この恋が終わる前に

なお🍋なり民

文字の大きさ
上 下
1 / 2

運命の出会い?!

しおりを挟む
爽やかな風暖かい日差し春の陽気に包まれたこの日僕は彼女に一目惚れした。彼女と言ってもまだ名前も知らない子で、ただ毎朝の登校中に見かけるだけの関係だ。隣の久方女子高校に通う彼女の笑顔に悩殺されてしまった。僕は○○高校に通う高校2年生家は小さなお好み焼き屋を経営しており3つ上の姉が両親を手伝い何とかやっていけてる。学校での僕は三軍以下のいわゆる「インキャ」ってやつだ。そう、みんなが想像している教室の隅っこで本を読んでいるようなタイプだ。そんな僕にも唯一気を許せる友達がいる。彼の名は黒川瑛介くん、あだ名は「エスクロ」なんでそう呼ばれているかは僕は知らない、たぶん名前から取っているんだろう。彼は一軍だ。運動部でクラスにも馴染めてて女子からの評判もそう悪くない、なんでこんな子が僕なんかに?って思う所もあるけれど分け隔てなく接してくれる優しい彼が僕は好きだ。
今回の恋はいつもと違う気がした、でも、今まで好きになってきた人は何も出来ないまま自分の中で終わらせてきた、だから今回もまた自分の中で終わるだろうと感じた。それから彼女をみかける日々は何日も続いた。「あの子に声かけたい」つい心の声が漏れてしまった。まともに女の子と話したことの無い僕はなんて声をかければいいか分からない。「おはよう!」いきなりこれは馴れ馴れしい。「はじめまして!」登校中にいきなりこれは怪しい。会話の内容で迷う日々。いつものように学校に行き自分の席について授業を受ける。いつもならすぐ帰るのに今日はなんとなく寄り道したい気分だった。帰りに本屋に立ち寄った。雑誌コーナー、小説コーナー、写真集コーナーを過ぎ漫画コーナーで一冊の本を手に取った。取った漫画は自分とは縁のないナンパの漫画だった。後にこの本との出会いがきっかけで僕の人生を大きく変えることになるとはこの時の僕はまだ知る由もなかった。内容はこうだ、街で無差別殺人を起こし後に自殺しようとしていた高校生が1人のナンパ師との出会いをきっかけに生きる意味を見つけだすという内容だった。ありえない内容だったけど何故か偉く気に入ってしまい買ってしまった。家に買ってじっくり読むと、「世の中の女はみんな声かけられるのを待っている、それを躊躇して声掛けへんかったら一生無縁のままや」この言葉に目が止まった身体中に大きな衝撃が走った。何故かこの言葉に妙な説得力があった。直ぐに彼女に声をかけに行きたい衝動に駆られた。明日の登校中に絶対に声をかけるという強い意志を持って眠った。
しおりを挟む

処理中です...