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第83話 闇の獣人、特殊空間のファイティングゾーンで魔神王達とバトルする(その2)

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 どうにかスライムマスターのスリナを倒して、精液ポーション100万本をエペランに空間転移で運ばせて、眷属にすることに成功した。

 これで魔神王は2体目だな。ひれ伏しているスリナが白く光ったのを見て俺はゴルガルスの側に行くように命じておいた。

 彼女が畏怖を込めた目で俺を見ながら、監視を兼ねたエペランと一緒にゴルガルスの方に歩いていく。

 それを見届けた俺は、隠れている二人の魔神王に対して呼びかけてみる。攻撃してもいいんだが、俺が目的としているのは魔神王の隷属であっても虐殺じゃない。

 ゴルガルスもスリナも俺、いや正確には俺の股間を見て何ともいえない表情をしながら遠くへと避難する。

 …そういえば、俺って全裸のままだったよな。でもしょうがないだろ? 覇王竜の装備シリーズってマントに額当てに指輪とブーツだけなんだから。

 他に胴体を守る装備品ってないんだよ。せいぜいマントで前を隠すことくらいしかできないんだから。

 そんな事を考えていたら、今までにないほど真剣な顔をしたジェゼランとミルリアーシェが前方12メートルほどの空間に現れた。

 「やあ。ジェゼランとミルリアーシェだったかな? どうだ俺の実力は? わかったらこちらとしても無駄な戦闘は控えたい。だがどうしてもやるんなら一人ずつ相手にするのは面倒だ。やるんなら二人まとめてかかってこい」

 俺の言葉に彼等は少し怒ったような顔をしているが、俺は間違ったことは言ってない。それほどの実力があり、決して口先だけの無能者ではないとわかったのだろう。

 「どうする? ジェゼラン。君の蟲がどんなに強くても、数で攻めてもあいつには勝てないよ?」

 「そうだね。どうもあの獣人には毒は通用しないし、あのクイーンスライムになったスリナを放り投げるほどの馬鹿力だ。卑怯かもしれないが、二人であの獣人に戦いを挑んだ方がいいだろう。それでやっと勝算が見えてくる。ここはお互いに協力してあいつを倒すしかないな」

 言って二人同時に身構える。…おー。チームワークないとか言ってた割りに結構、協調性があるじゃないか。

 
 その時だった。遠くから巨大な気配がものすごい速度でこっちへ向かってくるのを感じた。

 それは二人の魔神王も同様だったようで、ぎょっとした顔をしている。
 
 どうやら二人の魔神王の応援にきたわけじゃないようだった。すさまじい速度でやってきたのは、高速で草原を跳ねながら移動しているエペランだった。

 「このひきょーものー! あるじさまに2体1だなんてそれが魔神王のやることかー!」

 いきなり全長5メートルほどの大きさになる紫のスライム。そして二本の触手を伸ばして酸をそれぞれの触手から撃ち出して彼等の眼前の草を焼き尽くしてしまった。

 どうやら俺を心配して駆けつけてきてくれたらしい。別にここに来て助太刀しろなんて命じていないのに、何て忠誠心の高いスライムなんだろう。

 俺はミルリアーシェを新・覇王竜の叡智で鑑定してみたら、瘴気を操る魔神王と出ました。

 瘴気を操り、実体化させるのに長けており、更には剣術や体術も一流と出ました。こりゃエペランとは相性が良くないわ。

 「よし、エペランはあっちの蟲使いを死なない程度にやっつけてくれ。いいか、殺したら駄目だぞ? 俺は紫の髪の毛を生やした奴をやっつけるからな」

 せっかくここまで来てくれたんだ。相手も2対1で俺を負かそうとしているから、これがちょうどいいだろう。

 早速エペランは高速で酸を連射しており、ジェゼランは蟲を盾にしているが、どんどん溶けていってるので焦っている。

 それを見ていた俺はとっさに頭部を左に動かした。

 ほとんど同時に頭部のあった空間を短いが鋭利な棘の生えたブーツが襲ってきた。

 防御力が桁違いに上がっている今なら受けてもよかったのかもしれないが、そのブーツと爪先に生えたトゲからはうっすらとではあるが、黒いもやが生えていたのだ。

 それが俺を警戒させていたのだろう。思わず回避してしまった。本当はそんな事をする必要なんてないのに。

 ミルリアは瘴気でできた剣を俺の喉元目掛けて付きこんでくる。俺はそれをまともに受けた。

 確かに不快感を伴った何かが俺の喉元に走る。瘴気を何度か感じたことはあるが、ここまで密度の高い瘴気を感じたのは生まれて初めてだ。エペランが俺を心配したのは無理もないだろうな。

