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59 牢獄と壺
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ここどこだよ。説明なしかよ。
人生初の鉄格子を前に呆然とした。
誘拐ではなかったらしい。
パニックもおさまって、人の声がようやく拾えるようになったのに、俺は半地下の六畳くらいの牢に入れられていた。
ここに着いてから捕まった時みたいな乱暴な扱いを受けなかったのは、きっと俺が大人しくしていたからだと思う。
でも普通はここに至るまでの事情の説明とかあるよね? 王都の警察では人権って言葉が通用しないのでしょうか。
ぐっすん……
かわいこぶってみても今はギャラリーがいない。
出してくれー! みたいに鉄格子を握りしめていた俺だが握り締めていた手が痛くなったし、やっぱり喉が痛いから別のことをすることにした。
とは言っても、ここには何もない。
個室の三方はごっつい石造り。上の方に横長の通風孔みたいなのがあって、そこから僅かな光がはいってくる。そんな環境だからやっぱりカビ臭い。
そして俺はふとあるものを部屋の隅に発見して戦慄した。
……壺だ。
その使い道を想像して震えた。
ま、じ、かっ!
陶器でできた梅干しをつけるような壺。そしてその横には、手の平に程よくフィットしそうな木の棒が転がっている。
まじ……
これがトイレってことですか? ここで致して、尻を、棒きれで拭けと? これはかつて誰かが使用した、使用済みの棒ですか? 壺には何かが入っているのですか?
「無理! ムリムリムリ!」
できるだけその物体から距離を取れるように対角線上へと飛んで移動する。
何で今ごろトイレ問題が勃発するんだ。この世界へ来た当初、宿の水洗トイレにほっとした覚えがある。トイレ系の整備が未開発な国だったら、一人森で暮らしてもいいってほどに俺にとってトイレ問題は重要だ。
完落ちだ。
まだ何の尋問にも合ってないけど、場所をここから移動してくれるって言うならどんな罪も認めるかもしれない。
俺はまたすすけた鉄の棒にすがりついた。
「ここから出してくれっ。俺は有名校に入学する予定のケーズ領の子女だ。親はアザック・ダンバーだぞぉ……! イノセなんてすっごく強いだんぞ! こんな壺で、うんこできるかよ……ううっ」
生まれて初めて、あるかないか分からない権力を振りかざしてら、どっかから制服着た二人がよってきてくれた。
『貴族がこんなに下品な言葉をつかうか?』
『使わないだろう偽物だ』
『でも綺麗な顔してるぞ』
『しかしうんこって言ったからな』
『子供にこの場所はちょっと可哀想だったか』
そんなひそひそした会話を聞かされた後、この牢屋から机と椅子しかない小部屋に移動できた。
俺を最初にとらえた一味が、かわるがわる部屋に来て『地下牢にびびったらしいな』みたない感じで鼻で笑ってきた。
違う。俺がびびったのは薄暗い牢ではなく、壺と棒なのだ! とは訂正しなかった。カッコ悪いから。
ついでに王都のダンバーに俺の存在を確認したけど、「そんなやつ知らない」と返事がきたと余計な情報までくれやがった。
そうだね、俺は王都の本家ダンパーには認められていませんよ。だからケーズ領のって言ったじゃん、ケーズの方だよ、ちゃんと聞いてない方が悪い。
俺と一人きりになると尻を触ってセクハラする奴いるし、この場所は腐ってる。ろくな場所じゃない。
ここはどこか? 俺はどうして捕まっているのか? 誰も質問に答えることはなく目をそらす、もしくは調査中だからの一言で終わらせた。
