10 / 386
第9話 闇の獣人、LPとMPの底上げに挑戦する
しおりを挟む
朝になった。これはドロップ品のマジックアイテムの腕時計とか見なくてもわかる。
獣人の本能とでもいうのだろうか。何となくだが、今何時くらいというのがわかるのだ。
特に俺はいろんな訓練を受けている。さすがに何時何分何秒というのはわからないけどな。
さて、今度は魔力の容量だ。略してMP(マジックポイントの略称)
ステータス・ボードで調べてみると、俺の魔力は14750だ。
結構多いと思っているが、地下101階層を調査するにはまだ少ないと思った方がいい。
逆にLP(ライフポイントの略称)は24800になっている。確か昨日調べた時は22000だったような…。
これ、どうも射精しまくったのが影響しているらしい。以前精液ポーションを最初に大量作成した時も大幅にLPが増えたから関係あるんだろうな。
他にモンスターのアビリティを吸収したり、アビリティのレベルをマックスまで上げると伸びるらしい。
詳しいことは俺にもよくわからないが、大体そんなものだと思ってくれて構わない。
そこで今日はMPを上げようと思う。余裕があればLPもな。
…と、思ったんだが、俺の修行は三日で終わる。というか王家の連中が招待状を送るのに三日ほどかかると局長に言われたので、それまでにできる事はしておきたいのだ。
だからどうせならMPだけじゃなくてLPも一緒に上げたいのだが…。
そうなると、もう方法は決まっている。暗殺者ギルドでさんざんやらされたあの、方法だ。
つまりひたすらMPを使うのだ。そして魔力切れになると魔力の容量が増える。
今回は自分の体を傷つけて魔法で癒す方法をとってみることにする。
…え? 回復魔法なんて使えないだろって? いやだなあ。それはキングドラゴンを倒す前の事だって。
今の俺には竜王の息吹がある。このアビリティのレベルも上げる為にも(鑑定してみたら全てのアビリティにレベルがあったとわかった)、魔法容量を上げる為にも俺自身の体を攻撃するのは必至なのだ。
というわけで、早速サンダー系の魔法で俺自身を撃ってみることにした。
もちろん連射のアビリティはアクティブにしてある。つまりサンダーアロー(雷の矢)といった基本的な攻撃魔法でも、一度に10本まで連射できるのだ。
これで俺自身を撃つ。→傷を負って魔力を消耗する。→竜王の息吹を使って傷を癒す。MP切れになったらポーション飲んで回復する。
うん、完璧だ。早速俺はサンダーアローを自分自身に向けて撃ってみた。
確かに痛い。痛いが思っていたほどじゃないな、と思ったら竜王の闘衣のアビリティをもっていたことを忘れていた。これってパッシブ系で削除とか機能をオフにできないんだよなー。
仕方ないので、今度はサンダーボールを10連射して俺の頭上から落ちるようにしてみた。
もちろんテントからは、かなり離れた場所でやっている。
上空から降ってきたサンダーボールは俺に直撃して大爆発を起こす。そりゃ10連射したらこれだけの規模の爆発になるよな。
さすがに痛い。体がビリビリしてまともに動けない…。
すぐに竜王の息吹を使用する。このアビリティ、息吹という名前がついているが、実際には息なんて吹きかけなくてもいいのだ。ただ念じればそれで作動する。さすがキングドラゴンのアビリティだな。
おかげで体の痺れがとれて動けるようになった。
今度はヴァンパイアロードの破壊の魔爪(はかいのまそう)を使って両腕を傷つけてみた。
これも魔法によるものなのか、俺がさまざまなアビリティを吸収しているせいか、あまり痛くない。
それでも傷は負っているので竜王の息吹を使って回復。
さらに今度は同じヴァンパイアロードの「淫獣の魔眼」を俺自身にかけてみた。
するとたちまち俺のムスコが勃起しはじめた。慌ててズボンと下着を脱ぐと同時に、ムスコから13回連続で射精しまくってしまった。
しかも超・回復だと一分間はかかるのに、30秒ほどでまた連続射精してしまった。
どうもこの魔眼、精力回復にある程度効力があるらしい。
だが俺は魔眼を解除した。これだとLPは上がってもMPがうまく上がらない。
やはり俺自身を攻撃するしかないのだろうか。考えてみたが他にいい方法が浮かばない。
