18 / 46
17 竜鱗①
しおりを挟む
武具店の帰りに、服を買った。
俺は白い服を一揃い。
ルディアには、丈夫な戦闘用の服と普段着を。
同じ色がいいと言い出したので、全部白だ。
服は手に持ち、鎧はルディアも着けてる。
鎧を持ち歩くのは骨だからな。
白い鎧を着て並ぶと、通行人から注目を浴びた。
ルディアが美少女だからかと最初は思った。
だが、聞き耳を立ててみると、
――ちっ、イチャつきやがって。
というような声が多かった。
(べつにイチャついてないんだが)
気にしてみると、ルディアは俺への距離が近い。
はたから見るとそんな風に見えるのかもな。
(だとしたら俺はロリコンだと思われてんのか?)
……深く考えないことにした。
宿は光の拝剣殿に近い方に取った。
家を買ってもいいが、やめておく。
サリーの警告してた件がある。
居所は定期的に変えたいところだ。
俺たちには守るべき秘密もあるからな。
「おいひいれふ」
宿の食卓で、デザートを頬張りルディアが言う。
「食うか喋るかどっちかにしろ、ルディア」
金はあるので、宿はまずまずの場所を取った。
新人には不相応だが、高級すぎるほどでもない。
変なのに絡まれないで済む程度の格の宿だ。
料理はそこまで期待してなかった。
だが、食ってみると存外おいしい。
ルディアはさっきからはしゃぎっぱなしだ。
人間の料理には馴染みがないからな。
「ぷはっ……し、失礼しました。
あまりに美味しかったもので……」
「気にするな。気に入ったようでよかったよ」
慣れない場所では不安だろう。
食事だけでも楽しみがあるのはいいことだ。
「お服も買ってもらいました。
人間の街は楽しいです」
ルディアの屈託のない言葉に、周囲を見る。
俺たちの話を聞いてる奴はいなそうだ。
「だが、危険もあるからな。
一人でうろつくのはしばらくは禁止だ」
「そんなぁ……」
「今日のチンピラみたいなのにからまれたら困る」
ルディアは人間のルールがわかってない。
騙されるだけじゃない。
知らずに罪を犯してしまうおそれもあった。
「なぁに、すぐに慣れるさ。
どいつもそんなに難しく考えて生きちゃいない。
セブンスソードは流れ者が多い街だ。
多少変なことをしても見逃してもらえるさ。
多少ならな」
他の国や閉鎖的な都市ではこうはいかない。
異物は嫌でも目立つだろう。
だからルディアをここに連れてきた。
「早く一人で出歩けるようになりたいです」
「そうだな。
ま、ルディアも魔剣士になったんだ。
この街では若くても魔剣士は大人扱いだ。
そのうち大手を振って歩けるさ」
「だといいのですが……っ、くぅっ!?」
がたんと音を立てて、ルディアが胸を押さえた。
「どうした!?」
「ぐ、いえ、なんでも……」
「ないわけがあるか!
ひょっとして、『母親』の言ってたアレか?」
「そ、うです」
「わかった。部屋に行こう」
俺はテーブルを回り、ルディアを抱え上げる。
何事かと周囲の客がこっちを見た。
「ひゃっ、自分で、歩けます……」
「黙ってろ。
バーテンダー、すまないが連れの具合が悪い。
領収書はあとで清算できるか?」
近くにいたバーテンダーに声をかける。
「も、もちろんです。
何かご用意しましょうか?」
「ひとまずはいい。
必要があれば頼むから」
「かしこまりました。お大事に」
「ありがとう」
ルディアを抱えたまま、ルディアの部屋に入る。
一応、俺とは別の部屋だ。
手を出すつもりはさらさらないが、一応な。
俺はルディアをベッドの上に下ろした。
ルディアの鎧を外してやる。
「くぅ……っ」
ルディアが苦しげに麻の服の胸元を押さえた。
「見せてみろ」
言うと、ルディアは襟を押し下げた。
ルディアの膨らみかけた胸の間に、異物がある。
「竜鱗……」
それは白銀色の鱗だった。
俺は白い服を一揃い。
ルディアには、丈夫な戦闘用の服と普段着を。
同じ色がいいと言い出したので、全部白だ。
服は手に持ち、鎧はルディアも着けてる。
鎧を持ち歩くのは骨だからな。
白い鎧を着て並ぶと、通行人から注目を浴びた。
ルディアが美少女だからかと最初は思った。
だが、聞き耳を立ててみると、
――ちっ、イチャつきやがって。
というような声が多かった。
(べつにイチャついてないんだが)
気にしてみると、ルディアは俺への距離が近い。
はたから見るとそんな風に見えるのかもな。
(だとしたら俺はロリコンだと思われてんのか?)