そうして解放されたのはもう日も落ちる夕方だった。
牢に入れられてから放り出されるまで何の説明も謝罪もなく、もう帰れーと追い出され、俺は建物の扉を後ろに呆然としていた。
嵐のようだった……所々の記憶がなくなってて怖い……壺……
ショックが深すぎて体がどうにも動かない。
呆然としていると、前から小さいのが駆けて来た。
「おい、淫魔、大丈夫か?」
「ヨア様、人様を淫魔などと呼んではいけません。私と練習した通り、まずは深く詫びるのです」
俺を淫魔と呼び意識を現実に呼び戻したのは、停留所で因縁をつけてきたぽっちゃり王子だった。
それを後ろから注意する男性がいて、言葉は丁寧だけど、腹に響くほどの低音でマジで叱った。
彼は二十歳くらいだろう、男らしい顔立ちで四角い印象。
背も高く肩も広いから、この人に喧嘩をふっかけるに勇者はいないだろう。俺なんか腕をひねられただけでギブアップする。
ぽっちゃり王子とは明らかな年の差と力の差がある。しかしその主従関係は明白だ。王子の名前はヨア。
四角い彼に叱られるのはヨアにとって慣れたものなのだろうふてくされている。とはいえ、ごめんなさいと俺にむかって一度頭を下げた。
「もう誰にも捕まらないように、僕が見張っておいてやる。守れなくてごめんな。トモエが苦しむ顔をみるのは、もう嫌だからな。だから僕から離れるな、いいか」
王子が俺の手をつかむ。目の前で俺が乱暴に扱われたのは目撃していたわけで、この手つなぎも彼なりの心配と謝罪なんだろう。
空いている方の手で王子の頭をぽんぽんしてしまう。
「こっちこそ怖い場面を見せちゃってごめんな。本当にごめん」
「それはもういい。それよりもっとしていいぞ。遠慮はいらない」
再びぽんぽんを要求され、その愛らしさに笑ってしまった。
男性は大げさに溜息をつくと、ヨアにむけていた視線を俺にむける。
「はじめまして。私、ヨア様の侍従ジル・エロウと申します。ヨア様のこれまでの無礼な態度をお詫び致します。公の場での数々の暴言、大変申し訳ございませんでした」
ジルさんは腰を折って謝罪すると、次は胸に手を当て続ける。
「そして、今回は大変なことに巻き込まれたようで、心配しておりました」
「俺はトモエ・ダンバーです。今日王都へやってきたばかりで、ここがどこだかもわからないで、何だか……まだ混乱してます」
「混乱するのも無理ありません。ヨア様も大変心を痛められ、直接トモエ様の安否を確認したいと、こうして待っておりました」
「それは、長い時間、お待たせしまして。あの、俺って、どうしていきなり捕まって、こんな目にあったんでしょう。決して淫魔でも、ましてや誘拐犯でもないつもりですが、警察に捕まる理由もないし。中では何の説明もなくて」
「トモエ様は何も事情をお聞きでないのですね。ここは警察とは別の組織の建物です」
ジルさんは俺が出て来た建物を見上げた。
「警察じゃないのに、人を拘束できる組織なんてあるんですか」
「はい。ここは外国との折衝を行う外事機関が入る建物です。捜査逮捕権もあるので、職務は警察と多少被るかもしれません」
「そっか、だからみんな偉そうだったんだ」
すごく納得。
「今回の件は、ヨア様とトモエ様とでの絡みでの発生ではなく、何か別の理由で捕えられたと考えられます。ところで、中で暴力や脅しなどはありませんでしたか?」
「うん、それはない。最初に捕まった時のあれは確実に暴力だけど、中では大した事されないよ。でも薄暗い牢に入れられてパニック。何しろ壺パニック」
「牢ですか、それは災難としか言えません。今はそんな古い時代の施設を使うことはないはずです。もし留置するならば通常であれば鍵のかかる部屋を使うのではないかと」
