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イノセンシア国立学園高等部
蕾 ―side C―
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「クヴァムの花が咲いた……?」
こんな季節に?もうすぐ寒くなるというのに。
庭師のペドロは深く頷いた。白い髭が立てた襟に埋まる。
「まだ、蕾ですがね。あと五日もすれば、皆咲くでしょうな」
公爵邸の庭に、彼と花壇を作ったのは、僕がほんの子供の頃だ。黄色いクヴァムの花を、どうしてもエレナに見せたくて、……できればその前でプロポーズをしたくて、毎日水をやり、大雨に流されても何度も直してきた。エレナは公爵邸に寄り付かなくなって、プロポーズなんて夢のまた夢だし、世話をしても無駄なのかもしれないけれど。
「秋に咲くなんて聞いたことがないな」
「私も初めてですよ。考えてみれば、今年は天候が不順でしたからね。花も勘違いしたんでしょう」
ベテラン庭師でも首をかしげる事態らしい。
「咲き揃ったら、エレナお嬢様に見せて差し上げては?」
「う、うん……」
プロポーズなんてできるはずもない。
僕は彼女に嫌われていて、メラニアに簡単に靡く愚か者だとさえ思われている。
赤ら顔で幸せそうに笑うペドロの前で、僕は愛想笑いを続けた。
僕がエレナの幸せのためにできることは一つだけだ。
早く魔法を習得して、彼女の記憶から僕自身を消し去り、何の痕跡も残さずに外国へ行こう。エヴラールのところでも、フィリベールのところでもいい。父上が反対しても、これだけは成し遂げてみせる。
◆◆◆
魔力の使い過ぎなのか、最近身体が重い。だるいというか、突然力が抜ける。
医務室のアリアドナ先生に相談すると、成長期にはありがちなことらしかった。もちろん、神力の練習をしているとは言えない。これは神殿と僕との秘密だから。
「ありがとうございまし……」
「待ちなさい」
お礼を言って退室しようとすると、先生が僕を呼び留めた。暗い色の紅を塗った唇の端を上げ、眼鏡のレンズ越しに見える瞳が優しく微笑んでいる。
「練習はほどほどにしなさいね」
「え……」
「気づかないとでも思った?私も一応、神力の勉強はしているのよ」
「あ……」
何と言ったらいいのだろう。先生は全てお見通しだったのだ。僕の不調の原因が、過度の神力(魔法)練習にあると分かっていて、この十分あまり話を聞いてくださったのか。
「神力の練習なんかして、神官にでもなるつもりなの?」
「いいえ、あの、……使いたい魔法があって」
「魔法、ね。この国が邪道だと切り捨てた術を、あえて使う理由は何かしら?」
「……」
言うべきか、言わないでおくべきか。
「神力……魔力を消耗しすぎると、時には命に係わることは知っているわね?」
「はい。神殿で教わりました」
「あなたは幼いころから訓練を受けてきたイルデフォンソとは違うわ。体が慣れないのに強力な魔法を発動させるのは危険なの。剣の技術を身につけずに戦場に赴くようなものなのよ。本当に分かっているの?」
「……はい」
「命の危険があっても、魔法を使いたいと思うの?命と引き換えにするほどの願いなのかしら?」
「それは……」
エレナの憂いを消し去りたい。彼女の中にある僕の記憶を消し、どこか外国へ……。
「魔法は便利だけれど、万能ではないのよ。庶民でも魔法が使える者がいる国では、生活の中に魔法が自然に溶け込んでいる。暖炉に火をつけたりね。……ただ、便利であることと引き換えに、大きな危険を孕んでいることも事実なの。魔法は……魔導士は強力な兵器になる。人の心を操り、自らの欲望を満たそうとする人もいる」
「欲望……」
言われてはっとした。
僕は、エレナの憂いを取り除くと言いながら、自己満足に浸りたいだけなんじゃないか。
自分の力で関係を修復する努力をしないで、一足飛びに魔法でどうにかしようとしている。エレナに嫌われている事実を直視しないですむように、最後は国外逃亡しようとして。
「神力の……魔法の力がなければ、本当に成し遂げられないことなのかしら?それはあなたが命を削ってまですべきことなの?」
「……分かりません」
「分からない?」
「僕は……彼女を笑顔にしたいんです。そのためには、僕と過ごした時間の記憶を消し去らなければならないんです。……僕は、彼女にとって厭うべき害悪でしかないから」
「まあ……」
アリアドナ先生は絶句した。驚いた表情が一瞬僕を憐れむものに変わったかと思うと、すぐに凛とした視線で僕を射抜いた。
「情けないわね」
「へ……」
「それって、あなたの思い込みではないの?」
「いえ、先生、僕は……エレナに嫌われているんですよ?」
あ、名前を言ってしまった。まあ、話の流れから婚約者との関係だと気づいていただろう。僕の返答に先生は深いため息を吐いた。
「はあ……どうして『セレキス』の男って、こんなのばっかりなのかしら……」
ん?
