ヴォルチヤ・パーラ〜非処女厨の馬に執着されてます〜

みらい

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九話、言えない好き

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 遠くに見える祖国の馬たち。
 どうしても目がそちらに行ってしまう。

 ――クロにご飯を作ってやらないとな。
 踵を返して、家へ向かう。
 その前に座り込む黒い馬。

「……そんなに白馬がいいか? 黒は、いやか?」
「……クロ……――私は……」

 ヴォルコフが何か言う前に、厩へと引っ込んでしまった。
 ごはんはちゃんとしてあげよう。
 そう思いながら、自分の分。
 そして、クロのご飯を作る。

 厩に行くが、既に寝ている様だった。
 ひんやりする。
 そういう季節ではないはずなのに。
 いつも陽気な馬だから、より温度を感じてしまっているのだろう。

「クロ……」

 こちらを向きもしない。
 もしかしたら、ふて寝かもしれない。

 ――黒は嫌いではない。
 ――寧ろ好きだ。
 そんな言葉が頭でいっぱいになる。

 しかし。
 何も言葉を紡げなかった。

(私は弱い人間だな。馬一頭にも伝えられない)

「ここに、ごはん置いておくぞ」

 無駄に相槌を打ってくれる馬がこれだと調子が狂った。
「おやすみ」と一言伝え、逃げるようにヴォルコフは部屋へと戻った。

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