あの日、すべてが変わったらと祈った日

パンデミック

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あの日私は変われたのか

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いつも通りの日常、学校に行って、授業を受ける。



周りが馬鹿みたいにうるさい声ではしゃいでるのを冷めた目で見ていた。



学校なんて勉強が出来ればいい、そう思ってた、別に仲の良い子も居ないし、ずっと1人だった。



前はこんなのでは無かったはずだ、中学の頃は何もかもが楽しくて、友達と一緒にはしゃぎながら笑って過ごしていたはずだった。



いつの前にか笑顔が減った。



どうしてこんな風になったのだろう、私はただ彼と友達と、みんなと、ただ笑って過ごしていたかっただけなのに。



今更浮かび上がってくるのは、あの時こうしていればああしていればという後悔。



苦しい思いをしているのは自分だけではないと分かっている、分かっているからこそ辛いのだ。



自分だけが悲しい思いに浸っている訳ではなくて、他の人も悲しくて苦しいのだ、ただ、それに気付きたくないだけ、思い出を誰にも渡したくないだけで。



少しだけ目を瞑る、あの時の幸せな日々を思い出すように。






中学生の時、隣の家には南天空なんてんそらという男が住んでいた。



所謂幼馴染、いつも元気で、能天気で、馬鹿みたいに明るい男だった。


悩んだりして苦しい時、いつも空の元気さに励まされてきた、私が他の友達と仲良くなれたのも、成績が良くなったのも、笑顔が浮かべられるようになったのも、全部空のお陰だった。



朝、空の家のインターホンを押す、眠そうな空に笑いながら

「おはよう」

と声を掛け、学校へ向かう。



学校へ行く途中に友達と会い、色々話しながら学校に着く。


いつも通りの日常だった、







うるさいサイレンの音、叫ぶ人々の声、この場に似合わないフラッシュの音



その場にただ立ち尽くす私を置いて真っ赤に染まった空を見る。



綺麗な夕暮れだった。



いなくなるなんて思っても居なかった。



ただただ好きだった。太陽のように明るい笑顔、空みたいに透き通った声、全部、全部好きだった。 



私の事見ていないのは分かっていた、けど好きだった。



結局、思いを伝えられなかった。



あの時、弱虫な自分から抜け出して、勇気をだして変われば良かった。



何もかもが無駄だった。



感じたのは絶望、むせ返る鉄の臭いが、私にこびり付いて離れない。








目を覚ます、少し肌寒く感じる。



窓の外は赤く染まっていて、綺麗だった。



少し目を瞑るだけのはずだったのに寝ていたようだ。



あの時のことを思い出した。



毎日が幸せだったあの時の事を。





結局変われなかった
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