くるみの木のパン屋さん

雪村みおり

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 くるみおばさんは、また大急おおいそぎで自転車じてんしゃに乗りました。

 りすのメロンネさんの家は、どんぐり村の三丁目さんちょうめ五番地ごばんち……。せの高い、どんぐりの木の家です。


 やっとメロンネさんの家についた時には、くるみおばさんはくたくたでした。

 メロンネさんの家の小さなを、トントン……。
 すると、そこからひょっこりと、メロンネさんが出てきました。


「あら、おそかったのね。でも、ごくろうさま。それがね、わたしの子どもたち、ミックスクリームパンが食べたいらしくて、きやまないの……。こまったことね。でも、あなたが来てくれて、たすかったわ! さ、あがってちょうだい」

 くるみおばさんは、さっきメロンネさんが「今すぐ」と言った意味いみが、ようやくわかりました。


 小さな部屋へやには、小さな子りすが三びき、いていました。
 でも、メロンネさんがパンを取り出すと、三びきは、ぱくぱくおいしそうに食べはじめました。

 ところが、そのうちの一ぴきが、こう言ったのです。


「ママ。これ、ミックスクリームパンじゃないよ!」


 くるみおばさんがおどろいて見てみると、それはレンゲハチミツパンでした。
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