式になっているソファの窓側に座り、私と受付の女性がドア側に座った。
「昨日の夜はどこにいた?」
「昨日は仕事が終わった後、すぐ家へ戻りました」
質疑応答をした後、ギルドマスターがユルリカを見る。が、首を横に振っている。
「昨日は彼の宿に向かったか?」
「いいえ」
質問し、また見るが同じく首を横に振るだけ。
「わかった。急に呼び出してすまなかったな」
「いえ……」
もし、彼女だったらどうなっていたのかは分からないが、ギルドマスターとの会話で昨日のが彼女ではなかったということが証明された。なら、謝らなければ。
「どうやら彼女ではないようだ」
「そっか……。お姉ちゃんごめんなさい。もし、これで嫌な思いとかしてたら何か償《つぐな》いたい」
「うーん……」
そう言って悩む受付の女性。何を言われるかわからないが、彼女の言ったことには何も言わない。
「じゃあ、今度私がしているお仕事を手伝ってもらおうかな」
「受付の仕事?」
「別の仕事だね」
受付以外にもしているのか。なんの仕事をしているか分からないが手伝おう。力仕事でも細かい作業でも。ただ、内容が気になる。
「どんな内容なの?」
「それはまだ秘密」
「わかった」
当日までは何も知らされないのか。
そして、疑いが晴らされた受付の女性は、仕事をしにギルドマスターの部屋を出ていった。しかし、まだ疑問が残る。何故、彼女の真似をして私を宿の外に出したかだ。顔見知りではあるが、それを知るのは受付をしている者だけだ。冒険者たちは知るはずもない。
私と関わりがあるとすれば、ユルリカとポーション運びを一緒にしているメリセントだけだ。その2人はないだろう。だとすると、誰なんだ。
「ギルド内で座っている時に動揺した冒険者を見たと言っておったな」
「うん。でも、名前を知らない」
「その冒険者の顔は覚えているか」
「うん」
冒険者の顔の特徴をギルドマスターに言っていく。中肉中背。一見どこにでもいるような普通の男で、茶色い髪に右の首にほくろが1つある。そして、持っている武器は大剣。ランクとかは分からんが、今は関係ないだろう。
「わかった。その男を探しておこう。少し時間がかかるが構わないか」
「うん、構わないよ」
とりあえず、探してくれるということで、連絡が来るまでは何もしない方がいいだろう。ギルドマスターが探すというより他のものが探すのかもな。ギルドマスターの机には紙の書類や大きい麻袋が置かれている。中身は硬貨だろうな。
とりあえずの用事は終わった。またあの椅子の場所に戻るか。
ギルドマスターの部屋を出て、受付に行こうとしたら銀の鎧を着た女性と鉢合わせた。
「あ、君って昨日の子だね。あれから平気だったんだ」
「えっと」
目の前の女性が誰かは分からないが、相手は私のことを知っていた。
「そうだよね、暗かったから顔分からないよね。変な人に追いかけられてた時に庇ってた者だよ」
「そう言われても、顔を知らないからあなたが本当に助けてくれた人か判断がつかないかな」
「あ、確かに」
私にそう言われ、驚いた顔をする目の前の女性。その驚いた顔であっても何故か余裕そうな顔をしている。何故こんなに余裕そうな表情をしているのだろうか。
「どちらにしても、挨拶はしておかないとね。私はヘイリー。Bランクの冒険者だよ」
「僕はアーロ」
Bランク。Sランクから3番目のランクにいる冒険者。なるほど。この余裕はランク上位であるからか。
「失礼します」
もし、間違いだった場合、この女性に謝罪をして要望があれば受け入れよう。
「急にすまないな」
「いえ……。あの、いったいなにが」
「彼から聞いたかは分からんが、昨日ある男に毒を飲まされたそうだ。そして、その前に君に外に呼び出されたと言っていてな」
「私がですか」
ギルドマスターの部屋に入ると、正面にギルドマスター。その横にユルリカが立っていた。
ギルドマスターに問われ、連れて来た受付の女性は驚いている。
「間違いがないか確認をさせてくれ」
「は、はい」
ギルドマスターが対面式になっているソファの窓側に座り、私と受付の女性がドア側に座った。
「昨日の夜はどこにいた?」
「昨日は仕事が終わった後、すぐ家へ戻りました」
質疑応答をした後、ギルドマスターがユルリカを見る。が、首を横に振っている。
「昨日は彼の宿に向かったか?」
「いいえ」
質問し、また見るが同じく首を横に振るだけ。
「わかった。急に呼び出してすまなかったな」
「いえ……」
もし、彼女だったらどうなっていたのかは分からないが、ギルドマスターとの会話で昨日のが彼女ではなかったということが証明された。なら、謝らなければ。
「どうやら彼女ではないようだ」
「そっか……。お姉ちゃんごめんなさい。もし、これで嫌な思いとかしてたら何か償《つぐな》いたい」
「うーん……」
そう言って悩む受付の女性。何を言われるかわからないが、彼女の言ったことには何も言わない。
「じゃあ、今度私がしているお仕事を手伝ってもらおうかな」
「受付の仕事?」
「別の仕事だね」
受付以外にもしているのか。なんの仕事をしているか分からないが手伝おう。力仕事でも細かい作業でも。ただ、内容が気になる。
「どんな内容なの?」
「それはまだ秘密」
「わかった」
当日までは何も知らされないのか。
そして、疑いが晴らされた受付の女性は、仕事をしにギルドマスターの部屋を出ていった。しかし、まだ疑問が残る。何故、彼女の真似をして私を宿の外に出したかだ。顔見知りではあるが、それを知るのは受付をしている者だけだ。冒険者たちは知るはずもない。
私と関わりがあるとすれば、ユルリカとポーション運びを一緒にしているメリセントだけだ。その2人はないだろう。だとすると、誰なんだ。
「ギルド内で座っている時に動揺した冒険者を見たと言っておったな」
「うん。でも、名前を知らない」
「その冒険者の顔は覚えているか」
「うん」
冒険者の顔の特徴をギルドマスターに言っていく。中肉中背。一見どこにでもいるような普通の男で、茶色い髪に右の首にほくろが1つある。そして、持っている武器は大剣。ランクとかは分からんが、今は関係ないだろう。
「わかった。その男を探しておこう。少し時間がかかるが構わないか」
「うん、構わないよ」
とりあえず、探してくれるということで、連絡が来るまでは何もしない方がいいだろう。ギルドマスターが探すというより他のものが探すのかもな。ギルドマスターの机には紙の書類や大きい麻袋が置かれている。中身は硬貨だろうな。
とりあえずの用事は終わった。またあの椅子の場所に戻るか。
ギルドマスターの部屋を出て、受付に行こうとしたら銀の鎧を着た女性と鉢合わせた。
「あ、君って昨日の子だね。あれから平気だったんだ」
「えっと」
目の前の女性が誰かは分からないが、相手は私のことを知っていた。
「そうだよね、暗かったから顔分からないよね。変な人に追いかけられてた時に庇ってた者だよ」
「そう言われても、顔を知らないからあなたが本当に助けてくれた人か判断がつかないかな」
「あ、確かに」
私にそう言われ、驚いた顔をする目の前の女性。その驚いた顔であっても何故か余裕そうな顔をしている。何故こんなに余裕そうな表情をしているのだろうか。
「どちらにしても、挨拶はしておかないとね。私はヘイリー。Bランクの冒険者だよ」
「僕はアーロ」
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