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学院編 14
520 悪役令嬢は誘拐犯に会う
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王都中央劇場からスタンリーを伴って、こっそり王宮に戻ったレイモンドは、今夜の作戦を父に伝えるべく宰相の執務室を目指した。
部屋の前でオードファン家の従者とぶつかりそうになる。
「おっと」
「申し訳ございません!……レイモンド様!」
一礼して顔を上げた従者が叫んだ。噛みつかんばかりの勢いでレイモンドに縋りついた。
「たいへ……一大事で、そ。船が、と、あす……!」
「落ち着け。何があった?」
従者は言いたいことを整理すべく大きく深呼吸をした。
「旦那様にはお伝えしましたが、ハーリオン家にアスタシフォンのロディス港から魔法伝令便が届きました。すぐに当家へ連絡があり……」
「用件は何だ?」
「ロディス港に行っているアリッサ様とヴィルソード家のアレキサンダー様が、何者かに誘拐されたようです」
レイモンドの顔色が変わる。
「何だと……!?エイブラハムは何をしているんだ!」
「エイブラハムからも連絡がありました。お二人を追っていくとのことでした」
「そうか。何か情報が入り次第教えてくれ」
「かしこまりました」
従者が去ると、レイモンドはノックをして父の執務室に入った。例によって、宰相は渋い顔を一層渋くして机に項垂れていた。
「父上」
「……レイモンドか。おや、君は?」
「は、はいっ。わ、私は、スタンリー・レネンデフォールと申します!」
やけに緊張した面持ちで、スタンリーが自己紹介を始めた。レイモンドは彼の肩を叩き、そっと耳打ちをした。
「君は『一流の舞台俳優』だ。そうだろう?」
おどおどしていたスタンリーの視線が一点に定まり、艶やかな紫色の瞳が知性の光を帯びて輝いた。頭の後ろで結わえていた髪をさらりと解き、別人のように堂々と胸を張った。ただし、上着の袖丈は短く、ピチピチのズボンの裾から脛が見えている。
「この度、王太子殿下の代わりにパーティーに参加いたします。精一杯務めます。よろしくお願いいたします」
「ぅう?あ、ああ……身代わりか」
スタンリーの豹変ぶりに宰相は面食らい、息子と彼を交互に見ながら曖昧に頷いた。
「彼には以前にも代理をしてもらったことがあります。年に何度も王宮に招かれず、殆どセドリックと面識のない貴族は、まず気づくことはないと思います。問題はダンスですが」
そこで一度言葉を区切る。ちらりとスタンリーを見ると、肩から下げていたよれよれの布鞄から紫色のヴェールを取り出した。
「アイリーン・シェリンズには、このヴェールをつけてもらうつもりです」
「ヴェールを?結婚式でもあるまいに。まあ、互いの顔が見えにくくはなるか」
「顔が見えない状態で、スタンリーが声真似をすれば、アイリーンはきっと騙されると思います。会場は音楽が流れていますし、陛下の御言葉を除いては、貴族達が盛んに噂話をしている。賑やかで、声もはっきりと聞き取れないでしょう。代役のスタンリーには、一曲だけ踊って退場してもらいます」
宰相は机に肘をついたまま、軽く手を挙げた。
「待て。踊り終わったら、アイリーン嬢はどうするのだ?」
「どうするつもりもありませんよ。他の貴族と同じです。彼女だけ特別待遇にするのですか?」
「セドリック殿下は、今までパートナーを変えずに最後まで過ごされていたんだぞ?」
「それは相手がマリナだったからです」
「……そうだな。分かった。『王太子殿下は体調不良』ということにして、一曲で切り上げるようにしよう。公式の場でマリナ嬢以外の令嬢と踊るのは初めてだ。皆の印象に残るに違いない」
「はい」
実際、誰が相手でも、王太子がマリナ以外と踊った時点でセンセーショナルなニュースになるのだ。アイリーンは正式に王太子妃候補になったわけでもなく、男爵令嬢という身分では望むべくもない地位なのだが、王太子との関係を勘ぐる者は必ずいるだろう。
「……別の意味でもな。ところで、ロディス港の件は聞いたな?心配だろうが、エイブラハムの情報から、こちらも動くことにした」
「動く……とは?」