今度はウインドブレードを10連発して俺自身にぶつけてみた。たちまち不可視の風の刃が
俺自身を切り刻んでいく。これも思っていたほど痛くないな。恐るべし、竜王の闘衣。
後は炎系だが…あれを使うと俺の体毛が全部焼き尽くされてしまう。
つまり獣人としてはかなりみっともない事態になるので、使用はしないでおくことにする。
これでも俺自身、自分の体毛は気に入っているのだ。それが焼けてなくなってしまうなんて耐えられない。
それに竜王の息吹も万能じゃないのだ。まして頭部の毛が全部燃えてなくなったら、ハゲどころじゃない。
本当にみっともない姿になるので、炎、毒、氷などは毛根が死んでなくなる可能性があるので却下だ。
いや、待てよ? 確か射精してさえいればLPは少しずつ上がるんだから…いやしかし、それだとMPが上がらなくなるし…。
考えてもいい案が出ないので、俺は一先ずMP優先で上げることにした。
やり方は簡単。遠くに向かってひたすらサンダーボールや他の攻撃魔法を連射するだけだ。
何しろ10連射だからMPが減るのも早い。30回近く繰り返していると、MP切れになった。
久しぶりに味わうこの脱力感。特に頭がフラフラするのが一番厄介だ。
慌てて俺は携えていたMP回復ポーションを飲んでみる。
すると半分近く回復した。結構良質のポーションを買ったのだが、それでも完全回復じゃなかったか。
まあいい。今までの分やダンジョン内で手に入れた分。さらにアンネの店で買った分を入れると、200本を超えるのだから、この際半分は消費するつもりでひたすら攻撃魔法を連射しまくる。
他にもゴーレムを大量に作るということもした。これも連射に負けず劣らずMPを大量に消費する。
あとゴーレムを作ってわかったのだが、やはり魔力を多めに注いだ方が頑丈で機動力に優れたゴーレムができあがるのだ。
他に炎系、水系、毒系と連続して俺の使用できる範囲では最大の魔法を使ったせいか、地下100階層がかなり変な状態になった。
あっちには燃え盛る炎。あっちは巨大な池。あっちは毒の沼といった感じだ。
攻撃系だけでは味気ないので、今度は風系で俺が使える最大の魔法、ジャイアント・トルネードを使ってみた。
文字通り巨大な竜巻で、よほどの大型のドラゴンでない限り竜種でも平気で呑み込んで空高く舞い上げる。
しかも魔法による産物だから、この竜巻に飲み込まれたら無数のカマイタチによって切り刻まれることになる。
今度はそれを解呪(ディスペルマジック)で消し去る。これもMPの消費量が半端じゃない。
そうこうしている内に何度目かのMP切れが起きてきた。
またMP回復ポーションを飲んで回復させる。
とりあえず一度休憩することにして、俺は闇の中の空間から水の入った水筒を取り出して飲んでいく。
休憩の傍ら、またステータス・ボードを出現させてアビリティをチェックしていく。
すると念動というアビリティがあるのを見つけた。
どこで吸収したんだっけ? ああ、確かリッチ系のモンスターが使っていたような…。
これを鑑定してみると、岩や物を浮かべたりして対象にぶつけることが可能だという。
だけど俺にはアビリティを吸いまくって体が頑丈になっているし、そこらの岩程度では大したダメージにはならないだろう。
そこで思いついた。なら魔力の込められた武器を使えばいいんだ。
早速闇の中の空間から魔力の込められた武器を取り出してみる。
やっぱりいろんな強力なモンスターを狩りまくったせいか、一山できるほどの武具が出てきた。
中には斬ったりした相手に呪いの効果をもたらす物騒な武器やアイテム破壊の効果がある武器も存在したので、そういうのは闇の中の空間に戻しておく。
あとは念動のアビリティをアクティブにして、俺自身に魔法の武器で斬らせたり、刺すようにしてみる。
これも竜王の闘衣のせいであまり痛くはなかったが、体中に傷を負うことができた。
すぐに竜王の息吹で治療する。体中に追った傷が消えていく。
だがこれはあまり使えない方法だということがわかった。確かに多くの武器を操るのにMPを大量に消耗するのだが、武器に血が付いてしまって、掃除が大変だということだ。
うん? 待てよ? 掃除…?
