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第150話 闇の獣人、魔皇神に要求を突き付ける
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結局…遺跡ではインフィニティ・フォースは手に入らなかった。いたのはゴーレムが何百といただけ。
いっそ遺跡ごと吹き飛ばしてやろうかと考えたが、ゴーレムの部品だけでも冒険者にとってはお宝だろう。
それにざっと透視しただけで、俺の目的はあくまでインフィニティ・フォースだったので、他のお宝とかは見逃している可能性が高い。
とはいえ、こちらは他に目的がなかった。
何故もっと積極的に探さなかったのかというと…ズバリ、ゴーレムの相手するのが面倒だったからだ。
それにゴーレムを全部壊したら、遺跡を維持する者がいなくなる。
まああの遺跡なんか壊してもよかったんだが、どこかであの遺跡に関係する物とか入手できるかもしれない。
そう考えると遺跡を壊す気にはなれなかった。
正直言って時間停止していなかったら、文字通り時間の無駄になる所だった。
そして俺は徒労に終わったのをいいことに、時間停止空間の中でこうして一月ほど惰眠を貪っている。
もちろん機織りとかしているけど、それも長くは続かなくてすぐにテントの中へ転移して寝る生活を一月ほど過ごしていた。
まあ覇王竜の額飾りや超・修復とか自分にかけているからな。流石に胃痛とか起きたりはしないんだけど。
3ヶ月練習しても、その結果が1レベルしか上がらなかったこと。
例えヴァイオリンのレベルが30になっても魔皇神がいる限り、俺の演奏や歌は全部、破壊兵器になってしまうことが判明した。
何もわからないよりかは、はるかにマシだが…歌唱や楽器演奏のレベル上げても、その歌声や音色が破壊兵器レベルだとわかってやる気が起きるわけがなく…。
そして神器の材料の一つであるインフィニティ・フォースとやらがありそうな遺跡に行っても徒労に終わるだけで何も得るものがなく…
結果、ほとんど得るものがなくて寝ることでやる気を回復させている状況だ。
いやさすがに泣くほどじゃないけどね。
料理や武器・防具もある程度作ってあるから急いで作る必要もないし。
それに王国や帝国の使者が来ても、腹いせにひどい対応しそうだから、こうして時間停止をかけた空間の中で寝ているのだ。
今の俺は無気力状態。もちろんアビリティの整理なんてする気も起きない。
俺の部下や性奴隷達も、俺の説明を聞いたら全員が同情に満ちた目で俺を見ていた。
まあ人生なんてこんなもんだろうが、いざ実際に体験してみると結構きついな。
…あれ? そういえば俺って何でヴァイオリン演奏なんてやろうとしたんだっけ?
…ああ、そうだ。元はといえば魔皇神をなだめるために始めたんだっけ…。
なのにあいつが原因でこんな結果になったんだよなあ。
あいつと縁を切るのが一番手っ取り早い方法だと音楽神は言ってたっけ。
まあ普通はこれほど多くの波動が一人の獣人に集まることなんて、まずないだろうし。
そう考えると何だかムカムカしてきた。
はっきり言えばあいつが原因なんだよなー。
でもあいつを責めることはできない。完全支配の首輪とかいろんなアイテムとかくれたしな。
おかげで社会のゴミ10名を捕獲して俺の下僕にすることができたわけだし。
役に立ってくれているのはわかるんだが、弊害も大きいよな。何だよ俺の歌唱と演奏が破壊兵器並みって。
これじゃもう楽器自身に人格与えてそいつに演奏してもらって俺が演奏しているように演技するしかないじゃないか。やり方わからないからまずはその方法を探さないといけないけど。
だけど魔族を魅了するハンカチもくれたしなぁ…。でもあのハンカチってあいつの精液を変えたものだし。
一発、魔皇神をぶん殴ってやりたいけど…あいつは創造神クラスに次ぐ神様なので却下。
大体あいつだって役に立ってくれているんだから、いくらなんでもそれはまずい。
しかしだからって…俺が必死に練習していたのが無意味に終わったのもあいつのせいだ。
これは間違いない。おまけに楽器演奏だけじゃなくて歌までも駄目になると聞いたし。
まあ鎧や剣の場合は、はっきりした形あるものを作るので、できたら浄化魔法・ピュリファイとか書けておけば大丈夫だろう。
料理の場合は俺の精液を必ず混ぜているから、こっちも大丈夫。
だが形のない音波に乗せる俺の波動が魔の波動で微弱だが狂っていてそれで破壊兵器になるっていうのは、ちょっといただけない。それも俺の魔力が強くなればなるほど演奏した際に周囲へのダメージが強くなるって…。
うーん。神器作ろうにも情報が足りなさすぎるな。
かといってそんじょそこらの図書館や図書室に神器の作り方なんて書いてある本なんてあるわけないしな。
打つ手なし。八方塞がりとはこの事か…。
そう思いながら蜘蛛が刻まれた宝玉のブレスレットを撫でていたら、枕元に気配を感じた。
慌てて起き上がると、そこには20cmほどの水色の蜘蛛と、30cmほどの大きさのスズメが仲良く並んで俺を優しく見つめていました。二匹、いや二体ともうっすらとした光を全身から放っている。
いやこの気配からして神様だとわかっていましたとも。いくら落ち込んでいてもそこまで鈍っていないって。
「心配するな、婚約者殿。どうも婚約者殿が落ち込んでいるので、慰めにきたようじゃぞ? どうやら以前に172億8千万もの精液ポーションを捧げたんじゃからな。両者とも邪神との戦いで傷つき、ほとんど力が出せずに眠っているようなものだったが、婚約者殿のお陰で全盛期以上の力を発揮できたようじゃ。それでお礼に来たんじゃろ」
「その通りでっしゅ。ワタシは鳥の神マージュレンといいまっしゅ。以後よろしくおねがいするっしゅ」
「ぼ、僕はその蜘蛛の神レメキアンなんだな。ちょっとどもりがちなんだけど、その、あの、今後とも、よ、よろしくお願いするんだな」
「そ、それで? 鳥の神様と蜘蛛の神様が何の御用で?」
おそるおそる聞いてみたら、二体いやこの場合は二柱か。彼等は互いに見つめ合って同時に頷くと、俺に向き直って言った。
「そもそも君が演奏と歌が駄目になったのは、全て魔皇神の奴のせいでっしゅ。だからワタシ達も協力してあいつをボコボコにしてお仕置きしてやるっしゅ!」
「い、今の僕達ならアナントスと協力すれば…い、いかに魔皇神であっても、じ、十分に勝てるんだな」
その言葉にアナントスはニヤリと笑った。いや頭が一つの状態でも、その笑顔って不気味だから止めてほしいんですけど。まるで俺がお仕置きされそうな感じがするんですけどね。
「それはいい考えじゃのう。あ奴のせいでわしの婚約者殿がひどい目に遭っているというのに、あいつめ、あれから一度も姿を見せんと来ている。本当にわしの主のアビリティを歪ませた自覚があるのなら、音楽の双子神を呼び出した時に素直に婚約者殿に謝罪しておけばよかったものを。それもせんと巣穴である洞窟内に帰ったままじゃ」
一発ぶん殴ってやらないと気が済まん! というアナントスを俺はどうにか宥めた。
「それなら俺にいい考えがあるんだけど…こういうのはどうかな?」
俺はまた魔皇神の玉座の前に瞬間移動していた。本当にあの招待状には感謝している。一度持てばカード無しでもこれるんだからな。神様の専用スペースに来れるのってよほど気に入られている者でないと来られないから、これは名誉だと思っていいだろうな。
そう考えながら、眼前の玉座に座る魔皇神に俺は語り掛けた。
「魔皇神。俺の愛人になったあんたに頼みたいことがある。いや要求と言った方が正しいかな?」
何を考えているのかわからない、無表情な顔が少しだけ動いた。
「頼みたい事? それは神器作成についてか? 残念だがあれは神が自ら作るのは禁じられている。少なくとも5柱の神の同意がなければとても不可能だ。それに情報を得られたとしても作成するのには相当な時間がかかる。だから其方には悪いが私には情報を少し送ることしかできないのだが」
俺は手を振って違う、というジェスチャーをした。神器作成じゃないとわかって首を傾げる魔皇神。あ、ちょっとかわいいかもな。
「いや実は頼みたい事は他にあるんだ。その前にまず確認しておきたい事がある。あの双子の神様が言うには、俺の演奏や歌が破壊兵器レベルにまで酷くなったのはあんたのせいだと思っていいんだろ?」