そうジルさんは思案した後、何かを思い出したようだ。
「そうでした。何かの職人と思わしき方と大きな資材の搬入がありましたので、この内部は工事中なのでしょう。何しろ古い建物ですのでかなり傷んでいると思われます。きっとトモエ様の留置に使える部屋がなかったので、一時的に昔の牢を使用した、そう推測します」
工事中……たまたまかよ……だったらきちんと説明しろっての。
日本だったら弁護士を呼べって所だろうけど、この世界でそれを叫んでも意味がなさそうだ。
「ところで、出て来られたばかりですが、お荷物は? 今日王都へ到着されたのであれば、それなりの荷物があるかと思ったのですか。それとも元々お持ちではないのでしょうか?」
「あ、荷物……ない」
ようやく手ぶらな事に気付いて、自分の周りをきょろきょろと見渡す。
「え、どこにあるんだろう。もしかしたら、返してもらってないのかな」
俺が握っているのはヨアの手だけだ。
捕まった時に鞄から手を離してしまった事を思い出す。あればどこへ行ってしまったのか。その場に放置かされた、もしくは中のやつらが回収していたのだろうか。
聞かなきゃいけない……
でもまたこの中に入るのか。
荷物返してくれって正当な主張をしても、たらいまわしにされて、その最中にセクハラを受けそう。今の俺にそんな元気はないぞ。
「承知しました。トモエ様はお疲れでしょうから、私が中で事情を伺い、荷物があれば取り戻してまいります。この辺りは治安がいいのですが、一応ヨア様のことを見ていてくださいますよう、お願いいたします」
気が利くジルは俺の顔色を読んで自ら面倒な役を申し出てくれた。これは喜んでお受けするしかないとお任せすることにして、ジルが出てくるまで待機する。
待機場所は外ではなく通りの角に待たせていた馬車。
それは立派なもので、外装はそれほどでもないけれど内装はシックでクッションもいい。ここに到着するまで長く馬車のお世話になったからよくわかる。
馬車の中では一転、ぽっちゃり王子のヨアは大人しくしている。
俺は王子の握った手をぷにぷにした。ぷにぷにはいい具合に俺のストレスを和らげてくれる。
ぽっちゃり王子は疲れているのか無口で、隣で俺の手を握られたまま、ぼんやりしていた。
人生初の鉄格子を前に呆然とした。
誘拐ではなかったらしい。
パニックもおさまって、人の声がようやく拾えるようになったのに、俺は半地下の六畳くらいの牢に入れられていた。
ここに着いてから捕まった時みたいな乱暴な扱いを受けなかったのは、きっと俺が大人しくしていたからだと思う。
でも普通はここに至るまでの事情の説明とかあるよね? 王都の警察では人権って言葉が通用しないのでしょうか。
ぐっすん……
かわいこぶってみても今はギャラリーがいない。
出してくれー! みたいに鉄格子を握りしめていた俺だが握り締めていた手が痛くなったし、やっぱり喉が痛いから別のことをすることにした。
とは言っても、ここには何もない。
個室の三方はごっつい石造り。上の方に横長の通風孔みたいなのがあって、そこから僅かな光がはいってくる。そんな環境だからやっぱりカビ臭い。
そして俺はふとあるものを部屋の隅に発見して戦慄した。
……壺だ。
その使い道を想像して震えた。
ま、じ、かっ!
陶器でできた梅干しをつけるような壺。そしてその横には、手の平に程よくフィットしそうな木の棒が転がっている。
まじ……
これがトイレってことですか? ここで致して、尻を、棒きれで拭けと? これはかつて誰かが使用した、使用済みの棒ですか? 壺には何かが入っているのですか?