掃除といったら浄化魔法。浄化魔法といったらクリーンだ。上級魔法にピュリファイとかあるが俺には使えないしな。
そこで俺は服を全部脱いで闇の力を吸収することにした。
するとすぐにだらりと垂れ下がっていたムスコがみるみるうちに勃起しはじめた。当然のことながらリングは外している。
そして連射のアビリティをアクティブにしているのもあって、盛大に13回の連続射精をした。
精液が俺の顔や体に降りかかる。これを待っていたんだよ!
俺は自分自身にクリーンアップを5回ほどかけて精液を浄化してきれいにする。
これならLPもMPも消耗するから底上げにはいいだろう。俺自身も気持ちよくなるしな。
そうと決まったら、取り出していた種種雑多な魔力の込められた武器を闇の中の空間に収納して、俺はひたすら闇の力を吸収して連続射精する。
俺自身が精液でベトベトになったら、浄化魔法を何度も使って綺麗にする。
これを28回ほど繰り返すと、MPが切れた状態に…あれ? なっていない?
ステータス・ボードを見てみたが、MPが思っていたほど減っていないのだ。
おかしい。俺は行動する度にステータス・ボードを見てみることにした。
まず俺の得意中の得意な闇の力を吸収する魔法。これで精子と精液を大量生産させて射精を促すのだ。
すると俺のMPが回復したことに気が付いた。ステータス・ボードがMPが満タンになったことを示している。
あれ? 闇の力の吸収ってMPも回復する効果あるの? てっきりLPだけだと思っていたんだが…。
すると…MP回復ポーションを飲んだ意味って…うわあぁ…やっちまった…
最初から闇の力を吸収しておけばMP回復ポーションなんて必要なかったのだ。
すでに何本も使用してしまった俺は激しい後悔と罪悪感に見舞われた。
ちなみに淫獣の魔眼を使った後は闇の力を吸収したのと同じように連続射精になるが、これで竜王の息吹をかけると、一分間や30秒待たずに、息吹をかけ終わった瞬間に連続射精できることがわかった。
つまり淫獣の魔眼を起動して俺自身にかける。次に連射のアビリティをアクティブに設定しておけば、後は勝手に連続射精モードになるようだった。
竜王の息吹をかければ、即座に連続射精モードになる。MP消耗するのでそれは闇の力を吸収すればMP回復になる。もちろん完全にMPが回復するわけじゃないのだが。まぁ一回で回復しなければ連続してやればいいだけだから、それについては大した問題じゃない。
逆を言えば淫獣の魔眼の起動を解除したり、最初から起動しないでおけば数十秒から一分ほど経って精力が回復して、また闇の力を吸収しない限り勝手に射精することがない。
最初からこうしておけばよかったんだな…俺の今までの苦労って一体…
なんて落ち込んでられなかった。俺はまた空き瓶を取り出して精液ポーションを作ることにした。
すでにMP回復ポーションを何本か無駄に使用してしまったのだ。少なくとも、元はとらないと。
連続射精しても竜王の息吹さえかければ待たなくてもいいので、精液ポーションを大量生産するのにそれほど時間はかからなかった。
おかげで竜王の息吹のレベルが3ほど上がったが、まだ不服だったので俺は空き瓶がなくなると一端、魔眼の効果を解除してから飛び散った精液を浄化魔法で消して、着替えることにした。もしかしたら魔力の底上げがうまくいくかもしれない方法を思いついたからだ。
それも世の為人の為になる方法だ。人助けをしてMPの底上げができる。うん、最高だな。
問題は魔法の光でちょっとした騒ぎになるかもしれないということだが、まあ人助けするんだから大目に見てもらえるだろう、多分。
ただ問題もある。人助けするのはいいが、彼等が俺の存在を簡単に受け入れるかという事だ。
