26 / 57
悪魔の泉
しおりを挟む
ケリーの叫びに反応したのはアプソだった。
「悪魔の泉を?お前…エルマリア様に悪魔の泉を盛ったのか!?」
常に冷静沈着なアプソの荒げた声に皆が驚いている。
「あ…う…」
ケリーは頭が混乱して口が滑ってしまったことに気づき、迫るアプソから逃げようと後ずさる。それをハウンドが背後から止めた。
「悪魔の泉…そんな厄介で卑猥なものをエルマリア様に?」
「待て!ハウンド、アプソ…悪魔の泉?なんの話だ?」
ハウンドとアプソは視線を絡ませ、ため息を吐く。
「娼館の女に使う媚薬です…売られたばかりの女は仕事を嫌がります…そういう女に使う媚薬です」
ハウンドの説明にアプソが足す。
「解毒薬のない媚薬、火照る女は子種を受けなければ十日は苦しむ…解毒薬がないので厄介と言われておりますが娼館の主は重宝している…ケリーが嘘をついていないなら…エルマリア様が今朝落ち着いていた状態だとすると…」
レイモンドはケリーの胸ぐらを掴み上げる。
「貴様!本当のことを言え!エルマリアに媚薬を盛ったなら騎士隊につき出す!主に嘘を吐いても騎士隊につき出す!」
「レイモンド様!私は…嘘など…」
ケリーがこの場で吐いた嘘は廊下まで聞こえた喘ぎ声だった。実際はケリーがどんなに耳を澄ましても声は聞こえなかった。
「フェリシア様は関係ないのです…本当です!フェリシア様はなにも知りません!私の…私の独断です!」
ソロモンはめまいを感じソファに座り込む。
「旦那様!」
ソロモンに駆け寄るハウンドに押されたレイモンドはケリーを間近で見下ろす。
「フェリシアの専属の使用人だろう…ケリー…フェリシアが知らなかった?それを信じろと言うか?」
「レイモンド様!フェリシア様はひどく傷つき憔悴しています!慰めないのはなぜですか!?」
自暴自棄になったケリーの叫びはソロモンにも届いた。
「それでエルマリアに媚薬を盛った?盛るならレイモンドがいる部屋で盛ってくれ!」
ソロモンの本音が出てしまった。床に向かって叫んだ言葉を聞いたケリーはソロモンに向かい叫ぶ。
「これで!シモンズ子爵令嬢の有責になります!不義をしたのですから!持参金を返さなくてもいいのです!あの女を追い出せます!」
ケリーの言葉を聞いたレイモンドは感情が高ぶり拳で殴った。
「エルマリアはフローレンに嫁いだ!シモンズには帰らない!」
レイモンドは倒れるケリーをそのままに執務室を飛び出した。
「レイモンド!」
ソロモンの叫びはレイモンドに届かなかった。
「エルマリア!!」
レイモンドは貴賓室の居室の扉を勝手に開け寝室に向かう。突然現れたレイモンドの目に入ったのはドレスを寝台に広げるカイナだった。
「エルマリアはどこだ!?」
異様な雰囲気のレイモンドにカイナは答えられず浴室に視線を送る。その視線を追ったレイモンドは浴室に向かい駆けた。
「エルマリア!!」
「え?レイモンド様…」
エルマリアは湯に浸かっていた。金色の髪は布で巻き湯に入らないよう上げ、ザザが桶で湯をすくっては晒された肩に落としている。
「貴様!どけ!」
レイモンドは浴槽へ近寄りザザの肩を掴んでエルマリアから離そうとするが、いくら力を入れても大きな男はわずかも動かなかった。
「ザザ」
エルマリアの声にザザは立ち上がり、一歩下がる。
「エル!…マリア…」
ザザの消えた視界には湯に浸かる裸のエルマリアがいる。豊かな胸は白く乳首は淡い桃色で股間には輝く秘毛があった。
「レイモンド様、なにかありましたの?」
エルマリアの両手は下腹に置かれ、裸を隠しもせずに尋ねた。
「あ…あく…あ」
「あくあ?」
顔を赤らめ口ごもるレイモンドにエルマリアは首を傾げる。
「違う!」
レイモンドは何度も深く呼吸をして落ち着かせる。
「…使用人の一人が…お前に…媚薬を盛ったと白状した」
エルマリアはレイモンドの言葉に紫色の瞳を見開き頬を染める。 その反応を見てレイモンドは拳を握り高ぶる感情を耐える。
「媚薬ではなく…は…はら」
「エルマリア…正直に言え」
エルマリアはうつむき、湯のなかで下腹を撫でる。
「…腹下しの毒では…?食事のあとから腹を…下して…痛くて…」
白いうなじが赤みを増す様を見たレイモンドは浴室の床に膝を突き、エルマリアに顔を寄せる。
「本当か?」
「信じられませんわ…女性に腹を下したと何度も言わせるなんて…」
「エルマリア、風呂の世話は女にやらせろ…この男では誤解を招く」
レイモンドの言葉にエルマリアは返事をせずにうつむいたまま動かない。
「腹が痛いなら今日の茶会は無しにしよう」
レイモンドは頷いたエルマリアを確認して浴室から出ていった。寝室にいるカイナを過ぎて居室に入るとアプソが待っていた。
「ケリーは本当に悪魔の泉を入れたと思うか?」
「わかりません。エルマリア様はなんと?」
「食事のあと、腹を下したそうだ…俺が言わなければただの体調不良と思ったかもしれない」
アプソは状況が理解できず首を傾げる。