 だが俺にとってはそれは心配不要だった。蹴りやパンチを繰り出しても俺には効果がない。

 それは彼女もわかっていたのだろう。いきなり後退したかと思ったら、背後から瘴気をまとった針が何十本も飛んできた。
 
 それをまともに受けてみる。…うん。不快感は感じるが我慢できないほどじゃないな。

 でもエペランに悪影響が出るかもしれないので、浄化魔法・ピュリファイを視界の果てまでかけてやる。

 そしたら不快感が綺麗に消滅した。

 だがそれもミルリアの計算の内だったのだろうか? ピュリファイでは浄化しきれないほどの瘴気の塊で作成されたゴーレムが4体ほど彼女の左右に作られていた。

 「なるほど。瘴気を練りに練ったらこんな完全自律型のゴーレムも作れるというわけか」

 左右から繰り出されるパンチを俺はあえて受けてみた。パンチの威力は相当なものだが、ゴルガルスの全身全霊の一撃を1000回も受け続けた俺にとっては、全く痛みを感じない。

 それでも不快感は感じる。横を見ると、エペランが蟲の軍勢相手に酸の雨を降らせたり、蟲達を取り込んで吸収・消滅させている所だった。

 さすがにエンペラースライムだな。魔神王一体相手じゃ敵ではないらしい。

 しかもエペランは女王神メランティアが溺愛していたスライムだったからな。何の理由があって神獣から魔獣になってしまったのかは本人が言おうとしないから、機会があったらそれとなく聞いてみるつもりだが、一番いいのは本人から喋ってもらうことだろうな。アビリティ使えば簡単にわかるけどそれはしたくない。

 …なんてゴーレム4体のパンチや蹴りを食らっていたら、だんだん瘴気による不快感も感じなくなってきた。

 そのまま3分ほど食らってみたけど、ぜんぜん不快感も感じない。どうやら瘴気に対する抵抗力も上がってきたようだった。

 ミルリアはこのままでは埒があかないと思ったのだろう。右手を挙げると、瘴気をどんどん集めて剣の形にまとめようとしている。

 しかも1本や2本じゃない。10本連続で作成し、俺とエペランに投げつけるつもりだ。

 これはまずい。俺はともかく、エペランに傷をつけるのは許せない。

 そこで俺は最近になって習得したアビリティ「複数魔法操作」で、竜王の息吹、覇王竜の息吹、パーフェクトヒール、アルティメットヒール、超・修復を同時に起動・展開した。

 もちろん範囲はこの草原の視界の果てまでだ。

 同時に発動した複数の浄化・回復魔法の光は瘴気で作成されたゴーレムや作りかけの剣を飲み込み、俺やその場にいる全ての者達を優しく包み込んでいった。




 光が収まった後には仰向けで倒れているジェゼランの胸の上を得意げにピョンピョン跳ねているエペランがいる。

 どうやら勝負あったようだった。ジェゼランはエペランに抗議する気力すらないらしい。

 「あるじさまー! エペラン勝ったよ! あのね、あのね。こいつの出してきた蟲達、エペランの酸でみんな溶かしてやったの。そんなにおいしくなかったけど、ちょっとはお腹が満足したかな? こいつの味も知りたかったけどね。あるじさまが殺すなって言ったから、今は傷つけてないよ?」