まあそこは金を握らせておけばいいだろう。金はまだまだ沢山あるし、今回のドラゴン6頭で少なくとも12万ゴールドが入ってくるんだしな。
いちいち数えるのが面倒なので正確な所持金の総額はわからないが、それでもあと11万ゴールドほど残っているし。いざとなったらドラゴンやヴァンパイア、ヴァンパイアロードといった連中を倒した時に出現した宝箱からの財宝とか武器を売ればいいんだしな。
今まではモンスターの遺体を解体職人に解体してもらって金に換えるという方法しかとっていなかった。
というのも、宝石や財宝に素人の俺が見ても、やたらとでかい宝石とか宝箱の中に入っていることがあったからなんだ。そういうやたらとでかい宝石も20個ほど持っている。鑑定すると全部ダイヤモンドと出た。いろんなカラーのダイヤモンドが存在するっていうのは知っていたけど、こんなの売ったらモンスターの遺体どころじゃない。街の一つや二つは買えるほどの値段になるんじゃないかというのは、素人の俺でもわかる。
要するに宝石や武具を今まで売らなかったのは、それで大騒ぎになるのが嫌だったからなんだよな。
下手すると奪い合いとか内紛とか…最悪の場合、戦争にまで発展しかねないから、そういう事態になるのが嫌だったから売らなかったというのが本音だ。
まあ話を戻すと金をあまり沢山、貧民街の連中にやるのはよくないが、少なくても彼等の信用を得ることは難しいだろう。やっぱり金貨1000枚くらいが妥当かな。
いざとなったらトレントやラミアから吸収した魅了の魔法を使えばいいんだし。ヴァンパイアから吸収した魅了の魔眼もあるが、魔眼は大半が目が光るのでモンスターが化けた奴として退治されかねないので却下だ。
俺は貧民街に向かう為に闇魔法で地上に転移することにした。
獣人の本能とでもいうのだろうか。何となくだが、今何時くらいというのがわかるのだ。
特に俺はいろんな訓練を受けている。さすがに何時何分何秒というのはわからないけどな。
さて、今度は魔力の容量だ。略してMP(マジックポイントの略称)
ステータス・ボードで調べてみると、俺の魔力は14750だ。
結構多いと思っているが、地下101階層を調査するにはまだ少ないと思った方がいい。
逆にLP(ライフポイントの略称)は24800になっている。確か昨日調べた時は22000だったような…。
これ、どうも射精しまくったのが影響しているらしい。以前精液ポーションを最初に大量作成した時も大幅にLPが増えたから関係あるんだろうな。
他にモンスターのアビリティを吸収したり、アビリティのレベルをマックスまで上げると伸びるらしい。
詳しいことは俺にもよくわからないが、大体そんなものだと思ってくれて構わない。
そこで今日はMPを上げようと思う。余裕があればLPもな。
…と、思ったんだが、俺の修行は三日で終わる。というか王家の連中が招待状を送るのに三日ほどかかると局長に言われたので、それまでにできる事はしておきたいのだ。
だからどうせならMPだけじゃなくてLPも一緒に上げたいのだが…。
そうなると、もう方法は決まっている。暗殺者ギルドでさんざんやらされたあの、方法だ。
つまりひたすらMPを使うのだ。そして魔力切れになると魔力の容量が増える。
今回は自分の体を傷つけて魔法で癒す方法をとってみることにする。
…え? 回復魔法なんて使えないだろって? いやだなあ。それはキングドラゴンを倒す前の事だって。
今の俺には竜王の息吹がある。このアビリティのレベルも上げる為にも(鑑定してみたら全てのアビリティにレベルがあったとわかった)、魔法容量を上げる為にも俺自身の体を攻撃するのは必至なのだ。
