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翼をください
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なぜか兼重くんもキャラ弁仲間に加わる。
「妹がさ、嫌なこと言われたらしいんだ、地味弁だって。それで母ちゃん奮起してさ。でも何もキャラ弁までしなくていいのに」
兼重くん、中一の妹さんの影響みたい。
「中学はまだキャラ弁の子ているんだね」
「同じクラスに強烈な弁当の子がいるらしいんだよー。大久保の母ちゃんみたいな」
うぐっ。
「俺一人の時は全然地味弁だったくせにさ。極端なんだよ」
「うちもうちも。頑張りすぎるんだよねー」
「……ゼータクだな。弁当作ってもらえるだけありがたいじゃん。俺親の作った弁当なんて食ったことないわ」
と片山くん。
「そ、そーですか。すみません」
兼重くんも「そうか、すまん」
そして、
「……えと、悪かったわ。その、あん時茶化したりして。すまね」
ほおを赤くしながら謝ってくれた。いいとこあるんじゃん……。
お母さんのキャラ弁祭りが落ち着くまで仲間にしてくれ、だって。プ。
天気が悪くて屋上がダメな時は解放されてる多目的ルームとか移動して弁当生活は続いた。
ランチタイムはキャラ弁は流石に少ないけど弁当派、食堂派、パン派とそれぞれで。弁当組の中には残念弁当の子もいる。残念ていうのはうちのお母さんみたいなやりすぎ弁当の反対ていうか、寂しい見た目の弁当のことだ。地味弁、手抜き弁当ていうのかな。
教室でグループで食べてて何か言われたんだろうか。ぼっちで食べてる子がちらほら。
『はんぺんに卵だけって、流石にないわー』
こんなこと言われて傷つく子は傷つく。
地味弁……。
毎度手抜きじゃないのはありがたいけど、お母さん、普通のお弁当って作れないのかな。
普通のお弁当二つにしてくれません?
流石に男子二人と食べるのって……何か言われそうで。
チラチラ見られてる気がする……。
気になり始めると止まらないのあたしの悪いところ。
ある日、学校に行く前、ひさびさに手に取った。
只野仁メガネ……お手軽変身アイテム。
「あれ、なんっだよ、それ」
朝イチ、片山くんは顔をしかめる。
奴はこのメガネ気に入らないみたい。
でもね、あたしはあの時みたいに気が大きくなるのだ。
「これしてると落ち着くんだもん」
「似合わないよ」
「かっこいい子にはわかんないんだよ」
「……おまえいっつもそういうの言うけどさ」
不満そう。
「じゃあ、何、俺顔をどうにかすればいいのかよ」
「そんなこと言ってない。いいじゃん、あたしがメガネかけるだけなんだから」
「俺は嫌だ」
むーー。
あんまり言い合ってると人目につくからそれ以上は抑えた。
「翼、メガネにしたの」
クラスの子に言われる。
「ううん、度は入ってないの。なんとなく」
「そう。……ダサくない?」
みんなウンウンって。
いいの!
ダサいってわかってるし。
そろそろ受験にそなえなきゃいけないし、ガリ勉風コスプレだと思えば悪くないでしょ?
「やめろって、それ。貸してみ」
昼休憩、たまりかねた奴はあたしからメガネを奪った。
何を思ったか、それをそのまま自分の顔に。
「これ、俺がかければいいんじゃん」
ーー!?
ダサいメガネをかけた片山くん。
『かっ、かわいい……』
ちょ、何、胸がきゅーーんって。
イモくなる……どころか。
やだ、どうしよう、かわいいいーーー。
キュンキュンきたーーー。
これってキュン死っていうの? 萌え~?
何これ、こんなの初めて。胸が萌え死ぬ~。
「これ、俺がもらうわ」
ーーハイ。
『かっこかわゆい~~』
あたしはその眼鏡男子にズキュンやられてしまった。
「妹がさ、嫌なこと言われたらしいんだ、地味弁だって。それで母ちゃん奮起してさ。でも何もキャラ弁までしなくていいのに」
兼重くん、中一の妹さんの影響みたい。
「中学はまだキャラ弁の子ているんだね」
「同じクラスに強烈な弁当の子がいるらしいんだよー。大久保の母ちゃんみたいな」
うぐっ。
「俺一人の時は全然地味弁だったくせにさ。極端なんだよ」
「うちもうちも。頑張りすぎるんだよねー」
「……ゼータクだな。弁当作ってもらえるだけありがたいじゃん。俺親の作った弁当なんて食ったことないわ」
と片山くん。
「そ、そーですか。すみません」
兼重くんも「そうか、すまん」
そして、
「……えと、悪かったわ。その、あん時茶化したりして。すまね」
ほおを赤くしながら謝ってくれた。いいとこあるんじゃん……。
お母さんのキャラ弁祭りが落ち着くまで仲間にしてくれ、だって。プ。
天気が悪くて屋上がダメな時は解放されてる多目的ルームとか移動して弁当生活は続いた。
ランチタイムはキャラ弁は流石に少ないけど弁当派、食堂派、パン派とそれぞれで。弁当組の中には残念弁当の子もいる。残念ていうのはうちのお母さんみたいなやりすぎ弁当の反対ていうか、寂しい見た目の弁当のことだ。地味弁、手抜き弁当ていうのかな。
教室でグループで食べてて何か言われたんだろうか。ぼっちで食べてる子がちらほら。
『はんぺんに卵だけって、流石にないわー』
こんなこと言われて傷つく子は傷つく。
地味弁……。
毎度手抜きじゃないのはありがたいけど、お母さん、普通のお弁当って作れないのかな。
普通のお弁当二つにしてくれません?
流石に男子二人と食べるのって……何か言われそうで。
チラチラ見られてる気がする……。
気になり始めると止まらないのあたしの悪いところ。
ある日、学校に行く前、ひさびさに手に取った。
只野仁メガネ……お手軽変身アイテム。
「あれ、なんっだよ、それ」
朝イチ、片山くんは顔をしかめる。
奴はこのメガネ気に入らないみたい。
でもね、あたしはあの時みたいに気が大きくなるのだ。
「これしてると落ち着くんだもん」
「似合わないよ」
「かっこいい子にはわかんないんだよ」
「……おまえいっつもそういうの言うけどさ」
不満そう。
「じゃあ、何、俺顔をどうにかすればいいのかよ」
「そんなこと言ってない。いいじゃん、あたしがメガネかけるだけなんだから」
「俺は嫌だ」
むーー。
あんまり言い合ってると人目につくからそれ以上は抑えた。
「翼、メガネにしたの」
クラスの子に言われる。
「ううん、度は入ってないの。なんとなく」
「そう。……ダサくない?」
みんなウンウンって。
いいの!
ダサいってわかってるし。
そろそろ受験にそなえなきゃいけないし、ガリ勉風コスプレだと思えば悪くないでしょ?
「やめろって、それ。貸してみ」
昼休憩、たまりかねた奴はあたしからメガネを奪った。
何を思ったか、それをそのまま自分の顔に。
「これ、俺がかければいいんじゃん」
ーー!?
ダサいメガネをかけた片山くん。
『かっ、かわいい……』
ちょ、何、胸がきゅーーんって。
イモくなる……どころか。
やだ、どうしよう、かわいいいーーー。
キュンキュンきたーーー。
これってキュン死っていうの? 萌え~?
何これ、こんなの初めて。胸が萌え死ぬ~。
「これ、俺がもらうわ」
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『かっこかわゆい~~』
あたしはその眼鏡男子にズキュンやられてしまった。
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