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第一章 浅草十二階バラバラ殺人事件
1-40 ハンケチ
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「誰の物だ?」
「分かりません。男性が持っていても女性が持っていても、おかしくない色です。あと隅に刺繍がありました。どういう意味か分かりませんが、数字の10と」
「10?」
次兄が聞き返した。すると鈴木巡査はハンケチの裏返し、問題の箇所を見せた。
確かに、不慣れな手つきと思われる縫い方で、数字の10と、糸で描かれてあるが……
「いいえ。10ではありません」
僕は口を挟んだ。
「よく見て下さい。1と0の間に点があります」
「点? すると、小数点か?」
胡麻のような小さな縫い留めだが、意図的に点が描かれている。これは10ではなく、1.0なのだ。
しかし、おかしい。
「1.0は普通、0を省略して1と書きますよね」
小数点以下が意味を持つなら別だが、通常は省かれる。
「確かに。不思議だ」
次兄はハンケチから目を離し、僕の肩に肘を乗せた。
「お前、着眼点が良いな」
僕はその肘をどかし、
「事件と無関係かもしれませんが佐藤警部補と舞助兄上に伝えて下さい」
と鈴木巡査に頼んだ。
「分かりません。男性が持っていても女性が持っていても、おかしくない色です。あと隅に刺繍がありました。どういう意味か分かりませんが、数字の10と」
「10?」
次兄が聞き返した。すると鈴木巡査はハンケチの裏返し、問題の箇所を見せた。
確かに、不慣れな手つきと思われる縫い方で、数字の10と、糸で描かれてあるが……
「いいえ。10ではありません」
僕は口を挟んだ。
「よく見て下さい。1と0の間に点があります」
「点? すると、小数点か?」
胡麻のような小さな縫い留めだが、意図的に点が描かれている。これは10ではなく、1.0なのだ。
しかし、おかしい。
「1.0は普通、0を省略して1と書きますよね」
小数点以下が意味を持つなら別だが、通常は省かれる。
「確かに。不思議だ」
次兄はハンケチから目を離し、僕の肩に肘を乗せた。
「お前、着眼点が良いな」
僕はその肘をどかし、
「事件と無関係かもしれませんが佐藤警部補と舞助兄上に伝えて下さい」
と鈴木巡査に頼んだ。
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