「意味がわかりません。ならばケリーは我らに媚薬と嘘を吐きエルマリア様に下剤を盛ったのですか?悪魔の泉は安価ですが娼館の主だけが取り扱える媚薬です…入手先は知れています。ケリーに尋問を…真実を探します…もし…ケリーが正しく…エルマリア様がとぼけているなら…大問題です」
「ああ…アプソ…ケリーは死んでもいい…全て吐かせろ」
「お任せください」
「出ていった?」
「ああ」
「びっくりしたわ」
エルマリアは湯のなかで膝を抱える。
「ザザ…ありがとう」
「礼はいらない。お前には金を貰っている」
「そうだけど…あんなことをさせるために雇ったわけじゃないもの」
「…覚えているのか?」
ザザの言葉に耳まで赤くさせたエルマリアは首を振る。
「お…お尻に…違和感があるの」
「…子種を尻の穴から入れて放置すると腹を下す」
「知らなかったわ…なら…私は嘘をついてないわね…ふふっ」
ザザはレイモンドが気づかなかったエルマリアの背中の模様を見つめる。昨夜のエルマリアの背中にも模様は現れていた。背中を彩る花を消えるまで見つめていた。
「これからどうなるかしらね」
ザザはエルマリアのうなじから湯をかける。
「…私…なにか言った?」
「…俺の名だけだ」
「そう…」
エルマリアはおぼろげな記憶が怖かった。なにを口走ったかわからず気になっていた。
「ザザの言うとおり飛び込んできたわね。後始末までザザに任せてしまったわ…」
ザザはエルマリアに子種を注ぎ終え、体を拭ったあと汚れたドレスと吐瀉物、香油と愛液に濡れたシーツを焼却炉へ運び、燻る灰の奥へ入れた。
「侯爵は白状した使用人をどうするかしら?」
「わからん」
エルマリアは予想よりも早く行動する必要があるかもしれないと考える。
「悪魔の泉を?お前…エルマリア様に悪魔の泉を盛ったのか!?」
常に冷静沈着なアプソの荒げた声に皆が驚いている。
「あ…う…」
ケリーは頭が混乱して口が滑ってしまったことに気づき、迫るアプソから逃げようと後ずさる。それをハウンドが背後から止めた。
「悪魔の泉…そんな厄介で卑猥なものをエルマリア様に?」
「待て!ハウンド、アプソ…悪魔の泉?なんの話だ?」
ハウンドとアプソは視線を絡ませ、ため息を吐く。
「娼館の女に使う媚薬です…売られたばかりの女は仕事を嫌がります…そういう女に使う媚薬です」
ハウンドの説明にアプソが足す。
「解毒薬のない媚薬、火照る女は子種を受けなければ十日は苦しむ…解毒薬がないので厄介と言われておりますが娼館の主は重宝している…ケリーが嘘をついていないなら…エルマリア様が今朝落ち着いていた状態だとすると…」
レイモンドはケリーの胸ぐらを掴み上げる。
「貴様!本当のことを言え!エルマリアに媚薬を盛ったなら騎士隊につき出す!主に嘘を吐いても騎士隊につき出す!」
「レイモンド様!私は…嘘など…」
ケリーがこの場で吐いた嘘は廊下まで聞こえた喘ぎ声だった。実際はケリーがどんなに耳を澄ましても声は聞こえなかった。
「フェリシア様は関係ないのです…本当です!フェリシア様はなにも知りません!私の…私の独断です!」
ソロモンはめまいを感じソファに座り込む。
「旦那様!」
ソロモンに駆け寄るハウンドに押されたレイモンドはケリーを間近で見下ろす。
「フェリシアの専属の使用人だろう…ケリー…フェリシアが知らなかった?それを信じろと言うか?」
「レイモンド様!フェリシア様はひどく傷つき憔悴しています!慰めないのはなぜですか!?」
自暴自棄になったケリーの叫びはソロモンにも届いた。
「それでエルマリアに媚薬を盛った?盛るならレイモンドがいる部屋で盛ってくれ!」
ソロモンの本音が出てしまった。床に向かって叫んだ言葉を聞いたケリーはソロモンに向かい叫ぶ。
「これで!シモンズ子爵令嬢の有責になります!不義をしたのですから!持参金を返さなくてもいいのです!あの女を追い出せます!」
ケリーの言葉を聞いたレイモンドは感情が高ぶり拳で殴った。
「エルマリアはフローレンに嫁いだ!シモンズには帰らない!」
レイモンドは倒れるケリーをそのままに執務室を飛び出した。
「レイモンド!」
ソロモンの叫びはレイモンドに届かなかった。
「エルマリア!!」
レイモンドは貴賓室の居室の扉を勝手に開け寝室に向かう。突然現れたレイモンドの目に入ったのはドレスを寝台に広げるカイナだった。
「エルマリアはどこだ!?」
異様な雰囲気のレイモンドにカイナは答えられず浴室に視線を送る。その視線を追ったレイモンドは浴室に向かい駆けた。
「エルマリア!!」
「え?レイモンド様…」
エルマリアは湯に浸かっていた。金色の髪は布で巻き湯に入らないよう上げ、ザザが桶で湯をすくっては晒された肩に落としている。
「貴様!どけ!」
レイモンドは浴槽へ近寄りザザの肩を掴んでエルマリアから離そうとするが、いくら力を入れても大きな男はわずかも動かなかった。
「ザザ」
エルマリアの声にザザは立ち上がり、一歩下がる。
「エル!…マリア…」
ザザの消えた視界には湯に浸かる裸のエルマリアがいる。豊かな胸は白く乳首は淡い桃色で股間には輝く秘毛があった。