今、どこかで聞いた……。
「先生、今、『セレキス』とおっしゃいましたか?」
「ええ。気にしないで、独り言だから」
気になりますよ!と言いたいのを堪える。
「『攻略対象』には恋愛の自由はないと思いますか?」
「そうね。筋書き通りにヒロインを……って、え?は?クラウディオ、あなた……」
「僕も『セレキス』を知っているんです」
「嘘……」
アリアドナ先生は声を上ずらせ、頬を僅かに染めて僕の顔をまじまじと見た。
◆◆◆
「そう……やっぱりね」
「やっぱりって、予想通りでしたか?」
「ええ。ヒロインに対して塩対応なのは、出会いイベントのせいだと思っていたのよ。そりゃ、ならず者扱いされたら公爵家のお坊ちゃんとしては腹が立つでしょう?」
「そうですね……。相手が知らない令嬢だとすると、多分……」
「多分?あなた、怒りの沸点が低いのね」
「高位貴族だからって、皆怒りっぽいとは限りませんよ。家格にこだわる方がいるのは否定できませんが。……僕が知っている話では、ヒロインに対して僕は酷い態度を取り続けるんですよね。ある事件が起こるまでは」
「物語上はそうね。ヒロインが危機に陥って、あなたは彼女への愛を自覚する……と。どう?メラニアには会ったんでしょう?」
「はい。王太子殿下やルカも、彼女の行動に辟易しています。正直なところ、危機に陥って学院からいなくなってくれたらいいのにと思うほどです」
アリアドナ先生はくすくすと笑った。
「正直ねえ」
「メラニアはエレナを侮辱しました。エレナが図書室に来なくなったのもそれが理由かもしれません。今までさんざん彼女を傷つけた僕が言うのはおかしいでしょうが、エレナを傷つける者は許さない!」
あの時のことを思い出し、つい強い口調で言えば、先生はさらに笑みを深めた。
「……なぁるほど、ね」
「?」
「物語の始まりは、この学校じゃなかったってことよ」
「それは、どういう……」
メラニアはもっと以前から周到に準備をしてきたというのか。
「ヒロインはあなたを好きになっていたから、あなたが数か月間にわたって酷い態度を取っても許してきた。あなたが心から謝罪して愛を告げれば、そこで物語は終わる。……用意された物語ならね」
「あの、僕はメラニアのことは……」
「フラグを回収するのは、何も、メラニアとは限らないでしょう?」
「フラグ?回収?」
図書室で過ごした時間に、エレナから説明を受けた気がする。
物語のカギとなる事象……?そんなところだった。
「魔法の勉強をするなとは言わないわ。ただ、努力の方向が違っていると思うのよねえ。気持ちを押し付けるだけじゃなく、好かれる努力をしてみたのかしら?」
好かれる……?
エレナはどんな男が好きなんだろう?
こんな季節に?もうすぐ寒くなるというのに。
庭師のペドロは深く頷いた。白い髭が立てた襟に埋まる。
「まだ、蕾ですがね。あと五日もすれば、皆咲くでしょうな」
公爵邸の庭に、彼と花壇を作ったのは、僕がほんの子供の頃だ。黄色いクヴァムの花を、どうしてもエレナに見せたくて、……できればその前でプロポーズをしたくて、毎日水をやり、大雨に流されても何度も直してきた。エレナは公爵邸に寄り付かなくなって、プロポーズなんて夢のまた夢だし、世話をしても無駄なのかもしれないけれど。
「秋に咲くなんて聞いたことがないな」
「私も初めてですよ。考えてみれば、今年は天候が不順でしたからね。花も勘違いしたんでしょう」
ベテラン庭師でも首をかしげる事態らしい。
「咲き揃ったら、エレナお嬢様に見せて差し上げては?」
「う、うん……」
プロポーズなんてできるはずもない。
僕は彼女に嫌われていて、メラニアに簡単に靡く愚か者だとさえ思われている。
赤ら顔で幸せそうに笑うペドロの前で、僕は愛想笑いを続けた。
僕がエレナの幸せのためにできることは一つだけだ。
早く魔法を習得して、彼女の記憶から僕自身を消し去り、何の痕跡も残さずに外国へ行こう。エヴラールのところでも、フィリベールのところでもいい。父上が反対しても、これだけは成し遂げてみせる。
◆◆◆
魔力の使い過ぎなのか、最近身体が重い。だるいというか、突然力が抜ける。
医務室のアリアドナ先生に相談すると、成長期にはありがちなことらしかった。もちろん、神力の練習をしているとは言えない。これは神殿と僕との秘密だから。
「ありがとうございまし……」
「待ちなさい」
お礼を言って退室しようとすると、先生が僕を呼び留めた。暗い色の紅を塗った唇の端を上げ、眼鏡のレンズ越しに見える瞳が優しく微笑んでいる。
「練習はほどほどにしなさいね」
「え……」
「気づかないとでも思った?私も一応、神力の勉強はしているのよ」
「あ……」
何と言ったらいいのだろう。先生は全てお見通しだったのだ。僕の不調の原因が、過度の神力(魔法)練習にあると分かっていて、この十分あまり話を聞いてくださったのか。
「神力の練習なんかして、神官にでもなるつもりなの?」
「いいえ、あの、……使いたい魔法があって」