 「よくやったな。…で、どうするお前ら? まだ戦う気か? それはそれで構わないが、次は手加減なんてできないぞ?」

 「ここ、降参します! もうこれ以上大切な蟲達をあのスライムの餌にするわけにはいきませんし!」

 「ボクも…降参です。…なんなのさあんた。あれだけの密度と量の瘴気を浄化するなんて…それに大魔法をいくつも同時に、広範囲に展開するし。どんだけ魔力高いんだよ…」

 草の上に座りこんでいるミルリア。俺は早速エペランに命じて精液ポーションを200万本持ってこさせた。

 空間が揺らいだと思ったら、山のように積まれたポーション瓶が出現した。

 「ではお前達二人に確認する。本当にもお前達は俺に永久雇用されるということでいいんだな? では我、ラフィアス・ゾルトロンドはお前に永遠にして絶対の忠誠をもつ下僕となることをここに命じる!」

 そういって側に置かれていた200万本の精液ポーションの山を指さすと、あれほど光っていた瓶の山から光が一瞬で消えた。

 二人の体が白く光り、すぐにその光は消えた。俺はエペランに命じて残りの二人の魔神王もつれてくるようにしたら、すぐに二人が空間の揺らぎと共に俺の足元に投げ出された。

 「いたた…なんだってのよ。もう…」

 「やはりお前達も負けたか。俺の時もそうだったが、これでも我が主様は手加減してくれたのだ。生かしてもらっただけでも感謝しなければな」

 腰をさするスリナときれいに着地して無傷なゴルガルス。まさに対照的な二人だった。

 俺は無言で分身を作り始めた。エペランにはダンジョン内に帰るように命じておいたので、すでに帰還している。

 そして分身が40体ほどできただろうか。もうこれで十分だと思った俺はサキュバスの「発情」のアビリティをこの四人を対象に、アビリティ強化の2万倍でさらに強化してかけてやった。

 当然ながら全員が発情し、ゴルガルスは人目もはばからずにズボンを脱いで肉棒をしごきはじめる。

 さすがに俺のモノには及ばないが23~24cmほどの巨根だった。それを真っ赤な顔と荒い息をつきながらしごいている。
 
 ジェゼランは股間を抑えながら低く呻き続けて、右に左に転がり回っている。…まあ普通はそうなるよな。どうやらゴルガルスと違ってまだ強烈な性的欲求に耐えられるほどの精神力があるらしい。

 そしてスリナとミルリアは股間に手を当てながら倒れていた。

 そこへ俺の分身達が襲い掛かり、全員の衣服をはぎ取って草原へと捨てる。

 次に彼等の口内に分身の肉棒が、菊門にも別の分身の肉棒が挿入され、また別の分身の肉棒を手でしごくように強制されるという、強制乱交パーティーが開かれた。

 俺も今度は再度、「発情」のアビリティをアビリティ強化の2万倍を分身も含めた全員にかけてやった。

 そして淫らな肉の交わりの宴がここに開催され、もはや魔神王も分身もなかった。

 俺も分身を相手にやりまくった。分身の菊門に挿入し、別の分身の肉棒をしゃぶって逝かせてやる。

 他の分身も分身同士でやりまくっている。もちろん俺もゴルガルスやジェゼランの菊門に挿入し、何度も射精してやった。

 それはスリナやミルリアも同然で、彼女達の子宮に当たる下腹部に子孫断絶の印を押してからは、少なくとも10回は射精してやった。彼女達は何度も逝ったことでその度に歓喜の叫びを声の限りに上げた。

 それから3時間ほど経っただろうか。そこに立っているのは俺と分身達だけだった。
 
 四人の魔神王は誰一人として動かず、全裸のまま草原の上に横たわっている。

 汗とゴルガルスの体臭がひどく匂ったので、俺は浄化魔法・ピュリファイをまた視界の果てまでかけてやった。

 それからはまた竜王の息吹と覇王竜の息吹。パーフェクトヒールにアルティメットヒール。そして一番大切な「超・修復」を同時に起動してこいつらの体と精神を癒していった。

 「起きろ」

 光が収まると短く命じた俺に、全員が同時に起き上がる。俺も分身達も全裸だが、それはこいつら四人も同じだ。

 「さて。お前達は名目上は俺の忠実な下僕ということになったわけだが、普段の雑用などは他の連中にやらせるから、お前達の出番はあまりない。魔神王が雑用だなんておまえらの沽券にかかわるしな。だから実際には俺の性奴隷として働いてもらうが、それでいいな?」