「レイモンド様、なにかありましたの?」
エルマリアの両手は下腹に置かれ、裸を隠しもせずに尋ねた。
「あ…あく…あ」
「あくあ?」
顔を赤らめ口ごもるレイモンドにエルマリアは首を傾げる。
「違う!」
レイモンドは何度も深く呼吸をして落ち着かせる。
「…使用人の一人が…お前に…媚薬を盛ったと白状した」
エルマリアはレイモンドの言葉に紫色の瞳を見開き頬を染める。 その反応を見てレイモンドは拳を握り高ぶる感情を耐える。
「媚薬ではなく…は…はら」
「エルマリア…正直に言え」
エルマリアはうつむき、湯のなかで下腹を撫でる。
「…腹下しの毒では…?食事のあとから腹を…下して…痛くて…」
白いうなじが赤みを増す様を見たレイモンドは浴室の床に膝を突き、エルマリアに顔を寄せる。
「本当か?」
「信じられませんわ…女性に腹を下したと何度も言わせるなんて…」
「エルマリア、風呂の世話は女にやらせろ…この男では誤解を招く」
レイモンドの言葉にエルマリアは返事をせずにうつむいたまま動かない。
「腹が痛いなら今日の茶会は無しにしよう」
レイモンドは頷いたエルマリアを確認して浴室から出ていった。寝室にいるカイナを過ぎて居室に入るとアプソが待っていた。
「ケリーは本当に悪魔の泉を入れたと思うか?」
「わかりません。エルマリア様はなんと?」
「食事のあと、腹を下したそうだ…俺が言わなければただの体調不良と思ったかもしれない」
アプソは状況が理解できず首を傾げる。
「意味がわかりません。ならばケリーは我らに媚薬と嘘を吐きエルマリア様に下剤を盛ったのですか?悪魔の泉は安価ですが娼館の主だけが取り扱える媚薬です…入手先は知れています。ケリーに尋問を…真実を探します…もし…ケリーが正しく…エルマリア様がとぼけているなら…大問題です」
「ああ…アプソ…ケリーは死んでもいい…全て吐かせろ」
「お任せください」
「出ていった?」
「ああ」
「びっくりしたわ」
エルマリアは湯のなかで膝を抱える。
「ザザ…ありがとう」
「礼はいらない。お前には金を貰っている」
「そうだけど…あんなことをさせるために雇ったわけじゃないもの」
「…覚えているのか?」
ザザの言葉に耳まで赤くさせたエルマリアは首を振る。
「お…お尻に…違和感があるの」
「…子種を尻の穴から入れて放置すると腹を下す」
「知らなかったわ…なら…私は嘘をついてないわね…ふふっ」
ザザはレイモンドが気づかなかったエルマリアの背中の模様を見つめる。昨夜のエルマリアの背中にも模様は現れていた。背中を彩る花を消えるまで見つめていた。
「これからどうなるかしらね」
ザザはエルマリアのうなじから湯をかける。
「…私…なにか言った?」
「…俺の名だけだ」
「そう…」
エルマリアはおぼろげな記憶が怖かった。なにを口走ったかわからず気になっていた。
「ザザの言うとおり飛び込んできたわね。後始末までザザに任せてしまったわ…」
ザザはエルマリアに子種を注ぎ終え、体を拭ったあと汚れたドレスと吐瀉物、香油と愛液に濡れたシーツを焼却炉へ運び、燻る灰の奥へ入れた。
「侯爵は白状した使用人をどうするかしら?」
「わからん」
エルマリアは予想よりも早く行動する必要があるかもしれないと考える。
1,866
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
婚約者の幼馴染?それが何か?
仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた
「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」
目の前にいる私の事はガン無視である
「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」
リカルドにそう言われたマリサは
「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」
ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・
「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」
「そんな!リカルド酷い!」
マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している
この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ
タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」
「まってくれタバサ!誤解なんだ」
リカルドを置いて、タバサは席を立った
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる