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第8話 闇の獣人、ゴーレムの修理職人に依頼してアビリティ研鑽をする
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朝になってリアーナが目覚め、これからどうするのかいいかを話し合うことになった。
だがリアーナは俺に付いていくといって聞かない。彼女を鑑定してみたんだが、ハイオークの10体くらいなら斬ることができるが、そこまでだった。
いや人間ならそこまで戦える能力のある騎士はそうはいない。
だから彼女も決して弱くはないのだが…それでも足手まといである事は否めない。
何より、俺が彼女を死なせてしまう可能性がわずかでもあるのが一番イヤだった。
仕方ないのでヴァンパイアロードの泥眠(でいみん)の魔眼を彼女が食事を終えて、こちらに背を向けている間に使わせてもらった。
このアビリティ、文字通り泥のように眠り続けるという強力な睡眠型のアビリティだ。
当然ながら対象者はよほどの者でない限りは抵抗することさえできずに眠り続けることになる。
後はどこの階層で入手したのか忘れたが、宝箱の中に入っていた「眠り姫の棺」を使ってみることにする。
最初は掌に収まるほどの大きさの棺だが、大きくなれと念じると、たちまち大きな棺になって2メートルくらいの大きさの生物ならスッポリ入れるほどの大きさになる。
どうも時空魔法がかけられているようで、この中で眠る者は年をとることがない。このアイテムの名にもなっているように、眠り姫ごっこもできてしまうのだ。不治の病にかかって特効薬が開発されていない者が使うにはいいのかもしれない。
俺はこの棺の中に眠った彼女を横たえて蓋を締める。後は闇の中の空間に収納して、一度地上に戻る。
壊れたアイテムとなると商業ギルドだ。朝早くても商人の数はそこそこいる。
並んで少し待っていると窓口が開いたので、早速壊れたゴーレムを直すのにいい店はないかと相談したら受付のオバサンが地図に住所が書かれた書類を一枚出してくれた。
「この店がゴーレム修理なら一番いいですよ。ドワーフの例に漏れず頑固な老人ですけどね。ごねたらフェリッカ
の拳が落ちるよ、と言えば素直に、しかも格安で引き受けてくださいますので」
「ありがとうございます。あの、フェリッカさんというのは…」
「もちろんワタシです♪」
俺は笑みを浮かべながらニコニコと笑っている彼女に何度も頭を下げて退出した。一応微笑のつもりだったが、どこか引きつっていた笑みだったのは自分でもわかった…。
案内された店は中央区から北北東の方角にある区画の一軒だった。
茶色の屋根にしっかりとした作り。質実剛健という言葉をそのまま表したような作りの店だが、外装がうす汚れているのが玉に瑕だろうか。
しかしドアに近づいてみてわかったのだが、どうにも圧迫感というか近寄りがたい印象を受ける。
とはいえ危険感知のアビリティは反応していないし、気配探知で調べてみても一人しかいない。
念の為に透視のアビリティを使ってみると、ムッツリと不機嫌そうなドワーフの男が酒を呑んでいる。
ドワーフといえば酒と鍛冶。だが大好きな酒を呑んでいる割には少しも嬉しそうな感じはしない。
このままドアの前で立っていても仕方ないので、俺はゆっくりとドアを開けて入ってみることにした。
「誰じゃい!」
ギロリ、という擬音がしそうなほどすさまじい目で振り返りるドワーフの男。
「はじめまして。俺はラフィアスといいます。ここにゴーレム修理のプロがいると商業ギルドのフェリッカさんから聞いてきたんですが…」
ごねたら彼女の名前を言え、と当人から言われたので、この不機嫌さなら時間の問題でこうなるとわかっていたので、あらかじめ彼女の名前を出してみたが、効果は覿面だったようだ。
「フェリッカか…あいつ、商業ギルドでうまくやっているようだな。わかった。話を聞こうか。儂はガレムという。で、修理してもらいたいものってのは?」
「実は知り合いの乗馬型ゴーレムがダンジョン内で破壊されたらしくて。今から出しますね」
と、言いながら闇の中の空間からゴーレムを出してみる。確か名前はジュナーだったか?