「魔法、ね。この国が邪道だと切り捨てた術を、あえて使う理由は何かしら?」
「……」
言うべきか、言わないでおくべきか。
「神力……魔力を消耗しすぎると、時には命に係わることは知っているわね?」
「はい。神殿で教わりました」
「あなたは幼いころから訓練を受けてきたイルデフォンソとは違うわ。体が慣れないのに強力な魔法を発動させるのは危険なの。剣の技術を身につけずに戦場に赴くようなものなのよ。本当に分かっているの?」
「……はい」
「命の危険があっても、魔法を使いたいと思うの?命と引き換えにするほどの願いなのかしら?」
「それは……」
エレナの憂いを消し去りたい。彼女の中にある僕の記憶を消し、どこか外国へ……。
「魔法は便利だけれど、万能ではないのよ。庶民でも魔法が使える者がいる国では、生活の中に魔法が自然に溶け込んでいる。暖炉に火をつけたりね。……ただ、便利であることと引き換えに、大きな危険を孕んでいることも事実なの。魔法は……魔導士は強力な兵器になる。人の心を操り、自らの欲望を満たそうとする人もいる」
「欲望……」
言われてはっとした。
僕は、エレナの憂いを取り除くと言いながら、自己満足に浸りたいだけなんじゃないか。
自分の力で関係を修復する努力をしないで、一足飛びに魔法でどうにかしようとしている。エレナに嫌われている事実を直視しないですむように、最後は国外逃亡しようとして。
「神力の……魔法の力がなければ、本当に成し遂げられないことなのかしら?それはあなたが命を削ってまですべきことなの?」
「……分かりません」
「分からない?」
「僕は……彼女を笑顔にしたいんです。そのためには、僕と過ごした時間の記憶を消し去らなければならないんです。……僕は、彼女にとって厭うべき害悪でしかないから」
「まあ……」
アリアドナ先生は絶句した。驚いた表情が一瞬僕を憐れむものに変わったかと思うと、すぐに凛とした視線で僕を射抜いた。
「情けないわね」
「へ……」
「それって、あなたの思い込みではないの?」
「いえ、先生、僕は……エレナに嫌われているんですよ?」
あ、名前を言ってしまった。まあ、話の流れから婚約者との関係だと気づいていただろう。僕の返答に先生は深いため息を吐いた。
「はあ……どうして『セレキス』の男って、こんなのばっかりなのかしら……」
ん?
今、どこかで聞いた……。
「先生、今、『セレキス』とおっしゃいましたか?」
「ええ。気にしないで、独り言だから」
気になりますよ!と言いたいのを堪える。
「『攻略対象』には恋愛の自由はないと思いますか?」
「そうね。筋書き通りにヒロインを……って、え?は?クラウディオ、あなた……」
「僕も『セレキス』を知っているんです」
「嘘……」
アリアドナ先生は声を上ずらせ、頬を僅かに染めて僕の顔をまじまじと見た。
◆◆◆
「そう……やっぱりね」
「やっぱりって、予想通りでしたか?」
「ええ。ヒロインに対して塩対応なのは、出会いイベントのせいだと思っていたのよ。そりゃ、ならず者扱いされたら公爵家のお坊ちゃんとしては腹が立つでしょう?」
「そうですね……。相手が知らない令嬢だとすると、多分……」
「多分?あなた、怒りの沸点が低いのね」
「高位貴族だからって、皆怒りっぽいとは限りませんよ。家格にこだわる方がいるのは否定できませんが。……僕が知っている話では、ヒロインに対して僕は酷い態度を取り続けるんですよね。ある事件が起こるまでは」
「物語上はそうね。ヒロインが危機に陥って、あなたは彼女への愛を自覚する……と。どう?メラニアには会ったんでしょう?」
「はい。王太子殿下やルカも、彼女の行動に辟易しています。正直なところ、危機に陥って学院からいなくなってくれたらいいのにと思うほどです」
アリアドナ先生はくすくすと笑った。
「正直ねえ」
「メラニアはエレナを侮辱しました。エレナが図書室に来なくなったのもそれが理由かもしれません。今までさんざん彼女を傷つけた僕が言うのはおかしいでしょうが、エレナを傷つける者は許さない!」
あの時のことを思い出し、つい強い口調で言えば、先生はさらに笑みを深めた。
「……なぁるほど、ね」
「?」
「物語の始まりは、この学校じゃなかったってことよ」
「それは、どういう……」
メラニアはもっと以前から周到に準備をしてきたというのか。
「ヒロインはあなたを好きになっていたから、あなたが数か月間にわたって酷い態度を取っても許してきた。あなたが心から謝罪して愛を告げれば、そこで物語は終わる。……用意された物語ならね」
「あの、僕はメラニアのことは……」
「フラグを回収するのは、何も、メラニアとは限らないでしょう?」
「フラグ?回収?」
図書室で過ごした時間に、エレナから説明を受けた気がする。
物語のカギとなる事象……?そんなところだった。
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