 全員が俺にひれ伏して、同時に叫ぶ。

 「「「「はい! 我々は身も心も全てラフィアスの様の忠実な性奴隷です!」」」」

 俺は彼等の畏れと敬愛に満ちた目を順繰りに見ていく。

 「そうか。お前達は俺の永遠にして絶対の忠誠をもつ性奴隷になってくれたんだな? それじゃ性奴隷の先輩を紹介するから、彼等の指導を受けるようにな」

 俺が念話でフェランさんと馬鹿親父を呼ぶと、次の瞬間には俺の左右に二人が現れた。

 右にはフェランさんが苦笑を浮かべて。左には何故か全裸の馬鹿親父が腕を組んでニマニマと不気味な笑みを浮かべている。

 二人が彼等に近づいていく。後退しようにも俺が見ているので動きたくても動けない四人だった。

 「はじめまして。私、ラフィアス様の性奴隷一号のフェランシオル。フェランさんと呼んでくださいね♪」

 「はじめまして。俺はラフィアス様の忠実な性奴隷二号のゴルンルプスだ。それでは貴様らには性奴隷としての契約の印を受けてもらう。言っておくが逃げても無駄だからな?」

 そして二人が手を四人に向けると、それぞれ形は異なるが、胸元に紋章が浮き上がっていった。

 「これでいい。これで貴様らは我が主のラフィアス様の本当の意味で性奴隷になったのだ。もはや精液ポーションの契約とは比べ物にならんほどの拘束力だぞ? ああ、それと俺達の事は先輩と呼ぶようにな♪」

 どうやら後輩が出来たことが嬉しいらしい。それとも自分と同じ性奴隷ができたことへの暗い喜びによるものだろうか。

 この場合、両方かもしれないな。

 俺は二人のおかげでダンジョン内の地下131階層へと戻ってきた。

 分身達はここへ来る前に消去しておいたし、フェランさんが創造してくれた衣服を四人全員着ているので、海神王様達を不快にさせることはない。

 四人は一様に顔色が優れなかったが、超・修復を再度かけておいたから大丈夫だろう。

 そして俺の前には複雑な顔をしている家屋の髪、畑の髪、井戸の神が立っていた。

 「まさか魔神王を4体も下僕にするとはのう…。しかも裏切ったりしないように性奴隷にするとは…」

 ヒゲをしごきながら難しい顔をして俺を見つめている赤いローブの家屋の神様。

 言っておくけど俺だって本当はここまでやりたかったわけじゃないぞ? ただあのハゲラミアの抱いていた姦計とか抱かせないように対処しておく必要があった。これは間違いない。

 あの時は俺が標的だったからよかったが、俺以外の誰かが狙われたり、巻き添えになったらどうする?

 そうならないように俺の性奴隷にして快楽漬けにしておく必要があったんだよ。これでこいつらは永遠に俺なしじゃ生きていけなくなったわけだからな。

 それを説明すると、家屋の神様はわかってはいるが納得しきれていないようで、難しい顔はいくらか軟化したものの、それでも少し厳しい視線を俺に向けていた。

 「どうやら無事に魔神王を下僕にしたか。それでは一度、村の方に来てくれるかの? 現実時間ではまだ夜中じゃがな。お前さんが来てくれるのなら急がなくてもいいしの。なんならすこし休んでから行くかの?」

 冷静さという言葉を老人の姿にしたら彼の姿になるんじゃないか、というぐらい全く動じていない井戸の神の言葉に、俺は素直に頷いて時間停止空間の中でまた体感時間で12時間ほど寝てから出かけることにした。

 こうして俺は三柱の神々と、新たにできた性奴隷4人と共に、レナリアーラ王国の北西部にある廃村へと転移することになったのだった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 後書きです。まさかの性奴隷が増殖。裏切り対策のために快楽漬けにする。

 逆を言えばラフィアスはここまでしないと彼等を信用していないということになります。

 だから自分なしじゃ生きていけないようにしたんですね。

 次回は廃村を立て直すお話になります。

 それでは読んでいただき、ありがとうございます。

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