思わず目を丸くするドワーフのガレム。木馬によく似ているジュナーの周囲を何度もうろついて、フムフムとかホウホウ、とか言いながら懐から出した眼鏡を装備して頭部や足などを掴んでは持ち上げたりしている。
10分ほどしてからガレムは眼鏡を外してため息をついた。
「こりゃあ修理するのに時間がかかるぞ? 幸いゴーレムの核は無事だが、儂ら生物でいう所の神経にあたる部分が壊れてしまっとる。それに手足の部分もかなりイカれておるわい」
「つまり…最初からこの馬型ゴーレムの体を作り直した方がいいと?」
「まぁそういう事じゃな。そっちの方が早くて効率がいいわい。それに作り直すんじゃなくて馬型ゴーレムなら何体か在庫があるからの。そっちの方に動力の核を移し替えた方が安くつくしな。本音を言わせてもらえば、もうこの体はボロボロで修理しても時間の問題でガタが来て、半年もすれば動けなくなるぞ」
「それなら新しいボディに動力核を移し替える方でお願いします」
「うむ。それなら動力核の調査で3日。新しい体に移植するのでまる一日かかるから4日ほどかかるぞ?」
どうしてゴーレムの動力核で3日もかかるのかは俺にもわかる。核は言ってしまえば俺達獣人や人間の脳にあたるのだから。
起動して今までと問題なく行動できるか、主人の命令をちゃんと聞いて守れるかといった事が問題なくできるのかといった事を調べるために動力核を拡大鏡で調べて傷がついていないか調べないといけない。それにはかなりの時間がかかる。ましてやジュナーのような優れたゴーレムなら3日でも短い方だろう。
「俺の方も忙しくなりますから、一週間後というのはどうでしょう? そのゴーレムの持ち主だった知り合いが今は寝込んでいましてね。直ったのを見たらまた無理しかねないので、彼女が治るまで預かっていてほしいので、一週間後に引き取りにくるというのはどうでしょう?」
「それで構わんわい。ところでお前さん美味しい酒とか持っているかね? 最近の酒はどうもいいものが出回っておらんでなあ。あったとしても店一軒買い取れるほどの値段じゃし…仕方ないからこんな安酒飲んで腐っているありさまじゃ…!」
と、言いながらダン、とテーブルを叩く。彼にとっては軽く叩いたつもりだったのだが、それでも酒瓶とビアジョッキが地震でも起きたかのように大きく揺れている。
…ん? 待てよ? そういえばどのドラゴンだったか忘れたが、確か宝箱の中から酒が何度か出てきたような?
そうだ。確かにあった。慌てて闇の中の空間から二本ほど酒瓶を出してみる。
「そういえばダンジョン内でこれを見つけたんですが、報酬はこの酒でどうでしょう?」
「これは…! 噂に聞くドラゴンブレスじゃねぇか!」
確かにドラゴンが炎の息を吐いている絵がラベルに描かれている。渡された酒瓶をマジマジと見ると、今度は俺と酒瓶を交互に視線を巡らせる。
「大丈夫です。盗品じゃないですし、誰かを脅して渡すように誘導したわけでもありませんから。ただちょっと手強いモンスターを倒したついでに手にいれただけですので。でも誰から手に入れたのかはガレムさんからは漏らさないようにしてくださいね。でないと面倒な事になって困りますんで」
「わ、わかった。それじゃこれで商談成立ってことでいいな?」
「はい。俺は酒は飲まないのでよく価値がわからないんですがドラゴンブレス二本だけでいいんですか?」
「馬鹿言うんじゃねぇ! ドラゴンブレスといったら幻の酒と言われてこの40年間、まともに市場に出回ったことがない逸品なんだぞ? それを二本もくれたんだからな。ゴーレムの核を調べて新しいボディに移植する仕事の報酬としては十分すぎるわい!」
もう返さないぞ? 絶対に返さないからな! と二本の酒瓶をしっかりと抱きしめているガレム。そんな必死の表情をしなくてもいいのに。返せなんて言わないってば。
俺は国家特別総合調査局員の名刺をガレムの近くにあるテーブルに渡すと、そのまま微笑を浮かべながら店のドアを開けて外に出た。何か唸るような仰天したような声が聞こえたが気のせいだろう。
外に出ると今度は錬金術師や薬師専用の店に移動する。幸いなことにここからそれほど離れていない。