「…そうだ。その通りだ」とゆっくりと頷く魔皇神。
「そこでだ。その事について反省しているか? もしも少しでも俺に対してすまないと思っているのであれば、誓約してほしい。俺の性奴隷になるという誓約をな」
「せ、性奴隷? いやいくらなんでも神である私にそんな事が許される筈が…」
「いやいや。俺の実父は一級創造神の分身だが、俺の性奴隷になったぜ? おまけに二級創造神の分身のフェランさんも親父よりも早く俺の性奴隷になったしな。
なあに、別に始終俺の側にいろって言っているわけじゃない。ただ俺が命じた時に力を貸してくれたらいいってわけさ。普段はここにいてくれて構わない。俺があんたを呼ぶか、力を貸す…例えばポーションや道具を送るとか、遠隔で魔法を使うとかしてくれたらいいんだ。これならあんたでも大丈夫だろ?」
「…わかった。確かに今回の一件は私でも予想外の出来事だった。だから私が性奴隷になってそれで其方の気が済むのなら、それでいい。それに其方なら私を不当に扱うことはしないだろうからな」
意外とあっさりと性奴隷になる事に同意したので、俺も、俺の腕に絡みついているアナントスも驚いていた。
「そうか。意外とあっさりと同意してくれたようで嬉しいよ。それじゃ誓約してもらおうか。…ああ、アナントスの誓約を破れるとは思わない方がいいぜ? 今は頼もしい助っ人がいるからな!」
俺がパチンと指を鳴らすと、待ってましたといわんばかりに水色の蜘蛛と30cmのでかいスズメが俺を守るように俺の左右に出現した。
「この神様達がアナントスの力を増幅させてくれる。言っておくが以前の二柱だとは思わない方がいい。俺の精液ポーションでパワーアップしていてな。全盛期よりもさらに強くなっているようだから、いかにあんたでもアナントスとこの御二人の結合した誓約を破ることはできないぜ?」
あっさりと俺の性奴隷になるのに同意したのは、アナントスの誓約など破れるという自信があったからだろう。
だが鳥の神マージュレンと蜘蛛の神レメキアンが来たことで、アナントスの誓約の力は彼女単体でいる時とは比べ物にならないほど強大無比のものとなった。
最初は拳を握り締めていたが、観念したのかフッと苦笑というか自嘲めいた笑顔を浮かべるようになった。
「いいだろう。ただの人間や獣人相手の性奴隷など我慢できずに自害する方を選ぶが、其方は半神半人。私のプライドも崩壊しなくていいし、すでに分身とはいえ創造神二柱がすでに性奴隷になっているのであれば、他の神々も反対したりすることはないだろう。笑い者になったり、嫌われるのは慣れているからな」
こうして魔皇神は鳥の神マージュレンと蜘蛛の神レメキアンの協力のお陰で、彼一柱では絶対に破れない誓約をすることになり、俺が存在する限り永遠に俺の性奴隷になることを誓約した。
俺はがっくりと両手を床につけて項垂れている魔皇神を抱きしめていた。
鳥と蜘蛛の神は空気を読んだのか、いつの間にか帰っていた。
そして俺は名実共に俺の性奴隷になった魔皇神を、また分身を二体創ってまる一月の間、狂ったように魔皇神とやりまくった。
ついでに俺は魔皇神の菊門に肉棒を突っ込みながら、完全支配の首輪の機能改善を命じた。
今のままだと首輪を付けた者が俺に恋をする余りに、首輪を付けた者同士で殺し合いになる可能性が高い。
だから首輪を付けた者が殺し合わないように、同じ首輪を身に着けた同志として協力し合うようにしろと命じたのだ。
そしたらあっさりと了承してくれた。目をつぶって腕を一振りしたら、それで終わったようだった。
ってそれだけ? まあ首輪については後で元・犯罪者の10人のおっさん達を見ればわかるか。
おかげで俺は完全支配の首輪を装備した者同士が俺を巡って奪い合いになって殺し合うという、悩みから解放されたのが嬉しかった。
いろいろと無駄になった事が多かったが、魔皇神を性奴隷にできたことと、完全支配の首輪についての機能改善が為された事は俺にとっては大きかった。
これでもう魔皇神が嫉妬のあまりにレヴィンやヴェルゼラートを殺さないか、と悩む苦悩から解放されたし!