「無理! ムリムリムリ!」
できるだけその物体から距離を取れるように対角線上へと飛んで移動する。
何で今ごろトイレ問題が勃発するんだ。この世界へ来た当初、宿の水洗トイレにほっとした覚えがある。トイレ系の整備が未開発な国だったら、一人森で暮らしてもいいってほどに俺にとってトイレ問題は重要だ。
完落ちだ。
まだ何の尋問にも合ってないけど、場所をここから移動してくれるって言うならどんな罪も認めるかもしれない。
俺はまたすすけた鉄の棒にすがりついた。
「ここから出してくれっ。俺は有名校に入学する予定のケーズ領の子女だ。親はアザック・ダンバーだぞぉ……! イノセなんてすっごく強いだんぞ! こんな壺で、うんこできるかよ……ううっ」
生まれて初めて、あるかないか分からない権力を振りかざしてら、どっかから制服着た二人がよってきてくれた。
『貴族がこんなに下品な言葉をつかうか?』
『使わないだろう偽物だ』
『でも綺麗な顔してるぞ』
『しかしうんこって言ったからな』
『子供にこの場所はちょっと可哀想だったか』
そんなひそひそした会話を聞かされた後、この牢屋から机と椅子しかない小部屋に移動できた。
俺を最初にとらえた一味が、かわるがわる部屋に来て『地下牢にびびったらしいな』みたない感じで鼻で笑ってきた。
違う。俺がびびったのは薄暗い牢ではなく、壺と棒なのだ! とは訂正しなかった。カッコ悪いから。
ついでに王都のダンバーに俺の存在を確認したけど、「そんなやつ知らない」と返事がきたと余計な情報までくれやがった。
そうだね、俺は王都の本家ダンパーには認められていませんよ。だからケーズ領のって言ったじゃん、ケーズの方だよ、ちゃんと聞いてない方が悪い。
俺と一人きりになると尻を触ってセクハラする奴いるし、この場所は腐ってる。ろくな場所じゃない。
ここはどこか? 俺はどうして捕まっているのか? 誰も質問に答えることはなく目をそらす、もしくは調査中だからの一言で終わらせた。
そうして解放されたのはもう日も落ちる夕方だった。
牢に入れられてから放り出されるまで何の説明も謝罪もなく、もう帰れーと追い出され、俺は建物の扉を後ろに呆然としていた。
嵐のようだった……所々の記憶がなくなってて怖い……壺……
ショックが深すぎて体がどうにも動かない。
呆然としていると、前から小さいのが駆けて来た。
「おい、淫魔、大丈夫か?」
「ヨア様、人様を淫魔などと呼んではいけません。私と練習した通り、まずは深く詫びるのです」
俺を淫魔と呼び意識を現実に呼び戻したのは、停留所で因縁をつけてきたぽっちゃり王子だった。
それを後ろから注意する男性がいて、言葉は丁寧だけど、腹に響くほどの低音でマジで叱った。
彼は二十歳くらいだろう、男らしい顔立ちで四角い印象。
背も高く肩も広いから、この人に喧嘩をふっかけるに勇者はいないだろう。俺なんか腕をひねられただけでギブアップする。
ぽっちゃり王子とは明らかな年の差と力の差がある。しかしその主従関係は明白だ。王子の名前はヨア。
四角い彼に叱られるのはヨアにとって慣れたものなのだろうふてくされている。とはいえ、ごめんなさいと俺にむかって一度頭を下げた。
「もう誰にも捕まらないように、僕が見張っておいてやる。守れなくてごめんな。トモエが苦しむ顔をみるのは、もう嫌だからな。だから僕から離れるな、いいか」
王子が俺の手をつかむ。目の前で俺が乱暴に扱われたのは目撃していたわけで、この手つなぎも彼なりの心配と謝罪なんだろう。
空いている方の手で王子の頭をぽんぽんしてしまう。
「こっちこそ怖い場面を見せちゃってごめんな。本当にごめん」
「それはもういい。それよりもっとしていいぞ。遠慮はいらない」
再びぽんぽんを要求され、その愛らしさに笑ってしまった。
男性は大げさに溜息をつくと、ヨアにむけていた視線を俺にむける。
「はじめまして。私、ヨア様の侍従ジル・エロウと申します。ヨア様のこれまでの無礼な態度をお詫び致します。公の場での数々の暴言、大変申し訳ございませんでした」