「アリッサとアレックスを攫ったのは、第二王子デュドネの私兵らしい」
「デュドネ王子はいい噂を聞きませんね。粗暴な性格で、臣下に無体な振る舞いを繰り返しているとか。幽閉されたのではありませんでしたか」
「幽閉など意味がない。抜け出しては花街に出入りしているそうだ。素行の悪さには国王陛下も手を焼いておられる。ここで我が国を巻き込んだ事件を起こせば、王位継承権どころか王子の位も剥奪されかねない。なるべく穏便にすませようとするだろう」
「父上、話が見えないのですが……」
「アスタシフォンと我が国の間には、友好条約が結ばれている。条項の中に、『王族ならびに準王族を害する行為』について書かれているのは知っているな?」
「はい。王族を傷つけた者は誰であろうと死罪とする……ですね」
「準王族には、誰が含まれる?」
問いかけた父と視線が合い、レイモンドははっと緑の瞳を見開いた。
◆◆◆
馬車から下りたアリッサとアレックスは、目の前の建物が王宮でないことを一目で悟った。鬱蒼とした木々に囲まれ、人目を忍ぶように建てられた三階建ての石造りの城は、宮殿と呼べるものではない。ハーリオン家の別荘より規模が小さいようだ。
――騒いでも誰も来ないわね。やっぱり、説得するしか……。
後ろを歩かされていたアレックスは、きょろきょろと周りを見ていた。建物の中に入ると、少し埃っぽくて黴臭い。あまり使われていないのだろうか。
「こっちだ。さっさと歩け」
「先ほども申しました通り、私達は人違いです。酷い扱いですわね」
なけなしの勇気を振り絞り、アリッサは背中を押す男を睨んだ。
一つだけ灯りが漏れている部屋に通され、アレックスと離れた椅子に座らされた。男達はアレックスに猿轡を噛ませ、ロープで椅子に縛り付けていく。
「んん!」
「暴れるな!このクソガキが!」
膝蹴りがアレックスの鍛えられた腹筋を直撃する。
「!!」
「アレックス君!」
前傾姿勢になって数秒動かず、アリッサは心配でならなかった。立ち上がろうと腰を浮かせた時、ドアが開いて男達が一斉に立ち上がり、部屋の隅に散らばった。
「……ご苦労だったな」
「はっ」
入って来た背の高い男は、アリッサに目を留め鼻先で笑い、大股で近づいてきた。
「久しぶりだな。そうだ。この顔だ」
とアリッサの顎を掴んで上向きにさせるとにやりと笑った。
部屋の前でオードファン家の従者とぶつかりそうになる。
「おっと」
「申し訳ございません!……レイモンド様!」
一礼して顔を上げた従者が叫んだ。噛みつかんばかりの勢いでレイモンドに縋りついた。
「たいへ……一大事で、そ。船が、と、あす……!」
「落ち着け。何があった?」
従者は言いたいことを整理すべく大きく深呼吸をした。
「旦那様にはお伝えしましたが、ハーリオン家にアスタシフォンのロディス港から魔法伝令便が届きました。すぐに当家へ連絡があり……」
「用件は何だ?」
「ロディス港に行っているアリッサ様とヴィルソード家のアレキサンダー様が、何者かに誘拐されたようです」
レイモンドの顔色が変わる。
「何だと……!?エイブラハムは何をしているんだ!」
「エイブラハムからも連絡がありました。お二人を追っていくとのことでした」
「そうか。何か情報が入り次第教えてくれ」
「かしこまりました」
従者が去ると、レイモンドはノックをして父の執務室に入った。例によって、宰相は渋い顔を一層渋くして机に項垂れていた。
「父上」
「……レイモンドか。おや、君は?」
「は、はいっ。わ、私は、スタンリー・レネンデフォールと申します!」
やけに緊張した面持ちで、スタンリーが自己紹介を始めた。レイモンドは彼の肩を叩き、そっと耳打ちをした。
「君は『一流の舞台俳優』だ。そうだろう?」
おどおどしていたスタンリーの視線が一点に定まり、艶やかな紫色の瞳が知性の光を帯びて輝いた。頭の後ろで結わえていた髪をさらりと解き、別人のように堂々と胸を張った。ただし、上着の袖丈は短く、ピチピチのズボンの裾から脛が見えている。
「この度、王太子殿下の代わりにパーティーに参加いたします。精一杯務めます。よろしくお願いいたします」
「ぅう?あ、ああ……身代わりか」
スタンリーの豹変ぶりに宰相は面食らい、息子と彼を交互に見ながら曖昧に頷いた。