何より同じ性奴隷として早速馬鹿親父のゴルンルプスや元・老人の美少女性奴隷のフェランさんからいろいろと性奴隷としての心構えや態度、行動といったものを教わっている。
二人、いや二柱とも分身とはいえ、それぞれ一級創造神と二級創造神だからな。さすがの魔皇神でも頭が上がらないようで、素直に二人の言う事に従っている。
楽器演奏が最低最悪の出来で、対処するには神器作成しかないわけで。
その為にはインフィニティ・フォースという無限の力を見つけないといけないわけだが、それを探すのに時間がかかるし、それを使用して神器作成するのにも知識と技術がいる。
あと俺が武器とか防具を作ってやっても壊れないという保証はないからな。面倒だがそれほど広くない空間を開いてそこへ収納する為の道具とか作ってみるかな。着替えや食料、水。
これだけでも旅をするのに結構な荷物になるし。商人だと馬とか馬車が使えるけど冒険者は基本、徒歩だからな。
雨で泥道を歩くなんて珍しくないだろうし。仕方ないな。
俺は今度は冒険者の道具や装備を収納する道具について考えてみることにした。
いっそ遺跡ごと吹き飛ばしてやろうかと考えたが、ゴーレムの部品だけでも冒険者にとってはお宝だろう。
それにざっと透視しただけで、俺の目的はあくまでインフィニティ・フォースだったので、他のお宝とかは見逃している可能性が高い。
とはいえ、こちらは他に目的がなかった。
何故もっと積極的に探さなかったのかというと…ズバリ、ゴーレムの相手するのが面倒だったからだ。
それにゴーレムを全部壊したら、遺跡を維持する者がいなくなる。
まああの遺跡なんか壊してもよかったんだが、どこかであの遺跡に関係する物とか入手できるかもしれない。
そう考えると遺跡を壊す気にはなれなかった。
正直言って時間停止していなかったら、文字通り時間の無駄になる所だった。
そして俺は徒労に終わったのをいいことに、時間停止空間の中でこうして一月ほど惰眠を貪っている。
もちろん機織りとかしているけど、それも長くは続かなくてすぐにテントの中へ転移して寝る生活を一月ほど過ごしていた。
まあ覇王竜の額飾りや超・修復とか自分にかけているからな。流石に胃痛とか起きたりはしないんだけど。
3ヶ月練習しても、その結果が1レベルしか上がらなかったこと。
例えヴァイオリンのレベルが30になっても魔皇神がいる限り、俺の演奏や歌は全部、破壊兵器になってしまうことが判明した。
何もわからないよりかは、はるかにマシだが…歌唱や楽器演奏のレベル上げても、その歌声や音色が破壊兵器レベルだとわかってやる気が起きるわけがなく…。
そして神器の材料の一つであるインフィニティ・フォースとやらがありそうな遺跡に行っても徒労に終わるだけで何も得るものがなく…
結果、ほとんど得るものがなくて寝ることでやる気を回復させている状況だ。
いやさすがに泣くほどじゃないけどね。
料理や武器・防具もある程度作ってあるから急いで作る必要もないし。
それに王国や帝国の使者が来ても、腹いせにひどい対応しそうだから、こうして時間停止をかけた空間の中で寝ているのだ。
今の俺は無気力状態。もちろんアビリティの整理なんてする気も起きない。
俺の部下や性奴隷達も、俺の説明を聞いたら全員が同情に満ちた目で俺を見ていた。
まあ人生なんてこんなもんだろうが、いざ実際に体験してみると結構きついな。
…あれ? そういえば俺って何でヴァイオリン演奏なんてやろうとしたんだっけ?