そこの店で俺はポーションの空き瓶を大量に買った。もちろんヒビの入っていない良質な瓶ばかりだ。
もっとも俺は何度も買い物に来ているので、店主も俺の顔を見るなりお得意さんだと理解して、倉庫にあった大量の空き瓶を売ってくれた。その数520本。全部買い占めさせてもらった。
後は人のいない場所で地下に店がある所を探す。そして階段を下りている最中に闇を展開して特殊なアビリティ持ち以外は見れないほどの濃い闇を出して、ダンジョンの中に転移する。
さて、ドラゴンの遺体を6体も同時に解体依頼を出したのだから、局長が言うように国が出てくるのは必至だろうな。
例え一個軍団を相手にしても負ける気はないが、こちらのアイテムや魔力・体力・精力だけで大多数と戦うのはちょっと心許ない。
そこで俺が今までモンスター達から吸収したアビリティを一度じっくりと調べてみることにする。
とはいえ、3日では把握しきれないから、戦闘で役に立つもの限定にしてみる。こうやっていらないアビリティとか排除しておくと、以前から気になるアビリティが目に入った。
それが連射のスキルだ。このスキル、「竜王の叡智」で鑑定してみると、飛び道具だけでなく魔法も連射できるのだという。そればかりでない。再度鑑定してみると射精した時の精液の回数や量も増えるのだという。
正直言って今までは闇の魔法や暗殺者としての技量や訓練などで生き延びてきた。
その中には魔力切れになるまで魔法を使い続けて、魔力の限界量を増やすという荒業も含まれていた。
だがモンスターからアビリティを吸収してからは、このままではアビリティを活かせないと気づいた。
そろそろ俺も魔力・体力を伸ばす時期だろう。でないと地下101階層の攻略もできないし、王家の連中を相手にするのにパワーアップしていないと苦戦する。最悪の場合、死ぬだろうな。
俺は地下100階に設置されているテントの近くで連射のアビリティをアクティブに切り替えて、射精回数を増やすことにした。もちろんアンネから作ってもらったリングは外してある。
これなら超・回復ですぐに精液が陰嚢内部に充満して何度でも射精できるし、精液ポーションも大量に作れる。
早速闇の力を吸収して、肉棒の亀頭部をポーション瓶の中に差し込む。
すぐに精子と精液が大量に生産され、すでに生産されていた精子と精液は射精という形で陰嚢内から締め出されていく。アビリティのお陰か、闇の力を吸収したら3回連続で射精なのが4回連続になっていた。
大量の精液が空のポーション瓶に注ぎ込まれていく。射精が終わるとまた闇の力を大量に吸い込んでいく。
また快感が起きて射精してポーション瓶の中の空間を埋め尽くしていく。
そうして俺は射精回数が増えていくことに喜びを覚えながらも、ポーション瓶から精液が溢れ出ないように注意して、別の空き瓶に切り替えることを忘れなかった。
この射精回数、連射のアビリティでどこまで増えるのかと思っていたら、レベル10まで上がると、最大で13回連続射精ができるようになった。
おかげで空のポーション瓶の半分以上が俺の精液で埋め尽くされた。
もちろんアビリティを操作して何回まで、と設定することもできる。
こうしてその日の夜中近くまでかかったが、連射のアビリティを最高レベルの10まで上げることができた。
ついでに俺の精液ポーションも大量に作成できた。…うん、アンネ以外に買取できないよな、これ。
在庫がどんなに沢山あってもなー。精液じゃよほどコアな客層の人じゃないと買ってくれないし…。
下手すると俺本人が狙われかねないからな。それもこれも超・回復のおかげです。これを先に10レベルまで上げておいてよかったよ、ほんとに。
お陰で連続して射精しまくっても、一分ほどで陰嚢内部に精子と精液が充満していくんだからな。
調子に乗ってあっという間に300本ほど精液ポーションを作成しちゃいましたよ、ハハハ…。
ほんと俺、何やっているんだろーな。ま、連射のアビリティがマックスまでいったし。ポーション瓶が大量に作れて儲けになる。空き瓶買った時の値段よりもはるかに多い収入が期待できるんだからいいんだけど…。
