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『私の葬儀に花束はいらない』
『私の葬儀に花束はいらない』
花はいらない
どうせあなたたちは
名前も呼ばないから
白い花びらより
私はずっと前に
色を失っていた
「いい子ね」
その言葉は優しくて
けれど一度も
私に向けられたことはなかった
私はいつも
誰かの代わりで
誰かのための形をしていた
泣き方も
笑い方も
あなたたちが望むものを選んで
そうして
少しずつ
私の輪郭は薄れていった
だからこれは
終わりじゃない
はじまりでもない
ただ
切り離すだけ
名前を置いていく
声を置いていく
触れられていた時間ごと
静かに
誰にも気づかれないまま
私は死ぬ
けれどそれは
息を止めることじゃない
あなたたちの中で
生きていた私を
終わらせるだけ
花はいらない
その代わりに
ひとつだけ
どうか
もう二度と
「お姉ちゃん」と呼ばないで
花はいらない
どうせあなたたちは
名前も呼ばないから
白い花びらより
私はずっと前に
色を失っていた
「いい子ね」
その言葉は優しくて
けれど一度も
私に向けられたことはなかった
私はいつも
誰かの代わりで
誰かのための形をしていた
泣き方も
笑い方も
あなたたちが望むものを選んで
そうして
少しずつ
私の輪郭は薄れていった
だからこれは
終わりじゃない
はじまりでもない
ただ
切り離すだけ
名前を置いていく
声を置いていく
触れられていた時間ごと
静かに
誰にも気づかれないまま
私は死ぬ
けれどそれは
息を止めることじゃない
あなたたちの中で
生きていた私を
終わらせるだけ
花はいらない
その代わりに
ひとつだけ
どうか
もう二度と
「お姉ちゃん」と呼ばないで
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