…ああ、そうだ。元はといえば魔皇神をなだめるために始めたんだっけ…。
なのにあいつが原因でこんな結果になったんだよなあ。
あいつと縁を切るのが一番手っ取り早い方法だと音楽神は言ってたっけ。
まあ普通はこれほど多くの波動が一人の獣人に集まることなんて、まずないだろうし。
そう考えると何だかムカムカしてきた。
はっきり言えばあいつが原因なんだよなー。
でもあいつを責めることはできない。完全支配の首輪とかいろんなアイテムとかくれたしな。
おかげで社会のゴミ10名を捕獲して俺の下僕にすることができたわけだし。
役に立ってくれているのはわかるんだが、弊害も大きいよな。何だよ俺の歌唱と演奏が破壊兵器並みって。
これじゃもう楽器自身に人格与えてそいつに演奏してもらって俺が演奏しているように演技するしかないじゃないか。やり方わからないからまずはその方法を探さないといけないけど。
だけど魔族を魅了するハンカチもくれたしなぁ…。でもあのハンカチってあいつの精液を変えたものだし。
一発、魔皇神をぶん殴ってやりたいけど…あいつは創造神クラスに次ぐ神様なので却下。
大体あいつだって役に立ってくれているんだから、いくらなんでもそれはまずい。
しかしだからって…俺が必死に練習していたのが無意味に終わったのもあいつのせいだ。
これは間違いない。おまけに楽器演奏だけじゃなくて歌までも駄目になると聞いたし。
まあ鎧や剣の場合は、はっきりした形あるものを作るので、できたら浄化魔法・ピュリファイとか書けておけば大丈夫だろう。
料理の場合は俺の精液を必ず混ぜているから、こっちも大丈夫。
だが形のない音波に乗せる俺の波動が魔の波動で微弱だが狂っていてそれで破壊兵器になるっていうのは、ちょっといただけない。それも俺の魔力が強くなればなるほど演奏した際に周囲へのダメージが強くなるって…。
うーん。神器作ろうにも情報が足りなさすぎるな。
かといってそんじょそこらの図書館や図書室に神器の作り方なんて書いてある本なんてあるわけないしな。
打つ手なし。八方塞がりとはこの事か…。
そう思いながら蜘蛛が刻まれた宝玉のブレスレットを撫でていたら、枕元に気配を感じた。
慌てて起き上がると、そこには20cmほどの水色の蜘蛛と、30cmほどの大きさのスズメが仲良く並んで俺を優しく見つめていました。二匹、いや二体ともうっすらとした光を全身から放っている。
いやこの気配からして神様だとわかっていましたとも。いくら落ち込んでいてもそこまで鈍っていないって。
「心配するな、婚約者殿。どうも婚約者殿が落ち込んでいるので、慰めにきたようじゃぞ? どうやら以前に172億8千万もの精液ポーションを捧げたんじゃからな。両者とも邪神との戦いで傷つき、ほとんど力が出せずに眠っているようなものだったが、婚約者殿のお陰で全盛期以上の力を発揮できたようじゃ。それでお礼に来たんじゃろ」
「その通りでっしゅ。ワタシは鳥の神マージュレンといいまっしゅ。以後よろしくおねがいするっしゅ」
「ぼ、僕はその蜘蛛の神レメキアンなんだな。ちょっとどもりがちなんだけど、その、あの、今後とも、よ、よろしくお願いするんだな」
「そ、それで? 鳥の神様と蜘蛛の神様が何の御用で?」
おそるおそる聞いてみたら、二体いやこの場合は二柱か。彼等は互いに見つめ合って同時に頷くと、俺に向き直って言った。
「そもそも君が演奏と歌が駄目になったのは、全て魔皇神の奴のせいでっしゅ。だからワタシ達も協力してあいつをボコボコにしてお仕置きしてやるっしゅ!」
「い、今の僕達ならアナントスと協力すれば…い、いかに魔皇神であっても、じ、十分に勝てるんだな」