ジルさんは腰を折って謝罪すると、次は胸に手を当て続ける。
「そして、今回は大変なことに巻き込まれたようで、心配しておりました」
「俺はトモエ・ダンバーです。今日王都へやってきたばかりで、ここがどこだかもわからないで、何だか……まだ混乱してます」
「混乱するのも無理ありません。ヨア様も大変心を痛められ、直接トモエ様の安否を確認したいと、こうして待っておりました」
「それは、長い時間、お待たせしまして。あの、俺って、どうしていきなり捕まって、こんな目にあったんでしょう。決して淫魔でも、ましてや誘拐犯でもないつもりですが、警察に捕まる理由もないし。中では何の説明もなくて」
「トモエ様は何も事情をお聞きでないのですね。ここは警察とは別の組織の建物です」
ジルさんは俺が出て来た建物を見上げた。
「警察じゃないのに、人を拘束できる組織なんてあるんですか」
「はい。ここは外国との折衝を行う外事機関が入る建物です。捜査逮捕権もあるので、職務は警察と多少被るかもしれません」
「そっか、だからみんな偉そうだったんだ」
すごく納得。
「今回の件は、ヨア様とトモエ様とでの絡みでの発生ではなく、何か別の理由で捕えられたと考えられます。ところで、中で暴力や脅しなどはありませんでしたか?」
「うん、それはない。最初に捕まった時のあれは確実に暴力だけど、中では大した事されないよ。でも薄暗い牢に入れられてパニック。何しろ壺パニック」
「牢ですか、それは災難としか言えません。今はそんな古い時代の施設を使うことはないはずです。もし留置するならば通常であれば鍵のかかる部屋を使うのではないかと」
そうジルさんは思案した後、何かを思い出したようだ。
「そうでした。何かの職人と思わしき方と大きな資材の搬入がありましたので、この内部は工事中なのでしょう。何しろ古い建物ですのでかなり傷んでいると思われます。きっとトモエ様の留置に使える部屋がなかったので、一時的に昔の牢を使用した、そう推測します」
工事中……たまたまかよ……だったらきちんと説明しろっての。
日本だったら弁護士を呼べって所だろうけど、この世界でそれを叫んでも意味がなさそうだ。
「ところで、出て来られたばかりですが、お荷物は? 今日王都へ到着されたのであれば、それなりの荷物があるかと思ったのですか。それとも元々お持ちではないのでしょうか?」
「あ、荷物……ない」
ようやく手ぶらな事に気付いて、自分の周りをきょろきょろと見渡す。
「え、どこにあるんだろう。もしかしたら、返してもらってないのかな」
俺が握っているのはヨアの手だけだ。
捕まった時に鞄から手を離してしまった事を思い出す。あればどこへ行ってしまったのか。その場に放置かされた、もしくは中のやつらが回収していたのだろうか。
聞かなきゃいけない……
でもまたこの中に入るのか。
荷物返してくれって正当な主張をしても、たらいまわしにされて、その最中にセクハラを受けそう。今の俺にそんな元気はないぞ。
「承知しました。トモエ様はお疲れでしょうから、私が中で事情を伺い、荷物があれば取り戻してまいります。この辺りは治安がいいのですが、一応ヨア様のことを見ていてくださいますよう、お願いいたします」
気が利くジルは俺の顔色を読んで自ら面倒な役を申し出てくれた。これは喜んでお受けするしかないとお任せすることにして、ジルが出てくるまで待機する。
待機場所は外ではなく通りの角に待たせていた馬車。
それは立派なもので、外装はそれほどでもないけれど内装はシックでクッションもいい。ここに到着するまで長く馬車のお世話になったからよくわかる。
馬車の中では一転、ぽっちゃり王子のヨアは大人しくしている。
俺は王子の握った手をぷにぷにした。ぷにぷにはいい具合に俺のストレスを和らげてくれる。
ぽっちゃり王子は疲れているのか無口で、隣で俺の手を握られたまま、ぼんやりしていた。
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