君に、炎を捧ぐⅢ〜偽りの剣と、真実の愛〜

みらい

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二十二話、女王なき執務室

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 謁見の間は、医務室と化している。
 そのため、執務室にて緊急会議を行なっていた。
 殿下を中心に大臣たちと、ヴァルディス様。
 私とカイルもいるように、と言われた。
 けれど、陛下がいないことと噴火の件で皆ピリピリしていて圧がすごい。

「まず、我がいない時何があった?」
「昨日まで通常業務されていました……使用人たちも夜の支度した際もおられた、と」
「しかし、ここ最近体調が優れないともおっしゃってました。それ故に、早めに終わらせてましたな」

 それぞれ説明していた。
 噴火の件と落とし子の襲撃は、バリアで追加の被害はないこと。
 とりあえず、叔父様の配下がバリア内にいるものを排除していること。

「うむ……」


 しばらく私はここにいなかった。
 その間何があったのかを知りたかった。

 けれど、こうして聞いていると昨日今日の話みたいだ。
 産みの親と対峙して、火山が一度噴火した時に何かあった可能性は高い。

 そんな空気を壊す声。

「やあ。間に合ったかな?」

 その声に、全員が一斉に振り返る。
 ノル・バリストン――叔父様は黒衣を揺らして立っていた。

「ずいぶん死屍累々の寂しい国になったな。まあ、俺の配下たちが活躍してくれただろ?」

 悠長なその言葉に、ヴァルディス様は容赦なく背を叩いた。

「馬鹿者。のんびりしてる場合か。 陛下が、いないんだ」
「え? とうとう家出、ですか?」
「……」

 ヴァルディス様が無言になる。
 ピリピリムードの中。
 よく冗談言えるなあ……。

 圧を抑えてくれようとしているのかな。
 道化を演じているからこそできる芸当。自己暗示していると思うと寂しくなる。

「こんなピリついてたら出る提案も出ないのでは?」
「……はあ、すまん」

 あっさり非を認める殿下に「お気持ちはわかります」と肯定する。
 現状は叔父様の配下が動けるから都の防御は要とすること。
 今からはしばらくカイルのバリアで安全だということで一度会議はお開きになった。


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