その言葉にアナントスはニヤリと笑った。いや頭が一つの状態でも、その笑顔って不気味だから止めてほしいんですけど。まるで俺がお仕置きされそうな感じがするんですけどね。
「それはいい考えじゃのう。あ奴のせいでわしの婚約者殿がひどい目に遭っているというのに、あいつめ、あれから一度も姿を見せんと来ている。本当にわしの主のアビリティを歪ませた自覚があるのなら、音楽の双子神を呼び出した時に素直に婚約者殿に謝罪しておけばよかったものを。それもせんと巣穴である洞窟内に帰ったままじゃ」
一発ぶん殴ってやらないと気が済まん! というアナントスを俺はどうにか宥めた。
「それなら俺にいい考えがあるんだけど…こういうのはどうかな?」
俺はまた魔皇神の玉座の前に瞬間移動していた。本当にあの招待状には感謝している。一度持てばカード無しでもこれるんだからな。神様の専用スペースに来れるのってよほど気に入られている者でないと来られないから、これは名誉だと思っていいだろうな。
そう考えながら、眼前の玉座に座る魔皇神に俺は語り掛けた。
「魔皇神。俺の愛人になったあんたに頼みたいことがある。いや要求と言った方が正しいかな?」
何を考えているのかわからない、無表情な顔が少しだけ動いた。
「頼みたい事? それは神器作成についてか? 残念だがあれは神が自ら作るのは禁じられている。少なくとも5柱の神の同意がなければとても不可能だ。それに情報を得られたとしても作成するのには相当な時間がかかる。だから其方には悪いが私には情報を少し送ることしかできないのだが」
俺は手を振って違う、というジェスチャーをした。神器作成じゃないとわかって首を傾げる魔皇神。あ、ちょっとかわいいかもな。
「いや実は頼みたい事は他にあるんだ。その前にまず確認しておきたい事がある。あの双子の神様が言うには、俺の演奏や歌が破壊兵器レベルにまで酷くなったのはあんたのせいだと思っていいんだろ?」
「…そうだ。その通りだ」とゆっくりと頷く魔皇神。
「そこでだ。その事について反省しているか? もしも少しでも俺に対してすまないと思っているのであれば、誓約してほしい。俺の性奴隷になるという誓約をな」
「せ、性奴隷? いやいくらなんでも神である私にそんな事が許される筈が…」
「いやいや。俺の実父は一級創造神の分身だが、俺の性奴隷になったぜ? おまけに二級創造神の分身のフェランさんも親父よりも早く俺の性奴隷になったしな。
なあに、別に始終俺の側にいろって言っているわけじゃない。ただ俺が命じた時に力を貸してくれたらいいってわけさ。普段はここにいてくれて構わない。俺があんたを呼ぶか、力を貸す…例えばポーションや道具を送るとか、遠隔で魔法を使うとかしてくれたらいいんだ。これならあんたでも大丈夫だろ?」
「…わかった。確かに今回の一件は私でも予想外の出来事だった。だから私が性奴隷になってそれで其方の気が済むのなら、それでいい。それに其方なら私を不当に扱うことはしないだろうからな」
意外とあっさりと性奴隷になる事に同意したので、俺も、俺の腕に絡みついているアナントスも驚いていた。
「そうか。意外とあっさりと同意してくれたようで嬉しいよ。それじゃ誓約してもらおうか。…ああ、アナントスの誓約を破れるとは思わない方がいいぜ? 今は頼もしい助っ人がいるからな!」
俺がパチンと指を鳴らすと、待ってましたといわんばかりに水色の蜘蛛と30cmのでかいスズメが俺を守るように俺の左右に出現した。
「この神様達がアナントスの力を増幅させてくれる。言っておくが以前の二柱だとは思わない方がいい。俺の精液ポーションでパワーアップしていてな。全盛期よりもさらに強くなっているようだから、いかにあんたでもアナントスとこの御二人の結合した誓約を破ることはできないぜ?」