どうして俺ってこうも快楽に弱いんだろう…。精神的に疲れてきたので、テントの中に入って寝ることにする。
寝る時は全裸だがさすがにダンジョンの地下100階でそのままではまずいので、防寒や熱中症、疫病の感染を防ぐ効果のある竜王のマントを装備して寝た。
明日は魔力の底上げをしないと…。そう思いながら目を瞑るとすぐに俺は眠りの世界へと旅立っていった。
だがリアーナは俺に付いていくといって聞かない。彼女を鑑定してみたんだが、ハイオークの10体くらいなら斬ることができるが、そこまでだった。
いや人間ならそこまで戦える能力のある騎士はそうはいない。
だから彼女も決して弱くはないのだが…それでも足手まといである事は否めない。
何より、俺が彼女を死なせてしまう可能性がわずかでもあるのが一番イヤだった。
仕方ないのでヴァンパイアロードの泥眠(でいみん)の魔眼を彼女が食事を終えて、こちらに背を向けている間に使わせてもらった。
このアビリティ、文字通り泥のように眠り続けるという強力な睡眠型のアビリティだ。
当然ながら対象者はよほどの者でない限りは抵抗することさえできずに眠り続けることになる。
後はどこの階層で入手したのか忘れたが、宝箱の中に入っていた「眠り姫の棺」を使ってみることにする。
最初は掌に収まるほどの大きさの棺だが、大きくなれと念じると、たちまち大きな棺になって2メートルくらいの大きさの生物ならスッポリ入れるほどの大きさになる。
どうも時空魔法がかけられているようで、この中で眠る者は年をとることがない。このアイテムの名にもなっているように、眠り姫ごっこもできてしまうのだ。不治の病にかかって特効薬が開発されていない者が使うにはいいのかもしれない。
俺はこの棺の中に眠った彼女を横たえて蓋を締める。後は闇の中の空間に収納して、一度地上に戻る。
壊れたアイテムとなると商業ギルドだ。朝早くても商人の数はそこそこいる。
並んで少し待っていると窓口が開いたので、早速壊れたゴーレムを直すのにいい店はないかと相談したら受付のオバサンが地図に住所が書かれた書類を一枚出してくれた。
「この店がゴーレム修理なら一番いいですよ。ドワーフの例に漏れず頑固な老人ですけどね。ごねたらフェリッカ
の拳が落ちるよ、と言えば素直に、しかも格安で引き受けてくださいますので」
「ありがとうございます。あの、フェリッカさんというのは…」
「もちろんワタシです♪」
俺は笑みを浮かべながらニコニコと笑っている彼女に何度も頭を下げて退出した。一応微笑のつもりだったが、どこか引きつっていた笑みだったのは自分でもわかった…。
案内された店は中央区から北北東の方角にある区画の一軒だった。
茶色の屋根にしっかりとした作り。質実剛健という言葉をそのまま表したような作りの店だが、外装がうす汚れているのが玉に瑕だろうか。
しかしドアに近づいてみてわかったのだが、どうにも圧迫感というか近寄りがたい印象を受ける。
とはいえ危険感知のアビリティは反応していないし、気配探知で調べてみても一人しかいない。
念の為に透視のアビリティを使ってみると、ムッツリと不機嫌そうなドワーフの男が酒を呑んでいる。
ドワーフといえば酒と鍛冶。だが大好きな酒を呑んでいる割には少しも嬉しそうな感じはしない。
このままドアの前で立っていても仕方ないので、俺はゆっくりとドアを開けて入ってみることにした。
「誰じゃい!」
ギロリ、という擬音がしそうなほどすさまじい目で振り返りるドワーフの男。
「はじめまして。俺はラフィアスといいます。ここにゴーレム修理のプロがいると商業ギルドのフェリッカさんから聞いてきたんですが…」
ごねたら彼女の名前を言え、と当人から言われたので、この不機嫌さなら時間の問題でこうなるとわかっていたので、あらかじめ彼女の名前を出してみたが、効果は覿面だったようだ。
「フェリッカか…あいつ、商業ギルドでうまくやっているようだな。わかった。話を聞こうか。儂はガレムという。で、修理してもらいたいものってのは?」
「実は知り合いの乗馬型ゴーレムがダンジョン内で破壊されたらしくて。今から出しますね」
と、言いながら闇の中の空間からゴーレムを出してみる。確か名前はジュナーだったか?
