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翼をください
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「あの、片山くん、これ……」
「ん……」
教室前で、人があんまりいないの見計らってランチトートの中を見せた。
デーンと居座る重箱。
お母さん。わざわざでっかいランチボックス持たせたのってあれだよね。
……一緒に食べろってこと。もー、考えたな。
「……屋上で食べる?」
照れくさそうに片山くんがつぶやく。
「ん……」
それしかないよね。今日は天気もいいし。あ、人が来た。退散ーー。
お昼休憩、だーっと屋上に駆け上がった。
空いてるスペースに二人で座って、蓋を開けてみる。
「おー、すげぇ」
お母さん、頑張ったな……。
全ての食材が『生きてる』わ。
つまり、ほぼ全ての食材に顔がついてるってこと。
こう言うの男子食べにくいと思うんだけどなーー。
「いただきまーす」
片山くんは気にしないみたい?
ウインナーにもウズラの卵にもきゅうりにもおむすびにも目と口がついて笑ってる。唯一いじってないおかずは里芋の煮っころがしか。
その最後の一つに箸を伸ばす。
「あ……」
二組の箸がその上で止まった。
「どうぞ、どうぞ」
あたしは箸を引っ込める。
「え、うん……」
気まずそうに食べる片山くん。
同じお弁当食べるってこういうこと……。
ちょ、めっちゃこそばゆいんですけど。
「ごちそうさまー」
うるさい人たちに見つからないように時間差でさーっと廊下に消えて。
ドキドキだ。
これ、毎日続くの……?
『残さないでね』
なんとか……全部平らげるには平らげたけど、休憩時間ほぼ食事に費やしてしまった。
しかし三日目ともなると片山くんも慣れてきたのか、
「あのさー、親がべんとう写メってくれって言うんだけど」いいながらボックスの上で腰掛けられる特等席を確保。
「じゃあ、お母さんに言ってみる」
校則で学校では携帯使えないのだ。
お母さんに頼もう。どうせいつも写メってるんだから。
蓋をあける。「わあー」リアクションありがとう。
今日はどっかの草原か。
ラベンダーカラー……北海道かな。
お花畑のテントウムシを摘んでると、突然、黒い影がかかった。
ーー?
見上げるとすぐそこに兼重くんの顔が。
「あ」
あたしは慌てて弁当の上に手をかざした。
ーーやばっ、また余計な噂流されるーー。
「……んか用」
片山くん、キッと睨みつける。
ひえーー、こいつこそ、あたしらの噂を流した元凶、またまた見にきたの? 芸能レポーターかよ。
じーー。睨み合って。
ーーーー。
やっぱ毎日は無理だわ。
お母さんに言って、こわけにしてもらおう。
普通に別々に食べれば誰にもわかんないもん。
朝こっそり渡しさえすればーー。
あたしはそんなことまで思った。
…………?
「かねしげくん……?」
突っ立ったままの兼重くんは顔を崩すと持ってるものを差し出した。
「頼む、俺も入れてくれ!」
「は?」
あたしと片山くんは顔を見合わせる。
「見てくれ、弁当。かあちゃんが突然キャラ弁作り始めたんだよ……ー!!」
悲壮に顔を歪めて。
ぱかっと開いた彼の弁当は確かにキャラ弁だった。
難度の高い水色。
ふなっしー……。
「ん……」
教室前で、人があんまりいないの見計らってランチトートの中を見せた。
デーンと居座る重箱。
お母さん。わざわざでっかいランチボックス持たせたのってあれだよね。
……一緒に食べろってこと。もー、考えたな。
「……屋上で食べる?」
照れくさそうに片山くんがつぶやく。
「ん……」
それしかないよね。今日は天気もいいし。あ、人が来た。退散ーー。
お昼休憩、だーっと屋上に駆け上がった。
空いてるスペースに二人で座って、蓋を開けてみる。
「おー、すげぇ」
お母さん、頑張ったな……。
全ての食材が『生きてる』わ。
つまり、ほぼ全ての食材に顔がついてるってこと。
こう言うの男子食べにくいと思うんだけどなーー。
「いただきまーす」
片山くんは気にしないみたい?
ウインナーにもウズラの卵にもきゅうりにもおむすびにも目と口がついて笑ってる。唯一いじってないおかずは里芋の煮っころがしか。
その最後の一つに箸を伸ばす。
「あ……」
二組の箸がその上で止まった。
「どうぞ、どうぞ」
あたしは箸を引っ込める。
「え、うん……」
気まずそうに食べる片山くん。
同じお弁当食べるってこういうこと……。
ちょ、めっちゃこそばゆいんですけど。
「ごちそうさまー」
うるさい人たちに見つからないように時間差でさーっと廊下に消えて。
ドキドキだ。
これ、毎日続くの……?
『残さないでね』
なんとか……全部平らげるには平らげたけど、休憩時間ほぼ食事に費やしてしまった。
しかし三日目ともなると片山くんも慣れてきたのか、
「あのさー、親がべんとう写メってくれって言うんだけど」いいながらボックスの上で腰掛けられる特等席を確保。
「じゃあ、お母さんに言ってみる」
校則で学校では携帯使えないのだ。
お母さんに頼もう。どうせいつも写メってるんだから。
蓋をあける。「わあー」リアクションありがとう。
今日はどっかの草原か。
ラベンダーカラー……北海道かな。
お花畑のテントウムシを摘んでると、突然、黒い影がかかった。
ーー?
見上げるとすぐそこに兼重くんの顔が。
「あ」
あたしは慌てて弁当の上に手をかざした。
ーーやばっ、また余計な噂流されるーー。
「……んか用」
片山くん、キッと睨みつける。
ひえーー、こいつこそ、あたしらの噂を流した元凶、またまた見にきたの? 芸能レポーターかよ。
じーー。睨み合って。
ーーーー。
やっぱ毎日は無理だわ。
お母さんに言って、こわけにしてもらおう。
普通に別々に食べれば誰にもわかんないもん。
朝こっそり渡しさえすればーー。
あたしはそんなことまで思った。
…………?
「かねしげくん……?」
突っ立ったままの兼重くんは顔を崩すと持ってるものを差し出した。
「頼む、俺も入れてくれ!」
「は?」
あたしと片山くんは顔を見合わせる。
「見てくれ、弁当。かあちゃんが突然キャラ弁作り始めたんだよ……ー!!」
悲壮に顔を歪めて。
ぱかっと開いた彼の弁当は確かにキャラ弁だった。
難度の高い水色。
ふなっしー……。
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