「彼には以前にも代理をしてもらったことがあります。年に何度も王宮に招かれず、殆どセドリックと面識のない貴族は、まず気づくことはないと思います。問題はダンスですが」
そこで一度言葉を区切る。ちらりとスタンリーを見ると、肩から下げていたよれよれの布鞄から紫色のヴェールを取り出した。
「アイリーン・シェリンズには、このヴェールをつけてもらうつもりです」
「ヴェールを?結婚式でもあるまいに。まあ、互いの顔が見えにくくはなるか」
「顔が見えない状態で、スタンリーが声真似をすれば、アイリーンはきっと騙されると思います。会場は音楽が流れていますし、陛下の御言葉を除いては、貴族達が盛んに噂話をしている。賑やかで、声もはっきりと聞き取れないでしょう。代役のスタンリーには、一曲だけ踊って退場してもらいます」
宰相は机に肘をついたまま、軽く手を挙げた。
「待て。踊り終わったら、アイリーン嬢はどうするのだ?」
「どうするつもりもありませんよ。他の貴族と同じです。彼女だけ特別待遇にするのですか?」
「セドリック殿下は、今までパートナーを変えずに最後まで過ごされていたんだぞ?」
「それは相手がマリナだったからです」
「……そうだな。分かった。『王太子殿下は体調不良』ということにして、一曲で切り上げるようにしよう。公式の場でマリナ嬢以外の令嬢と踊るのは初めてだ。皆の印象に残るに違いない」
「はい」
実際、誰が相手でも、王太子がマリナ以外と踊った時点でセンセーショナルなニュースになるのだ。アイリーンは正式に王太子妃候補になったわけでもなく、男爵令嬢という身分では望むべくもない地位なのだが、王太子との関係を勘ぐる者は必ずいるだろう。
「……別の意味でもな。ところで、ロディス港の件は聞いたな?心配だろうが、エイブラハムの情報から、こちらも動くことにした」
「動く……とは?」
「アリッサとアレックスを攫ったのは、第二王子デュドネの私兵らしい」
「デュドネ王子はいい噂を聞きませんね。粗暴な性格で、臣下に無体な振る舞いを繰り返しているとか。幽閉されたのではありませんでしたか」
「幽閉など意味がない。抜け出しては花街に出入りしているそうだ。素行の悪さには国王陛下も手を焼いておられる。ここで我が国を巻き込んだ事件を起こせば、王位継承権どころか王子の位も剥奪されかねない。なるべく穏便にすませようとするだろう」
「父上、話が見えないのですが……」
「アスタシフォンと我が国の間には、友好条約が結ばれている。条項の中に、『王族ならびに準王族を害する行為』について書かれているのは知っているな?」
「はい。王族を傷つけた者は誰であろうと死罪とする……ですね」
「準王族には、誰が含まれる?」
問いかけた父と視線が合い、レイモンドははっと緑の瞳を見開いた。
◆◆◆
馬車から下りたアリッサとアレックスは、目の前の建物が王宮でないことを一目で悟った。鬱蒼とした木々に囲まれ、人目を忍ぶように建てられた三階建ての石造りの城は、宮殿と呼べるものではない。ハーリオン家の別荘より規模が小さいようだ。
――騒いでも誰も来ないわね。やっぱり、説得するしか……。
後ろを歩かされていたアレックスは、きょろきょろと周りを見ていた。建物の中に入ると、少し埃っぽくて黴臭い。あまり使われていないのだろうか。
「こっちだ。さっさと歩け」
「先ほども申しました通り、私達は人違いです。酷い扱いですわね」
なけなしの勇気を振り絞り、アリッサは背中を押す男を睨んだ。
一つだけ灯りが漏れている部屋に通され、アレックスと離れた椅子に座らされた。男達はアレックスに猿轡を噛ませ、ロープで椅子に縛り付けていく。
「んん!」
「暴れるな!このクソガキが!」
膝蹴りがアレックスの鍛えられた腹筋を直撃する。
「!!」
「アレックス君!」
前傾姿勢になって数秒動かず、アリッサは心配でならなかった。立ち上がろうと腰を浮かせた時、ドアが開いて男達が一斉に立ち上がり、部屋の隅に散らばった。
「……ご苦労だったな」
「はっ」
入って来た背の高い男は、アリッサに目を留め鼻先で笑い、大股で近づいてきた。
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