というわけで、早速サンダー系の魔法で俺自身を撃ってみることにした。
もちろん連射のアビリティはアクティブにしてある。つまりサンダーアロー(雷の矢)といった基本的な攻撃魔法でも、一度に10本まで連射できるのだ。
これで俺自身を撃つ。→傷を負って魔力を消耗する。→竜王の息吹を使って傷を癒す。MP切れになったらポーション飲んで回復する。
うん、完璧だ。早速俺はサンダーアローを自分自身に向けて撃ってみた。
確かに痛い。痛いが思っていたほどじゃないな、と思ったら竜王の闘衣のアビリティをもっていたことを忘れていた。これってパッシブ系で削除とか機能をオフにできないんだよなー。
仕方ないので、今度はサンダーボールを10連射して俺の頭上から落ちるようにしてみた。
もちろんテントからは、かなり離れた場所でやっている。
上空から降ってきたサンダーボールは俺に直撃して大爆発を起こす。そりゃ10連射したらこれだけの規模の爆発になるよな。
さすがに痛い。体がビリビリしてまともに動けない…。
すぐに竜王の息吹を使用する。このアビリティ、息吹という名前がついているが、実際には息なんて吹きかけなくてもいいのだ。ただ念じればそれで作動する。さすがキングドラゴンのアビリティだな。
おかげで体の痺れがとれて動けるようになった。
今度はヴァンパイアロードの破壊の魔爪(はかいのまそう)を使って両腕を傷つけてみた。
これも魔法によるものなのか、俺がさまざまなアビリティを吸収しているせいか、あまり痛くない。
それでも傷は負っているので竜王の息吹を使って回復。
さらに今度は同じヴァンパイアロードの「淫獣の魔眼」を俺自身にかけてみた。
するとたちまち俺のムスコが勃起しはじめた。慌ててズボンと下着を脱ぐと同時に、ムスコから13回連続で射精しまくってしまった。
しかも超・回復だと一分間はかかるのに、30秒ほどでまた連続射精してしまった。
どうもこの魔眼、精力回復にある程度効力があるらしい。
だが俺は魔眼を解除した。これだとLPは上がってもMPがうまく上がらない。
やはり俺自身を攻撃するしかないのだろうか。考えてみたが他にいい方法が浮かばない。
今度はウインドブレードを10連発して俺自身にぶつけてみた。たちまち不可視の風の刃が
俺自身を切り刻んでいく。これも思っていたほど痛くないな。恐るべし、竜王の闘衣。
後は炎系だが…あれを使うと俺の体毛が全部焼き尽くされてしまう。
つまり獣人としてはかなりみっともない事態になるので、使用はしないでおくことにする。
これでも俺自身、自分の体毛は気に入っているのだ。それが焼けてなくなってしまうなんて耐えられない。
それに竜王の息吹も万能じゃないのだ。まして頭部の毛が全部燃えてなくなったら、ハゲどころじゃない。
本当にみっともない姿になるので、炎、毒、氷などは毛根が死んでなくなる可能性があるので却下だ。
いや、待てよ? 確か射精してさえいればLPは少しずつ上がるんだから…いやしかし、それだとMPが上がらなくなるし…。
考えてもいい案が出ないので、俺は一先ずMP優先で上げることにした。
やり方は簡単。遠くに向かってひたすらサンダーボールや他の攻撃魔法を連射するだけだ。
何しろ10連射だからMPが減るのも早い。30回近く繰り返していると、MP切れになった。
久しぶりに味わうこの脱力感。特に頭がフラフラするのが一番厄介だ。
慌てて俺は携えていたMP回復ポーションを飲んでみる。
すると半分近く回復した。結構良質のポーションを買ったのだが、それでも完全回復じゃなかったか。