……深く考えないことにした。
宿は光の拝剣殿に近い方に取った。
家を買ってもいいが、やめておく。
サリーの警告してた件がある。
居所は定期的に変えたいところだ。
俺たちには守るべき秘密もあるからな。
「おいひいれふ」
宿の食卓で、デザートを頬張りルディアが言う。
「食うか喋るかどっちかにしろ、ルディア」
金はあるので、宿はまずまずの場所を取った。
新人には不相応だが、高級すぎるほどでもない。
変なのに絡まれないで済む程度の格の宿だ。
料理はそこまで期待してなかった。
だが、食ってみると存外おいしい。
ルディアはさっきからはしゃぎっぱなしだ。
人間の料理には馴染みがないからな。
「ぷはっ……し、失礼しました。
あまりに美味しかったもので……」
「気にするな。気に入ったようでよかったよ」
慣れない場所では不安だろう。
食事だけでも楽しみがあるのはいいことだ。
「お服も買ってもらいました。
人間の街は楽しいです」
ルディアの屈託のない言葉に、周囲を見る。
俺たちの話を聞いてる奴はいなそうだ。
「だが、危険もあるからな。
一人でうろつくのはしばらくは禁止だ」
「そんなぁ……」
「今日のチンピラみたいなのにからまれたら困る」
ルディアは人間のルールがわかってない。
騙されるだけじゃない。
知らずに罪を犯してしまうおそれもあった。
「なぁに、すぐに慣れるさ。
どいつもそんなに難しく考えて生きちゃいない。
セブンスソードは流れ者が多い街だ。
多少変なことをしても見逃してもらえるさ。
多少ならな」
他の国や閉鎖的な都市ではこうはいかない。
異物は嫌でも目立つだろう。
だからルディアをここに連れてきた。
「早く一人で出歩けるようになりたいです」
「そうだな。
ま、ルディアも魔剣士になったんだ。
この街では若くても魔剣士は大人扱いだ。
そのうち大手を振って歩けるさ」
「だといいのですが……っ、くぅっ!?」
がたんと音を立てて、ルディアが胸を押さえた。
「どうした!?」
「ぐ、いえ、なんでも……」
「ないわけがあるか!
ひょっとして、『母親』の言ってたアレか?」
「そ、うです」
「わかった。部屋に行こう」
俺はテーブルを回り、ルディアを抱え上げる。
何事かと周囲の客がこっちを見た。
「ひゃっ、自分で、歩けます……」
「黙ってろ。
バーテンダー、すまないが連れの具合が悪い。
領収書はあとで清算できるか?」
近くにいたバーテンダーに声をかける。
「も、もちろんです。
何かご用意しましょうか?」
「ひとまずはいい。
必要があれば頼むから」
「かしこまりました。お大事に」
「ありがとう」
ルディアを抱えたまま、ルディアの部屋に入る。
一応、俺とは別の部屋だ。
手を出すつもりはさらさらないが、一応な。
俺はルディアをベッドの上に下ろした。
ルディアの鎧を外してやる。
「くぅ……っ」
ルディアが苦しげに麻の服の胸元を押さえた。
「見せてみろ」
言うと、ルディアは襟を押し下げた。
ルディアの膨らみかけた胸の間に、異物がある。
「竜鱗……」
それは白銀色の鱗だった。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
なぜ、私に関係あるのかしら?
シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」
彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。
そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。
「…レオンハルト・トレヴァントだ」
非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。
そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。
「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」
この判断によって、どうなるかなども考えずに…
※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。
※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、
※ 画像はAIにて作成しております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる