異世界でショタ指揮官になりました

yasaca

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42話 不安に思うこと

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「そこから出て来んのならば、またいつか」

 裏まで聞こえる声量で語り掛けた。しばらくすると、寒気は無くなった。ギルド内から出たのだろう。
 薄めていた気配を元に戻し、肺に溜まった息を吐き出した。あの男がいるだけで息が詰まる。

「アーロ君」

 受付をしている人がまた声をかけてきたことで肩が跳ね上がり、身構えてしまう。今度は気配を消して来たのか!

「ああ、ごめんね。アレシアさんが呼んでるよ」
「分かった」

 なんだ、アレシアか。一瞬たりともあの男について考えていたくないのに、いつのまにか考えてしまう。囚われるのならば他のことを考えておこう。そうしたら、いつか忘れられるだろうから。

「アレシアお姉ちゃん、おかえり」
「ただいま。そういえば聞いて、アーロ君。私ついに次のランクに上がるんだ」

 受付から出ると、待っていた。今日も薬草採取をしていたんだな。髪に葉っぱが付いている。しゃがんでと伝えてから頭についた葉っぱを取った。

「それはすごいね。僕も早くなりたいけど、まだ年齢が」
「あと、3つ年をかさねたらだね。アーロ君が登録が出来るようになった年には、私、もっと上にいってるかもよ」
「そうだね」

 ニコニコと笑うアレシア。この前は何かが原因で年齢が上がったが、年齢を上げる要因が分かればすぐにでも元の姿に戻って、冒険者登録は出来るだろう。
 ただ、戻ったとして、アレシアたちはいままでと同じように接してくれるだろうか。
 何故か急に思ってしまった。向こうの世界では1人で何かもを考えて行動していたが、この世界に来てアレシアや受付のユルリカと共に行動している。年齢が上がると同時に身長も大きくなるだろう。それで怖がられるのではないかと。
 らしくない考えだ。

「大丈夫?」
「大丈夫だよ。ちょっと考え事をしていただけ」
「悩み事があったらすぐ相談するんだよ」
「うん」

 受付の前では邪魔になるからと、食事する場所にいき、注文してから椅子に座る。隣に座っていたアレシアが心配そうに眉尻を下げながら私の頭を撫でている。

「ねぇ、ランクが上がったらどんな依頼が受けられるの?」
「うーん、モンスターの討伐とかが増えてきたりするかな。もちろん、いままで私がやってた薬草採取とかも出来るよ」
「そうなんだ。モンスターってどんなのだったりする?」
「ゾンビとかレイスとかかな」
「へぇ」

 ゾンビとかは実際には見たことないが、たしか小説の中ではよく出ていた気がする。他の怪物について調べていたときに、偶然目にして見ていた本が確かゾンビものだった。ファンタジーだけだと思っていたが、実際にここにいるのか。
 レイスは死霊のことだな。確かスコットランドなどで伝承として伝わっていたはずだ。実際に目で見たことはないが、もし、見えていたら大変そうだな。私の周りが私を怨んでいるものだらけになる。もしかしたら今もいるかもしれんが。

「君はジュースだね」

 食事場の人が持ってきてくれた。アレシアはミード付き。私にはりんご入りのジュース付きだった。

「僕の為に用意してくれたって受付さんから聞いたよ、ありがとう」
「気にしないでおくれ。もしかしたら今後君みたいな子がくるかもしれないしね」

 そう言って厨房に戻って行った。私のように子供がここにくるのだろうか? 今まで受付の手伝いをしていたが、1人も来たことがない。もしかしたら私を皮切りに来るのかもしれんな。

「それじゃ、アレシアお姉ちゃんのランクが上がる前祝いをしよ」
「いいの?」
「もちろん」

 木のジョッキを持ち上げ、アレシアのジョッキをかちあわせた。英国式だと音を出すのはマナーが悪いが、ここではそれを考えないようにしよう。

「乾杯」
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