まあいい。今までの分やダンジョン内で手に入れた分。さらにアンネの店で買った分を入れると、200本を超えるのだから、この際半分は消費するつもりでひたすら攻撃魔法を連射しまくる。
他にもゴーレムを大量に作るということもした。これも連射に負けず劣らずMPを大量に消費する。
あとゴーレムを作ってわかったのだが、やはり魔力を多めに注いだ方が頑丈で機動力に優れたゴーレムができあがるのだ。
他に炎系、水系、毒系と連続して俺の使用できる範囲では最大の魔法を使ったせいか、地下100階層がかなり変な状態になった。
あっちには燃え盛る炎。あっちは巨大な池。あっちは毒の沼といった感じだ。
攻撃系だけでは味気ないので、今度は風系で俺が使える最大の魔法、ジャイアント・トルネードを使ってみた。
文字通り巨大な竜巻で、よほどの大型のドラゴンでない限り竜種でも平気で呑み込んで空高く舞い上げる。
しかも魔法による産物だから、この竜巻に飲み込まれたら無数のカマイタチによって切り刻まれることになる。
今度はそれを解呪(ディスペルマジック)で消し去る。これもMPの消費量が半端じゃない。
そうこうしている内に何度目かのMP切れが起きてきた。
またMP回復ポーションを飲んで回復させる。
とりあえず一度休憩することにして、俺は闇の中の空間から水の入った水筒を取り出して飲んでいく。
休憩の傍ら、またステータス・ボードを出現させてアビリティをチェックしていく。
すると念動というアビリティがあるのを見つけた。
どこで吸収したんだっけ? ああ、確かリッチ系のモンスターが使っていたような…。
これを鑑定してみると、岩や物を浮かべたりして対象にぶつけることが可能だという。
だけど俺にはアビリティを吸いまくって体が頑丈になっているし、そこらの岩程度では大したダメージにはならないだろう。
そこで思いついた。なら魔力の込められた武器を使えばいいんだ。
早速闇の中の空間から魔力の込められた武器を取り出してみる。
やっぱりいろんな強力なモンスターを狩りまくったせいか、一山できるほどの武具が出てきた。
中には斬ったりした相手に呪いの効果をもたらす物騒な武器やアイテム破壊の効果がある武器も存在したので、そういうのは闇の中の空間に戻しておく。
あとは念動のアビリティをアクティブにして、俺自身に魔法の武器で斬らせたり、刺すようにしてみる。
これも竜王の闘衣のせいであまり痛くはなかったが、体中に傷を負うことができた。
すぐに竜王の息吹で治療する。体中に追った傷が消えていく。
だがこれはあまり使えない方法だということがわかった。確かに多くの武器を操るのにMPを大量に消耗するのだが、武器に血が付いてしまって、掃除が大変だということだ。
うん? 待てよ? 掃除…?
掃除といったら浄化魔法。浄化魔法といったらクリーンだ。上級魔法にピュリファイとかあるが俺には使えないしな。
そこで俺は服を全部脱いで闇の力を吸収することにした。
するとすぐにだらりと垂れ下がっていたムスコがみるみるうちに勃起しはじめた。当然のことながらリングは外している。
そして連射のアビリティをアクティブにしているのもあって、盛大に13回の連続射精をした。
精液が俺の顔や体に降りかかる。これを待っていたんだよ!
俺は自分自身にクリーンアップを5回ほどかけて精液を浄化してきれいにする。
これならLPもMPも消耗するから底上げにはいいだろう。俺自身も気持ちよくなるしな。
そうと決まったら、取り出していた種種雑多な魔力の込められた武器を闇の中の空間に収納して、俺はひたすら闇の力を吸収して連続射精する。
俺自身が精液でベトベトになったら、浄化魔法を何度も使って綺麗にする。
これを28回ほど繰り返すと、MPが切れた状態に…あれ? なっていない?