あっさりと俺の性奴隷になるのに同意したのは、アナントスの誓約など破れるという自信があったからだろう。
だが鳥の神マージュレンと蜘蛛の神レメキアンが来たことで、アナントスの誓約の力は彼女単体でいる時とは比べ物にならないほど強大無比のものとなった。
最初は拳を握り締めていたが、観念したのかフッと苦笑というか自嘲めいた笑顔を浮かべるようになった。
「いいだろう。ただの人間や獣人相手の性奴隷など我慢できずに自害する方を選ぶが、其方は半神半人。私のプライドも崩壊しなくていいし、すでに分身とはいえ創造神二柱がすでに性奴隷になっているのであれば、他の神々も反対したりすることはないだろう。笑い者になったり、嫌われるのは慣れているからな」
こうして魔皇神は鳥の神マージュレンと蜘蛛の神レメキアンの協力のお陰で、彼一柱では絶対に破れない誓約をすることになり、俺が存在する限り永遠に俺の性奴隷になることを誓約した。
俺はがっくりと両手を床につけて項垂れている魔皇神を抱きしめていた。
鳥と蜘蛛の神は空気を読んだのか、いつの間にか帰っていた。
そして俺は名実共に俺の性奴隷になった魔皇神を、また分身を二体創ってまる一月の間、狂ったように魔皇神とやりまくった。
ついでに俺は魔皇神の菊門に肉棒を突っ込みながら、完全支配の首輪の機能改善を命じた。
今のままだと首輪を付けた者が俺に恋をする余りに、首輪を付けた者同士で殺し合いになる可能性が高い。
だから首輪を付けた者が殺し合わないように、同じ首輪を身に着けた同志として協力し合うようにしろと命じたのだ。
そしたらあっさりと了承してくれた。目をつぶって腕を一振りしたら、それで終わったようだった。
ってそれだけ? まあ首輪については後で元・犯罪者の10人のおっさん達を見ればわかるか。
おかげで俺は完全支配の首輪を装備した者同士が俺を巡って奪い合いになって殺し合うという、悩みから解放されたのが嬉しかった。
いろいろと無駄になった事が多かったが、魔皇神を性奴隷にできたことと、完全支配の首輪についての機能改善が為された事は俺にとっては大きかった。
これでもう魔皇神が嫉妬のあまりにレヴィンやヴェルゼラートを殺さないか、と悩む苦悩から解放されたし!
何より同じ性奴隷として早速馬鹿親父のゴルンルプスや元・老人の美少女性奴隷のフェランさんからいろいろと性奴隷としての心構えや態度、行動といったものを教わっている。
二人、いや二柱とも分身とはいえ、それぞれ一級創造神と二級創造神だからな。さすがの魔皇神でも頭が上がらないようで、素直に二人の言う事に従っている。
楽器演奏が最低最悪の出来で、対処するには神器作成しかないわけで。
その為にはインフィニティ・フォースという無限の力を見つけないといけないわけだが、それを探すのに時間がかかるし、それを使用して神器作成するのにも知識と技術がいる。
あと俺が武器とか防具を作ってやっても壊れないという保証はないからな。面倒だがそれほど広くない空間を開いてそこへ収納する為の道具とか作ってみるかな。着替えや食料、水。
これだけでも旅をするのに結構な荷物になるし。商人だと馬とか馬車が使えるけど冒険者は基本、徒歩だからな。
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【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
オリコンランキングライトノベル 週間BOOKランキング 18位(2025年9月29日付)
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