思わず目を丸くするドワーフのガレム。木馬によく似ているジュナーの周囲を何度もうろついて、フムフムとかホウホウ、とか言いながら懐から出した眼鏡を装備して頭部や足などを掴んでは持ち上げたりしている。
10分ほどしてからガレムは眼鏡を外してため息をついた。
「こりゃあ修理するのに時間がかかるぞ? 幸いゴーレムの核は無事だが、儂ら生物でいう所の神経にあたる部分が壊れてしまっとる。それに手足の部分もかなりイカれておるわい」
「つまり…最初からこの馬型ゴーレムの体を作り直した方がいいと?」
「まぁそういう事じゃな。そっちの方が早くて効率がいいわい。それに作り直すんじゃなくて馬型ゴーレムなら何体か在庫があるからの。そっちの方に動力の核を移し替えた方が安くつくしな。本音を言わせてもらえば、もうこの体はボロボロで修理しても時間の問題でガタが来て、半年もすれば動けなくなるぞ」
「それなら新しいボディに動力核を移し替える方でお願いします」
「うむ。それなら動力核の調査で3日。新しい体に移植するのでまる一日かかるから4日ほどかかるぞ?」
どうしてゴーレムの動力核で3日もかかるのかは俺にもわかる。核は言ってしまえば俺達獣人や人間の脳にあたるのだから。
起動して今までと問題なく行動できるか、主人の命令をちゃんと聞いて守れるかといった事が問題なくできるのかといった事を調べるために動力核を拡大鏡で調べて傷がついていないか調べないといけない。それにはかなりの時間がかかる。ましてやジュナーのような優れたゴーレムなら3日でも短い方だろう。
「俺の方も忙しくなりますから、一週間後というのはどうでしょう? そのゴーレムの持ち主だった知り合いが今は寝込んでいましてね。直ったのを見たらまた無理しかねないので、彼女が治るまで預かっていてほしいので、一週間後に引き取りにくるというのはどうでしょう?」
「それで構わんわい。ところでお前さん美味しい酒とか持っているかね? 最近の酒はどうもいいものが出回っておらんでなあ。あったとしても店一軒買い取れるほどの値段じゃし…仕方ないからこんな安酒飲んで腐っているありさまじゃ…!」
と、言いながらダン、とテーブルを叩く。彼にとっては軽く叩いたつもりだったのだが、それでも酒瓶とビアジョッキが地震でも起きたかのように大きく揺れている。
…ん? 待てよ? そういえばどのドラゴンだったか忘れたが、確か宝箱の中から酒が何度か出てきたような?
そうだ。確かにあった。慌てて闇の中の空間から二本ほど酒瓶を出してみる。
「そういえばダンジョン内でこれを見つけたんですが、報酬はこの酒でどうでしょう?」
「これは…! 噂に聞くドラゴンブレスじゃねぇか!」
確かにドラゴンが炎の息を吐いている絵がラベルに描かれている。渡された酒瓶をマジマジと見ると、今度は俺と酒瓶を交互に視線を巡らせる。
「大丈夫です。盗品じゃないですし、誰かを脅して渡すように誘導したわけでもありませんから。ただちょっと手強いモンスターを倒したついでに手にいれただけですので。でも誰から手に入れたのかはガレムさんからは漏らさないようにしてくださいね。でないと面倒な事になって困りますんで」
「わ、わかった。それじゃこれで商談成立ってことでいいな?」
「はい。俺は酒は飲まないのでよく価値がわからないんですがドラゴンブレス二本だけでいいんですか?」
「馬鹿言うんじゃねぇ! ドラゴンブレスといったら幻の酒と言われてこの40年間、まともに市場に出回ったことがない逸品なんだぞ? それを二本もくれたんだからな。ゴーレムの核を調べて新しいボディに移植する仕事の報酬としては十分すぎるわい!」
もう返さないぞ? 絶対に返さないからな! と二本の酒瓶をしっかりと抱きしめているガレム。そんな必死の表情をしなくてもいいのに。返せなんて言わないってば。
俺は国家特別総合調査局員の名刺をガレムの近くにあるテーブルに渡すと、そのまま微笑を浮かべながら店のドアを開けて外に出た。何か唸るような仰天したような声が聞こえたが気のせいだろう。
外に出ると今度は錬金術師や薬師専用の店に移動する。幸いなことにここからそれほど離れていない。
そこの店で俺はポーションの空き瓶を大量に買った。もちろんヒビの入っていない良質な瓶ばかりだ。
もっとも俺は何度も買い物に来ているので、店主も俺の顔を見るなりお得意さんだと理解して、倉庫にあった大量の空き瓶を売ってくれた。その数520本。全部買い占めさせてもらった。