ステータス・ボードを見てみたが、MPが思っていたほど減っていないのだ。
おかしい。俺は行動する度にステータス・ボードを見てみることにした。
まず俺の得意中の得意な闇の力を吸収する魔法。これで精子と精液を大量生産させて射精を促すのだ。
すると俺のMPが回復したことに気が付いた。ステータス・ボードがMPが満タンになったことを示している。
あれ? 闇の力の吸収ってMPも回復する効果あるの? てっきりLPだけだと思っていたんだが…。
すると…MP回復ポーションを飲んだ意味って…うわあぁ…やっちまった…
最初から闇の力を吸収しておけばMP回復ポーションなんて必要なかったのだ。
すでに何本も使用してしまった俺は激しい後悔と罪悪感に見舞われた。
ちなみに淫獣の魔眼を使った後は闇の力を吸収したのと同じように連続射精になるが、これで竜王の息吹をかけると、一分間や30秒待たずに、息吹をかけ終わった瞬間に連続射精できることがわかった。
つまり淫獣の魔眼を起動して俺自身にかける。次に連射のアビリティをアクティブに設定しておけば、後は勝手に連続射精モードになるようだった。
竜王の息吹をかければ、即座に連続射精モードになる。MP消耗するのでそれは闇の力を吸収すればMP回復になる。もちろん完全にMPが回復するわけじゃないのだが。まぁ一回で回復しなければ連続してやればいいだけだから、それについては大した問題じゃない。
逆を言えば淫獣の魔眼の起動を解除したり、最初から起動しないでおけば数十秒から一分ほど経って精力が回復して、また闇の力を吸収しない限り勝手に射精することがない。
最初からこうしておけばよかったんだな…俺の今までの苦労って一体…
なんて落ち込んでられなかった。俺はまた空き瓶を取り出して精液ポーションを作ることにした。
すでにMP回復ポーションを何本か無駄に使用してしまったのだ。少なくとも、元はとらないと。
連続射精しても竜王の息吹さえかければ待たなくてもいいので、精液ポーションを大量生産するのにそれほど時間はかからなかった。
おかげで竜王の息吹のレベルが3ほど上がったが、まだ不服だったので俺は空き瓶がなくなると一端、魔眼の効果を解除してから飛び散った精液を浄化魔法で消して、着替えることにした。もしかしたら魔力の底上げがうまくいくかもしれない方法を思いついたからだ。
それも世の為人の為になる方法だ。人助けをしてMPの底上げができる。うん、最高だな。
問題は魔法の光でちょっとした騒ぎになるかもしれないということだが、まあ人助けするんだから大目に見てもらえるだろう、多分。
ただ問題もある。人助けするのはいいが、彼等が俺の存在を簡単に受け入れるかという事だ。
まあそこは金を握らせておけばいいだろう。金はまだまだ沢山あるし、今回のドラゴン6頭で少なくとも12万ゴールドが入ってくるんだしな。
いちいち数えるのが面倒なので正確な所持金の総額はわからないが、それでもあと11万ゴールドほど残っているし。いざとなったらドラゴンやヴァンパイア、ヴァンパイアロードといった連中を倒した時に出現した宝箱からの財宝とか武器を売ればいいんだしな。
今まではモンスターの遺体を解体職人に解体してもらって金に換えるという方法しかとっていなかった。
というのも、宝石や財宝に素人の俺が見ても、やたらとでかい宝石とか宝箱の中に入っていることがあったからなんだ。そういうやたらとでかい宝石も20個ほど持っている。鑑定すると全部ダイヤモンドと出た。いろんなカラーのダイヤモンドが存在するっていうのは知っていたけど、こんなの売ったらモンスターの遺体どころじゃない。街の一つや二つは買えるほどの値段になるんじゃないかというのは、素人の俺でもわかる。
要するに宝石や武具を今まで売らなかったのは、それで大騒ぎになるのが嫌だったからなんだよな。
下手すると奪い合いとか内紛とか…最悪の場合、戦争にまで発展しかねないから、そういう事態になるのが嫌だったから売らなかったというのが本音だ。
まあ話を戻すと金をあまり沢山、貧民街の連中にやるのはよくないが、少なくても彼等の信用を得ることは難しいだろう。やっぱり金貨1000枚くらいが妥当かな。
いざとなったらトレントやラミアから吸収した魅了の魔法を使えばいいんだし。ヴァンパイアから吸収した魅了の魔眼もあるが、魔眼は大半が目が光るのでモンスターが化けた奴として退治されかねないので却下だ。
俺は貧民街に向かう為に闇魔法で地上に転移することにした。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ガチャから始まる錬金ライフ
盾乃あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる