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タイムリミット
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「私、一人でいたいんです」
ごめん、岡路、私、やっぱ無理だわ。
あんたと違って特に彼氏が欲しいわけでもなく。
コンビニジャンクフードカモーン、町食堂のすじコンをこよなく愛するこの私。こんな潔癖症な人、絶対無理無理ムリ……。
「ごめんなさい、そういうことで今夜限りにさせていただきますわ」
シーン。
どうでもいいけど広い室内に私たちだけ。
給仕がずらっと並んでまるで宮殿で食事してるみたい。
会話まる聞こえだろうな、恥ずかしい……。
「……それは、僕がお嫌いということですか」
彼はやっと口を開いた。
相当ダメージだったのか。
ああ、くっきりした綺麗な目元……。
ダメ、罪悪感を感じてしまうわ。
「え、いや、そういうわけでは。その、趣向の違いと申しますか」
はっきりしろ、私!
ステキな人だけど、のちのちボロが出て傷つくのは私だ。
岡路、力を貸してーーー!
スー。お腹に力を入れてーー。
「あなたに恥をかかせたくありませんから。私、設計士なんて肩書き持ってますが、実際は雑用、苦情処理、肉体労働……何でもありですのよ。とてもあなた様に釣り合うような女じゃございませんわ。おほほ」
ところでさっきから私口調が変だわ。まるでどこぞのセレブなご夫人みたいじゃございませんこと?
この人に合わせてなのかしら?
服装をきちんとすると中身も変わるって岡路が言ってたけど、勝手に体が演じてるようだわ。
「……それは、以前お伺いした時に感じましたが。特に問題ないと思いますが。何がいけないのですか」
ええっ。調子狂うわね、この人。だからー。酒が回るととんでもない女に変身するのよ。オヤジがオオカミにへんしーん。私は自覚ないんだけど。
こんな品のいい人に修羅の国劇場なんて想像もできないだろうな。絶対見せられんとよ。
「そういうところ全部含めてあなたはとても魅力的ですよ。少なくとも僕には」
……それはただ物珍しいだけでは。
私なんて返せばいいの。
「結婚に興味ないとおっしゃいましたね?」
「え? ええ……」
トーンダウンする私。おいこら最初の勢いはどこへ行った!
彼は落ち着き払って続ける。
ごめん、岡路、私、やっぱ無理だわ。
あんたと違って特に彼氏が欲しいわけでもなく。
コンビニジャンクフードカモーン、町食堂のすじコンをこよなく愛するこの私。こんな潔癖症な人、絶対無理無理ムリ……。
「ごめんなさい、そういうことで今夜限りにさせていただきますわ」
シーン。
どうでもいいけど広い室内に私たちだけ。
給仕がずらっと並んでまるで宮殿で食事してるみたい。
会話まる聞こえだろうな、恥ずかしい……。
「……それは、僕がお嫌いということですか」
彼はやっと口を開いた。
相当ダメージだったのか。
ああ、くっきりした綺麗な目元……。
ダメ、罪悪感を感じてしまうわ。
「え、いや、そういうわけでは。その、趣向の違いと申しますか」
はっきりしろ、私!
ステキな人だけど、のちのちボロが出て傷つくのは私だ。
岡路、力を貸してーーー!
スー。お腹に力を入れてーー。
「あなたに恥をかかせたくありませんから。私、設計士なんて肩書き持ってますが、実際は雑用、苦情処理、肉体労働……何でもありですのよ。とてもあなた様に釣り合うような女じゃございませんわ。おほほ」
ところでさっきから私口調が変だわ。まるでどこぞのセレブなご夫人みたいじゃございませんこと?
この人に合わせてなのかしら?
服装をきちんとすると中身も変わるって岡路が言ってたけど、勝手に体が演じてるようだわ。
「……それは、以前お伺いした時に感じましたが。特に問題ないと思いますが。何がいけないのですか」
ええっ。調子狂うわね、この人。だからー。酒が回るととんでもない女に変身するのよ。オヤジがオオカミにへんしーん。私は自覚ないんだけど。
こんな品のいい人に修羅の国劇場なんて想像もできないだろうな。絶対見せられんとよ。
「そういうところ全部含めてあなたはとても魅力的ですよ。少なくとも僕には」
……それはただ物珍しいだけでは。
私なんて返せばいいの。
「結婚に興味ないとおっしゃいましたね?」
「え? ええ……」
トーンダウンする私。おいこら最初の勢いはどこへ行った!
彼は落ち着き払って続ける。
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