後は人のいない場所で地下に店がある所を探す。そして階段を下りている最中に闇を展開して特殊なアビリティ持ち以外は見れないほどの濃い闇を出して、ダンジョンの中に転移する。
さて、ドラゴンの遺体を6体も同時に解体依頼を出したのだから、局長が言うように国が出てくるのは必至だろうな。
例え一個軍団を相手にしても負ける気はないが、こちらのアイテムや魔力・体力・精力だけで大多数と戦うのはちょっと心許ない。
そこで俺が今までモンスター達から吸収したアビリティを一度じっくりと調べてみることにする。
とはいえ、3日では把握しきれないから、戦闘で役に立つもの限定にしてみる。こうやっていらないアビリティとか排除しておくと、以前から気になるアビリティが目に入った。
それが連射のスキルだ。このスキル、「竜王の叡智」で鑑定してみると、飛び道具だけでなく魔法も連射できるのだという。そればかりでない。再度鑑定してみると射精した時の精液の回数や量も増えるのだという。
正直言って今までは闇の魔法や暗殺者としての技量や訓練などで生き延びてきた。
その中には魔力切れになるまで魔法を使い続けて、魔力の限界量を増やすという荒業も含まれていた。
だがモンスターからアビリティを吸収してからは、このままではアビリティを活かせないと気づいた。
そろそろ俺も魔力・体力を伸ばす時期だろう。でないと地下101階層の攻略もできないし、王家の連中を相手にするのにパワーアップしていないと苦戦する。最悪の場合、死ぬだろうな。
俺は地下100階に設置されているテントの近くで連射のアビリティをアクティブに切り替えて、射精回数を増やすことにした。もちろんアンネから作ってもらったリングは外してある。
これなら超・回復ですぐに精液が陰嚢内部に充満して何度でも射精できるし、精液ポーションも大量に作れる。
早速闇の力を吸収して、肉棒の亀頭部をポーション瓶の中に差し込む。
すぐに精子と精液が大量に生産され、すでに生産されていた精子と精液は射精という形で陰嚢内から締め出されていく。アビリティのお陰か、闇の力を吸収したら3回連続で射精なのが4回連続になっていた。
大量の精液が空のポーション瓶に注ぎ込まれていく。射精が終わるとまた闇の力を大量に吸い込んでいく。
また快感が起きて射精してポーション瓶の中の空間を埋め尽くしていく。
そうして俺は射精回数が増えていくことに喜びを覚えながらも、ポーション瓶から精液が溢れ出ないように注意して、別の空き瓶に切り替えることを忘れなかった。
この射精回数、連射のアビリティでどこまで増えるのかと思っていたら、レベル10まで上がると、最大で13回連続射精ができるようになった。
おかげで空のポーション瓶の半分以上が俺の精液で埋め尽くされた。
もちろんアビリティを操作して何回まで、と設定することもできる。
こうしてその日の夜中近くまでかかったが、連射のアビリティを最高レベルの10まで上げることができた。
ついでに俺の精液ポーションも大量に作成できた。…うん、アンネ以外に買取できないよな、これ。
在庫がどんなに沢山あってもなー。精液じゃよほどコアな客層の人じゃないと買ってくれないし…。
下手すると俺本人が狙われかねないからな。それもこれも超・回復のおかげです。これを先に10レベルまで上げておいてよかったよ、ほんとに。
お陰で連続して射精しまくっても、一分ほどで陰嚢内部に精子と精液が充満していくんだからな。
調子に乗ってあっという間に300本ほど精液ポーションを作成しちゃいましたよ、ハハハ…。
ほんと俺、何やっているんだろーな。ま、連射のアビリティがマックスまでいったし。ポーション瓶が大量に作れて儲けになる。空き瓶買った時の値段よりもはるかに多い収入が期待できるんだからいいんだけど…。
どうして俺ってこうも快楽に弱いんだろう…。精神的に疲れてきたので、テントの中に入って寝ることにする。
寝る時は全裸だがさすがにダンジョンの地下100階でそのままではまずいので、防寒や熱中症、疫病の感染を防ぐ効果のある竜王のマントを装備して寝た。
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なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
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